薬効分類 | 免疫抑制薬 > ヒト型抗ヒトインターロイキン−17A (IL−17A) モノクローナル抗体 |
一般名 | セクキヌマブ (遺伝子組換え) キット (1) |
薬価 | 40144円 |
メーカー | ノバルティス ファーマ |
最終更新 | 2024年06月改訂(第9版) |
〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。
通常、6歳以上の小児にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、体重50kg未満の患者には1回75mgを、体重50kg以上の患者には1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。なお、体重50kg以上の患者では、状態に応じて1回300mgを投与することができる。
〈強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
7.2. 〈効能共通〉本剤による治療反応は、通常投与開始から16週以内に得られるため、16週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.3. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉体重60kg以下の成人患者では1回150mgの投与を考慮すること〔17.1.2参照〕。
既存治療で効果不十分な次記疾患:尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉次のいずれかを満たす患者に投与すること[1)紫外線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者、2)難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する患者]〔1.3参照〕。
5.2. 〈強直性脊椎炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.3参照〕。
5.3. 〈X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的徴候が認められる場合に投与すること〔1.3参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(1.5%):ウイルス、細菌あるいは真菌等による重篤な感染症があらわれることがある〔1.2、8.1、8.2参照〕。
11.1.2. 過敏症反応:アナフィラキシー(頻度不明)、蕁麻疹(1.0%)等の過敏症反応があらわれることがある。
11.1.3. 好中球数減少(0.5%)。
11.1.4. 炎症性腸疾患(0.5%)〔9.1.3参照〕。
11.1.5. 紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 感染症:(1%以上)上気道感染(上咽頭炎、上気道感染、鼻炎、咽頭炎、副鼻腔炎、扁桃炎)、カンジダ症、(1%未満)足部白癬、口腔ヘルペス。
2). 眼障害:(頻度不明)結膜炎。
3). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%未満)鼻漏。
4). 胃腸障害:(1%未満)下痢。
5). 皮膚及び皮下組織障害:(1%以上)蕁麻疹、(頻度不明)異汗性湿疹、壊疽性膿皮症。
6). 肝胆道系障害:(1%未満)肝機能検査値異常。
7). 神経系障害:(頻度不明)頭痛。
8). 全身障害及び投与部位様態:(1%未満)注射部位反応。
1.1. 本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。
本剤は感染のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること〔8.1−8.3、9.1.1、9.1.2、15.1.3参照〕。
1.2. 重篤な感染症
ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染の徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに主治医に連絡するよう患者を指導すること〔8.1、8.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること〔5.1−5.3参照〕。
2.1. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や感染症増悪に注意すること。感染の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること〔1.1、1.2、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線(レントゲン)検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと〔1.1、1.2、9.1.2、11.1.1参照〕。
8.3. 臨床試験において皮膚悪性腫瘍及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、15.1.3参照〕。
8.4. 本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
8.5. 他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.6. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、自己投与の適用後、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者:感染症が悪化するおそれがある〔1.1、1.2、2.1、8.1参照〕。
9.1.2. 結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある〔2.2、8.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること〔1.1、1.2、2.2、8.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. 炎症性腸疾患の患者:炎症性腸疾患の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと(症状を悪化させるおそれがある)。活動期にあるクローン病の患者を対象とした海外臨床試験において、プラセボ群に比べて本剤群において活動期のクローン病の症状が悪化する傾向がみられている〔11.1.4参照〕。
9.1.4. ラテックス過敏症の既往歴又は可能性のある患者:アレルギー反応を起こすことがあるので注意すること(注射針部分のカバーは、乾燥天然ゴム(ラテックス類縁物質)を含む)。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤はカニクイザルにおいて胎仔への移行が報告されているが、胚・胎仔毒性及び催奇形性は認められていない)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、本薬を投与した動物実験(マウス)で乳汁中に移行することが報告されている(代替抗体を投与した動物実験(マウス)で出生仔の血清中への移行を確認した))。
9.7.1. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与前の注意
14.1.1. 冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。
14.1.2. 投与直前まで本剤の注射針のキャップを外さない(キャップを外したら直ちに投与する)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位<傷・発赤・鱗屑・硬結・瘢痕・皮膚線条等の部位>、乾癬の部位には注射しないこと。
14.2.2. 投与部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
14.2.3. 本剤は、1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
(取扱い上の注意)
20.1. 室温で保存する場合は、30℃を超えない場所で保存し、4日以内に使用すること。
20.2. 外箱開封後は遮光して保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 〈効能共通〉尋常性乾癬及び乾癬性関節炎を対象とした国際共同及び海外第3相臨床試験で、52週までに19/3364例(0.6%)の患者に抗セクキヌマブ抗体が認められ、うち3/3364例(0.1%)の抗セクキヌマブ抗体は中和抗体であった(日本人では、1/148例(0.7%)に抗セクキヌマブ抗体が認められ、その1例の抗セクキヌマブ抗体は中和抗体であった)。日本人膿疱性乾癬患者を対象とした国内第3相試験においては、12例中抗セクキヌマブ抗体が認められた患者はいなかった。
強直性脊椎炎患者を対象として日本で実施した非盲検試験及び海外第3相試験において、最長156週までに12/1192例(1.0%)の患者に抗セクキヌマブ抗体が認められたが、中和抗体ではなかった。X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎を対象とした国際共同試験で、543例中抗セクキヌマブ抗体が認められた患者はいなかった。なお、抗体の発現と効果又は有害事象との関連は明らかではない。
15.1.2. 〈効能共通〉本剤との因果関係は明確ではないが、国内の市販後において自殺既遂の死亡例が報告されている。
15.1.3. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉国際共同試験及び海外第3相臨床試験で、本剤300mgが投与された患者1410例(52週時)について、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>(以下同様)の発現頻度は、0.34/100人年(4/1410例)であり、その内容は表皮内悪性黒色腫、悪性黒色腫、腎癌、新生物であり、悪性腫瘍の発現頻度は、一般人口で予測される発現頻度と同様であった(標準化発生比:0.64[95%信頼区間:0.17,1.63])、非黒色腫皮膚癌の発現頻度は、0.43/100人年(5/1410例)であった〔1.1、8.3参照〕。
15.1.4. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない。
(保管上の注意)
2〜8℃に保存。
薬効分類 | 免疫抑制薬 > ヒト型抗ヒトインターロイキン−17A (IL−17A) モノクローナル抗体 |
一般名 | セクキヌマブ (遺伝子組換え) キット (1) |
薬価 | 40144円 |
メーカー | ノバルティス ファーマ |
最終更新 | 2024年06月改訂(第9版) |
〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。
通常、6歳以上の小児にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、体重50kg未満の患者には1回75mgを、体重50kg以上の患者には1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。なお、体重50kg以上の患者では、状態に応じて1回300mgを投与することができる。
〈強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
7.2. 〈効能共通〉本剤による治療反応は、通常投与開始から16週以内に得られるため、16週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.3. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉体重60kg以下の成人患者では1回150mgの投与を考慮すること〔17.1.2参照〕。
既存治療で効果不十分な次記疾患:尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉次のいずれかを満たす患者に投与すること[1)紫外線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者、2)難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する患者]〔1.3参照〕。
5.2. 〈強直性脊椎炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.3参照〕。
5.3. 〈X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的徴候が認められる場合に投与すること〔1.3参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(1.5%):ウイルス、細菌あるいは真菌等による重篤な感染症があらわれることがある〔1.2、8.1、8.2参照〕。
11.1.2. 過敏症反応:アナフィラキシー(頻度不明)、蕁麻疹(1.0%)等の過敏症反応があらわれることがある。
11.1.3. 好中球数減少(0.5%)。
11.1.4. 炎症性腸疾患(0.5%)〔9.1.3参照〕。
11.1.5. 紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 感染症:(1%以上)上気道感染(上咽頭炎、上気道感染、鼻炎、咽頭炎、副鼻腔炎、扁桃炎)、カンジダ症、(1%未満)足部白癬、口腔ヘルペス。
2). 眼障害:(頻度不明)結膜炎。
3). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%未満)鼻漏。
4). 胃腸障害:(1%未満)下痢。
5). 皮膚及び皮下組織障害:(1%以上)蕁麻疹、(頻度不明)異汗性湿疹、壊疽性膿皮症。
6). 肝胆道系障害:(1%未満)肝機能検査値異常。
7). 神経系障害:(頻度不明)頭痛。
8). 全身障害及び投与部位様態:(1%未満)注射部位反応。
1.1. 本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。
本剤は感染のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること〔8.1−8.3、9.1.1、9.1.2、15.1.3参照〕。
1.2. 重篤な感染症
ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染の徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに主治医に連絡するよう患者を指導すること〔8.1、8.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること〔5.1−5.3参照〕。
2.1. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や感染症増悪に注意すること。感染の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること〔1.1、1.2、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線(レントゲン)検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと〔1.1、1.2、9.1.2、11.1.1参照〕。
8.3. 臨床試験において皮膚悪性腫瘍及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、15.1.3参照〕。
8.4. 本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
8.5. 他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.6. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、自己投与の適用後、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者:感染症が悪化するおそれがある〔1.1、1.2、2.1、8.1参照〕。
9.1.2. 結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある〔2.2、8.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること〔1.1、1.2、2.2、8.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. 炎症性腸疾患の患者:炎症性腸疾患の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと(症状を悪化させるおそれがある)。活動期にあるクローン病の患者を対象とした海外臨床試験において、プラセボ群に比べて本剤群において活動期のクローン病の症状が悪化する傾向がみられている〔11.1.4参照〕。
9.1.4. ラテックス過敏症の既往歴又は可能性のある患者:アレルギー反応を起こすことがあるので注意すること(注射針部分のカバーは、乾燥天然ゴム(ラテックス類縁物質)を含む)。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤はカニクイザルにおいて胎仔への移行が報告されているが、胚・胎仔毒性及び催奇形性は認められていない)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、本薬を投与した動物実験(マウス)で乳汁中に移行することが報告されている(代替抗体を投与した動物実験(マウス)で出生仔の血清中への移行を確認した))。
9.7.1. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与前の注意
14.1.1. 冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。
14.1.2. 投与直前まで本剤の注射針のキャップを外さない(キャップを外したら直ちに投与する)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位<傷・発赤・鱗屑・硬結・瘢痕・皮膚線条等の部位>、乾癬の部位には注射しないこと。
14.2.2. 投与部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
14.2.3. 本剤は、1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
(取扱い上の注意)
20.1. 室温で保存する場合は、30℃を超えない場所で保存し、4日以内に使用すること。
20.2. 外箱開封後は遮光して保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 〈効能共通〉尋常性乾癬及び乾癬性関節炎を対象とした国際共同及び海外第3相臨床試験で、52週までに19/3364例(0.6%)の患者に抗セクキヌマブ抗体が認められ、うち3/3364例(0.1%)の抗セクキヌマブ抗体は中和抗体であった(日本人では、1/148例(0.7%)に抗セクキヌマブ抗体が認められ、その1例の抗セクキヌマブ抗体は中和抗体であった)。日本人膿疱性乾癬患者を対象とした国内第3相試験においては、12例中抗セクキヌマブ抗体が認められた患者はいなかった。
強直性脊椎炎患者を対象として日本で実施した非盲検試験及び海外第3相試験において、最長156週までに12/1192例(1.0%)の患者に抗セクキヌマブ抗体が認められたが、中和抗体ではなかった。X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎を対象とした国際共同試験で、543例中抗セクキヌマブ抗体が認められた患者はいなかった。なお、抗体の発現と効果又は有害事象との関連は明らかではない。
15.1.2. 〈効能共通〉本剤との因果関係は明確ではないが、国内の市販後において自殺既遂の死亡例が報告されている。
15.1.3. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉国際共同試験及び海外第3相臨床試験で、本剤300mgが投与された患者1410例(52週時)について、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>(以下同様)の発現頻度は、0.34/100人年(4/1410例)であり、その内容は表皮内悪性黒色腫、悪性黒色腫、腎癌、新生物であり、悪性腫瘍の発現頻度は、一般人口で予測される発現頻度と同様であった(標準化発生比:0.64[95%信頼区間:0.17,1.63])、非黒色腫皮膚癌の発現頻度は、0.43/100人年(5/1410例)であった〔1.1、8.3参照〕。
15.1.4. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない。
(保管上の注意)
2〜8℃に保存。
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※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。