薬剤情報
後発品
薬効分類抗真菌薬 > トリアゾール系抗菌薬
一般名ボリコナゾール錠
薬価155.6
メーカー東和薬品
最終更新2023年08月改訂(第12版)

用法・用量

1.成人(体重40kg以上):ボリコナゾールとして初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は1回150mg又は1回200mgを1日2回食間に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には、増量できるが、初日投与量の上限は1回400mg1日2回、2日目以降投与量の上限は1回300mg1日2回までとする。

2.成人(体重40kg未満):ボリコナゾールとして初日は1回150mgを1日2回、2日目以降は1回100mgを1日2回食間に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には2日目以降の投与量を1回150mg1日2回まで増量できる。

3.小児(2歳以上12歳未満及び12歳以上で体重50kg未満):ボリコナゾール注射剤による投与を行った後、ボリコナゾールとして1回9mg/kgを1日2回食間に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には1mg/kgずつ増量し、忍容性が不十分の場合には1mg/kgずつ減量する(最大投与量として350mgを用いた場合は50mgずつ減量する)。但し、1回350mg1日2回を上限とする。

4.小児(12歳以上で体重50kg以上):ボリコナゾール注射剤による投与を行った後、ボリコナゾールとして1回200mgを1日2回食間に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には1回300mg1日2回まで増量できる。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.注射剤からボリコナゾールの投与を開始した成人患者において、経口投与可能であると医師が判断した場合は、錠剤又はドライシロップに切り替えることができる。

2.小児においては、注射剤からボリコナゾールの投与を開始し、患者の状態に応じて、経口投与可能であると医師が判断した場合に、錠剤又はドライシロップに切り替えることができるが、投与開始から1週間未満で注射剤から経口剤に変更した際の有効性及び安全性は検討されていないため慎重に判断する。なお、ボリコナゾール注射剤では食道カンジダ症の適応はないため、小児の食道カンジダ症に対する本剤の使用は推奨されない。

3.腎機能障害のある患者で注射剤の投与ができない成人患者に対しては、錠剤又はドライシロップを使用する。

4.軽度〜中等度肝機能低下(Child Pugh分類クラスA・Bの肝硬変に相当)がある患者では投与初日は通常の初日投与量とし、2日目以降は通常の2日目以降投与量の半量とする。

5.投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。

6.小児で用量を増減する時には、患者の状態を十分に観察し、効果及び副作用の発現を考慮して、必要最小限の増量又は減量にとどめる(但し、原則として、投与開始後及び増量後、少なくとも3日間は増量しない)。

7.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防については、好中球数が500/mm3以上に回復する、又は免疫抑制剤の投与終了など、適切な時期に投与を終了する[臨床試験において、180日を超えた投与の有効性及び安全性は検討されていない]。

効能・効果

1.次記の重症又は難治性真菌感染症:

1).侵襲性アスペルギルス症、肺アスペルギローマ、慢性壊死性肺アスペルギルス症。

2).カンジダ血症、食道カンジダ症、カンジダ腹膜炎、気管支カンジダ症・肺カンジダ症。

3).クリプトコッカス髄膜炎、肺クリプトコッカス症。

4).フサリウム症。

5).スケドスポリウム症。

2.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防。

効能・効果(補足)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

1.カンジダ感染の治療については、他の抗真菌剤が無効あるいは忍容性に問題があると考えられる場合に本剤の使用を考慮する。

2.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防における本剤の使用については、真菌感染に高リスクの患者(好中球数が500/mm3未満に減少することが予測される患者など)を対象に行う。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

2).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形紅斑:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑等が現れることがあるので、皮疹等の症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

3).肝障害:重篤な肝障害(肝炎、黄疸、肝不全、肝性昏睡等)が現れることがあり、死亡例も報告されているので、投与にあたっては、観察を十分に行い、必要に応じて肝機能検査を定期的(月に1〜2回)に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

4).心電図QT延長、心室頻拍、心室細動、不整脈、完全房室ブロック:心電図QT延長、心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)、心室細動、不整脈、完全房室ブロック、心室性二段脈、心室性期外収縮、頻脈等が現れることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

5).心不全:心不全が現れることがあるので、心機能に関する異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

6).腎障害:重篤な腎障害(急性腎障害、腎炎、腎尿細管壊死等)が現れることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

7).呼吸窮迫症候群:呼吸窮迫症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

8).ギラン・バレー症候群:ギラン・バレー症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

9).血液障害:骨髄抑制、汎血球減少、再生不良性貧血、無顆粒球症、播種性血管内凝固等の重篤な血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

10).偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎が現れることがあるので、腹痛、下痢が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

11).痙攣:痙攣等の神経障害が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。

12).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

13).間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

14).低血糖:重篤な低血糖が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

15).意識障害:意識消失、意識レベル低下等の意識障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合は、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行う。

1).血液及びリンパ系障害:(頻度不明)白血球減少症、血小板減少症、貧血、リンパ節症。

2).心臓障害:(頻度不明)動悸、心嚢液貯留、肺水腫、脚ブロック。

3).耳・迷路障害:(頻度不明)聴覚過敏、耳鳴、回転性眩暈。

4).内分泌障害:(頻度不明)ADH不適合分泌、副腎皮質機能不全、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症。

5).眼障害:(頻度不明)羞明、霧視、視覚障害、眼異常感、眼調節障害、色覚異常、複視、眼瞼浮腫、流涙増加、縮瞳、視神経乳頭浮腫、光視症、網膜滲出物、網膜出血、網膜毛細血管瘤、網膜裂孔、網膜血管炎、黄視症、眼瞼炎、視神経炎、強膜炎、角膜混濁、視神経萎縮。

6).胃腸障害:(頻度不明)悪心、嘔吐、腹部膨満、口唇ひび割れ、便秘、下痢、消化不良、胃潰瘍、痔核、イレウス、口唇乾燥、口唇粘膜脱落、口唇炎、逆流性食道炎、口内炎、腹痛、胃腸炎、十二指腸炎、歯肉炎、舌炎、膵炎、舌浮腫、腹膜炎。

7).全身障害及び投与局所様態:(頻度不明)無力症、胸痛、胸部圧迫感、異常感、倦怠感、末梢性浮腫、発熱、口渇、悪寒、注射部位反応/注射部位炎症、インフルエンザ症候群。

8).肝胆道系障害:(頻度不明)胆嚢炎、胆石症、肝腫大。

9).感染症及び寄生虫症:(頻度不明)副鼻腔炎。

10).代謝及び栄養障害:(頻度不明)食欲不振、高血糖、高カリウム血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、高コレステロール血症。

11).筋骨格及び結合組織障害:(頻度不明)背部痛、四肢痛、関節炎、骨膜炎。

12).神経系障害:(頻度不明)頭痛、認知不能症、健忘、浮動性眩暈、味覚異常、感覚減退、傾眠、会話障害、振戦、視野欠損、末梢性ニューロパチー、錯感覚、失調、脳浮腫、筋緊張亢進、眼振、失神、注視痙攣、錐体外路症候群。

13).精神障害:(頻度不明)不眠症、錯乱状態、幻覚、幻聴、幻視、不安、うつ病、激越。

14).腎及び尿路障害:(頻度不明)血尿、アルブミン尿。

15).呼吸器、気管支及び縦隔障害:(頻度不明)喀血。

16).皮膚及び皮下組織障害:(頻度不明)皮膚乾燥、湿疹、紅斑、結節性紅斑、発疹、毛髪変色、光線過敏性反応、多汗、皮膚そう痒症、丘疹、皮膚落屑、蕁麻疹、顔面浮腫、斑状丘疹状皮疹、脱毛症、剥脱性皮膚炎、紫斑、固定薬疹、乾癬、血管浮腫、皮膚エリテマトーデス、偽性ポルフィリン症。

17).血管障害:(頻度不明)潮紅、低血圧、血栓性静脈炎、静脈炎、リンパ管炎。

18).臨床検査:(頻度不明)ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、Al−P増加、γ−GTP増加、血中ビリルビン増加、血中カルシウム増加、血中クレアチニン増加、LDH増加、血中カリウム減少、血中カリウム増加、血圧低下、血圧上昇、フィブリンDダイマー増加、血清FDP増加、膵アミラーゼ増加、好酸球増加、血小板数減少、BUN増加。

警告

1.本剤による治療にあたっては、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで、重症又は難治性の真菌感染症患者を対象に行う。

2.重篤な肝障害が現れることがあるので、投与にあたっては、観察を十分に行い、肝機能検査を定期的に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

3.羞明、霧視、視覚障害等の症状が現れ、本剤投与中止後も症状が持続することがあるので、本剤投与中及び投与中止後もこれらの症状が回復するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意する。

禁忌

1.次の薬剤を投与中の患者:リファンピシン投与中、リファブチン投与中、エファビレンツ投与中、リトナビル含有製剤投与中、カルバマゼピン投与中、長時間作用型バルビツール酸誘導体投与中、ピモジド投与中、キニジン硫酸塩水和物投与中、イバブラジン塩酸塩投与中、麦角アルカロイド投与中(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩)、トリアゾラム投与中、チカグレロル投与中、アスナプレビル投与中、ロミタピドメシル酸塩投与中、ブロナンセリン投与中、スボレキサント投与中、リバーロキサバン投与中、リオシグアト投与中、アゼルニジピン投与中、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン投与中、ベネトクラクス<再発又は難治性の慢性リンパ性白血病の用量漸増期>投与中(ベネトクラクス<再発又は難治性の小リンパ球性リンパ腫の用量漸増期>投与中を含む)、アナモレリン塩酸塩投与中、ルラシドン塩酸塩投与中、イサブコナゾニウム硫酸塩投与中。

2.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。

3.妊婦又は妊娠している可能性のある患者。

慎重投与

1.薬物過敏症の既往歴のある患者。

2.重度肝機能低下のある患者[重度の肝機能低下(Child Pugh分類クラスCの肝硬変に相当)のある患者での薬物動態、安全性は検討されていないため、重度肝機能低下のある患者への本剤投与の際は、定期的に検査を行うなど観察を十分に行う]。

3.不整脈を有する患者及び不整脈を発現しやすい状態にある患者。

4.ワルファリン投与中の患者。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.電解質異常のため、不整脈を発現しやすい状態にある患者に投与する場合は、投与前に電解質異常(カリウム、マグネシウム、カルシウム)を補正する。また、本剤と電解質異常を生じさせる可能性のある血液製剤を同時に投与しない。

2.本剤の投与に際しては必要に応じて血液検査、腎機能検査を行い、異常が認められた場合は、減量あるいは投与中止を考慮する。

3.本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行う。

4.視神経炎、視神経乳頭浮腫等の眼障害が現れ、本剤投与中止後も羞明、霧視、視覚障害等の症状が持続することがあるので、本剤を投与する患者にはあらかじめ説明し、必要に応じて眼科専門医を受診するよう指導する。

5.光線過敏性反応が現れることがあるので、本剤投与中は長袖の衣服、帽子等の着用により日光の照射を避け、日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により紫外線の照射を避ける。本剤投与中に光線過敏性反応が現れた場合は、本剤の投与を中止するが、やむを得ず投与を継続する場合は、皮膚科医を定期的に受診するよう指導し、日光角化症などの前癌病変の早期発見に留意する。

6.本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されているので、本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与する。

7.本剤はCYP3Aに対する強い阻害作用を有するため、患者の併用薬剤に注意し、併用薬にCYP3Aにより薬物動態学的相互作用を受けやすい薬剤(「併用注意」の項に記載されていない薬剤も含む)が含まれている場合は、必要に応じて併用薬の減量を考慮するなど慎重に投与する。

相互作用

本剤は、肝代謝酵素CYP2C19、2C9及び3A4で代謝され、CYP2C19、2C9及び3A4の阻害作用を有する(in vitro)。CYP3Aに対する阻害作用は強い。

1.併用禁忌:

1).リファンピシン<リマクタン、アプテシン、リファジン>[リファンピシンとの併用により、本剤のCmaxは93%・AUCは96%減少した(リファンピシンは、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

2).リファブチン:

(1).リファブチン<ミコブティン>[リファブチンとの併用により、本剤のCmaxは69%・AUCは78%減少した(リファブチンは、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

(2).リファブチン<ミコブティン>[本剤との併用によりリファブチンのCmaxは3.0倍・AUCは4.3倍増加した(本剤はリファブチンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

3).エファビレンツ:

(1).エファビレンツ<ストックリン>[エファビレンツとの併用により、本剤のCmaxは61%・AUCは77%減少した(エファビレンツは、本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導する)]。

(2).エファビレンツ<ストックリン>[本剤との併用によりエファビレンツのCmaxは1.4倍・AUCは1.4倍増加した(本剤はエファビレンツの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

4).リトナビル<ノービア>、リトナビル含有製剤<カレトラ、パキロビッドパック>[リトナビルとの併用により、本剤のCmaxは66%・AUCは82%減少した(リトナビルは、本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導する)]。

5).カルバマゼピン<テグレトール>、長時間作用型バルビツール酸誘導体(バルビタール、フェノバルビタール)[これらの薬剤との併用により、本剤の代謝が促進され血中濃度が減少する恐れがある(これらの薬剤は、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

6).ピモジド<オーラップ>、キニジン硫酸塩水和物(硫酸キニジン)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加し、QT延長、心室性不整脈<Torsade de Pointesを含む>などの心血管系の副作用を引き起こす恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

7).イバブラジン塩酸塩<コララン>[本剤との併用により、イバブラジンの血中濃度が増加し過度の徐脈が現れる恐れがある(本剤はイバブラジンの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

8).麦角アルカロイド(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩<パルタンM>)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加し麦角中毒を引き起こす恐れがある(本剤はこれら薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

9).トリアゾラム<ハルシオン>[本剤との併用により、トリアゾラムの血中濃度が増加し作用の増強や作用時間延長を引き起こす恐れがある(本剤はトリアゾラムの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

10).チカグレロル<ブリリンタ>[本剤との併用により、チカグレロルの血中濃度が上昇し血小板凝集抑制作用が増強する恐れがある(本剤はチカグレロルの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

11).アスナプレビル<スンベプラ>[本剤との併用により、アスナプレビルの血中濃度が上昇し肝臓に関連した有害事象が発現又は重症化する恐れがある(本剤はアスナプレビルの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

12).ロミタピドメシル酸塩<ジャクスタピッド>[本剤との併用により、ロミタピドの血中濃度が上昇する恐れがある(本剤はロミタピドの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

13).ブロナンセリン<ロナセン>[本剤との併用により、ブロナンセリンの血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はブロナンセリンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

14).スボレキサント<ベルソムラ>[本剤との併用により、スボレキサントの血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はスボレキサントの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

15).リバーロキサバン<イグザレルト>[本剤との併用により、リバーロキサバンの血中濃度が上昇し抗凝固作用が増強することにより出血の危険性が増大する恐れがある(本剤はリバーロキサバンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

16).リオシグアト<アデムパス>[本剤との併用により、リオシグアトの血中濃度が上昇する恐れがある(本剤はリオシグアトの代謝酵素である複数のCYP分子種(CYP1A1、CYP3A等)を阻害する)]。

17).アゼルニジピン<カルブロック>、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン<レザルタス>[本剤との併用により、アゼルニジピンの血中濃度が上昇する恐れがある(本剤はアゼルニジピンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

18).ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)<ベネクレクスタ>[本剤との併用により、ベネトクラクスの血中濃度が増加し腫瘍崩壊症候群の発現が増強される恐れがある(本剤はベネトクラクスの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

19).アナモレリン塩酸塩<エドルミズ>[本剤との併用により、アナモレリンの血中濃度が増加し副作用の発現が増強される恐れがある(本剤はアナモレリンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

20).ルラシドン塩酸塩<ラツーダ>[本剤との併用により、ルラシドン塩酸塩の血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はルラシドン塩酸塩の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

21).イサブコナゾニウム硫酸塩<クレセンバ>[本剤との併用により、イサブコナゾールの血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はイサブコナゾールの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

2.併用注意:

1).ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病)[本剤との併用により、ベネトクラクスの血中濃度が増加する恐れがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意する(本剤はベネトクラクスの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

2).バレメトスタットトシル酸塩[本剤との併用により、バレメトスタットの血中濃度が増加する恐れがあるので、バレメトスタットを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意する(本剤はバレメトスタットの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

3).抗てんかん薬:

(1).抗てんかん薬(フェニトイン)[フェニトインとの併用により、本剤のCmaxは49%・AUCは69%減少した(フェニトインは、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

(2).抗てんかん薬(フェニトイン)[本剤との併用により、フェニトインのCmaxは1.7倍・AUCは1.8倍増加した(本剤はフェニトインの代謝酵素(CYP2C9)を阻害する)]。

4).レテルモビル[レテルモビルとの併用により、本剤のCmaxは39%・AUC0−12は44%減少し、レテルモビルとの併用により、作用が減弱する恐れがある(レテルモビルは本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導すると考えられる)]。

5).チロシンキナーゼ阻害剤(ボスチニブ水和物、ニロチニブ塩酸塩水和物、イブルチニブ、ラロトレクチニブ硫酸塩、ロルラチニブ)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する恐れがあるため、代替薬への変更を考慮する(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

6).HIVプロテアーゼ阻害薬:

(1).HIVプロテアーゼ阻害薬<リトナビルは禁忌>(ホスアンプレナビル)[本剤との併用により、ホスアンプレナビルの活性代謝物であるアンプレナビルの血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験結果において、本剤はアンプレナビルの代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

(2).HIVプロテアーゼ阻害薬<リトナビルは禁忌>(ホスアンプレナビル)[ホスアンプレナビルとの併用により、本剤の血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験において、アンプレナビルは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

7).非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NNRTI):

(1).非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬<NNRTI><エファビレンツは禁忌>(デラビルジンメシル酸塩)[これらの薬剤との併用により、本剤の血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験結果において、これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

(2).非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬<NNRTI><エファビレンツは禁忌>(デラビルジンメシル酸塩)[これらの薬剤との併用により、本剤の血中濃度が減少する恐れがある(これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する恐れがある)]。

(3).非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬<NNRTI><エファビレンツは禁忌>(デラビルジンメシル酸塩)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験結果において、本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

8).トレチノイン[本剤との併用により、トレチノインの血中濃度が増加する恐れがある(本剤はトレチノインの代謝酵素(CYP)を阻害する)]。

9).免疫抑制剤:

(1).免疫抑制剤(シクロスポリン)[本剤との併用により、シクロスポリンのCmaxは1.1倍にAUCは1.7倍に増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

(2).免疫抑制剤(タクロリムス水和物)[本剤との併用により、タクロリムスのCmaxは2.2倍にAUCは3.2倍に増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

(3).免疫抑制剤(エベロリムス)[本剤との併用により、エベロリムスの血中濃度が増加する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

10).クマリン系抗凝血薬(ワルファリンカリウム)[本剤との併用により、プロトロンビン時間が1.9倍延長し、また、著しいINR上昇を来した症例が報告されている(本剤はワルファリンの代謝酵素(CYP2C9)を阻害する)]。

11).プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール)[本剤との併用により、オメプラゾールのCmaxは2.2倍・AUCは3.8倍増加した(本剤はオメプラゾールの代謝酵素(CYP2C19及びCYP3A4)を阻害する)]。

12).ミダゾラム[本剤との併用により、ミダゾラム0.05mg/kg単回静脈内投与時のミダゾラムのAUCは3.7倍に増加(本剤はミダゾラムの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)し、ミダゾラム7.5mg単回経口投与(本邦未承認)時のミダゾラムのCmaxは3.8倍にAUCは10.3倍に増加した(本剤はミダゾラムの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

13).HMG−CoA還元酵素阻害薬[本剤との併用により、HMG−CoA還元酵素阻害薬の血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験において、本剤はHMG−CoA還元酵素阻害薬の代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

14).ジアゼパム[本剤との併用により、ジアゼパムのAUCは増加し血中濃度半減期は延長した(本剤はジアゼパムの代謝酵素(CYP3A4及びCYP2C19)を阻害する)]。

15).ゾルピデム[本剤との併用により、ゾルピデムのCmaxは1.2倍・AUCは1.5倍増加した(本剤はゾルピデムの代謝酵素(CYP3A4及びCYP2C9)を阻害する)]。

16).スルホニル尿素系血糖降下薬(トルブタミド)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害する)]。

17).ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬(ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

18).メサドン塩酸塩[本剤との併用により、メサドンのCmaxが30.7%・AUCが47.2%増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

19).オキシコドン[本剤との併用により、オキシコドンのCmaxとAUCが増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

20).フェンタニル[本剤との併用により、フェンタニルのAUCが増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

21).イブプロフェン、ジクロフェナク[本剤との併用により、これらの薬剤のCmaxとAUCが増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害する)]。

22).経口避妊薬:

(1).経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)[ノルエチステロン・エチニルエストラジオールとの併用により、本剤のCmaxは14%・AUCは46%増加した(これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP2C19)を阻害する)]。

(2).経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)[本剤との併用により、エチニルエストラジオールのCmaxは36%・AUCは61%増加し、ノルエチステロンのCmaxは15%・AUCは53%増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

23).セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[セイヨウオトギリソウとの併用により、本剤のAUCは59%減少したので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意する(セイヨウオトギリソウは、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、用量に留意するなど慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.動物実験で催奇形性作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない[ラット10mg/kg以上投与において催奇形性(口蓋裂、水腎症/尿管水腫)、ウサギ100mg/kg投与において胎仔毒性(胎仔死亡率増加、胎仔骨格変異等)が認められた]。

2.授乳中の女性への投与に関する安全性は確立されていないので、授乳中の女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与する(母乳中への移行は不明であるため、授乳中の女性には授乳を避けさせる)。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

1.低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児に対する安全性は確立していない(本剤の使用経験はない)。

2.小児で光線過敏性反応及び皮膚扁平上皮癌が発現した報告もあるので、日光の照射を避ける。小児で皮膚弾力性低下、皮膚色素沈着や皮膚色素脱失等の皮膚光老化が認められた場合は、日光の照射を避け、投与中止後も観察を行うことが望ましい。

3.小児を対象とした海外臨床試験では、成人と比べ肝酵素上昇の発現頻度が高いことが報告されているので、投与に際しては観察を十分に行う。

過量投与

外国で健康成人にボリコナゾール製剤(錠剤)を1600mg単回投与した際、視覚異常、色視症、頭痛、浮動性眩暈、幻覚、不眠症、羞明等が認められた[本剤に対する解毒剤は明らかでないため、本剤の過量投与時には、患者の臨床状態を観察するなど一般的な支持療法及び対症療法を行う(必要に応じて、胃洗浄等を行うなどして未吸収の薬剤を除去する)]。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、通常の市場流通下においてそれぞれ3年間安定であることが推測された。

その他の注意

1.外国人患者において、ボリコナゾールの血漿中濃度と肝機能検査値異常発現率の間に統計的に有意な関連性が認められた。日本人健康成人においては、肝機能障害が発生した症例で、かつ、血漿中濃度が測定されていた症例の血漿中濃度トラフ値はいずれも4.5μg/mL以上であった。また、他社が実施した国内臨床試験では有効性及び安全性に応じた投与量の調整に加え、目安としてトラフ血漿中濃度が4.5μg/mL以上の場合、必要に応じて投与量を減量する血中濃度モニタリングを実施した。他社が実施した国内外の臨床試験データからは肝機能検査値異常の出現を予測する血漿中濃度の閾値は認められていない。

2.肺移植あるいは心肺移植患者を対象とした海外の観察研究において、本剤曝露患者では皮膚扁平上皮癌の発生リスクがアゾール系抗真菌薬非曝露患者と比較して有意に高く(ハザード比:2.39、95%信頼区間1.31−4.37)、この発生リスクは180日を超える長期曝露の患者で高い(ハザード比:3.52、95%信頼区間1.59−7.79)との報告がある。

3.ボリコナゾール製剤投与後に、皮膚扁平上皮癌及び悪性黒色腫が発生したとの報告がある。また、ボリコナゾール製剤長期投与中に、光線過敏性反応を発現している患者で皮膚扁平上皮癌及び悪性黒色腫が発生したとの報告がある。

ボリコナゾール錠50mg「トーワ」
ボリコナゾール錠50mg「トーワ」

ボリコナゾール錠50mg「トーワ」

抗真菌薬 > トリアゾール系抗菌薬
2023年08月改訂(第12版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗真菌薬 > トリアゾール系抗菌薬
一般名ボリコナゾール錠
薬価155.6
メーカー東和薬品
最終更新2023年08月改訂(第12版)

用法・用量

1.成人(体重40kg以上):ボリコナゾールとして初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は1回150mg又は1回200mgを1日2回食間に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には、増量できるが、初日投与量の上限は1回400mg1日2回、2日目以降投与量の上限は1回300mg1日2回までとする。

2.成人(体重40kg未満):ボリコナゾールとして初日は1回150mgを1日2回、2日目以降は1回100mgを1日2回食間に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には2日目以降の投与量を1回150mg1日2回まで増量できる。

3.小児(2歳以上12歳未満及び12歳以上で体重50kg未満):ボリコナゾール注射剤による投与を行った後、ボリコナゾールとして1回9mg/kgを1日2回食間に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には1mg/kgずつ増量し、忍容性が不十分の場合には1mg/kgずつ減量する(最大投与量として350mgを用いた場合は50mgずつ減量する)。但し、1回350mg1日2回を上限とする。

4.小児(12歳以上で体重50kg以上):ボリコナゾール注射剤による投与を行った後、ボリコナゾールとして1回200mgを1日2回食間に経口投与する。なお、患者の状態に応じて、又は効果不十分の場合には1回300mg1日2回まで増量できる。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.注射剤からボリコナゾールの投与を開始した成人患者において、経口投与可能であると医師が判断した場合は、錠剤又はドライシロップに切り替えることができる。

2.小児においては、注射剤からボリコナゾールの投与を開始し、患者の状態に応じて、経口投与可能であると医師が判断した場合に、錠剤又はドライシロップに切り替えることができるが、投与開始から1週間未満で注射剤から経口剤に変更した際の有効性及び安全性は検討されていないため慎重に判断する。なお、ボリコナゾール注射剤では食道カンジダ症の適応はないため、小児の食道カンジダ症に対する本剤の使用は推奨されない。

3.腎機能障害のある患者で注射剤の投与ができない成人患者に対しては、錠剤又はドライシロップを使用する。

4.軽度〜中等度肝機能低下(Child Pugh分類クラスA・Bの肝硬変に相当)がある患者では投与初日は通常の初日投与量とし、2日目以降は通常の2日目以降投与量の半量とする。

5.投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。

6.小児で用量を増減する時には、患者の状態を十分に観察し、効果及び副作用の発現を考慮して、必要最小限の増量又は減量にとどめる(但し、原則として、投与開始後及び増量後、少なくとも3日間は増量しない)。

7.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防については、好中球数が500/mm3以上に回復する、又は免疫抑制剤の投与終了など、適切な時期に投与を終了する[臨床試験において、180日を超えた投与の有効性及び安全性は検討されていない]。

効能・効果

1.次記の重症又は難治性真菌感染症:

1).侵襲性アスペルギルス症、肺アスペルギローマ、慢性壊死性肺アスペルギルス症。

2).カンジダ血症、食道カンジダ症、カンジダ腹膜炎、気管支カンジダ症・肺カンジダ症。

3).クリプトコッカス髄膜炎、肺クリプトコッカス症。

4).フサリウム症。

5).スケドスポリウム症。

2.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防。

効能・効果(補足)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

1.カンジダ感染の治療については、他の抗真菌剤が無効あるいは忍容性に問題があると考えられる場合に本剤の使用を考慮する。

2.造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防における本剤の使用については、真菌感染に高リスクの患者(好中球数が500/mm3未満に減少することが予測される患者など)を対象に行う。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

2).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形紅斑:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑等が現れることがあるので、皮疹等の症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

3).肝障害:重篤な肝障害(肝炎、黄疸、肝不全、肝性昏睡等)が現れることがあり、死亡例も報告されているので、投与にあたっては、観察を十分に行い、必要に応じて肝機能検査を定期的(月に1〜2回)に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

4).心電図QT延長、心室頻拍、心室細動、不整脈、完全房室ブロック:心電図QT延長、心室頻拍(Torsade de Pointesを含む)、心室細動、不整脈、完全房室ブロック、心室性二段脈、心室性期外収縮、頻脈等が現れることがあるので、定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

5).心不全:心不全が現れることがあるので、心機能に関する異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

6).腎障害:重篤な腎障害(急性腎障害、腎炎、腎尿細管壊死等)が現れることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

7).呼吸窮迫症候群:呼吸窮迫症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

8).ギラン・バレー症候群:ギラン・バレー症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

9).血液障害:骨髄抑制、汎血球減少、再生不良性貧血、無顆粒球症、播種性血管内凝固等の重篤な血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

10).偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎が現れることがあるので、腹痛、下痢が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

11).痙攣:痙攣等の神経障害が現れることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。

12).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

13).間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

14).低血糖:重篤な低血糖が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

15).意識障害:意識消失、意識レベル低下等の意識障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合は、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行う。

1).血液及びリンパ系障害:(頻度不明)白血球減少症、血小板減少症、貧血、リンパ節症。

2).心臓障害:(頻度不明)動悸、心嚢液貯留、肺水腫、脚ブロック。

3).耳・迷路障害:(頻度不明)聴覚過敏、耳鳴、回転性眩暈。

4).内分泌障害:(頻度不明)ADH不適合分泌、副腎皮質機能不全、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症。

5).眼障害:(頻度不明)羞明、霧視、視覚障害、眼異常感、眼調節障害、色覚異常、複視、眼瞼浮腫、流涙増加、縮瞳、視神経乳頭浮腫、光視症、網膜滲出物、網膜出血、網膜毛細血管瘤、網膜裂孔、網膜血管炎、黄視症、眼瞼炎、視神経炎、強膜炎、角膜混濁、視神経萎縮。

6).胃腸障害:(頻度不明)悪心、嘔吐、腹部膨満、口唇ひび割れ、便秘、下痢、消化不良、胃潰瘍、痔核、イレウス、口唇乾燥、口唇粘膜脱落、口唇炎、逆流性食道炎、口内炎、腹痛、胃腸炎、十二指腸炎、歯肉炎、舌炎、膵炎、舌浮腫、腹膜炎。

7).全身障害及び投与局所様態:(頻度不明)無力症、胸痛、胸部圧迫感、異常感、倦怠感、末梢性浮腫、発熱、口渇、悪寒、注射部位反応/注射部位炎症、インフルエンザ症候群。

8).肝胆道系障害:(頻度不明)胆嚢炎、胆石症、肝腫大。

9).感染症及び寄生虫症:(頻度不明)副鼻腔炎。

10).代謝及び栄養障害:(頻度不明)食欲不振、高血糖、高カリウム血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、高コレステロール血症。

11).筋骨格及び結合組織障害:(頻度不明)背部痛、四肢痛、関節炎、骨膜炎。

12).神経系障害:(頻度不明)頭痛、認知不能症、健忘、浮動性眩暈、味覚異常、感覚減退、傾眠、会話障害、振戦、視野欠損、末梢性ニューロパチー、錯感覚、失調、脳浮腫、筋緊張亢進、眼振、失神、注視痙攣、錐体外路症候群。

13).精神障害:(頻度不明)不眠症、錯乱状態、幻覚、幻聴、幻視、不安、うつ病、激越。

14).腎及び尿路障害:(頻度不明)血尿、アルブミン尿。

15).呼吸器、気管支及び縦隔障害:(頻度不明)喀血。

16).皮膚及び皮下組織障害:(頻度不明)皮膚乾燥、湿疹、紅斑、結節性紅斑、発疹、毛髪変色、光線過敏性反応、多汗、皮膚そう痒症、丘疹、皮膚落屑、蕁麻疹、顔面浮腫、斑状丘疹状皮疹、脱毛症、剥脱性皮膚炎、紫斑、固定薬疹、乾癬、血管浮腫、皮膚エリテマトーデス、偽性ポルフィリン症。

17).血管障害:(頻度不明)潮紅、低血圧、血栓性静脈炎、静脈炎、リンパ管炎。

18).臨床検査:(頻度不明)ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、Al−P増加、γ−GTP増加、血中ビリルビン増加、血中カルシウム増加、血中クレアチニン増加、LDH増加、血中カリウム減少、血中カリウム増加、血圧低下、血圧上昇、フィブリンDダイマー増加、血清FDP増加、膵アミラーゼ増加、好酸球増加、血小板数減少、BUN増加。

警告

1.本剤による治療にあたっては、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで、重症又は難治性の真菌感染症患者を対象に行う。

2.重篤な肝障害が現れることがあるので、投与にあたっては、観察を十分に行い、肝機能検査を定期的に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

3.羞明、霧視、視覚障害等の症状が現れ、本剤投与中止後も症状が持続することがあるので、本剤投与中及び投与中止後もこれらの症状が回復するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意する。

禁忌

1.次の薬剤を投与中の患者:リファンピシン投与中、リファブチン投与中、エファビレンツ投与中、リトナビル含有製剤投与中、カルバマゼピン投与中、長時間作用型バルビツール酸誘導体投与中、ピモジド投与中、キニジン硫酸塩水和物投与中、イバブラジン塩酸塩投与中、麦角アルカロイド投与中(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩)、トリアゾラム投与中、チカグレロル投与中、アスナプレビル投与中、ロミタピドメシル酸塩投与中、ブロナンセリン投与中、スボレキサント投与中、リバーロキサバン投与中、リオシグアト投与中、アゼルニジピン投与中、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン投与中、ベネトクラクス<再発又は難治性の慢性リンパ性白血病の用量漸増期>投与中(ベネトクラクス<再発又は難治性の小リンパ球性リンパ腫の用量漸増期>投与中を含む)、アナモレリン塩酸塩投与中、ルラシドン塩酸塩投与中、イサブコナゾニウム硫酸塩投与中。

2.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。

3.妊婦又は妊娠している可能性のある患者。

慎重投与

1.薬物過敏症の既往歴のある患者。

2.重度肝機能低下のある患者[重度の肝機能低下(Child Pugh分類クラスCの肝硬変に相当)のある患者での薬物動態、安全性は検討されていないため、重度肝機能低下のある患者への本剤投与の際は、定期的に検査を行うなど観察を十分に行う]。

3.不整脈を有する患者及び不整脈を発現しやすい状態にある患者。

4.ワルファリン投与中の患者。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.電解質異常のため、不整脈を発現しやすい状態にある患者に投与する場合は、投与前に電解質異常(カリウム、マグネシウム、カルシウム)を補正する。また、本剤と電解質異常を生じさせる可能性のある血液製剤を同時に投与しない。

2.本剤の投与に際しては必要に応じて血液検査、腎機能検査を行い、異常が認められた場合は、減量あるいは投与中止を考慮する。

3.本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行う。

4.視神経炎、視神経乳頭浮腫等の眼障害が現れ、本剤投与中止後も羞明、霧視、視覚障害等の症状が持続することがあるので、本剤を投与する患者にはあらかじめ説明し、必要に応じて眼科専門医を受診するよう指導する。

5.光線過敏性反応が現れることがあるので、本剤投与中は長袖の衣服、帽子等の着用により日光の照射を避け、日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により紫外線の照射を避ける。本剤投与中に光線過敏性反応が現れた場合は、本剤の投与を中止するが、やむを得ず投与を継続する場合は、皮膚科医を定期的に受診するよう指導し、日光角化症などの前癌病変の早期発見に留意する。

6.本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されているので、本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与する。

7.本剤はCYP3Aに対する強い阻害作用を有するため、患者の併用薬剤に注意し、併用薬にCYP3Aにより薬物動態学的相互作用を受けやすい薬剤(「併用注意」の項に記載されていない薬剤も含む)が含まれている場合は、必要に応じて併用薬の減量を考慮するなど慎重に投与する。

相互作用

本剤は、肝代謝酵素CYP2C19、2C9及び3A4で代謝され、CYP2C19、2C9及び3A4の阻害作用を有する(in vitro)。CYP3Aに対する阻害作用は強い。

1.併用禁忌:

1).リファンピシン<リマクタン、アプテシン、リファジン>[リファンピシンとの併用により、本剤のCmaxは93%・AUCは96%減少した(リファンピシンは、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

2).リファブチン:

(1).リファブチン<ミコブティン>[リファブチンとの併用により、本剤のCmaxは69%・AUCは78%減少した(リファブチンは、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

(2).リファブチン<ミコブティン>[本剤との併用によりリファブチンのCmaxは3.0倍・AUCは4.3倍増加した(本剤はリファブチンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

3).エファビレンツ:

(1).エファビレンツ<ストックリン>[エファビレンツとの併用により、本剤のCmaxは61%・AUCは77%減少した(エファビレンツは、本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導する)]。

(2).エファビレンツ<ストックリン>[本剤との併用によりエファビレンツのCmaxは1.4倍・AUCは1.4倍増加した(本剤はエファビレンツの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

4).リトナビル<ノービア>、リトナビル含有製剤<カレトラ、パキロビッドパック>[リトナビルとの併用により、本剤のCmaxは66%・AUCは82%減少した(リトナビルは、本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導する)]。

5).カルバマゼピン<テグレトール>、長時間作用型バルビツール酸誘導体(バルビタール、フェノバルビタール)[これらの薬剤との併用により、本剤の代謝が促進され血中濃度が減少する恐れがある(これらの薬剤は、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

6).ピモジド<オーラップ>、キニジン硫酸塩水和物(硫酸キニジン)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加し、QT延長、心室性不整脈<Torsade de Pointesを含む>などの心血管系の副作用を引き起こす恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

7).イバブラジン塩酸塩<コララン>[本剤との併用により、イバブラジンの血中濃度が増加し過度の徐脈が現れる恐れがある(本剤はイバブラジンの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

8).麦角アルカロイド(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩<パルタンM>)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加し麦角中毒を引き起こす恐れがある(本剤はこれら薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

9).トリアゾラム<ハルシオン>[本剤との併用により、トリアゾラムの血中濃度が増加し作用の増強や作用時間延長を引き起こす恐れがある(本剤はトリアゾラムの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

10).チカグレロル<ブリリンタ>[本剤との併用により、チカグレロルの血中濃度が上昇し血小板凝集抑制作用が増強する恐れがある(本剤はチカグレロルの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

11).アスナプレビル<スンベプラ>[本剤との併用により、アスナプレビルの血中濃度が上昇し肝臓に関連した有害事象が発現又は重症化する恐れがある(本剤はアスナプレビルの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

12).ロミタピドメシル酸塩<ジャクスタピッド>[本剤との併用により、ロミタピドの血中濃度が上昇する恐れがある(本剤はロミタピドの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

13).ブロナンセリン<ロナセン>[本剤との併用により、ブロナンセリンの血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はブロナンセリンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

14).スボレキサント<ベルソムラ>[本剤との併用により、スボレキサントの血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はスボレキサントの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

15).リバーロキサバン<イグザレルト>[本剤との併用により、リバーロキサバンの血中濃度が上昇し抗凝固作用が増強することにより出血の危険性が増大する恐れがある(本剤はリバーロキサバンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

16).リオシグアト<アデムパス>[本剤との併用により、リオシグアトの血中濃度が上昇する恐れがある(本剤はリオシグアトの代謝酵素である複数のCYP分子種(CYP1A1、CYP3A等)を阻害する)]。

17).アゼルニジピン<カルブロック>、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン<レザルタス>[本剤との併用により、アゼルニジピンの血中濃度が上昇する恐れがある(本剤はアゼルニジピンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

18).ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)<ベネクレクスタ>[本剤との併用により、ベネトクラクスの血中濃度が増加し腫瘍崩壊症候群の発現が増強される恐れがある(本剤はベネトクラクスの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

19).アナモレリン塩酸塩<エドルミズ>[本剤との併用により、アナモレリンの血中濃度が増加し副作用の発現が増強される恐れがある(本剤はアナモレリンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

20).ルラシドン塩酸塩<ラツーダ>[本剤との併用により、ルラシドン塩酸塩の血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はルラシドン塩酸塩の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

21).イサブコナゾニウム硫酸塩<クレセンバ>[本剤との併用により、イサブコナゾールの血中濃度が上昇し作用が増強する恐れがある(本剤はイサブコナゾールの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

2.併用注意:

1).ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病)[本剤との併用により、ベネトクラクスの血中濃度が増加する恐れがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意する(本剤はベネトクラクスの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

2).バレメトスタットトシル酸塩[本剤との併用により、バレメトスタットの血中濃度が増加する恐れがあるので、バレメトスタットを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意する(本剤はバレメトスタットの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

3).抗てんかん薬:

(1).抗てんかん薬(フェニトイン)[フェニトインとの併用により、本剤のCmaxは49%・AUCは69%減少した(フェニトインは、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

(2).抗てんかん薬(フェニトイン)[本剤との併用により、フェニトインのCmaxは1.7倍・AUCは1.8倍増加した(本剤はフェニトインの代謝酵素(CYP2C9)を阻害する)]。

4).レテルモビル[レテルモビルとの併用により、本剤のCmaxは39%・AUC0−12は44%減少し、レテルモビルとの併用により、作用が減弱する恐れがある(レテルモビルは本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導すると考えられる)]。

5).チロシンキナーゼ阻害剤(ボスチニブ水和物、ニロチニブ塩酸塩水和物、イブルチニブ、ラロトレクチニブ硫酸塩、ロルラチニブ)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する恐れがあるため、代替薬への変更を考慮する(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。

6).HIVプロテアーゼ阻害薬:

(1).HIVプロテアーゼ阻害薬<リトナビルは禁忌>(ホスアンプレナビル)[本剤との併用により、ホスアンプレナビルの活性代謝物であるアンプレナビルの血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験結果において、本剤はアンプレナビルの代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

(2).HIVプロテアーゼ阻害薬<リトナビルは禁忌>(ホスアンプレナビル)[ホスアンプレナビルとの併用により、本剤の血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験において、アンプレナビルは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

7).非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NNRTI):

(1).非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬<NNRTI><エファビレンツは禁忌>(デラビルジンメシル酸塩)[これらの薬剤との併用により、本剤の血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験結果において、これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

(2).非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬<NNRTI><エファビレンツは禁忌>(デラビルジンメシル酸塩)[これらの薬剤との併用により、本剤の血中濃度が減少する恐れがある(これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する恐れがある)]。

(3).非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬<NNRTI><エファビレンツは禁忌>(デラビルジンメシル酸塩)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験結果において、本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

8).トレチノイン[本剤との併用により、トレチノインの血中濃度が増加する恐れがある(本剤はトレチノインの代謝酵素(CYP)を阻害する)]。

9).免疫抑制剤:

(1).免疫抑制剤(シクロスポリン)[本剤との併用により、シクロスポリンのCmaxは1.1倍にAUCは1.7倍に増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

(2).免疫抑制剤(タクロリムス水和物)[本剤との併用により、タクロリムスのCmaxは2.2倍にAUCは3.2倍に増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

(3).免疫抑制剤(エベロリムス)[本剤との併用により、エベロリムスの血中濃度が増加する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

10).クマリン系抗凝血薬(ワルファリンカリウム)[本剤との併用により、プロトロンビン時間が1.9倍延長し、また、著しいINR上昇を来した症例が報告されている(本剤はワルファリンの代謝酵素(CYP2C9)を阻害する)]。

11).プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール)[本剤との併用により、オメプラゾールのCmaxは2.2倍・AUCは3.8倍増加した(本剤はオメプラゾールの代謝酵素(CYP2C19及びCYP3A4)を阻害する)]。

12).ミダゾラム[本剤との併用により、ミダゾラム0.05mg/kg単回静脈内投与時のミダゾラムのAUCは3.7倍に増加(本剤はミダゾラムの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)し、ミダゾラム7.5mg単回経口投与(本邦未承認)時のミダゾラムのCmaxは3.8倍にAUCは10.3倍に増加した(本剤はミダゾラムの代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

13).HMG−CoA還元酵素阻害薬[本剤との併用により、HMG−CoA還元酵素阻害薬の血中濃度が増加する恐れがある(In vitro試験において、本剤はHMG−CoA還元酵素阻害薬の代謝酵素(CYP3A4)を阻害した)]。

14).ジアゼパム[本剤との併用により、ジアゼパムのAUCは増加し血中濃度半減期は延長した(本剤はジアゼパムの代謝酵素(CYP3A4及びCYP2C19)を阻害する)]。

15).ゾルピデム[本剤との併用により、ゾルピデムのCmaxは1.2倍・AUCは1.5倍増加した(本剤はゾルピデムの代謝酵素(CYP3A4及びCYP2C9)を阻害する)]。

16).スルホニル尿素系血糖降下薬(トルブタミド)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害する)]。

17).ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬(ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩)[本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が増加する恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

18).メサドン塩酸塩[本剤との併用により、メサドンのCmaxが30.7%・AUCが47.2%増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

19).オキシコドン[本剤との併用により、オキシコドンのCmaxとAUCが増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

20).フェンタニル[本剤との併用により、フェンタニルのAUCが増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

21).イブプロフェン、ジクロフェナク[本剤との併用により、これらの薬剤のCmaxとAUCが増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害する)]。

22).経口避妊薬:

(1).経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)[ノルエチステロン・エチニルエストラジオールとの併用により、本剤のCmaxは14%・AUCは46%増加した(これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP2C19)を阻害する)]。

(2).経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)[本剤との併用により、エチニルエストラジオールのCmaxは36%・AUCは61%増加し、ノルエチステロンのCmaxは15%・AUCは53%増加した(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害する)]。

23).セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[セイヨウオトギリソウとの併用により、本剤のAUCは59%減少したので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意する(セイヨウオトギリソウは、本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導する)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、用量に留意するなど慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.動物実験で催奇形性作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない[ラット10mg/kg以上投与において催奇形性(口蓋裂、水腎症/尿管水腫)、ウサギ100mg/kg投与において胎仔毒性(胎仔死亡率増加、胎仔骨格変異等)が認められた]。

2.授乳中の女性への投与に関する安全性は確立されていないので、授乳中の女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与する(母乳中への移行は不明であるため、授乳中の女性には授乳を避けさせる)。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

1.低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児に対する安全性は確立していない(本剤の使用経験はない)。

2.小児で光線過敏性反応及び皮膚扁平上皮癌が発現した報告もあるので、日光の照射を避ける。小児で皮膚弾力性低下、皮膚色素沈着や皮膚色素脱失等の皮膚光老化が認められた場合は、日光の照射を避け、投与中止後も観察を行うことが望ましい。

3.小児を対象とした海外臨床試験では、成人と比べ肝酵素上昇の発現頻度が高いことが報告されているので、投与に際しては観察を十分に行う。

過量投与

外国で健康成人にボリコナゾール製剤(錠剤)を1600mg単回投与した際、視覚異常、色視症、頭痛、浮動性眩暈、幻覚、不眠症、羞明等が認められた[本剤に対する解毒剤は明らかでないため、本剤の過量投与時には、患者の臨床状態を観察するなど一般的な支持療法及び対症療法を行う(必要に応じて、胃洗浄等を行うなどして未吸収の薬剤を除去する)]。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、通常の市場流通下においてそれぞれ3年間安定であることが推測された。

その他の注意

1.外国人患者において、ボリコナゾールの血漿中濃度と肝機能検査値異常発現率の間に統計的に有意な関連性が認められた。日本人健康成人においては、肝機能障害が発生した症例で、かつ、血漿中濃度が測定されていた症例の血漿中濃度トラフ値はいずれも4.5μg/mL以上であった。また、他社が実施した国内臨床試験では有効性及び安全性に応じた投与量の調整に加え、目安としてトラフ血漿中濃度が4.5μg/mL以上の場合、必要に応じて投与量を減量する血中濃度モニタリングを実施した。他社が実施した国内外の臨床試験データからは肝機能検査値異常の出現を予測する血漿中濃度の閾値は認められていない。

2.肺移植あるいは心肺移植患者を対象とした海外の観察研究において、本剤曝露患者では皮膚扁平上皮癌の発生リスクがアゾール系抗真菌薬非曝露患者と比較して有意に高く(ハザード比:2.39、95%信頼区間1.31−4.37)、この発生リスクは180日を超える長期曝露の患者で高い(ハザード比:3.52、95%信頼区間1.59−7.79)との報告がある。

3.ボリコナゾール製剤投与後に、皮膚扁平上皮癌及び悪性黒色腫が発生したとの報告がある。また、ボリコナゾール製剤長期投与中に、光線過敏性反応を発現している患者で皮膚扁平上皮癌及び悪性黒色腫が発生したとの報告がある。

薬剤情報

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