薬効分類 | 向下垂体前葉ホルモン > ソマトスタチンアナログ |
一般名 | パシレオチドパモ酸塩キット |
薬価 | 196787円 |
メーカー | レコルダティ・レア・ディジーズ |
最終更新 | 2024年04月改訂(第3版) |
〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉
通常、成人にはパシレオチドとして40mgを4週毎に3ヵ月間、臀部筋肉内に注射する。その後は患者の状態に応じて、20mg、40mg又は60mgを4週毎に投与する。
〈クッシング病〉
通常、成人にはパシレオチドとして10mgを4週毎に、臀部筋肉内に注射する。なお、患者の状態に応じて適宜増量できるが、最高用量は40mgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉用量は60mgを上限とし、成長ホルモン濃度、IGF−1濃度及び臨床症状により、20mg単位で適宜増減できる。なお、先端巨大症・下垂体性巨人症の場合、60mgまで増量しても改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
7.2. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉中等度<Child−Pugh分類クラスB>の肝機能障害のある患者では、20mgを4週毎に3ヵ月間、臀部筋肉内に注射し、その後は患者の状態に応じて20mg又は40mgを4週毎に投与する〔8.3、9.3.2、16.6.2参照〕。
7.3. 〈クッシング病〉用量は40mgを上限とし、血中・尿中コルチゾール値、臨床症状等により、10mg〜40mgの範囲で適宜増減できる。なお、クッシング病の場合、40mgまで増量しても改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
7.4. 〈クッシング病〉中等度<Child−Pugh分類クラスB>の肝機能障害のある患者では、10mgを4週毎に臀部筋肉内に注射する(なお、患者の状態に応じて適宜増量できるが、最高用量は20mgとする)〔8.3、9.3.2、16.6.2参照〕。
1). 次記疾患における成長ホルモン分泌過剰状態、IGF−1分泌過剰状態(ソマトメジン−C分泌過剰状態)及び諸症状の改善:先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)。
2). クッシング病(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉下垂体性巨人症については、脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。
5.2. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉高血糖の発症リスクを考慮し、他のソマトスタチンアナログで効果が不十分な場合など、本剤による治療がより適切と考えられる場合に使用すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高血糖、糖尿病の発症又は糖尿病増悪(63.4%):糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡に至るおそれがあるので、高血糖が認められた場合は、直ちに糖尿病治療薬を投与するなど適切な処置を行い、血糖コントロールの改善が認められない場合は本剤の減量又は投与中止を考慮すること〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.2. 徐脈(5.7%)、QT延長(1.7%):徐脈又はQT延長が認められた場合、β遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者においては、これらの用量を調節すること〔8.2、9.1.2、9.1.3、10.2参照〕。
11.1.3. 肝機能障害(6.3%):ALT増加、AST増加、γ−GTP増加を伴う肝機能障害を起こすことがあるので、黄疸や顕著な肝機能検査値異常が認められた場合には、本剤投与の中止を考慮すること〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液及びリンパ系障害:(5%未満)貧血。
2). 内分泌障害:(5%未満)副腎機能不全。
3). 神経系障害:(5%未満)頭痛、浮動性めまい。
4). 胃腸障害:(5%以上)下痢、腹痛、悪心、腹部膨満、(5%未満)嘔吐。
5). 肝胆道系障害:(5%以上)胆石症、(5%未満)胆嚢炎、胆汁うっ滞。
6). 皮膚及び皮下組織障害:(5%以上)脱毛症。
7). 臨床検査:(5%未満)血中CK増加、グリコヘモグロビン増加、リパーゼ増加、血中アミラーゼ増加、血中コルチゾール減少、プロトロンビン時間延長。
8). 全身障害及び注射部位反応:(5%以上)疲労、(5%未満)注射部位疼痛。
9). 代謝及び栄養障害:(5%未満)低血糖、食欲減退。
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重度<Child−Pugh分類クラスC>の肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
8.1. 〈効能共通〉本剤の作用機序によりインスリン等の分泌が低下することで、高血糖を起こすことがあるので、投与開始前、投与開始後1ヵ月までは週1回、投与開始後1ヵ月から投与開始後3ヵ月までは1〜2週に1回、血糖値を測定し、患者の状態を注意深く観察すること。本剤投与中は投与開始後4ヵ月以降も定期的に血糖値(空腹時血糖、HbA1c等)を測定し、本剤投与中止後も必要に応じて血糖値を測定すること。本剤の用量を増量する場合は、増量後4〜6週間までは週1回を目安に血糖値を測定すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 〈効能共通〉徐脈及びQT延長があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始3週後を目安に心電図検査を行い、また、その後も必要に応じて心電図検査を行うこと〔9.1.2、9.1.3、11.1.2参照〕。
8.3. 〈効能共通〉ALT上昇、AST上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前、投与開始2〜3週後、その後投与開始後3ヵ月までは月1回を目安に、それ以降は定期的に肝機能検査を行うこと〔7.2、7.4、11.1.3参照〕。
8.4. 〈効能共通〉胆石の形成又は胆石症悪化(急性胆嚢炎、胆管炎又は膵炎)があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は、定期的に(6〜12ヵ月毎)超音波、X線による胆嚢及び胆管検査を行うことが望ましい。
8.5. 〈効能共通〉本剤の投与中は複数の下垂体ホルモン分泌抑制されるおそれがあるので、必要に応じて、投与開始前及び投与中は定期的に下垂体機能検査を行うこと。
8.6. 〈効能共通〉本剤の投与中に甲状腺機能低下を伴うことがあるので、患者の状態を十分に観察すること(甲状腺関連異常所見が認められた場合には甲状腺機能検査を行うこと)。
8.7. 〈効能共通〉本剤の投与中に副腎皮質機能低下し、低コルチゾール血症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること(脱力、疲労、食欲不振、悪心、嘔吐、低血圧、低ナトリウム血症、低血糖等の症状があらわれた場合には主治医に連絡するよう指導し、低コルチゾール血症が疑われた場合には、本剤の減量又は休薬を考慮するとともに、必要に応じて適切な処置を行うこと)。
8.8. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉病態悪化に伴い、下垂体腺腫が進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので患者の状態を十分に観察すること(腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切替え等適切な処置を行うこと)。
8.9. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉成長ホルモン及びIGF−1を定期的に測定することが望ましい。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 糖尿病の患者:投与開始前に血糖値(空腹時血糖、HbA1c等)を測定し、血糖をコントロールしておくこと(投与開始後1ヵ月から投与開始後3ヵ月までは週1回、血糖値を測定することが望ましい)、糖尿病が悪化するおそれがある〔8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 臨床的に重大な徐脈、急性心筋梗塞、高度心ブロック、うっ血性心不全、不安定狭心症、持続性心室性頻脈、心室細動の既往歴のある患者:徐脈があらわれる又は徐脈悪化するおそれがある〔8.2、11.1.2参照〕。
9.1.3. QT延長のある患者(先天性QT延長症候群、うっ血性心不全、低カリウム血症又は低マグネシウム血症の患者):低カリウム血症又は低マグネシウム血症の患者に本剤を投与する場合には、投与開始前に必ず電解質の補正を行い、投与中は定期的に血液検査を行うこと(QT延長悪化するおそれがある)〔8.2、11.1.2参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度<Child−Pugh分類クラスC>の肝機能障害患者:投与しないこと(血中濃度が上昇し、副作用がおこりやすくなるおそれがある)〔2.2、16.6.2参照〕。
9.3.2. 中等度<Child−Pugh分類クラスB>の肝機能障害患者:患者の状態に応じて適宜用量を調節すること(血中濃度が上昇するおそれがある)〔7.2、7.4、16.6.2参照〕。
9.3.3. 軽度<Child−Pugh分類クラスA>の肝機能障害患者:血中濃度が上昇するおそれがある〔16.6.2参照〕。
10.2. 併用注意:
1). シクロスポリン<経口>[シクロスポリンの血中濃度が低下することがある(動物実験(イヌ)において、本剤がシクロスポリンの消化管吸収を阻害し、血中濃度を低下させたとの報告がある)]。
2). 抗不整脈剤、QT延長を起こすことが知られている薬剤〔11.1.2参照〕[QT延長を起こす又は悪化させるおそれがあるため、観察を十分に行うこと(いずれもQT延長の副作用を有するため)]。
3). β遮断剤(アテノロール等)、カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)、水分や電解質を補正する薬剤〔11.1.2参照〕[併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められるおそれがある(いずれも徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある)]。
4). CYP3A4で代謝される薬剤(キニジン等)[主にCYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を上昇させることがある(本剤が成長ホルモンの産生を抑制することにより、間接的にCYP3A4で代謝される薬剤のクリアランスを低下させる可能性がある)]。
5). ブロモクリプチン[ブロモクリプチンとの併用により、類薬<オクトレオチド>でブロモクリプチンのAUCが上昇したとの報告がある(機序は不明である)]。
6). インスリン製剤、血糖降下剤[糖尿病用薬との併用時には低血糖の発現に注意し、低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと(インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある)]。
患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること(一般に、生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット、ウサギ)で、母動物に毒性が発現する用量で、早期吸収胚数発現率増加/総吸収胚数発現率増加、生存胎仔数減少、胎仔体重減少、流産及び骨格変異を含む生殖発生毒性が認められている。また、動物実験(ラット)で、臨床曝露量以下で雌の受胎能に影響が認められている(黄体数減少、着床数減少及び生存胎仔数減少、発情周期異常))。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤の使用にあたっては、取扱い方法を示した付属の文書を熟読すること。
14.1.2. 調製は必ず付属の専用分散液及びバイアルアダプターを使用し、薬剤及び専用分散液を少なくとも30分室温で静置し、内容物を室温に戻してから行うこと。
14.1.3. 専用分散液の全量をバイアル内に注入後、粉末が完全に懸濁するまで、水平方向に穏やかに振ること。
14.1.4. 用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 筋肉内のみに投与し、静脈内には投与しないこと。
14.2.2. 注射針は20ゲージを用いること。
14.2.3. 注射部位は臀部の左右外側上部とし、三角筋等他の筋には投与しないこと。
14.2.4. 臀部には左右交互に投与し、同一部位への投与は避けること。
14.2.5. 神経走行部位及び血管内への投与を避けること。
14.2.6. 注射針を刺入したとき、疼痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
14.3. 薬剤投与後の注意
14.3.1. 注射部位をもまないように患者に指示すること。
(保管上の注意)
凍結を避け、2〜8℃に保存。
薬効分類 | 向下垂体前葉ホルモン > ソマトスタチンアナログ |
一般名 | パシレオチドパモ酸塩キット |
薬価 | 196787円 |
メーカー | レコルダティ・レア・ディジーズ |
最終更新 | 2024年04月改訂(第3版) |
〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉
通常、成人にはパシレオチドとして40mgを4週毎に3ヵ月間、臀部筋肉内に注射する。その後は患者の状態に応じて、20mg、40mg又は60mgを4週毎に投与する。
〈クッシング病〉
通常、成人にはパシレオチドとして10mgを4週毎に、臀部筋肉内に注射する。なお、患者の状態に応じて適宜増量できるが、最高用量は40mgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉用量は60mgを上限とし、成長ホルモン濃度、IGF−1濃度及び臨床症状により、20mg単位で適宜増減できる。なお、先端巨大症・下垂体性巨人症の場合、60mgまで増量しても改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
7.2. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉中等度<Child−Pugh分類クラスB>の肝機能障害のある患者では、20mgを4週毎に3ヵ月間、臀部筋肉内に注射し、その後は患者の状態に応じて20mg又は40mgを4週毎に投与する〔8.3、9.3.2、16.6.2参照〕。
7.3. 〈クッシング病〉用量は40mgを上限とし、血中・尿中コルチゾール値、臨床症状等により、10mg〜40mgの範囲で適宜増減できる。なお、クッシング病の場合、40mgまで増量しても改善がみられない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
7.4. 〈クッシング病〉中等度<Child−Pugh分類クラスB>の肝機能障害のある患者では、10mgを4週毎に臀部筋肉内に注射する(なお、患者の状態に応じて適宜増量できるが、最高用量は20mgとする)〔8.3、9.3.2、16.6.2参照〕。
1). 次記疾患における成長ホルモン分泌過剰状態、IGF−1分泌過剰状態(ソマトメジン−C分泌過剰状態)及び諸症状の改善:先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)。
2). クッシング病(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉下垂体性巨人症については、脳性巨人症や染色体異常など他の原因による高身長例を鑑別し、下垂体性病変に由来するものであることを十分に確認すること。
5.2. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉高血糖の発症リスクを考慮し、他のソマトスタチンアナログで効果が不十分な場合など、本剤による治療がより適切と考えられる場合に使用すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高血糖、糖尿病の発症又は糖尿病増悪(63.4%):糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡に至るおそれがあるので、高血糖が認められた場合は、直ちに糖尿病治療薬を投与するなど適切な処置を行い、血糖コントロールの改善が認められない場合は本剤の減量又は投与中止を考慮すること〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.2. 徐脈(5.7%)、QT延長(1.7%):徐脈又はQT延長が認められた場合、β遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者においては、これらの用量を調節すること〔8.2、9.1.2、9.1.3、10.2参照〕。
11.1.3. 肝機能障害(6.3%):ALT増加、AST増加、γ−GTP増加を伴う肝機能障害を起こすことがあるので、黄疸や顕著な肝機能検査値異常が認められた場合には、本剤投与の中止を考慮すること〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液及びリンパ系障害:(5%未満)貧血。
2). 内分泌障害:(5%未満)副腎機能不全。
3). 神経系障害:(5%未満)頭痛、浮動性めまい。
4). 胃腸障害:(5%以上)下痢、腹痛、悪心、腹部膨満、(5%未満)嘔吐。
5). 肝胆道系障害:(5%以上)胆石症、(5%未満)胆嚢炎、胆汁うっ滞。
6). 皮膚及び皮下組織障害:(5%以上)脱毛症。
7). 臨床検査:(5%未満)血中CK増加、グリコヘモグロビン増加、リパーゼ増加、血中アミラーゼ増加、血中コルチゾール減少、プロトロンビン時間延長。
8). 全身障害及び注射部位反応:(5%以上)疲労、(5%未満)注射部位疼痛。
9). 代謝及び栄養障害:(5%未満)低血糖、食欲減退。
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重度<Child−Pugh分類クラスC>の肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
8.1. 〈効能共通〉本剤の作用機序によりインスリン等の分泌が低下することで、高血糖を起こすことがあるので、投与開始前、投与開始後1ヵ月までは週1回、投与開始後1ヵ月から投与開始後3ヵ月までは1〜2週に1回、血糖値を測定し、患者の状態を注意深く観察すること。本剤投与中は投与開始後4ヵ月以降も定期的に血糖値(空腹時血糖、HbA1c等)を測定し、本剤投与中止後も必要に応じて血糖値を測定すること。本剤の用量を増量する場合は、増量後4〜6週間までは週1回を目安に血糖値を測定すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 〈効能共通〉徐脈及びQT延長があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始3週後を目安に心電図検査を行い、また、その後も必要に応じて心電図検査を行うこと〔9.1.2、9.1.3、11.1.2参照〕。
8.3. 〈効能共通〉ALT上昇、AST上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前、投与開始2〜3週後、その後投与開始後3ヵ月までは月1回を目安に、それ以降は定期的に肝機能検査を行うこと〔7.2、7.4、11.1.3参照〕。
8.4. 〈効能共通〉胆石の形成又は胆石症悪化(急性胆嚢炎、胆管炎又は膵炎)があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は、定期的に(6〜12ヵ月毎)超音波、X線による胆嚢及び胆管検査を行うことが望ましい。
8.5. 〈効能共通〉本剤の投与中は複数の下垂体ホルモン分泌抑制されるおそれがあるので、必要に応じて、投与開始前及び投与中は定期的に下垂体機能検査を行うこと。
8.6. 〈効能共通〉本剤の投与中に甲状腺機能低下を伴うことがあるので、患者の状態を十分に観察すること(甲状腺関連異常所見が認められた場合には甲状腺機能検査を行うこと)。
8.7. 〈効能共通〉本剤の投与中に副腎皮質機能低下し、低コルチゾール血症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること(脱力、疲労、食欲不振、悪心、嘔吐、低血圧、低ナトリウム血症、低血糖等の症状があらわれた場合には主治医に連絡するよう指導し、低コルチゾール血症が疑われた場合には、本剤の減量又は休薬を考慮するとともに、必要に応じて適切な処置を行うこと)。
8.8. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉病態悪化に伴い、下垂体腺腫が進展することがあり、これに伴い視野狭窄などの重篤な症状を生じることがあるので患者の状態を十分に観察すること(腫瘍の進展が認められた場合は、他の治療法への切替え等適切な処置を行うこと)。
8.9. 〈先端巨大症・下垂体性巨人症〉成長ホルモン及びIGF−1を定期的に測定することが望ましい。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 糖尿病の患者:投与開始前に血糖値(空腹時血糖、HbA1c等)を測定し、血糖をコントロールしておくこと(投与開始後1ヵ月から投与開始後3ヵ月までは週1回、血糖値を測定することが望ましい)、糖尿病が悪化するおそれがある〔8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 臨床的に重大な徐脈、急性心筋梗塞、高度心ブロック、うっ血性心不全、不安定狭心症、持続性心室性頻脈、心室細動の既往歴のある患者:徐脈があらわれる又は徐脈悪化するおそれがある〔8.2、11.1.2参照〕。
9.1.3. QT延長のある患者(先天性QT延長症候群、うっ血性心不全、低カリウム血症又は低マグネシウム血症の患者):低カリウム血症又は低マグネシウム血症の患者に本剤を投与する場合には、投与開始前に必ず電解質の補正を行い、投与中は定期的に血液検査を行うこと(QT延長悪化するおそれがある)〔8.2、11.1.2参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度<Child−Pugh分類クラスC>の肝機能障害患者:投与しないこと(血中濃度が上昇し、副作用がおこりやすくなるおそれがある)〔2.2、16.6.2参照〕。
9.3.2. 中等度<Child−Pugh分類クラスB>の肝機能障害患者:患者の状態に応じて適宜用量を調節すること(血中濃度が上昇するおそれがある)〔7.2、7.4、16.6.2参照〕。
9.3.3. 軽度<Child−Pugh分類クラスA>の肝機能障害患者:血中濃度が上昇するおそれがある〔16.6.2参照〕。
10.2. 併用注意:
1). シクロスポリン<経口>[シクロスポリンの血中濃度が低下することがある(動物実験(イヌ)において、本剤がシクロスポリンの消化管吸収を阻害し、血中濃度を低下させたとの報告がある)]。
2). 抗不整脈剤、QT延長を起こすことが知られている薬剤〔11.1.2参照〕[QT延長を起こす又は悪化させるおそれがあるため、観察を十分に行うこと(いずれもQT延長の副作用を有するため)]。
3). β遮断剤(アテノロール等)、カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)、水分や電解質を補正する薬剤〔11.1.2参照〕[併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められるおそれがある(いずれも徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある)]。
4). CYP3A4で代謝される薬剤(キニジン等)[主にCYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を上昇させることがある(本剤が成長ホルモンの産生を抑制することにより、間接的にCYP3A4で代謝される薬剤のクリアランスを低下させる可能性がある)]。
5). ブロモクリプチン[ブロモクリプチンとの併用により、類薬<オクトレオチド>でブロモクリプチンのAUCが上昇したとの報告がある(機序は不明である)]。
6). インスリン製剤、血糖降下剤[糖尿病用薬との併用時には低血糖の発現に注意し、低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと(インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある)]。
患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること(一般に、生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット、ウサギ)で、母動物に毒性が発現する用量で、早期吸収胚数発現率増加/総吸収胚数発現率増加、生存胎仔数減少、胎仔体重減少、流産及び骨格変異を含む生殖発生毒性が認められている。また、動物実験(ラット)で、臨床曝露量以下で雌の受胎能に影響が認められている(黄体数減少、着床数減少及び生存胎仔数減少、発情周期異常))。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤の使用にあたっては、取扱い方法を示した付属の文書を熟読すること。
14.1.2. 調製は必ず付属の専用分散液及びバイアルアダプターを使用し、薬剤及び専用分散液を少なくとも30分室温で静置し、内容物を室温に戻してから行うこと。
14.1.3. 専用分散液の全量をバイアル内に注入後、粉末が完全に懸濁するまで、水平方向に穏やかに振ること。
14.1.4. 用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 筋肉内のみに投与し、静脈内には投与しないこと。
14.2.2. 注射針は20ゲージを用いること。
14.2.3. 注射部位は臀部の左右外側上部とし、三角筋等他の筋には投与しないこと。
14.2.4. 臀部には左右交互に投与し、同一部位への投与は避けること。
14.2.5. 神経走行部位及び血管内への投与を避けること。
14.2.6. 注射針を刺入したとき、疼痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
14.3. 薬剤投与後の注意
14.3.1. 注射部位をもまないように患者に指示すること。
(保管上の注意)
凍結を避け、2〜8℃に保存。
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