薬剤情報
後発品
薬効分類定型抗精神病薬 > ブチロフェノン系精神神経用薬
一般名チミペロン1mg錠
薬価5.9
メーカー共和薬品
最終更新2020年03月改訂(第5版)

用法・用量

チミペロンとして、1日0.5〜3mgよりはじめ徐々に増量し、1日3〜12mgを分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

統合失調症。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない(頻度不明)。

重大な副作用

1.重大な副作用

1).Syndrome malin(悪性症候群):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。

2).麻痺性イレウス:腸管麻痺(初期症状:食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩、腸内容物うっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺が認められた場合には投与を中止する。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意する。

3).遅発性ジスキネジー:長期投与により、口周部不随意運動等の不随意運動が現れ、投与中止後も持続することがある。

4).無顆粒球症、白血球減少:無顆粒球症、白血球減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

5).肺塞栓症、深部静脈血栓症:抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

2.重大な副作用(類薬)

1).心室頻拍(Torsades de Pointesを含む):類似化合物(ハロペリドール)で心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。

2).抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):類似化合物(ハロペリドール)で、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることが報告されているので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行う。

その他の副作用

3.その他の副作用:次記の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行う。

1).循環器:(頻度不明)血圧低下、頻脈、血圧上昇、胸内苦悶感、心電図変化(洞性徐脈、洞性頻脈、洞性不整脈、不完全脚ブロック、T波変化、QT間隔延長等)、動悸、徐脈。

2).肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等。

3).錐体外路症状:(頻度不明)アカシジア(静座不能)、パーキンソン症候群(手指振戦、固縮、流涎等)、ジスキネジー(痙攣性斜頚、顔面攣縮及び頚部攣縮、後弓反張、眼球回転発作、構音障害、舌のもつれ等)、嚥下困難、歩行異常。

4).眼:(頻度不明)視調節障害、かすみ目。

5).過敏症:(頻度不明)発疹等。

6).血液:(頻度不明)貧血、白血球増加、血小板減少、血小板増加、血糖値低下、血糖値上昇等。

7).消化器:(頻度不明)口渇、食欲不振、便秘、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲亢進。

8).内分泌:(頻度不明)月経異常、乳汁分泌、乳房痛、*血中プロラクチン値上昇[*:本剤は中枢のドパミン神経系に対して抑制的に作用するため、血中プロラクチン値が上昇することがある]。

9).精神神経系:(頻度不明)睡眠障害、痙攣、意識障害、錯乱、眠気、不安・焦燥、興奮・易刺激性、眩暈・ふらつき、頭痛、知覚異常、衝動行為、性的高揚、抑うつ、しびれ感等。

10).その他:(頻度不明)倦怠感、脱力感、立ちくらみ、鼻閉、発汗、排尿障害、発熱、総コレステロール上昇、BUN上昇、クレアチニン値上昇、尿蛋白の判定が偽陽性ないし陽性化・ウロビリノーゲンの判定が偽陽性ないし陽性化・尿糖の判定が偽陽性ないし陽性化等、浮腫、耳鳴、鼻血。

禁忌

1.昏睡状態の患者[症状が悪化する恐れがある]。

2.バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制薬の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される]。

3.重症心不全患者[一過性血圧低下、頻脈等が現れる恐れがある]。

4.パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者[錐体外路症状が悪化する恐れがある]。

5.本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者。

6.アドレナリン投与中<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く>の患者。

7.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

慎重投与

1.心・血管疾患、低血圧、又はこれらの疑いのある患者[一過性血圧低下が現れることがある]。

2.てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある]。

3.肝障害のある患者[症状が悪化する恐れがあり、また、血中濃度が上昇する恐れがある]。

4.甲状腺機能亢進状態にある患者[錐体外路症状が起こりやすい]。

5.高齢者。

6.小児等。

7.薬物過敏症の既往歴のある患者。

8.脱水を伴う身体的疲弊・栄養不良状態を伴う身体的疲弊等のある患者[Syndrome malin(悪性症候群)が起こる恐れがある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。

2.制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等の嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意する。

3.抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意する。

相互作用

1.併用禁忌:アドレナリン<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く><ボスミン>[アドレナリンの作用を反転させ重篤な血圧低下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α及びβ刺激薬であるが、本剤のα遮断作用により、β刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されると考えられている)]。

2.併用注意:

1).中枢神経抑制薬(バルビツール酸誘導体等)[中枢神経抑制作用が増強することがあるので、用量を調節する(相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている)]。

2).アルコール[中枢神経抑制作用が増強することがある(相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている)]。

3).リチウム[類似化合物で心電図変化、類似化合物で重症の錐体外路症状、類似化合物で持続性のジスキネジー、類似化合物で突発性のSyndrome malin<悪性症候群>、類似化合物で非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行う(機序は明らかでないが、ブチロフェノン系薬剤は脳内ドパミン受容体とアデニルシクラーゼ活性を遮断し、リチウムもアデニルシクラーゼ活性を抑制して、相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている)]。

4).メトクロプラミド、ドンペリドン[内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる(相互に抗ドパミン作用を増強すると考えられている)]。

5).タンドスピロンクエン酸塩[錐体外路症状を増強する恐れがある(タンドスピロンクエン酸塩が弱い抗ドパミン作用(D2)を有すると考えられている)]。

6).ドパミン作動薬(レボドパ等)[ドパミン作動薬の作用を減弱することがある(抗ドパミン作用を有するため、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗すると考えられている)]。

7).カルバマゼピン[類似化合物<ハロペリドール>で作用が減弱し運動性興奮や譫妄状態を起こすとの報告があるので、観察を十分に行う(カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、類似化合物(ハロペリドール)の代謝が促進され、血中濃度が減少(平均60%)するとの報告がある)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

高齢者では、錐体外路症状等の副作用が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状が現れたとの報告がある]。

2.授乳中の婦人には授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中へ移行することがある]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

錐体外路症状等、中枢神経系副作用が起こりやすい。

過量投与

1.過量投与時の症状:主な症状は、低血圧、過度の鎮静、重症の錐体外路症状(筋強剛、振戦、ジストニア症状)等である。また、過量投与により呼吸抑制及び低血圧を伴う昏睡状態や心電図異常(Torsades de Pointesを含む)が現れることがある。小児では過量投与により血圧上昇が現れたとの報告もある。

2.過量投与時の処置:特異的な解毒剤はないので維持療法を行う。過量投与により呼吸抑制が現れた場合には、気道の確保、人工呼吸等の適切な処置を行う。過量投与により低血圧や循環虚脱が現れた場合には、輸液・血漿製剤、アルブミン製剤、ノルアドレナリン等の昇圧薬(アドレナリンは禁忌)等による血圧の確保等の処置を行う。また、過量投与によるQT延長、不整脈等の心電図異常に注意する。過量投与による重症の錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン病薬を投与する。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40±1℃、相対湿度75±5%、6カ月)の結果、チミペロン錠0.5mg「アメル」・錠1mg「アメル」・錠3mg「アメル」及び細粒1%「アメル」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他の注意

1.チミペロン製剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

2.外国で実施された認知症に関連した精神病症状<承認外効能・効果>を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告があり、また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率上昇に関与するとの報告がある。

3.マウスの雄で臨床最大用量の30倍(6.2mg/kg/日)以上、雌で115倍(23.2mg/kg/日)以上をそれぞれ長期間経口投与した試験において、下垂体腫瘍、乳腺腫瘍等での腫瘍発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。

チミペロン錠1mg「アメル」
チミペロン錠1mg「アメル」

チミペロン錠1mg「アメル」

定型抗精神病薬 > ブチロフェノン系精神神経用薬
2020年03月改訂(第5版)
薬剤情報
後発品
薬効分類定型抗精神病薬 > ブチロフェノン系精神神経用薬
一般名チミペロン1mg錠
薬価5.9
メーカー共和薬品
最終更新2020年03月改訂(第5版)

用法・用量

チミペロンとして、1日0.5〜3mgよりはじめ徐々に増量し、1日3〜12mgを分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

統合失調症。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない(頻度不明)。

重大な副作用

1.重大な副作用

1).Syndrome malin(悪性症候群):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。

2).麻痺性イレウス:腸管麻痺(初期症状:食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩、腸内容物うっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺が認められた場合には投与を中止する。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意する。

3).遅発性ジスキネジー:長期投与により、口周部不随意運動等の不随意運動が現れ、投与中止後も持続することがある。

4).無顆粒球症、白血球減少:無顆粒球症、白血球減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

5).肺塞栓症、深部静脈血栓症:抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

2.重大な副作用(類薬)

1).心室頻拍(Torsades de Pointesを含む):類似化合物(ハロペリドール)で心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。

2).抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):類似化合物(ハロペリドール)で、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることが報告されているので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行う。

その他の副作用

3.その他の副作用:次記の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行う。

1).循環器:(頻度不明)血圧低下、頻脈、血圧上昇、胸内苦悶感、心電図変化(洞性徐脈、洞性頻脈、洞性不整脈、不完全脚ブロック、T波変化、QT間隔延長等)、動悸、徐脈。

2).肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等。

3).錐体外路症状:(頻度不明)アカシジア(静座不能)、パーキンソン症候群(手指振戦、固縮、流涎等)、ジスキネジー(痙攣性斜頚、顔面攣縮及び頚部攣縮、後弓反張、眼球回転発作、構音障害、舌のもつれ等)、嚥下困難、歩行異常。

4).眼:(頻度不明)視調節障害、かすみ目。

5).過敏症:(頻度不明)発疹等。

6).血液:(頻度不明)貧血、白血球増加、血小板減少、血小板増加、血糖値低下、血糖値上昇等。

7).消化器:(頻度不明)口渇、食欲不振、便秘、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲亢進。

8).内分泌:(頻度不明)月経異常、乳汁分泌、乳房痛、*血中プロラクチン値上昇[*:本剤は中枢のドパミン神経系に対して抑制的に作用するため、血中プロラクチン値が上昇することがある]。

9).精神神経系:(頻度不明)睡眠障害、痙攣、意識障害、錯乱、眠気、不安・焦燥、興奮・易刺激性、眩暈・ふらつき、頭痛、知覚異常、衝動行為、性的高揚、抑うつ、しびれ感等。

10).その他:(頻度不明)倦怠感、脱力感、立ちくらみ、鼻閉、発汗、排尿障害、発熱、総コレステロール上昇、BUN上昇、クレアチニン値上昇、尿蛋白の判定が偽陽性ないし陽性化・ウロビリノーゲンの判定が偽陽性ないし陽性化・尿糖の判定が偽陽性ないし陽性化等、浮腫、耳鳴、鼻血。

禁忌

1.昏睡状態の患者[症状が悪化する恐れがある]。

2.バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制薬の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される]。

3.重症心不全患者[一過性血圧低下、頻脈等が現れる恐れがある]。

4.パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者[錐体外路症状が悪化する恐れがある]。

5.本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者。

6.アドレナリン投与中<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く>の患者。

7.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

慎重投与

1.心・血管疾患、低血圧、又はこれらの疑いのある患者[一過性血圧低下が現れることがある]。

2.てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある]。

3.肝障害のある患者[症状が悪化する恐れがあり、また、血中濃度が上昇する恐れがある]。

4.甲状腺機能亢進状態にある患者[錐体外路症状が起こりやすい]。

5.高齢者。

6.小児等。

7.薬物過敏症の既往歴のある患者。

8.脱水を伴う身体的疲弊・栄養不良状態を伴う身体的疲弊等のある患者[Syndrome malin(悪性症候群)が起こる恐れがある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。

2.制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等の嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意する。

3.抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意する。

相互作用

1.併用禁忌:アドレナリン<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く><ボスミン>[アドレナリンの作用を反転させ重篤な血圧低下を起こすことがある(アドレナリンはアドレナリン作動性α及びβ刺激薬であるが、本剤のα遮断作用により、β刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されると考えられている)]。

2.併用注意:

1).中枢神経抑制薬(バルビツール酸誘導体等)[中枢神経抑制作用が増強することがあるので、用量を調節する(相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている)]。

2).アルコール[中枢神経抑制作用が増強することがある(相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている)]。

3).リチウム[類似化合物で心電図変化、類似化合物で重症の錐体外路症状、類似化合物で持続性のジスキネジー、類似化合物で突発性のSyndrome malin<悪性症候群>、類似化合物で非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行う(機序は明らかでないが、ブチロフェノン系薬剤は脳内ドパミン受容体とアデニルシクラーゼ活性を遮断し、リチウムもアデニルシクラーゼ活性を抑制して、相互に中枢神経抑制作用を増強すると考えられている)]。

4).メトクロプラミド、ドンペリドン[内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる(相互に抗ドパミン作用を増強すると考えられている)]。

5).タンドスピロンクエン酸塩[錐体外路症状を増強する恐れがある(タンドスピロンクエン酸塩が弱い抗ドパミン作用(D2)を有すると考えられている)]。

6).ドパミン作動薬(レボドパ等)[ドパミン作動薬の作用を減弱することがある(抗ドパミン作用を有するため、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗すると考えられている)]。

7).カルバマゼピン[類似化合物<ハロペリドール>で作用が減弱し運動性興奮や譫妄状態を起こすとの報告があるので、観察を十分に行う(カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、類似化合物(ハロペリドール)の代謝が促進され、血中濃度が減少(平均60%)するとの報告がある)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

高齢者では、錐体外路症状等の副作用が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状が現れたとの報告がある]。

2.授乳中の婦人には授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中へ移行することがある]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

錐体外路症状等、中枢神経系副作用が起こりやすい。

過量投与

1.過量投与時の症状:主な症状は、低血圧、過度の鎮静、重症の錐体外路症状(筋強剛、振戦、ジストニア症状)等である。また、過量投与により呼吸抑制及び低血圧を伴う昏睡状態や心電図異常(Torsades de Pointesを含む)が現れることがある。小児では過量投与により血圧上昇が現れたとの報告もある。

2.過量投与時の処置:特異的な解毒剤はないので維持療法を行う。過量投与により呼吸抑制が現れた場合には、気道の確保、人工呼吸等の適切な処置を行う。過量投与により低血圧や循環虚脱が現れた場合には、輸液・血漿製剤、アルブミン製剤、ノルアドレナリン等の昇圧薬(アドレナリンは禁忌)等による血圧の確保等の処置を行う。また、過量投与によるQT延長、不整脈等の心電図異常に注意する。過量投与による重症の錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン病薬を投与する。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40±1℃、相対湿度75±5%、6カ月)の結果、チミペロン錠0.5mg「アメル」・錠1mg「アメル」・錠3mg「アメル」及び細粒1%「アメル」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他の注意

1.チミペロン製剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

2.外国で実施された認知症に関連した精神病症状<承認外効能・効果>を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告があり、また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率上昇に関与するとの報告がある。

3.マウスの雄で臨床最大用量の30倍(6.2mg/kg/日)以上、雌で115倍(23.2mg/kg/日)以上をそれぞれ長期間経口投与した試験において、下垂体腫瘍、乳腺腫瘍等での腫瘍発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。

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