薬効分類 | セフェム系抗生物質 |
一般名 | セフタジジム水和物静注用 |
薬価 | 686円 |
メーカー | ニプロ |
最終更新 | 2023年11月改訂(第1版) |
通常、成人には1日1〜2g(力価)を2回に分割し静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を4g(力価)まで増量し、2〜4回に分割投与する。
通常、小児には1日40〜100mg(力価)/kgを2〜4回に分割し静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を150mg(力価)/kgまで増量し、2〜4回に分割投与する。
通常、未熟児・新生児の生後0から3日齢には1回20mg(力価)/kgを1日2〜3回、また、生後4日齢以降には1回20mg(力価)/kgを1日3〜4回静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には、症状に応じて1日量を150mg(力価)/kgまで増量し、2〜4回に分割投与する。
静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。
なお、本剤は糖液、電解質液又はアミノ酸製剤等の補液に加えて30分〜2時間かけて点滴静注することもできる。
(用法及び用量に関連する注意)
腎機能障害患者では、血中濃度半減期の延長及び尿中排泄率の低下が認められ、血中濃度が増大するので、腎機能障害の程度に応じて投与量、投与間隔の調節が必要である〔8.3、9.2.1、11.1.2、11.1.8参照〕、次に投与法の一例を示す(外国人データ):1)クレアチニンクリアランス50〜31mL/min、血清クレアチニン1.7〜2.3mg/dL;1回投与量1.0g(力価)、投与間隔12時間、2)クレアチニンクリアランス30〜16mL/min、血清クレアチニン2.3〜4.0mg/dL;1回投与量1.0g(力価)、投与間隔24時間、3)クレアチニンクリアランス15〜6mL/min、血清クレアチニン4.0〜5.6mg/dL;1回投与量0.5g(力価)、投与間隔24時間、4)クレアチニンクリアランス<5mL/min、血清クレアチニン>5.6mg/dL;1回投与量0.5g(力価)、投与間隔48時間。
敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(前立腺炎<急性症>、前立腺炎<慢性症>)、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎。
(効能又は効果に関連する注意)
〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス・マルトフィリア(ザントモナス・マルトフィリア)、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(各0.1%未満):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、気管支痙攣、呼吸困難、顔面潮紅、血管性浮腫等があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと〔8.2、9.1.1参照〕。
11.1.2. 急性腎障害等の重篤な腎障害(頻度不明)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.3、9.2.1参照〕。
11.1.3. 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(各0.1%未満)、溶血性貧血(頻度不明)〔8.3参照〕。
11.1.4. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
11.1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。
11.1.6. 間質性肺炎、PIE症候群(いずれも頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ−GTP上昇等を伴う急性肝炎、肝機能障害や黄疸があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.8. 精神神経症状(頻度不明):脳症、昏睡、意識障害、痙攣、振戦、ミオクローヌス等の精神・神経症状があらわれることがある(特に、腎機能障害患者で減量を行わなかった場合にあらわれやすい)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.2.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1%〜1.8%)発疹、発熱、(0.1%未満)蕁麻疹、紅斑、そう痒。
2). 血液:(0.1%〜1.8%)顆粒球減少、好酸球増多、(0.1%未満)貧血、血小板増多、(頻度不明)リンパ球増多。
3). 肝臓:(0.1%〜1.8%)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇等、(0.1%未満)黄疸、ビリルビン上昇等。
4). 腎臓:(0.1%〜1.8%)BUN上昇等、(0.1%未満)クレアチニン上昇等。
5). 消化器:(0.1%〜1.8%)下痢、(0.1%未満)悪心、嘔吐、腹痛、食欲不振。
6). 菌交代症:(0.1%未満)口内炎、カンジダ症。
7). ビタミン欠乏症:(頻度不明)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
8). その他:(0.1%未満)めまい、頭痛、味覚障害、口渇感、(頻度不明)しびれ。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2.1. 事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
8.2.2. 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.2.3. 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に、投与開始直後は注意深く観察する)。
8.3. 本剤の投与に際しては定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。
また、定期的に肝機能、血液等の検査を行うことが望ましい〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.2.1、11.1.2、11.1.3、11.1.7参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
9.1.3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者:観察を十分に行うこと(ビタミンK欠乏症状があらわれることがある)〔9.8.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 高度腎障害のある患者:投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること(血中濃度が持続する)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.3、11.1.2、11.1.8参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 利尿剤(フロセミド等)[動物実験(ラット)でフロセミド等の利尿剤との併用により腎障害が増強されることが報告されているので、腎機能に注意する(機序は不明であるが、フロセミド投与による利尿のためレニン−アンジオテンシン系の賦活又は利尿剤による脱水等で尿細管細胞へのセフェム系抗生物質の取り込みが亢進し、腎毒性を発揮すると考えられている<危険因子>高度腎障害)]。
2). 経口避妊薬[経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある(腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている)]。
次の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
9.8.1. 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
9.8.2. ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある〔9.1.3参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行が報告されている)。
12.1. テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
12.2. 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
13.1. 症状
過量投与時、大脳刺激により、痙攣、意識障害等の精神・神経症状を起こすことがある。
13.2. 処置
過量投与時、本剤の血中濃度は透析により下げることができる。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 注射液の調製法
本剤には溶解補助剤として日局乾燥炭酸ナトリウムが配合されているため溶解時に炭酸ガスが発生しバイアル内が陽圧となるので、次のように2段階で調製する。次記溶解液量をバイアルに注入溶解し静脈内投与に際しては次記投与液量に希釈し投与する。溶解にあたっては外箱裏面記載の[溶解方法]を読んで行うこと。点滴静注を行う場合、注射用水を用いると溶液が等張とならないため用いないこと。
溶解液(日局注射用水、日局生理食塩液、5%日局ブドウ糖注射液)、溶解液量(5mL)、投与液量(20mL)。
14.1.2. 配合時:配合時には配合変化データを参照すること。次の注射剤と混合後、配合変化を起こすことが確認されているので注意すること。
(1). バンコマイシン塩酸塩注射剤、ガベキサートメシル酸塩注射剤、ブロムヘキシン塩酸塩注射剤、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤、カンレノ酸カリウム注射剤、ジピリダモール注射剤と配合すると白濁・沈殿を生じることがあるため、混注しないこと。
(2). フルオロウラシル注射剤、テガフール注射剤、アミノフィリン水和物注射剤と配合すると時間の経過とともに本剤の力価が低下することがあるため、速やかに使用すること。
(3). 本剤の安定性が低下するため、炭酸水素ナトリウム注射液を溶解や希釈に用いないこと。
14.1.3. 調製後:調製後は速やかに使用すること(なお、やむをえず保存を必要とする場合でも室温保存で6時間、冷蔵庫保存で72時間以内に使用すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 両頭針付き溶解剤(ハーフキット)に溶解して使用する場合は、薬剤溶解後に炭酸ガスが発生し、点滴筒内の液面が下がることがあるので、あらかじめ点滴筒の2/3まで薬液を溜めた後、点滴を開始すること。点滴開始時に液面が低い場合、チューブ内にエアーが入ることがある。
14.2.2. 静脈内大量投与により血管痛、血栓性静脈炎等を起こすことがあるので、これを予防するため注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分に注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | セフェム系抗生物質 |
一般名 | セフタジジム水和物静注用 |
薬価 | 686円 |
メーカー | ニプロ |
最終更新 | 2023年11月改訂(第1版) |
通常、成人には1日1〜2g(力価)を2回に分割し静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を4g(力価)まで増量し、2〜4回に分割投与する。
通常、小児には1日40〜100mg(力価)/kgを2〜4回に分割し静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を150mg(力価)/kgまで増量し、2〜4回に分割投与する。
通常、未熟児・新生児の生後0から3日齢には1回20mg(力価)/kgを1日2〜3回、また、生後4日齢以降には1回20mg(力価)/kgを1日3〜4回静脈内に注射する。なお、難治性又は重症感染症には、症状に応じて1日量を150mg(力価)/kgまで増量し、2〜4回に分割投与する。
静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。
なお、本剤は糖液、電解質液又はアミノ酸製剤等の補液に加えて30分〜2時間かけて点滴静注することもできる。
(用法及び用量に関連する注意)
腎機能障害患者では、血中濃度半減期の延長及び尿中排泄率の低下が認められ、血中濃度が増大するので、腎機能障害の程度に応じて投与量、投与間隔の調節が必要である〔8.3、9.2.1、11.1.2、11.1.8参照〕、次に投与法の一例を示す(外国人データ):1)クレアチニンクリアランス50〜31mL/min、血清クレアチニン1.7〜2.3mg/dL;1回投与量1.0g(力価)、投与間隔12時間、2)クレアチニンクリアランス30〜16mL/min、血清クレアチニン2.3〜4.0mg/dL;1回投与量1.0g(力価)、投与間隔24時間、3)クレアチニンクリアランス15〜6mL/min、血清クレアチニン4.0〜5.6mg/dL;1回投与量0.5g(力価)、投与間隔24時間、4)クレアチニンクリアランス<5mL/min、血清クレアチニン>5.6mg/dL;1回投与量0.5g(力価)、投与間隔48時間。
敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(前立腺炎<急性症>、前立腺炎<慢性症>)、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎。
(効能又は効果に関連する注意)
〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス・マルトフィリア(ザントモナス・マルトフィリア)、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(各0.1%未満):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、気管支痙攣、呼吸困難、顔面潮紅、血管性浮腫等があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと〔8.2、9.1.1参照〕。
11.1.2. 急性腎障害等の重篤な腎障害(頻度不明)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.3、9.2.1参照〕。
11.1.3. 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(各0.1%未満)、溶血性貧血(頻度不明)〔8.3参照〕。
11.1.4. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
11.1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。
11.1.6. 間質性肺炎、PIE症候群(いずれも頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ−GTP上昇等を伴う急性肝炎、肝機能障害や黄疸があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.8. 精神神経症状(頻度不明):脳症、昏睡、意識障害、痙攣、振戦、ミオクローヌス等の精神・神経症状があらわれることがある(特に、腎機能障害患者で減量を行わなかった場合にあらわれやすい)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.2.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1%〜1.8%)発疹、発熱、(0.1%未満)蕁麻疹、紅斑、そう痒。
2). 血液:(0.1%〜1.8%)顆粒球減少、好酸球増多、(0.1%未満)貧血、血小板増多、(頻度不明)リンパ球増多。
3). 肝臓:(0.1%〜1.8%)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇等、(0.1%未満)黄疸、ビリルビン上昇等。
4). 腎臓:(0.1%〜1.8%)BUN上昇等、(0.1%未満)クレアチニン上昇等。
5). 消化器:(0.1%〜1.8%)下痢、(0.1%未満)悪心、嘔吐、腹痛、食欲不振。
6). 菌交代症:(0.1%未満)口内炎、カンジダ症。
7). ビタミン欠乏症:(頻度不明)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
8). その他:(0.1%未満)めまい、頭痛、味覚障害、口渇感、(頻度不明)しびれ。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2.1. 事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
8.2.2. 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.2.3. 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に、投与開始直後は注意深く観察する)。
8.3. 本剤の投与に際しては定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。
また、定期的に肝機能、血液等の検査を行うことが望ましい〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.2.1、11.1.2、11.1.3、11.1.7参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
9.1.3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者:観察を十分に行うこと(ビタミンK欠乏症状があらわれることがある)〔9.8.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 高度腎障害のある患者:投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること(血中濃度が持続する)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.3、11.1.2、11.1.8参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 利尿剤(フロセミド等)[動物実験(ラット)でフロセミド等の利尿剤との併用により腎障害が増強されることが報告されているので、腎機能に注意する(機序は不明であるが、フロセミド投与による利尿のためレニン−アンジオテンシン系の賦活又は利尿剤による脱水等で尿細管細胞へのセフェム系抗生物質の取り込みが亢進し、腎毒性を発揮すると考えられている<危険因子>高度腎障害)]。
2). 経口避妊薬[経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある(腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている)]。
次の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
9.8.1. 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
9.8.2. ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある〔9.1.3参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行が報告されている)。
12.1. テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
12.2. 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
13.1. 症状
過量投与時、大脳刺激により、痙攣、意識障害等の精神・神経症状を起こすことがある。
13.2. 処置
過量投与時、本剤の血中濃度は透析により下げることができる。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 注射液の調製法
本剤には溶解補助剤として日局乾燥炭酸ナトリウムが配合されているため溶解時に炭酸ガスが発生しバイアル内が陽圧となるので、次のように2段階で調製する。次記溶解液量をバイアルに注入溶解し静脈内投与に際しては次記投与液量に希釈し投与する。溶解にあたっては外箱裏面記載の[溶解方法]を読んで行うこと。点滴静注を行う場合、注射用水を用いると溶液が等張とならないため用いないこと。
溶解液(日局注射用水、日局生理食塩液、5%日局ブドウ糖注射液)、溶解液量(5mL)、投与液量(20mL)。
14.1.2. 配合時:配合時には配合変化データを参照すること。次の注射剤と混合後、配合変化を起こすことが確認されているので注意すること。
(1). バンコマイシン塩酸塩注射剤、ガベキサートメシル酸塩注射剤、ブロムヘキシン塩酸塩注射剤、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤、カンレノ酸カリウム注射剤、ジピリダモール注射剤と配合すると白濁・沈殿を生じることがあるため、混注しないこと。
(2). フルオロウラシル注射剤、テガフール注射剤、アミノフィリン水和物注射剤と配合すると時間の経過とともに本剤の力価が低下することがあるため、速やかに使用すること。
(3). 本剤の安定性が低下するため、炭酸水素ナトリウム注射液を溶解や希釈に用いないこと。
14.1.3. 調製後:調製後は速やかに使用すること(なお、やむをえず保存を必要とする場合でも室温保存で6時間、冷蔵庫保存で72時間以内に使用すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 両頭針付き溶解剤(ハーフキット)に溶解して使用する場合は、薬剤溶解後に炭酸ガスが発生し、点滴筒内の液面が下がることがあるので、あらかじめ点滴筒の2/3まで薬液を溜めた後、点滴を開始すること。点滴開始時に液面が低い場合、チューブ内にエアーが入ることがある。
14.2.2. 静脈内大量投与により血管痛、血栓性静脈炎等を起こすことがあるので、これを予防するため注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分に注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
(保管上の注意)
室温保存。
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