薬剤情報
後発品
薬効分類高脂血症薬・高脂血症薬 > 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬・HMG−CoA還元酵素阻害薬
一般名エゼチミブ・ロスバスタチンカルシウム配合剤 (2) 錠
薬価75.3
メーカーオルガノン
最終更新2023年07月改訂(第6版)

用法・用量

通常、成人には1日1回1錠(エゼチミブ/ロスバスタチンとして10mg/5mg)を食後に経口投与する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 次のエゼチミブとロスバスタチンカルシウムの用法及び用量を踏まえ、患者毎に本剤の適用を考慮すること。

エゼチミブ

通常、成人にはエゼチミブとして1回10mgを1日1回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。

ロスバスタチンカルシウム

通常、成人にはロスバスタチンとして1日1回2.5mgより投与を開始するが、早期にLDLコレステロール値を低下させる必要がある場合には5mgより投与を開始してもよい。なお、年齢・症状により適宜増減し、投与開始後あるいは増量後、4週以降にLDLコレステロール値の低下が不十分な場合には、漸次10mgまで増量できる。10mgを投与してもLDLコレステロール値の低下が十分でない、家族性高コレステロール血症患者などの重症患者に限り、さらに増量できるが、1日最大20mgまでとする。

7.3. 原則として、エゼチミブ10mg及びロスバスタチン5mgを併用している場合、あるいはロスバスタチン5mg又はエゼチミブ/ロスバスタチン10mg/2.5mgを使用し効果不十分な場合に、本剤HD(エゼチミブ/ロスバスタチン10mg/5mg)の適用を検討すること。

7.4. クレアチニンクリアランスが30mL/min/1.73㎡未満の患者にロスバスタチンカルシウムを投与する場合には、ロスバスタチンとして2.5mgより投与を開始し、1日最大投与量はロスバスタチンとして5mgとする〔9.2.1、9.2.2、16.6.1参照〕。

7.5. 特にロスバスタチンとして20mg投与時においては腎機能に影響があらわれるおそれがあるので、本剤にロスバスタチンを追加した場合等、ロスバスタチンとして20mg投与開始後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回等)に腎機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと〔9.2.1、9.2.2、16.6.1参照〕。

効能・効果

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 本剤を高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の治療の第一選択薬として用いないこと。

5.2. 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。

5.3. ホモ接合体性家族性高コレステロール血症については、LDLアフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 過敏症(頻度不明):アナフィラキシー、血管浮腫、発疹を含む過敏症状があらわれたとの報告がある。

11.1.2. 多形紅斑(頻度不明)。

11.1.3. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止すること。

11.1.4. ミオパチー(頻度不明):広範な筋肉痛、高度脱力感や著明なCK上昇があらわれた場合には投与を中止すること。

11.1.5. 免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明):ロスバスタチン投与中に近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維壊死、抗HMG−CoA還元酵素抗体陽性(抗HMGCR抗体陽性)等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること(なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある)。

11.1.6. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝炎、AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.4参照〕。

11.1.7. 血小板減少(頻度不明)〔8.5参照〕。

11.1.8. 間質性肺炎(頻度不明):長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

11.1.9. 末梢神経障害(頻度不明):四肢感覚鈍麻、しびれ感等の感覚障害、疼痛、あるいは筋力低下等の末梢神経障害があらわれることがある。

11.1.10. 重症筋無力症(頻度不明):重症筋無力症(眼筋型重症筋無力症、全身型重症筋無力症)が発症又は重症筋無力症悪化(眼筋型重症筋無力症悪化、全身型重症筋無力症悪化)することがある〔9.1.3参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 感染症及び寄生虫症:(頻度不明)結膜炎、口腔ヘルペス、帯状疱疹。

2). 精神障害:(頻度不明)悪夢、睡眠障害、不眠症、抑うつ。

3). 神経系障害:(1%未満)感覚鈍麻、(頻度不明)しびれ、健忘、坐骨神経痛、錯感覚、頭痛、浮動性めまい。

4). 心臓障害:(頻度不明)期外収縮、動悸。

5). 胃腸障害:(1%未満)便秘、(頻度不明)悪心、腹痛、口内炎、口内乾燥、嘔吐、胃炎、胃食道逆流性疾患、膵炎、下痢、鼓腸放屁、消化不良、腹部膨満。

6). 肝胆道系障害:(頻度不明)胆石症、胆嚢炎。

7). 皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)発疹、紅斑、(頻度不明)アレルギー性皮膚炎、皮膚そう痒症、湿疹、蕁麻疹。

8). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)背部痛、四肢不快感、(頻度不明)関節痛、筋肉痛、筋力低下、筋痙縮、四肢痛。

9). 腎及び尿路障害:(頻度不明)腎機能障害、*蛋白尿[*:原因不明の蛋白尿が持続する場合にはロスバスタチンを減量するなど適切な処置を行うこと]。

10). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(頻度不明)胸痛、疼痛、疲労、浮腫(顔面浮腫・四肢浮腫)、無力症。

11). 臨床検査:(1%以上)ALT増加、肝機能検査異常、(1%未満)γ−GTP増加、HbA1c増加、血中CK増加、血中尿酸増加、(頻度不明)AST増加、BUN増加、アミラーゼ増加、血圧上昇、血小板数減少、血中TSH増加、血中クレアチニン増加、血中コルチゾール増加、血中テストステロン減少、血中ビリルビン増加、血中ブドウ糖増加、血中リン増加、白血球数減少。

12). その他:(頻度不明)食欲減退、咳嗽、ほてり、女性化乳房。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重篤な肝機能障害のある患者及び肝機能低下していると考えられる次のような患者(急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸)〔9.3.1、9.3.3、16.6.2参照〕。

2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦〔9.5妊婦、9.6授乳婦の項参照〕。

2.4. シクロスポリン投与中の患者〔10.1、16.7.2参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 本剤は、エゼチミブ10mgとロスバスタチンとして5mgとの配合剤であり、エゼチミブとロスバスタチン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること〔11.副作用の項参照〕。

8.2. あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。

8.3. 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

8.4. ロスバスタチン単剤投与から本剤への切り替え時に肝機能検査を行うこと。また、ロスバスタチンの増量後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回等)に肝機能検査を行うこと〔11.1.6参照〕。

8.5. 血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと〔11.1.7参照〕。

8.6. 甲状腺機能低下症、閉塞性胆のう胆道疾患、慢性腎不全、膵炎等の疾患の合併、血清脂質に悪影響を与える薬剤の服用等の二次的要因により高脂血症を呈している場合は、原疾患の治療、薬剤の切り替え等を可能な限り実施した上で本剤での治療を考慮すること。

8.7. エゼチミブとフィブラート系薬剤併用に関しては、使用経験が限られているため、併用する場合は、胆石症などの副作用の発現に注意すること(フィブラート系薬剤では胆汁へのコレステロール排泄を増加させ、胆石形成がみられることがあり、エゼチミブはイヌで胆のう胆汁中のコレステロール濃度の上昇が報告されている)〔15.1.1、15.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 糖尿病患者:エゼチミブでは空腹時血糖の上昇が報告されている。

9.1.2. 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある次の患者[1)甲状腺機能低下症の患者、2)遺伝性筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、3)薬剤性筋障害の既往歴のある患者、4)アルコール中毒患者]:ロスバスタチンでは横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。

9.1.3. 重症筋無力症又はその既往歴のある患者:重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある〔11.1.10参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 重度腎障害のある患者:ロスバスタチンの血中濃度が高くなるおそれがある〔7.4、7.5、16.6.1参照〕。

9.2.2. 腎障害又はその既往歴のある患者:ロスバスタチンの横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能悪化があらわれることがある〔7.4、7.5、16.6.1参照〕。

9.2.3. 腎機能検査値異常のある患者:本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。腎機能検査値異常のある患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること〔10.2参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者及び肝機能低下していると考えられる次のような患者(急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸):投与しないこと(これらの患者では、ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがあり、また、ロスバスタチンは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害を悪化させるおそれがある)〔2.2、16.6.2参照〕。

9.3.2. 中等度肝機能障害のある患者:投与しないことが望ましい(エゼチミブの血漿中濃度が上昇するおそれがある)〔16.6.2参照〕。

9.3.3. 肝障害又はその既往歴のある患者:エゼチミブでは肝機能障害の程度に応じて血漿中薬物濃度の上昇が認められ、ロスバスタチンは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害又はその既往歴のある患者では、肝障害を悪化させるおそれがある。特に、Child−Pughスコアが8〜9の患者では、ロスバスタチンの血漿中濃度が他に比べて高かったとの報告がある〔2.2、16.6.2参照〕。

相互作用

ロスバスタチンは、OATP1B1及びBCRPの基質である。

10.1. 併用禁忌:

シクロスポリン<サンディミュン、ネオーラル>〔2.4、16.7.2参照〕[シクロスポリンを投与されている心臓移植患者にロスバスタチンを併用したとき、シクロスポリンの血中濃度に影響はなかったが、ロスバスタチンAUC0−24hrが健康成人単独反復投与時に比べ約7倍上昇したとの報告がある(シクロスポリンがOATP1B1及びBCRP等の機能を阻害する可能性がある)]。

10.2. 併用注意:

1). フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)〔9.2.3参照〕[フェノフィブラートとロスバスタチンの併用においては、いずれの薬剤の血中濃度にも影響はみられていないが、一般に、HMG−CoA還元酵素阻害剤との併用で、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある(フィブラート系薬剤、ロスバスタチン共に横紋筋融解症の報告がある<危険因子>腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者)]。

2). ニコチン酸、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール等)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)[一般に、HMG−CoA還元酵素阻害剤との併用で、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある(<危険因子>腎機能障害のある患者)]。

3). クマリン系抗凝固剤(ワルファリン等)[エゼチミブとの併用によりプロトロンビン時間国際標準比<INR>の上昇がみられ、また、ロスバスタチンとの併用により抗凝血作用が増強することがあるとの報告があるので、本剤を併用する場合は、本剤の投与開始時及び用量変更時にも頻回にINR値等を確認し、必要に応じてワルファリンの用量を調節する等、注意深く投与すること(<機序>不明)]。

4). 制酸剤<PPI・H2ブロッカー以外>(水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム)〔16.7.2参照〕[ロスバスタチンとの併用によりロスバスタチンの血中濃度が約50%に低下することが報告されており、ロスバスタチン投与後2時間経過後に制酸剤を投与した場合には、ロスバスタチンの血中濃度は非併用時の約80%であったとの報告がある(<機序>不明)]。

5). ロピナビル・リトナビル、アタザナビル/リトナビル、ダルナビル/リトナビル、グレカプレビル・ピブレンタスビル[ロスバスタチンとロピナビル・リトナビルを併用したときロスバスタチンのAUCが約2倍・Cmaxが約5倍上昇(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)、アタザナビル及びリトナビル両剤とロスバスタチンを併用したときロスバスタチンのAUCが約3倍・Cmaxが7倍上昇(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)、ダルナビル及びリトナビル両剤とロスバスタチンを併用したときロスバスタチンのAUCが約1.5倍・Cmaxが約2.4倍上昇したとの報告がある(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)。またロスバスタチンとグレカプレビル・ピブレンタスビル<承認用量外の用量>を併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.2倍・Cmaxが約5.6倍上昇したとの報告がある(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

6). ダクラタスビル、アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル[ロスバスタチンとダクラタスビル、アスナプレビル、又はダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル<承認用量外の用量>を併用したとき、ロスバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告がある(ダクラタスビル、ベクラブビルがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性があり、また、アスナプレビルがOATP1B1、1B3の機能を阻害する可能性がある)]。

7). グラゾプレビル/エルバスビル[ロスバスタチンとグラゾプレビル<承認用量外の用量>及びエルバスビルを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.3倍・Cmaxが約5.5倍上昇した(併用薬剤がBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

8). ソホスブビル・ベルパタスビル[ロスバスタチンとベルパタスビルを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.7倍・Cmaxが約2.6倍上昇したとの報告がある(ベルパタスビルがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

9). ダロルタミド[ロスバスタチンとダロルタミドを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが5.2倍・Cmaxが5.0倍上昇したとの報告がある(ダロルタミドがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

10). レゴラフェニブ[ロスバスタチンとレゴラフェニブを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが3.8倍・Cmaxが4.6倍上昇したとの報告がある(レゴラフェニブがBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

11). カプマチニブ塩酸塩水和物[ロスバスタチンとカプマチニブ塩酸塩水和物を併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.1倍・Cmaxが約3.0倍上昇したとの報告がある(カプマチニブ塩酸塩がBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。

12). バダデュスタット[ロスバスタチンとバダデュスタットを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.5倍・Cmaxが約2.7倍上昇したとの報告がある(バダデュスタットがBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。

13). フェブキソスタット[ロスバスタチンとフェブキソスタットを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約1.9倍・Cmaxが約2.1倍上昇したとの報告がある(フェブキソスタットがBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。

14). エルトロンボパグ[ロスバスタチンとエルトロンボパグを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約1.6倍上昇したとの報告がある(エルトロンボパグがOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

15). 陰イオン交換樹脂<経口>(コレスチミド<経口>、コレスチラミン<経口>等)〔16.7.1参照〕[エゼチミブとの併用によりエゼチミブの血中濃度の低下がみられたため、本剤は陰イオン交換樹脂の投与前2時間あるいは投与後4時間以上の間隔をあけて投与すること(<機序>エゼチミブが陰イオン交換樹脂と結合し、吸収が遅延あるいは減少する可能性がある)]。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラットに他のHMG−CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎仔骨格奇形が報告されている。更に、ヒトでは、他のHMG−CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある)〔2.3参照〕。

(授乳婦)

投与しないこと(エゼチミブでは、ヒト母乳中への移行の有無は不明であるが、妊娠後から授乳期まで投与したラットで乳仔への移行が認められており、ロスバスタチンでは、ラットで乳汁中への移行が報告されている)〔2.3参照〕。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(取扱い上の注意)

アルミニウム袋開封後は、湿気を避けて保存すること。また、光を避けるため、PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出すこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 複合型高脂血症患者を対象にした海外の多施設二重盲検プラセボ対照試験(625例が12週間以内、576例が1年以内の投与)において、血清トランスアミナーゼ上昇<基準値上限の3倍を超える連続した上昇>の発現率(曝露期間で調整)は、フェノフィブラート単独群で4.5%、エゼチミブとフェノフィブラート併用群で2.7%であり、同様に、胆のう摘出術の発現率は、フェノフィブラート単独群で0.6%、エゼチミブとフェノフィブラート併用群で1.7%であり、CK上昇(基準値上限の10倍を超える)については、本試験のいずれの群でも認められなかった(また、エゼチミブとフェノフィブラート併用における一般的な有害事象は腹痛であった)。なお、本試験は、頻繁に発現しない有害事象を群間で比較するようにはデザインされていない〔8.7参照〕。

15.1.2. 海外において、ロスバスタチンを含むHMG−CoA還元酵素阻害剤投与中の患者では、糖尿病発症のリスクが高かったとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

イヌでエゼチミブ(0.03mg/kg/日以上)の1ヵ月間投与により、胆のう胆汁コレステロール濃度が約2〜3倍増加したとの報告がある。しかし、300mg/kg/日をイヌに12ヵ月間投与しても胆石あるいは肝・胆管系への影響はみられなかった。マウスに2週間投与(5mg/kg/日)しても胆のう胆汁コレステロール濃度への影響はみられなかった〔8.7参照〕。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ロスーゼット配合錠HD
後発品はありません
ロスーゼット配合錠HD
ロスーゼット配合錠HD

ロスーゼット配合錠HD

高脂血症薬・高脂血症薬 > 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬・HMG−CoA還元酵素阻害薬
2023年07月改訂(第6版)
薬剤情報
後発品
薬効分類高脂血症薬・高脂血症薬 > 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬・HMG−CoA還元酵素阻害薬
一般名エゼチミブ・ロスバスタチンカルシウム配合剤 (2) 錠
薬価75.3
メーカーオルガノン
最終更新2023年07月改訂(第6版)

用法・用量

通常、成人には1日1回1錠(エゼチミブ/ロスバスタチンとして10mg/5mg)を食後に経口投与する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 次のエゼチミブとロスバスタチンカルシウムの用法及び用量を踏まえ、患者毎に本剤の適用を考慮すること。

エゼチミブ

通常、成人にはエゼチミブとして1回10mgを1日1回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。

ロスバスタチンカルシウム

通常、成人にはロスバスタチンとして1日1回2.5mgより投与を開始するが、早期にLDLコレステロール値を低下させる必要がある場合には5mgより投与を開始してもよい。なお、年齢・症状により適宜増減し、投与開始後あるいは増量後、4週以降にLDLコレステロール値の低下が不十分な場合には、漸次10mgまで増量できる。10mgを投与してもLDLコレステロール値の低下が十分でない、家族性高コレステロール血症患者などの重症患者に限り、さらに増量できるが、1日最大20mgまでとする。

7.3. 原則として、エゼチミブ10mg及びロスバスタチン5mgを併用している場合、あるいはロスバスタチン5mg又はエゼチミブ/ロスバスタチン10mg/2.5mgを使用し効果不十分な場合に、本剤HD(エゼチミブ/ロスバスタチン10mg/5mg)の適用を検討すること。

7.4. クレアチニンクリアランスが30mL/min/1.73㎡未満の患者にロスバスタチンカルシウムを投与する場合には、ロスバスタチンとして2.5mgより投与を開始し、1日最大投与量はロスバスタチンとして5mgとする〔9.2.1、9.2.2、16.6.1参照〕。

7.5. 特にロスバスタチンとして20mg投与時においては腎機能に影響があらわれるおそれがあるので、本剤にロスバスタチンを追加した場合等、ロスバスタチンとして20mg投与開始後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回等)に腎機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと〔9.2.1、9.2.2、16.6.1参照〕。

効能・効果

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 本剤を高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の治療の第一選択薬として用いないこと。

5.2. 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。

5.3. ホモ接合体性家族性高コレステロール血症については、LDLアフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 過敏症(頻度不明):アナフィラキシー、血管浮腫、発疹を含む過敏症状があらわれたとの報告がある。

11.1.2. 多形紅斑(頻度不明)。

11.1.3. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止すること。

11.1.4. ミオパチー(頻度不明):広範な筋肉痛、高度脱力感や著明なCK上昇があらわれた場合には投与を中止すること。

11.1.5. 免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明):ロスバスタチン投与中に近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維壊死、抗HMG−CoA還元酵素抗体陽性(抗HMGCR抗体陽性)等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること(なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある)。

11.1.6. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝炎、AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.4参照〕。

11.1.7. 血小板減少(頻度不明)〔8.5参照〕。

11.1.8. 間質性肺炎(頻度不明):長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

11.1.9. 末梢神経障害(頻度不明):四肢感覚鈍麻、しびれ感等の感覚障害、疼痛、あるいは筋力低下等の末梢神経障害があらわれることがある。

11.1.10. 重症筋無力症(頻度不明):重症筋無力症(眼筋型重症筋無力症、全身型重症筋無力症)が発症又は重症筋無力症悪化(眼筋型重症筋無力症悪化、全身型重症筋無力症悪化)することがある〔9.1.3参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 感染症及び寄生虫症:(頻度不明)結膜炎、口腔ヘルペス、帯状疱疹。

2). 精神障害:(頻度不明)悪夢、睡眠障害、不眠症、抑うつ。

3). 神経系障害:(1%未満)感覚鈍麻、(頻度不明)しびれ、健忘、坐骨神経痛、錯感覚、頭痛、浮動性めまい。

4). 心臓障害:(頻度不明)期外収縮、動悸。

5). 胃腸障害:(1%未満)便秘、(頻度不明)悪心、腹痛、口内炎、口内乾燥、嘔吐、胃炎、胃食道逆流性疾患、膵炎、下痢、鼓腸放屁、消化不良、腹部膨満。

6). 肝胆道系障害:(頻度不明)胆石症、胆嚢炎。

7). 皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)発疹、紅斑、(頻度不明)アレルギー性皮膚炎、皮膚そう痒症、湿疹、蕁麻疹。

8). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)背部痛、四肢不快感、(頻度不明)関節痛、筋肉痛、筋力低下、筋痙縮、四肢痛。

9). 腎及び尿路障害:(頻度不明)腎機能障害、*蛋白尿[*:原因不明の蛋白尿が持続する場合にはロスバスタチンを減量するなど適切な処置を行うこと]。

10). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(頻度不明)胸痛、疼痛、疲労、浮腫(顔面浮腫・四肢浮腫)、無力症。

11). 臨床検査:(1%以上)ALT増加、肝機能検査異常、(1%未満)γ−GTP増加、HbA1c増加、血中CK増加、血中尿酸増加、(頻度不明)AST増加、BUN増加、アミラーゼ増加、血圧上昇、血小板数減少、血中TSH増加、血中クレアチニン増加、血中コルチゾール増加、血中テストステロン減少、血中ビリルビン増加、血中ブドウ糖増加、血中リン増加、白血球数減少。

12). その他:(頻度不明)食欲減退、咳嗽、ほてり、女性化乳房。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重篤な肝機能障害のある患者及び肝機能低下していると考えられる次のような患者(急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸)〔9.3.1、9.3.3、16.6.2参照〕。

2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦〔9.5妊婦、9.6授乳婦の項参照〕。

2.4. シクロスポリン投与中の患者〔10.1、16.7.2参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 本剤は、エゼチミブ10mgとロスバスタチンとして5mgとの配合剤であり、エゼチミブとロスバスタチン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること〔11.副作用の項参照〕。

8.2. あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。

8.3. 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

8.4. ロスバスタチン単剤投与から本剤への切り替え時に肝機能検査を行うこと。また、ロスバスタチンの増量後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回等)に肝機能検査を行うこと〔11.1.6参照〕。

8.5. 血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと〔11.1.7参照〕。

8.6. 甲状腺機能低下症、閉塞性胆のう胆道疾患、慢性腎不全、膵炎等の疾患の合併、血清脂質に悪影響を与える薬剤の服用等の二次的要因により高脂血症を呈している場合は、原疾患の治療、薬剤の切り替え等を可能な限り実施した上で本剤での治療を考慮すること。

8.7. エゼチミブとフィブラート系薬剤併用に関しては、使用経験が限られているため、併用する場合は、胆石症などの副作用の発現に注意すること(フィブラート系薬剤では胆汁へのコレステロール排泄を増加させ、胆石形成がみられることがあり、エゼチミブはイヌで胆のう胆汁中のコレステロール濃度の上昇が報告されている)〔15.1.1、15.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 糖尿病患者:エゼチミブでは空腹時血糖の上昇が報告されている。

9.1.2. 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある次の患者[1)甲状腺機能低下症の患者、2)遺伝性筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、3)薬剤性筋障害の既往歴のある患者、4)アルコール中毒患者]:ロスバスタチンでは横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。

9.1.3. 重症筋無力症又はその既往歴のある患者:重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある〔11.1.10参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 重度腎障害のある患者:ロスバスタチンの血中濃度が高くなるおそれがある〔7.4、7.5、16.6.1参照〕。

9.2.2. 腎障害又はその既往歴のある患者:ロスバスタチンの横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能悪化があらわれることがある〔7.4、7.5、16.6.1参照〕。

9.2.3. 腎機能検査値異常のある患者:本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。腎機能検査値異常のある患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること〔10.2参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者及び肝機能低下していると考えられる次のような患者(急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸):投与しないこと(これらの患者では、ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがあり、また、ロスバスタチンは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害を悪化させるおそれがある)〔2.2、16.6.2参照〕。

9.3.2. 中等度肝機能障害のある患者:投与しないことが望ましい(エゼチミブの血漿中濃度が上昇するおそれがある)〔16.6.2参照〕。

9.3.3. 肝障害又はその既往歴のある患者:エゼチミブでは肝機能障害の程度に応じて血漿中薬物濃度の上昇が認められ、ロスバスタチンは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害又はその既往歴のある患者では、肝障害を悪化させるおそれがある。特に、Child−Pughスコアが8〜9の患者では、ロスバスタチンの血漿中濃度が他に比べて高かったとの報告がある〔2.2、16.6.2参照〕。

相互作用

ロスバスタチンは、OATP1B1及びBCRPの基質である。

10.1. 併用禁忌:

シクロスポリン<サンディミュン、ネオーラル>〔2.4、16.7.2参照〕[シクロスポリンを投与されている心臓移植患者にロスバスタチンを併用したとき、シクロスポリンの血中濃度に影響はなかったが、ロスバスタチンAUC0−24hrが健康成人単独反復投与時に比べ約7倍上昇したとの報告がある(シクロスポリンがOATP1B1及びBCRP等の機能を阻害する可能性がある)]。

10.2. 併用注意:

1). フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)〔9.2.3参照〕[フェノフィブラートとロスバスタチンの併用においては、いずれの薬剤の血中濃度にも影響はみられていないが、一般に、HMG−CoA還元酵素阻害剤との併用で、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある(フィブラート系薬剤、ロスバスタチン共に横紋筋融解症の報告がある<危険因子>腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者)]。

2). ニコチン酸、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール等)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)[一般に、HMG−CoA還元酵素阻害剤との併用で、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある(<危険因子>腎機能障害のある患者)]。

3). クマリン系抗凝固剤(ワルファリン等)[エゼチミブとの併用によりプロトロンビン時間国際標準比<INR>の上昇がみられ、また、ロスバスタチンとの併用により抗凝血作用が増強することがあるとの報告があるので、本剤を併用する場合は、本剤の投与開始時及び用量変更時にも頻回にINR値等を確認し、必要に応じてワルファリンの用量を調節する等、注意深く投与すること(<機序>不明)]。

4). 制酸剤<PPI・H2ブロッカー以外>(水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム)〔16.7.2参照〕[ロスバスタチンとの併用によりロスバスタチンの血中濃度が約50%に低下することが報告されており、ロスバスタチン投与後2時間経過後に制酸剤を投与した場合には、ロスバスタチンの血中濃度は非併用時の約80%であったとの報告がある(<機序>不明)]。

5). ロピナビル・リトナビル、アタザナビル/リトナビル、ダルナビル/リトナビル、グレカプレビル・ピブレンタスビル[ロスバスタチンとロピナビル・リトナビルを併用したときロスバスタチンのAUCが約2倍・Cmaxが約5倍上昇(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)、アタザナビル及びリトナビル両剤とロスバスタチンを併用したときロスバスタチンのAUCが約3倍・Cmaxが7倍上昇(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)、ダルナビル及びリトナビル両剤とロスバスタチンを併用したときロスバスタチンのAUCが約1.5倍・Cmaxが約2.4倍上昇したとの報告がある(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)。またロスバスタチンとグレカプレビル・ピブレンタスビル<承認用量外の用量>を併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.2倍・Cmaxが約5.6倍上昇したとの報告がある(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

6). ダクラタスビル、アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル[ロスバスタチンとダクラタスビル、アスナプレビル、又はダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル<承認用量外の用量>を併用したとき、ロスバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告がある(ダクラタスビル、ベクラブビルがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性があり、また、アスナプレビルがOATP1B1、1B3の機能を阻害する可能性がある)]。

7). グラゾプレビル/エルバスビル[ロスバスタチンとグラゾプレビル<承認用量外の用量>及びエルバスビルを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.3倍・Cmaxが約5.5倍上昇した(併用薬剤がBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

8). ソホスブビル・ベルパタスビル[ロスバスタチンとベルパタスビルを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.7倍・Cmaxが約2.6倍上昇したとの報告がある(ベルパタスビルがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

9). ダロルタミド[ロスバスタチンとダロルタミドを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが5.2倍・Cmaxが5.0倍上昇したとの報告がある(ダロルタミドがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

10). レゴラフェニブ[ロスバスタチンとレゴラフェニブを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが3.8倍・Cmaxが4.6倍上昇したとの報告がある(レゴラフェニブがBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

11). カプマチニブ塩酸塩水和物[ロスバスタチンとカプマチニブ塩酸塩水和物を併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.1倍・Cmaxが約3.0倍上昇したとの報告がある(カプマチニブ塩酸塩がBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。

12). バダデュスタット[ロスバスタチンとバダデュスタットを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.5倍・Cmaxが約2.7倍上昇したとの報告がある(バダデュスタットがBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。

13). フェブキソスタット[ロスバスタチンとフェブキソスタットを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約1.9倍・Cmaxが約2.1倍上昇したとの報告がある(フェブキソスタットがBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。

14). エルトロンボパグ[ロスバスタチンとエルトロンボパグを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約1.6倍上昇したとの報告がある(エルトロンボパグがOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。

15). 陰イオン交換樹脂<経口>(コレスチミド<経口>、コレスチラミン<経口>等)〔16.7.1参照〕[エゼチミブとの併用によりエゼチミブの血中濃度の低下がみられたため、本剤は陰イオン交換樹脂の投与前2時間あるいは投与後4時間以上の間隔をあけて投与すること(<機序>エゼチミブが陰イオン交換樹脂と結合し、吸収が遅延あるいは減少する可能性がある)]。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラットに他のHMG−CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎仔骨格奇形が報告されている。更に、ヒトでは、他のHMG−CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある)〔2.3参照〕。

(授乳婦)

投与しないこと(エゼチミブでは、ヒト母乳中への移行の有無は不明であるが、妊娠後から授乳期まで投与したラットで乳仔への移行が認められており、ロスバスタチンでは、ラットで乳汁中への移行が報告されている)〔2.3参照〕。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(取扱い上の注意)

アルミニウム袋開封後は、湿気を避けて保存すること。また、光を避けるため、PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出すこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 複合型高脂血症患者を対象にした海外の多施設二重盲検プラセボ対照試験(625例が12週間以内、576例が1年以内の投与)において、血清トランスアミナーゼ上昇<基準値上限の3倍を超える連続した上昇>の発現率(曝露期間で調整)は、フェノフィブラート単独群で4.5%、エゼチミブとフェノフィブラート併用群で2.7%であり、同様に、胆のう摘出術の発現率は、フェノフィブラート単独群で0.6%、エゼチミブとフェノフィブラート併用群で1.7%であり、CK上昇(基準値上限の10倍を超える)については、本試験のいずれの群でも認められなかった(また、エゼチミブとフェノフィブラート併用における一般的な有害事象は腹痛であった)。なお、本試験は、頻繁に発現しない有害事象を群間で比較するようにはデザインされていない〔8.7参照〕。

15.1.2. 海外において、ロスバスタチンを含むHMG−CoA還元酵素阻害剤投与中の患者では、糖尿病発症のリスクが高かったとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

イヌでエゼチミブ(0.03mg/kg/日以上)の1ヵ月間投与により、胆のう胆汁コレステロール濃度が約2〜3倍増加したとの報告がある。しかし、300mg/kg/日をイヌに12ヵ月間投与しても胆石あるいは肝・胆管系への影響はみられなかった。マウスに2週間投与(5mg/kg/日)しても胆のう胆汁コレステロール濃度への影響はみられなかった〔8.7参照〕。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

後発品はありません
薬剤情報

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