薬剤情報
後発品
薬効分類定型抗精神病薬 > ブチロフェノン系精神神経用薬
一般名ブロムペリドール1mg錠
薬価5.7
メーカー沢井製薬
最終更新2024年03月改訂(第1版)

用法・用量

ブロムペリドールとして、通常成人1日3〜18mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日36mgまで増量することができる。

効能・効果

統合失調症。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと(本症発症時には白血球増加や血清CK上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている〔9.1.6参照〕。

11.1.2. 遅発性ジスキネジア(0.1%未満):長期投与により、遅発性ジスキネジア(口周部不随意運動、四肢不随意運動等)があらわれ、投与中止後も持続することがある(抗パーキンソン剤を投与しても症状が軽減しない場合があるので、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与継続の必要性を、他の抗精神病薬への変更も考慮して慎重に判断すること)。

11.1.3. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

11.1.4. 麻痺性イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること〔8.2参照〕。

11.1.5. 横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

11.1.6. 無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)。

11.1.7. 肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明):肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔9.1.8参照〕。

11.1.8. 心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)(頻度不明)〔9.1.2、10.2参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(0.1〜5%未満)血圧低下、頻脈、動悸、(0.1%未満)胸内苦悶感、(頻度不明)心電図変化(QT間隔延長、T波変化等)。

2). 肝臓:(頻度不明)肝障害。

3). 錐体外路症状:(5%以上)パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎、寡動、歩行障害、仮面様顔貌、嚥下障害、構音障害等)、アカシジア(静坐不能)、(0.1〜5%未満)ジスキネジア(口周部不随意運動、四肢不随意運動等の不随意運動、舌のもつれ等)、ジストニア(痙攣性斜頸、顔面攣縮・喉頭攣縮・頸部攣縮、後弓反張、眼球上転発作等)、(0.1%未満)アキネジア。

4). 眼:(0.1〜5%未満)霧視、(0.1%未満)眼調節障害、(頻度不明)角膜混濁・水晶体混濁、角膜色素沈着等。

5). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹。

6). 血液:(0.1%未満)貧血、(頻度不明)白血球減少。

7). 消化器:(0.1〜5%未満)食欲不振、悪心・嘔吐、胸やけ、便秘、腹部膨満感、下痢、(0.1%未満)胃不快感。

8). 内分泌:(0.1〜5%未満)月経異常、体重増加、体重減少、(0.1%未満)女性化乳房、乳汁分泌、(頻度不明)高プロラクチン血症。

9). 精神神経系:(0.1〜5%未満)睡眠障害、焦燥感、眠気、めまい・ふらつき、抑うつ、(0.1%未満)頭痛・頭重、知覚異常、性欲異常、痙攣発作、意識障害、もの忘れ、傾眠。

10). その他:(0.1〜5%未満)口渇、脱力感・倦怠感、鼻閉、発汗、排尿障害、立ちくらみ、尿閉、(0.1%未満)しびれ感、潮紅、浮腫、運動失調、発熱、(頻度不明)無力症、疲労。

禁忌

2.1. 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある]。

2.2. バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される]。

2.3. 重症心不全の患者[心筋に対する障害作用や血圧降下のおそれがある]。

2.4. パーキンソン病又はレビー小体型認知症の患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある]。

2.5. 本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の患者。

2.6. アドレナリン投与中<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く>の患者〔10.1参照〕。

2.7. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

8.2. 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること〔11.1.4参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 心・血管疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者:一過性血圧低下があらわれることがある。

9.1.2. QT延長を起こしやすい患者:低カリウム血症のある患者等では、QT延長が発現するおそれがある〔10.2、11.1.8参照〕。

9.1.3. てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある。

9.1.4. 甲状腺機能亢進状態にある患者:錐体外路症状が起こりやすい。

9.1.5. 薬物過敏症の患者。

9.1.6. 脱水を伴う身体的疲弊・栄養不良状態を伴う身体的疲弊等のある患者:Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい〔11.1.1参照〕。

9.1.7. 高温環境下にある患者:高熱反応が起こるおそれがある(体温調節中枢を抑制するため)。

9.1.8. 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者:肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている〔11.1.7参照〕。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:血中濃度が上昇するおそれがある。

相互作用

本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。

10.1. 併用禁忌:

アドレナリン<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く><ボスミン>〔2.6参照〕[アドレナリンの作用を逆転させ重篤な血圧低下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α、β−受容体の刺激剤であり、本剤のα−受容体遮断作用により、β−受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強される)]。

10.2. 併用注意:

1). 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等)[中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること(本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による)]。

2). アルコール(飲酒)[相互に作用を増強することがある(アルコールは中枢神経抑制作用を有する)]。

3). リチウム[リチウムとの併用により類似化合物<ハロペリドール>で心電図変化、類似化合物<ハロペリドール>で重症の錐体外路症状、類似化合物<ハロペリドール>で持続性のジスキネジア、類似化合物<ハロペリドール>で突発性のSyndrome malin(類似化合物<ハロペリドール>で突発性の悪性症候群)、類似化合物<ハロペリドール>で非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること(機序は不明であるが、併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている)]。

4). 抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン作動性抗パーキンソン剤、フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤等)[腸管麻痺等の抗コリン系の副作用が強くあらわれることがあり、また、精神症状が悪化したとの報告がある(併用により抗コリン作用が強くあらわれる)]。

5). メトクロプラミド、ドンペリドン[内分泌機能異常、錐体外路症状が発現することがある(これらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる)]。

6). タンドスピロンクエン酸塩[錐体外路症状を増強するおそれがある(タンドスピロンクエン酸塩は弱い抗ドパミン(D2)作用を有する)]。

7). ドパミン作動薬(レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩等)[これらの薬剤のドパミン作動薬としての作用が減弱することがある(ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる)]。

8). 薬物代謝酵素誘導作用を有する薬剤(カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン)[本剤の作用が減弱することがある(これらの薬剤の薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する)]。

9). イトラコナゾール[本剤の血中濃度が上昇することがある(イトラコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。

10). QT延長を起こすことが知られている薬剤〔9.1.2、11.1.8参照〕[QT延長があらわれるおそれがある(併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある)]。

11). アドレナリン含有歯科麻酔剤(リドカイン・アドレナリン歯科麻酔剤)[重篤な血圧低下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α、β−受容体の刺激剤であり、本剤のα−受容体遮断作用により、β−受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強されるおそれがある)]。

高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(錐体外路症状等の副作用があらわれやすい)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験で胎仔吸収増加等の胎仔毒性が報告されており、類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例及び動物実験で口蓋裂(マウス)、脳奇形(ハムスター)等の催奇形性及び着床数減少、胎仔吸収の増加(マウス)、流産率上昇(ラット)等の胎仔毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある)〔2.7参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(動物実験で乳汁中への移行がみられており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中への移行が報告されている)。

小児等

錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすいとの報告がある。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、主な症状は、低血圧、過度の鎮静、重症の錐体外路症状(筋強剛、振戦、ジストニア症状)等である(また、呼吸抑制及び低血圧を伴う昏睡状態や心電図異常(Torsade de Pointesを含む)があらわれることがある)。

13.2. 処置

過量投与時、低血圧や循環虚脱があらわれた場合には、輸液、血漿、アルブミン製剤、ノルアドレナリン等の昇圧剤(アドレナリンは禁忌)等の投与により血圧の確保等の処置を行う。過量投与時、重症の錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン剤を投与する。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(取扱い上の注意)

開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

15.1.2. 外国で実施された認知症に関連した精神病症状<承認外効能・効果>を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告があり、また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率上昇に関与するとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

マウスに臨床最大常用量の15倍(5mg/kg/日)以上を18ヵ月間経口投与した試験で、乳腺腫瘍、下垂体腫瘍等の腫瘍の発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ブロムペリドール錠1mg「サワイ」
ブロムペリドール錠1mg「サワイ」

ブロムペリドール錠1mg「サワイ」

定型抗精神病薬 > ブチロフェノン系精神神経用薬
2024年03月改訂(第1版)
薬剤情報
後発品
薬効分類定型抗精神病薬 > ブチロフェノン系精神神経用薬
一般名ブロムペリドール1mg錠
薬価5.7
メーカー沢井製薬
最終更新2024年03月改訂(第1版)

用法・用量

ブロムペリドールとして、通常成人1日3〜18mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日36mgまで増量することができる。

効能・効果

統合失調症。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと(本症発症時には白血球増加や血清CK上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている〔9.1.6参照〕。

11.1.2. 遅発性ジスキネジア(0.1%未満):長期投与により、遅発性ジスキネジア(口周部不随意運動、四肢不随意運動等)があらわれ、投与中止後も持続することがある(抗パーキンソン剤を投与しても症状が軽減しない場合があるので、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与継続の必要性を、他の抗精神病薬への変更も考慮して慎重に判断すること)。

11.1.3. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

11.1.4. 麻痺性イレウス(頻度不明):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること〔8.2参照〕。

11.1.5. 横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

11.1.6. 無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)。

11.1.7. 肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明):肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔9.1.8参照〕。

11.1.8. 心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)(頻度不明)〔9.1.2、10.2参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(0.1〜5%未満)血圧低下、頻脈、動悸、(0.1%未満)胸内苦悶感、(頻度不明)心電図変化(QT間隔延長、T波変化等)。

2). 肝臓:(頻度不明)肝障害。

3). 錐体外路症状:(5%以上)パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎、寡動、歩行障害、仮面様顔貌、嚥下障害、構音障害等)、アカシジア(静坐不能)、(0.1〜5%未満)ジスキネジア(口周部不随意運動、四肢不随意運動等の不随意運動、舌のもつれ等)、ジストニア(痙攣性斜頸、顔面攣縮・喉頭攣縮・頸部攣縮、後弓反張、眼球上転発作等)、(0.1%未満)アキネジア。

4). 眼:(0.1〜5%未満)霧視、(0.1%未満)眼調節障害、(頻度不明)角膜混濁・水晶体混濁、角膜色素沈着等。

5). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹。

6). 血液:(0.1%未満)貧血、(頻度不明)白血球減少。

7). 消化器:(0.1〜5%未満)食欲不振、悪心・嘔吐、胸やけ、便秘、腹部膨満感、下痢、(0.1%未満)胃不快感。

8). 内分泌:(0.1〜5%未満)月経異常、体重増加、体重減少、(0.1%未満)女性化乳房、乳汁分泌、(頻度不明)高プロラクチン血症。

9). 精神神経系:(0.1〜5%未満)睡眠障害、焦燥感、眠気、めまい・ふらつき、抑うつ、(0.1%未満)頭痛・頭重、知覚異常、性欲異常、痙攣発作、意識障害、もの忘れ、傾眠。

10). その他:(0.1〜5%未満)口渇、脱力感・倦怠感、鼻閉、発汗、排尿障害、立ちくらみ、尿閉、(0.1%未満)しびれ感、潮紅、浮腫、運動失調、発熱、(頻度不明)無力症、疲労。

禁忌

2.1. 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある]。

2.2. バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される]。

2.3. 重症心不全の患者[心筋に対する障害作用や血圧降下のおそれがある]。

2.4. パーキンソン病又はレビー小体型認知症の患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある]。

2.5. 本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の患者。

2.6. アドレナリン投与中<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く>の患者〔10.1参照〕。

2.7. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

8.2. 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること〔11.1.4参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 心・血管疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者:一過性血圧低下があらわれることがある。

9.1.2. QT延長を起こしやすい患者:低カリウム血症のある患者等では、QT延長が発現するおそれがある〔10.2、11.1.8参照〕。

9.1.3. てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある。

9.1.4. 甲状腺機能亢進状態にある患者:錐体外路症状が起こりやすい。

9.1.5. 薬物過敏症の患者。

9.1.6. 脱水を伴う身体的疲弊・栄養不良状態を伴う身体的疲弊等のある患者:Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい〔11.1.1参照〕。

9.1.7. 高温環境下にある患者:高熱反応が起こるおそれがある(体温調節中枢を抑制するため)。

9.1.8. 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者:肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている〔11.1.7参照〕。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:血中濃度が上昇するおそれがある。

相互作用

本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。

10.1. 併用禁忌:

アドレナリン<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く><ボスミン>〔2.6参照〕[アドレナリンの作用を逆転させ重篤な血圧低下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α、β−受容体の刺激剤であり、本剤のα−受容体遮断作用により、β−受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強される)]。

10.2. 併用注意:

1). 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等)[中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること(本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による)]。

2). アルコール(飲酒)[相互に作用を増強することがある(アルコールは中枢神経抑制作用を有する)]。

3). リチウム[リチウムとの併用により類似化合物<ハロペリドール>で心電図変化、類似化合物<ハロペリドール>で重症の錐体外路症状、類似化合物<ハロペリドール>で持続性のジスキネジア、類似化合物<ハロペリドール>で突発性のSyndrome malin(類似化合物<ハロペリドール>で突発性の悪性症候群)、類似化合物<ハロペリドール>で非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること(機序は不明であるが、併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている)]。

4). 抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン作動性抗パーキンソン剤、フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤等)[腸管麻痺等の抗コリン系の副作用が強くあらわれることがあり、また、精神症状が悪化したとの報告がある(併用により抗コリン作用が強くあらわれる)]。

5). メトクロプラミド、ドンペリドン[内分泌機能異常、錐体外路症状が発現することがある(これらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる)]。

6). タンドスピロンクエン酸塩[錐体外路症状を増強するおそれがある(タンドスピロンクエン酸塩は弱い抗ドパミン(D2)作用を有する)]。

7). ドパミン作動薬(レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩等)[これらの薬剤のドパミン作動薬としての作用が減弱することがある(ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる)]。

8). 薬物代謝酵素誘導作用を有する薬剤(カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン)[本剤の作用が減弱することがある(これらの薬剤の薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する)]。

9). イトラコナゾール[本剤の血中濃度が上昇することがある(イトラコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。

10). QT延長を起こすことが知られている薬剤〔9.1.2、11.1.8参照〕[QT延長があらわれるおそれがある(併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある)]。

11). アドレナリン含有歯科麻酔剤(リドカイン・アドレナリン歯科麻酔剤)[重篤な血圧低下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α、β−受容体の刺激剤であり、本剤のα−受容体遮断作用により、β−受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強されるおそれがある)]。

高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(錐体外路症状等の副作用があらわれやすい)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験で胎仔吸収増加等の胎仔毒性が報告されており、類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例及び動物実験で口蓋裂(マウス)、脳奇形(ハムスター)等の催奇形性及び着床数減少、胎仔吸収の増加(マウス)、流産率上昇(ラット)等の胎仔毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある)〔2.7参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(動物実験で乳汁中への移行がみられており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中への移行が報告されている)。

小児等

錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすいとの報告がある。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、主な症状は、低血圧、過度の鎮静、重症の錐体外路症状(筋強剛、振戦、ジストニア症状)等である(また、呼吸抑制及び低血圧を伴う昏睡状態や心電図異常(Torsade de Pointesを含む)があらわれることがある)。

13.2. 処置

過量投与時、低血圧や循環虚脱があらわれた場合には、輸液、血漿、アルブミン製剤、ノルアドレナリン等の昇圧剤(アドレナリンは禁忌)等の投与により血圧の確保等の処置を行う。過量投与時、重症の錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン剤を投与する。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(取扱い上の注意)

開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

15.1.2. 外国で実施された認知症に関連した精神病症状<承認外効能・効果>を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告があり、また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率上昇に関与するとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

マウスに臨床最大常用量の15倍(5mg/kg/日)以上を18ヵ月間経口投与した試験で、乳腺腫瘍、下垂体腫瘍等の腫瘍の発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

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