薬効分類 | 凝固因子製剤 > 血液凝固第9因子 |
一般名 | 乾燥濃縮人血液凝固第IX因子 |
薬価 | 23065円 |
メーカー | 日本血液製剤機構 |
最終更新 | 2021年01月改訂(第1版) |
本剤を日局注射用水4mL(400国際単位製剤)で溶解し、通常1回血液凝固第9因子400〜1200国際単位を静脈内に緩徐に注射する。用量は、年齢・症状に応じ適宜増減する。
血液凝固第9因子欠乏患者の出血傾向を抑制する。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は「乾燥濃縮人血液凝固第9因子」であり、「乾燥人血液凝固第9因子複合体」ではないので、バイパス効果は期待できない。そのため、血液凝固第8因子に対する阻止抗体(インヒビター)を有する患者の出血に対しては使用しないこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)顔面潮紅、蕁麻疹、(頻度不明)発熱等。
2). その他:(頻度不明)悪寒、腰痛。
8.1. 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2. 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV−1抗体、抗HIV−2抗体、抗HTLV−1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。更に、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した血漿を原料として、マウスモノクローナル抗体ゲル処理等により人血液凝固第9因子を濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化・除去を目的として、製造工程においてリン酸トリ−n−ブチル(TNBP)/ポリソルベート80処理、ウイルス除去膜によるろ過処理、凍結乾燥の後、60℃、72時間の加熱処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
8.2.1. 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること〔9.1.1、9.1.2、9.5妊婦の項参照〕。
8.2.2. 肝炎ウイルス感染等のウイルス感染のリスクについては完全には否定できないので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.2.3. 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.3. 患者の血中に血液凝固第9因子に対するインヒビター発生するおそれがある。
本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第9因子回収率や血液凝固第9因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
8.4. 大量投与によりDICを起こす危険性を完全には否定できないので、観察を十分に行うこと。
8.5. マウスたん白質に対する抗体を産出する可能性を完全には否定できないので、観察を十分に行うこと〔9.1.3参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 溶血性貧血・失血性貧血の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。
9.1.2. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。
9.1.3. マウスたん白質に対し過敏症の既往歴のある患者:観察を十分に行うこと〔8.5参照〕。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある))〔8.2.1参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 他の製剤と混注しないこと。
14.1.2. 溶解した液を注射器に移す場合、フィルターの付いたセットを用いること。
14.1.3. 一度溶解したものは1時間以内に使用すること。
14.1.4. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しない(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 溶解時に沈殿の認められるものは使用しないこと。
14.2.2. 輸注速度が速すぎるとチアノーゼ、動悸を起こすことがあるので、ゆっくり注入すること。
14.3. 薬剤交付時の注意
14.3.1. 子供の手の届かない所へ保管すること。
14.3.2. 使用済の医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。
(取扱い上の注意)
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、製造番号(ロット番号)、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
(保管上の注意)
10℃以下に凍結を避けて保存。
(注意)
本剤は、貴重な人血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。
(クリスマシンM静注用400単位の溶解法及び溶解液注入針の使い方)
@. 添付の溶剤瓶を室温程度にまで温める(決して37℃を超えて加温しない)。
A. クリスマシンM静注用400単位(以下クリスマシンMと略す)と溶剤の両方の瓶のキャップを除去しゴム栓の表面を消毒する(添付文書の図1)。
B. 溶解液注入針に添付のアダプターを溶剤瓶にセットする(添付文書の図2)。
C. 溶解液注入針の保護サヤをまず片方だけ軽くまわしてはずす(添付文書の図3)。
D. 溶解液注入針を溶剤瓶のゴム栓中央に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図4)。
E. 溶解液注入針の反対側の保護サヤを軽くまわしてはずし、クリスマシンM瓶を倒立させて溶解液注入針をゴム栓の中央大きい○印の箇所に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図5)。
F. 溶剤瓶が上になるように逆転する。液が流れ始めたら連結された両方の瓶を斜めにして液ができるだけクリスマシンM瓶の壁面に沿って流れ込むようにする(添付文書の図6)。
G. 溶剤瓶をはずし、溶解液注入針に保護サヤをはめる。
その状態でクリスマシンM瓶をゆるく振盪し、完全に溶解させる(添付文書の図7)。
H. 溶解液注入針の保護サヤをはずし、フィルトランを注射筒にセットする。
フィルトラン付注射筒をクリスマシンMの容量分引き、そのまま溶解液注入針の針部に深く刺し込み、押し子を押し込む(添付文書の図8)。
I. クリスマシンM瓶を倒立させ、注射筒にクリスマシンMを取りだす(添付文書の図9)。
J. 注射筒からフィルトランを抜き取る(添付文書の図10)。
K. 翼状針を装着して静脈内に投与する(添付文書の図11)。
薬効分類 | 凝固因子製剤 > 血液凝固第9因子 |
一般名 | 乾燥濃縮人血液凝固第IX因子 |
薬価 | 23065円 |
メーカー | 日本血液製剤機構 |
最終更新 | 2021年01月改訂(第1版) |
本剤を日局注射用水4mL(400国際単位製剤)で溶解し、通常1回血液凝固第9因子400〜1200国際単位を静脈内に緩徐に注射する。用量は、年齢・症状に応じ適宜増減する。
血液凝固第9因子欠乏患者の出血傾向を抑制する。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は「乾燥濃縮人血液凝固第9因子」であり、「乾燥人血液凝固第9因子複合体」ではないので、バイパス効果は期待できない。そのため、血液凝固第8因子に対する阻止抗体(インヒビター)を有する患者の出血に対しては使用しないこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)顔面潮紅、蕁麻疹、(頻度不明)発熱等。
2). その他:(頻度不明)悪寒、腰痛。
8.1. 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2. 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV−1抗体、抗HIV−2抗体、抗HTLV−1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。更に、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した血漿を原料として、マウスモノクローナル抗体ゲル処理等により人血液凝固第9因子を濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化・除去を目的として、製造工程においてリン酸トリ−n−ブチル(TNBP)/ポリソルベート80処理、ウイルス除去膜によるろ過処理、凍結乾燥の後、60℃、72時間の加熱処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
8.2.1. 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること〔9.1.1、9.1.2、9.5妊婦の項参照〕。
8.2.2. 肝炎ウイルス感染等のウイルス感染のリスクについては完全には否定できないので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.2.3. 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.3. 患者の血中に血液凝固第9因子に対するインヒビター発生するおそれがある。
本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第9因子回収率や血液凝固第9因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
8.4. 大量投与によりDICを起こす危険性を完全には否定できないので、観察を十分に行うこと。
8.5. マウスたん白質に対する抗体を産出する可能性を完全には否定できないので、観察を十分に行うこと〔9.1.3参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 溶血性貧血・失血性貧血の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。
9.1.2. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。
9.1.3. マウスたん白質に対し過敏症の既往歴のある患者:観察を十分に行うこと〔8.5参照〕。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある))〔8.2.1参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 他の製剤と混注しないこと。
14.1.2. 溶解した液を注射器に移す場合、フィルターの付いたセットを用いること。
14.1.3. 一度溶解したものは1時間以内に使用すること。
14.1.4. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しない(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 溶解時に沈殿の認められるものは使用しないこと。
14.2.2. 輸注速度が速すぎるとチアノーゼ、動悸を起こすことがあるので、ゆっくり注入すること。
14.3. 薬剤交付時の注意
14.3.1. 子供の手の届かない所へ保管すること。
14.3.2. 使用済の医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。
(取扱い上の注意)
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、製造番号(ロット番号)、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
(保管上の注意)
10℃以下に凍結を避けて保存。
(注意)
本剤は、貴重な人血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。
(クリスマシンM静注用400単位の溶解法及び溶解液注入針の使い方)
@. 添付の溶剤瓶を室温程度にまで温める(決して37℃を超えて加温しない)。
A. クリスマシンM静注用400単位(以下クリスマシンMと略す)と溶剤の両方の瓶のキャップを除去しゴム栓の表面を消毒する(添付文書の図1)。
B. 溶解液注入針に添付のアダプターを溶剤瓶にセットする(添付文書の図2)。
C. 溶解液注入針の保護サヤをまず片方だけ軽くまわしてはずす(添付文書の図3)。
D. 溶解液注入針を溶剤瓶のゴム栓中央に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図4)。
E. 溶解液注入針の反対側の保護サヤを軽くまわしてはずし、クリスマシンM瓶を倒立させて溶解液注入針をゴム栓の中央大きい○印の箇所に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図5)。
F. 溶剤瓶が上になるように逆転する。液が流れ始めたら連結された両方の瓶を斜めにして液ができるだけクリスマシンM瓶の壁面に沿って流れ込むようにする(添付文書の図6)。
G. 溶剤瓶をはずし、溶解液注入針に保護サヤをはめる。
その状態でクリスマシンM瓶をゆるく振盪し、完全に溶解させる(添付文書の図7)。
H. 溶解液注入針の保護サヤをはずし、フィルトランを注射筒にセットする。
フィルトラン付注射筒をクリスマシンMの容量分引き、そのまま溶解液注入針の針部に深く刺し込み、押し子を押し込む(添付文書の図8)。
I. クリスマシンM瓶を倒立させ、注射筒にクリスマシンMを取りだす(添付文書の図9)。
J. 注射筒からフィルトランを抜き取る(添付文書の図10)。
K. 翼状針を装着して静脈内に投与する(添付文書の図11)。
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