薬効分類 | 消毒薬 |
一般名 | 酸化エチレン |
薬価 | 0円 |
メーカー | エア・ウォーター |
最終更新 | 2024年03月改訂(第1版) |
医療用機器、器材及び衛生材料を収納した気密な構造の消毒器の中に排気した後、本品を気化充てんして被消毒物を消毒殺菌する。
被消毒物の材質・形状・表面の状態、又は細菌の種類、付着の度合に応じて、温度・消毒時間及び本品の使用量を調整する。
医療器具、器材及び衛生材料の殺菌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. ポリ塩化ビニール製で放射線滅菌したものについては、本品による再滅菌をしないこと。
5.2. 蒸気や乾熱滅菌法が出来ないものに限ってガス滅菌法を使用すること。
被滅菌物中の残留酸化エチレンによる障害を避けるため、滅菌終了後はエアレーション等によりガスの置換を十分に行うこと。滅菌処理した医療機器に残留する酸化エチレンや、二次生成物であるエチレンクロルヒドリン、エチレングリコールにより、それを使用した患者に発赤、腫脹その他の過敏症状、気道炎症、肺浮腫、溶血反応、血球異常などが起こったとの報告がある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤使用時の注意
14.1.1. 滅菌作業者への注意
(1). 酸化エチレン濃度が高い場所に入らなければならないときは空気呼吸器(JIS T 8155)を着用すること。また、有機ガス用防毒マスク(JIS T 8152)を使用する場合は適用範囲に注意すること。
(2). 必要なとき以外は滅菌装置の付近にいないこと。
(3). ガス状の本品を吸入しないように注意すること。
(4). 酸化エチレンの吸入あるいは暴露により頭痛、吐き気、呼吸困難、チアノーゼ、肺浮腫などの急性障害及び体重減少、強い疲労感、筋力低下などの慢性障害を起こすことがあるので注意すること〔15.1.1参照〕。
(5). 本品を多量に吸入したときは清浄な空気の場所に移し、直ちに人工呼吸あるいは酸素吸入を行い、医師の手当を受けること。
(6). 液状の本品が目に入ったり手足についたりしたときは、多量の水で洗い、医師の手当てを受けること。
14.1.2. 作業上の注意
(1). 滅菌装置は定期的に漏洩検査を行うこと。
(2). 滅菌装置の操作は安全な滅菌作業に関して教育訓練を受けた者が装置の取扱説明書に従って行うこと。
(3). 滅菌が達成されたことを確認する手段を講じておくこと。
(4). 滅菌後の被滅菌物を保管する部屋などの換気は十分にすること。
(5). 使用場所には換気扇などを取り付けて換気を良くし、作業環境における酸化エチレン濃度を許容濃度以下に保つこと。
(6). 使用場所には酸化エチレン検知管(測定範囲0.1〜100ppm)などを備えておき、滅菌装置の開放時などに作業環境を調べ、作業管理を行うこと。
(7). 使用場所などには漏洩検知警報器を設置することが好ましい。
(8). 酸化エチレンを常時使用する場所には水による消火設備があることが好ましい。
(9). 使用中の容器は直射日光、熱源や電気装置の近くを避け、40℃以下に保つこと。
(10). 使用中の容器は転倒転落しないように鎖又はロープなどで固定し、直立させること。
(取扱い上の注意)
20.1. 酸化エチレンは特定第二類物質及び特別管理物質のため、特定化学物質障害予防規則に従って取扱うこと。
20.2. 容器は転倒させたり転落させたりしないように、また、衝撃を与えないよう静かに取扱うこと。
20.3. 容器安全弁(ガス取り出し口と反対側の小さな六角ナット)は絶対にいじらないこと。
20.4. 使用後は必ずバルブを閉じ、空容器置場に保管すること(保護ナットが有る場合は取り付ける)。
20.5. 容器は「高圧ガス容器置場」であることを明示した一定の場所に貯蔵し、酸素、亜酸化窒素の容器と同一場所は避けること。
20.6. 容器は直射日光を避け、通風・換気の良いところに貯蔵し、常に40℃以下に保つこと(特に蒸気滅菌器、蒸気管の近くに置かないこと)。
20.7. 容器は充てん容器と空容器に区分して保管すること。
20.8. 容器置場には「火気厳禁」の表示を行い、消火器を常備すること。
20.9. 容器置場の周囲2m以内には火気又は引火性・発火性のもの、腐食性のある化学薬品等を置かないこと。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 急性毒性:高濃度の酸化エチレンは粘膜を刺激し、中枢神経系機能低下させ、また、急性中毒の遅発症状としては吐き気、下痢、肺浮腫、麻ひ、けいれん等を起こし、死に至ることがある〔14.1.1参照〕。
15.1.2. 慢性毒性:Hogstedtらは733人の酸化エチレンの暴露を受けた人の疫学調査を行った結果、広範囲で断続的な低濃度の酸化エチレン暴露により悪性腫瘍になる危険が増えていると警告している。
15.1.3. 発がん性:酸化エチレンは人に対して発がん性の疑いのある物質であり、次のような評価を受けている。
・ 日本産業衛生学会:第1群(人に対して発がん性のある物質)。
・ IARC(国際ガン研究機関):グループ1(人に対して発がん性のある物質)。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 慢性毒性:10ppm、33ppm及び100ppmの酸化エチレンをFischer344系ラットに吸入させ、骨髄細胞の染色体異常の誘発と酸化エチレンの慢性毒性作用を検査し、奇形学的作用は認められなかったが、100ppmの濃度で1腹当たりの胎仔数減少と妊娠期間延長に統計学的有意性が認められたとの報告がある。
15.2.2. 突然変異誘発性
・ 種々の原核細胞(バクテリア)系や真核細胞系(動物や高等植物)による結果は酸化エチレンが突然変異を起こすことを示している。
・ マウスの骨髄細胞や精巣細胞の染色体突然変異を誘発することを示した報告がなされている。
(保管上の注意)
40℃以下。
(保険給付上の注意)
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
薬効分類 | 消毒薬 |
一般名 | 酸化エチレン |
薬価 | 0円 |
メーカー | エア・ウォーター |
最終更新 | 2024年03月改訂(第1版) |
医療用機器、器材及び衛生材料を収納した気密な構造の消毒器の中に排気した後、本品を気化充てんして被消毒物を消毒殺菌する。
被消毒物の材質・形状・表面の状態、又は細菌の種類、付着の度合に応じて、温度・消毒時間及び本品の使用量を調整する。
医療器具、器材及び衛生材料の殺菌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. ポリ塩化ビニール製で放射線滅菌したものについては、本品による再滅菌をしないこと。
5.2. 蒸気や乾熱滅菌法が出来ないものに限ってガス滅菌法を使用すること。
被滅菌物中の残留酸化エチレンによる障害を避けるため、滅菌終了後はエアレーション等によりガスの置換を十分に行うこと。滅菌処理した医療機器に残留する酸化エチレンや、二次生成物であるエチレンクロルヒドリン、エチレングリコールにより、それを使用した患者に発赤、腫脹その他の過敏症状、気道炎症、肺浮腫、溶血反応、血球異常などが起こったとの報告がある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤使用時の注意
14.1.1. 滅菌作業者への注意
(1). 酸化エチレン濃度が高い場所に入らなければならないときは空気呼吸器(JIS T 8155)を着用すること。また、有機ガス用防毒マスク(JIS T 8152)を使用する場合は適用範囲に注意すること。
(2). 必要なとき以外は滅菌装置の付近にいないこと。
(3). ガス状の本品を吸入しないように注意すること。
(4). 酸化エチレンの吸入あるいは暴露により頭痛、吐き気、呼吸困難、チアノーゼ、肺浮腫などの急性障害及び体重減少、強い疲労感、筋力低下などの慢性障害を起こすことがあるので注意すること〔15.1.1参照〕。
(5). 本品を多量に吸入したときは清浄な空気の場所に移し、直ちに人工呼吸あるいは酸素吸入を行い、医師の手当を受けること。
(6). 液状の本品が目に入ったり手足についたりしたときは、多量の水で洗い、医師の手当てを受けること。
14.1.2. 作業上の注意
(1). 滅菌装置は定期的に漏洩検査を行うこと。
(2). 滅菌装置の操作は安全な滅菌作業に関して教育訓練を受けた者が装置の取扱説明書に従って行うこと。
(3). 滅菌が達成されたことを確認する手段を講じておくこと。
(4). 滅菌後の被滅菌物を保管する部屋などの換気は十分にすること。
(5). 使用場所には換気扇などを取り付けて換気を良くし、作業環境における酸化エチレン濃度を許容濃度以下に保つこと。
(6). 使用場所には酸化エチレン検知管(測定範囲0.1〜100ppm)などを備えておき、滅菌装置の開放時などに作業環境を調べ、作業管理を行うこと。
(7). 使用場所などには漏洩検知警報器を設置することが好ましい。
(8). 酸化エチレンを常時使用する場所には水による消火設備があることが好ましい。
(9). 使用中の容器は直射日光、熱源や電気装置の近くを避け、40℃以下に保つこと。
(10). 使用中の容器は転倒転落しないように鎖又はロープなどで固定し、直立させること。
(取扱い上の注意)
20.1. 酸化エチレンは特定第二類物質及び特別管理物質のため、特定化学物質障害予防規則に従って取扱うこと。
20.2. 容器は転倒させたり転落させたりしないように、また、衝撃を与えないよう静かに取扱うこと。
20.3. 容器安全弁(ガス取り出し口と反対側の小さな六角ナット)は絶対にいじらないこと。
20.4. 使用後は必ずバルブを閉じ、空容器置場に保管すること(保護ナットが有る場合は取り付ける)。
20.5. 容器は「高圧ガス容器置場」であることを明示した一定の場所に貯蔵し、酸素、亜酸化窒素の容器と同一場所は避けること。
20.6. 容器は直射日光を避け、通風・換気の良いところに貯蔵し、常に40℃以下に保つこと(特に蒸気滅菌器、蒸気管の近くに置かないこと)。
20.7. 容器は充てん容器と空容器に区分して保管すること。
20.8. 容器置場には「火気厳禁」の表示を行い、消火器を常備すること。
20.9. 容器置場の周囲2m以内には火気又は引火性・発火性のもの、腐食性のある化学薬品等を置かないこと。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 急性毒性:高濃度の酸化エチレンは粘膜を刺激し、中枢神経系機能低下させ、また、急性中毒の遅発症状としては吐き気、下痢、肺浮腫、麻ひ、けいれん等を起こし、死に至ることがある〔14.1.1参照〕。
15.1.2. 慢性毒性:Hogstedtらは733人の酸化エチレンの暴露を受けた人の疫学調査を行った結果、広範囲で断続的な低濃度の酸化エチレン暴露により悪性腫瘍になる危険が増えていると警告している。
15.1.3. 発がん性:酸化エチレンは人に対して発がん性の疑いのある物質であり、次のような評価を受けている。
・ 日本産業衛生学会:第1群(人に対して発がん性のある物質)。
・ IARC(国際ガン研究機関):グループ1(人に対して発がん性のある物質)。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 慢性毒性:10ppm、33ppm及び100ppmの酸化エチレンをFischer344系ラットに吸入させ、骨髄細胞の染色体異常の誘発と酸化エチレンの慢性毒性作用を検査し、奇形学的作用は認められなかったが、100ppmの濃度で1腹当たりの胎仔数減少と妊娠期間延長に統計学的有意性が認められたとの報告がある。
15.2.2. 突然変異誘発性
・ 種々の原核細胞(バクテリア)系や真核細胞系(動物や高等植物)による結果は酸化エチレンが突然変異を起こすことを示している。
・ マウスの骨髄細胞や精巣細胞の染色体突然変異を誘発することを示した報告がなされている。
(保管上の注意)
40℃以下。
(保険給付上の注意)
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
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