薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | フルルビプロフェンアキセチル注射液 |
薬価 | 278円 |
メーカー | 科研製薬 |
最終更新 | 2024年10月改訂(第2版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、成人にはフルルビプロフェン アキセチルとして1回50mgをできるだけゆっくり静脈内注射する。
その後、必要に応じて反復投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、本剤の使用は経口投与が不可能な場合又は効果が不十分な場合とする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 患者の状態に注意し、できるだけゆっくり(1分間以上の時間をかけて)投与すること。
7.2. 経口投与が不可能な患者に投与した場合は、経口投与が可能になれば速やかに投与を中止し、経口投与に切り替えること。
7.3. 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
次記疾患並びに状態における鎮痛:術後、各種癌。
(効能又は効果に関連する注意)
発熱を伴う患者に対する解熱や、腰痛症の患者に対する鎮痛を目的として使用しないこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。
11.1.2. 急性腎障害、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):急性腎障害、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔2.4、8.5、9.2.1、9.2.2参照〕。
11.1.3. 胃腸出血(頻度不明)〔10.2参照〕。
11.1.4. 痙攣(頻度不明):意識障害、意識喪失等を伴う痙攣があらわれることがある〔10.1、10.2参照〕。
11.1.5. 喘息発作(頻度不明):喘鳴、呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は投与を中止すること〔2.8、9.1.6参照〕。
11.1.6. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)。
11.1.7. 再生不良性貧血(頻度不明)〔2.2、9.1.2参照〕。
11.1.8. 心筋梗塞、脳血管障害(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)そう痒感、発疹。
2). 消化器:(1%以上)嘔気、(1%未満)嘔吐、(頻度不明)下痢。
3). 肝臓:(1%未満)AST上昇、ALT上昇、(頻度不明)Al−P上昇等。
4). 精神神経系:(1%未満)熱感、倦怠感、悪寒、(頻度不明)頭痛、眠気。
5). 循環器:(頻度不明)血圧上昇、動悸。
6). 血液:(頻度不明)血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)。
7). 適用部位:(頻度不明)注射部位の疼痛、皮下出血。
2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させることがある]。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.2、11.1.7参照〕。
2.3. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.4. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1、11.1.2参照〕。
2.5. 重篤な心機能不全のある患者[心機能不全を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.4参照〕。
2.6. 重篤な高血圧症のある患者〔9.1.5参照〕。
2.7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.8. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させることがある]〔9.1.6、11.1.5参照〕。
2.9. エノキサシン水和物投与中、ロメフロキサシン投与中、ノルフロキサシン投与中、プルリフロキサシン投与中の患者〔9.1.7、10.1参照〕。
2.10. 妊娠後期の女性〔9.5.1参照〕。
8.1. 〈効能共通〉ショック発現時に緊急処置のとれる準備をしておくこと。また、投与後患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと〔11.1.1参照〕。
8.2. 〈効能共通〉疼痛の程度を考慮し、必要以上に投与しないこと。
8.3. 〈効能共通〉長期投与を避けること(なお、やむを得ず長期投与する場合には定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと)。
8.4. 〈効能共通〉過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、投与後の患者の状態に十分注意すること。
8.5. 〈効能共通〉急性腎障害、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.2参照〕。
8.6. 〈各種癌における鎮痛〉鎮痛効果がみられない場合は、他剤に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させることがある。
9.1.2. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある〔2.2、11.1.7参照〕。
9.1.3. 出血傾向のある患者:血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.4. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能異常を悪化させるおそれがある〔2.5参照〕。
9.1.5. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を上昇させるおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.6. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:アスピリン喘息でないことを十分に確認すること(気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発させることがある)〔2.8、11.1.5参照〕。
9.1.7. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)〔2.9、10.1、10.2参照〕。
9.1.8. 潰瘍性大腸炎の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
9.1.9. クローン病の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.4、11.1.2参照〕。
9.2.2. 腎障害<重篤な腎障害を除く>又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量低下している患者:腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがある〔11.1.2参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(副作用として肝機能異常があらわれることがあるので、肝障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。
本剤の活性代謝物であるフルルビプロフェンは、主として肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。
10.1. 併用禁忌:
1). エノキサシン水和物、ロメフロキサシン<バレオン>、ノルフロキサシン<バクシダール>〔2.9、9.1.7、10.2、11.1.4参照〕[痙攣があらわれたとの報告がある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
2). プルリフロキサシン<スオード>〔2.9、9.1.7、10.2、11.1.4参照〕[痙攣があらわれるおそれがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
10.2. 併用注意:
1). ニューキノロン系抗菌剤<ENX・LFLX・NFLX・PUFXは併用禁忌>(オフロキサシン等)〔9.1.7、10.1、11.1.4参照〕[痙攣があらわれるおそれがあるので、併用は避けることが望ましい(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)](ENX:エノキサシン水和物、LFLX:ロメフロキサシン、NFLX:ノルフロキサシン、PUFX:プルリフロキサシン)。
2). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するとの報告があるので、用量を調節するなど注意すること(ワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる)]。
3). メトトレキサート[メトトレキサートの作用が増強され中毒症状<貧血・血小板減少等>があらわれたとの報告があるので、用量を調節するなど注意すること(プロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
4). リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈するおそれがあるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与すること(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
5). チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド等)、ループ利尿薬(フロセミド)[これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある(プロスタグランジン合成阻害作用により、水・塩類の体内貯留が生じるためと考えられる)]。
6). 副腎皮質ホルモン剤(メチルプレドニゾロン等)〔11.1.3参照〕[相互に消化器系の副作用<消化性潰瘍・消化管出血等>が増強されるおそれがある(両薬剤の消化器系の副作用が併用により増強されると考えられる)]。
7). CYP2C9阻害作用を有する薬剤(フルコナゾール等)[フルルビプロフェンの血中濃度が上昇するおそれがある(代謝酵素(CYP2C9)の競合により、フルルビプロフェンの代謝が阻害されると考えられる)]。
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ慎重に投与すること。
(妊婦)
9.5.1. 妊娠後期の女性:投与しないこと(妊娠後期のラットに投与した実験で、分娩遅延及び胎仔動脈管収縮が報告されている)〔2.10参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠後期を除く>又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。妊娠前及び妊娠初期投与試験では、ラット(静脈内投与)の5mg/kg/日群で、排卵減少及び着床減少が認められた。器官形成期投与試験では、ラット(静脈内投与)の10mg/kg/日群で、母体の全身状態悪化に伴う胎仔発育遅延、胎仔死亡率増加傾向、哺育能力低下及び出生仔発育抑制が認められ、また、ウサギ(静脈内投与)の80mg/kg/日群で、母体の全身状態の悪化に伴う流産増加・早産増加及び胎仔死亡率の増加が認められた。周産期及び授乳期投与試験では、ラット(静脈内投与)の0.1、1mg/kg/日群で、分娩障害による母体死亡、また、1mg/kg/日群で妊娠期間延長、分娩障害による死産仔数増加及び哺育能力低下が認められた〔9.6授乳婦の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている)〔9.5.2参照〕。
9.7.1. 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
可塑剤としてDEHP[di−(2−ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
14.2. 薬剤投与時の注意
本剤は脂肪乳剤を含有しているため、ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、コネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性がある(その場合、必要な投与量が確保されず期待された鎮痛効果が得られない可能性があるので注意すること)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | フルルビプロフェンアキセチル注射液 |
薬価 | 278円 |
メーカー | 科研製薬 |
最終更新 | 2024年10月改訂(第2版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、成人にはフルルビプロフェン アキセチルとして1回50mgをできるだけゆっくり静脈内注射する。
その後、必要に応じて反復投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし、本剤の使用は経口投与が不可能な場合又は効果が不十分な場合とする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 患者の状態に注意し、できるだけゆっくり(1分間以上の時間をかけて)投与すること。
7.2. 経口投与が不可能な患者に投与した場合は、経口投与が可能になれば速やかに投与を中止し、経口投与に切り替えること。
7.3. 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
次記疾患並びに状態における鎮痛:術後、各種癌。
(効能又は効果に関連する注意)
発熱を伴う患者に対する解熱や、腰痛症の患者に対する鎮痛を目的として使用しないこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。
11.1.2. 急性腎障害、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):急性腎障害、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔2.4、8.5、9.2.1、9.2.2参照〕。
11.1.3. 胃腸出血(頻度不明)〔10.2参照〕。
11.1.4. 痙攣(頻度不明):意識障害、意識喪失等を伴う痙攣があらわれることがある〔10.1、10.2参照〕。
11.1.5. 喘息発作(頻度不明):喘鳴、呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は投与を中止すること〔2.8、9.1.6参照〕。
11.1.6. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)。
11.1.7. 再生不良性貧血(頻度不明)〔2.2、9.1.2参照〕。
11.1.8. 心筋梗塞、脳血管障害(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)そう痒感、発疹。
2). 消化器:(1%以上)嘔気、(1%未満)嘔吐、(頻度不明)下痢。
3). 肝臓:(1%未満)AST上昇、ALT上昇、(頻度不明)Al−P上昇等。
4). 精神神経系:(1%未満)熱感、倦怠感、悪寒、(頻度不明)頭痛、眠気。
5). 循環器:(頻度不明)血圧上昇、動悸。
6). 血液:(頻度不明)血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)。
7). 適用部位:(頻度不明)注射部位の疼痛、皮下出血。
2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させることがある]。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.2、11.1.7参照〕。
2.3. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.4. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1、11.1.2参照〕。
2.5. 重篤な心機能不全のある患者[心機能不全を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.4参照〕。
2.6. 重篤な高血圧症のある患者〔9.1.5参照〕。
2.7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.8. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させることがある]〔9.1.6、11.1.5参照〕。
2.9. エノキサシン水和物投与中、ロメフロキサシン投与中、ノルフロキサシン投与中、プルリフロキサシン投与中の患者〔9.1.7、10.1参照〕。
2.10. 妊娠後期の女性〔9.5.1参照〕。
8.1. 〈効能共通〉ショック発現時に緊急処置のとれる準備をしておくこと。また、投与後患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと〔11.1.1参照〕。
8.2. 〈効能共通〉疼痛の程度を考慮し、必要以上に投与しないこと。
8.3. 〈効能共通〉長期投与を避けること(なお、やむを得ず長期投与する場合には定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと)。
8.4. 〈効能共通〉過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、投与後の患者の状態に十分注意すること。
8.5. 〈効能共通〉急性腎障害、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.2参照〕。
8.6. 〈各種癌における鎮痛〉鎮痛効果がみられない場合は、他剤に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させることがある。
9.1.2. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある〔2.2、11.1.7参照〕。
9.1.3. 出血傾向のある患者:血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.4. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能異常を悪化させるおそれがある〔2.5参照〕。
9.1.5. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を上昇させるおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.6. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:アスピリン喘息でないことを十分に確認すること(気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発させることがある)〔2.8、11.1.5参照〕。
9.1.7. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)〔2.9、10.1、10.2参照〕。
9.1.8. 潰瘍性大腸炎の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
9.1.9. クローン病の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.4、11.1.2参照〕。
9.2.2. 腎障害<重篤な腎障害を除く>又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量低下している患者:腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがある〔11.1.2参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(副作用として肝機能異常があらわれることがあるので、肝障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。
本剤の活性代謝物であるフルルビプロフェンは、主として肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。
10.1. 併用禁忌:
1). エノキサシン水和物、ロメフロキサシン<バレオン>、ノルフロキサシン<バクシダール>〔2.9、9.1.7、10.2、11.1.4参照〕[痙攣があらわれたとの報告がある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
2). プルリフロキサシン<スオード>〔2.9、9.1.7、10.2、11.1.4参照〕[痙攣があらわれるおそれがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
10.2. 併用注意:
1). ニューキノロン系抗菌剤<ENX・LFLX・NFLX・PUFXは併用禁忌>(オフロキサシン等)〔9.1.7、10.1、11.1.4参照〕[痙攣があらわれるおそれがあるので、併用は避けることが望ましい(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)](ENX:エノキサシン水和物、LFLX:ロメフロキサシン、NFLX:ノルフロキサシン、PUFX:プルリフロキサシン)。
2). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するとの報告があるので、用量を調節するなど注意すること(ワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる)]。
3). メトトレキサート[メトトレキサートの作用が増強され中毒症状<貧血・血小板減少等>があらわれたとの報告があるので、用量を調節するなど注意すること(プロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
4). リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈するおそれがあるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与すること(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
5). チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド等)、ループ利尿薬(フロセミド)[これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある(プロスタグランジン合成阻害作用により、水・塩類の体内貯留が生じるためと考えられる)]。
6). 副腎皮質ホルモン剤(メチルプレドニゾロン等)〔11.1.3参照〕[相互に消化器系の副作用<消化性潰瘍・消化管出血等>が増強されるおそれがある(両薬剤の消化器系の副作用が併用により増強されると考えられる)]。
7). CYP2C9阻害作用を有する薬剤(フルコナゾール等)[フルルビプロフェンの血中濃度が上昇するおそれがある(代謝酵素(CYP2C9)の競合により、フルルビプロフェンの代謝が阻害されると考えられる)]。
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ慎重に投与すること。
(妊婦)
9.5.1. 妊娠後期の女性:投与しないこと(妊娠後期のラットに投与した実験で、分娩遅延及び胎仔動脈管収縮が報告されている)〔2.10参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠後期を除く>又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。妊娠前及び妊娠初期投与試験では、ラット(静脈内投与)の5mg/kg/日群で、排卵減少及び着床減少が認められた。器官形成期投与試験では、ラット(静脈内投与)の10mg/kg/日群で、母体の全身状態悪化に伴う胎仔発育遅延、胎仔死亡率増加傾向、哺育能力低下及び出生仔発育抑制が認められ、また、ウサギ(静脈内投与)の80mg/kg/日群で、母体の全身状態の悪化に伴う流産増加・早産増加及び胎仔死亡率の増加が認められた。周産期及び授乳期投与試験では、ラット(静脈内投与)の0.1、1mg/kg/日群で、分娩障害による母体死亡、また、1mg/kg/日群で妊娠期間延長、分娩障害による死産仔数増加及び哺育能力低下が認められた〔9.6授乳婦の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている)〔9.5.2参照〕。
9.7.1. 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
可塑剤としてDEHP[di−(2−ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
14.2. 薬剤投与時の注意
本剤は脂肪乳剤を含有しているため、ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、コネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性がある(その場合、必要な投与量が確保されず期待された鎮痛効果が得られない可能性があるので注意すること)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。