非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs)
薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | フルルビプロフェンアキセチル注射液 |
薬価 | 197円 |
メーカー | 科研製薬 |
最終更新 | 2022年06月改訂(第17版) |
フルルビプロフェン アキセチルとして1回50mgをできるだけゆっくり静脈内注射する。その後、必要に応じて反復投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、本剤の使用は経口投与が不可能な場合又は効果が不十分な場合とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
患者の状態に注意し、できるだけゆっくり(1分間以上の時間をかけて)投与する。
次記疾患並びに状態における鎮痛:術後、各種癌。
総症例6,046例中、副作用が認められたのは、103例(1.70%)174件で、その主なものは、ALT(GPT)上昇29件(0.48%)、AST(GOT)上昇23件(0.38%)、嘔気16件(0.26%)、Al−P上昇9件(0.15%)等であった(再審査結果時)。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー:ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).急性腎障害、ネフローゼ症候群:急性腎障害、ネフローゼ症候群(いずれも0.1%未満)等の重篤な腎障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).胃腸出血:胃腸出血(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).痙攣:意識障害、意識喪失等を伴う痙攣(0.1%未満)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5).喘息発作:喘息発作(頻度不明)を誘発することがあるので、喘鳴、呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は投与を中止する。
6).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.重大な副作用(類似化合物)
類似化合物(フルルビプロフェン)において、再生不良性貧血が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
3.その他の副作用
1).過敏症:(0.1%未満)そう痒感、発疹[発現した場合には投与を中止する]。
2).消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、嘔吐、(0.1%未満)下痢。
3).肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等。
4).精神神経系:(0.1〜5%未満)熱感、(0.1%未満)頭痛、倦怠感、眠気、悪寒。
5).循環器:(0.1%未満)血圧上昇、動悸。
6).血液:(頻度不明)血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)。
7).適用部位:(0.1%未満)注射部位の疼痛、皮下出血。
1.消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させることがある]。
2.重篤な血液異常のある患者[副作用として血液障害が現れることがあるので、血液の異常を更に悪化させる恐れがある]。
3.重篤な肝障害のある患者[副作用として肝機能異常が現れることがあるので、肝障害を更に悪化させる恐れがある]。
4.重篤な腎障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させる恐れがある]。
5.重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能不全が更に悪化する恐れがある]。
6.重篤な高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を更に上昇させる恐れがある]。
7.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発することがある]。
9.エノキサシン水和物投与中、ロメフロキサシン投与中、ノルフロキサシン投与中、プルリフロキサシン投与中の患者。
10.妊娠後期の女性。
1.消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがある]。
2.血液異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させる恐れがある]。
3.出血傾向のある患者[血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長する恐れがある]。
4.肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させる恐れがある]。
5.腎障害又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量低下している患者[腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させる恐れがある]。
6.心機能異常のある患者[心機能異常を悪化させる恐れがある]。
7.高血圧症のある患者[血圧を上昇させる恐れがある]。
8.過敏症の既往歴のある患者。
9.気管支喘息のある患者[気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では喘息発作を誘発することがある]。
10.高齢者。
11.潰瘍性大腸炎の患者[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある]。
12.クローン氏病の患者[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤の適用にあたっては、効能・効果(術後、各種癌の鎮痛)、用法・用量を厳守する。
2.ショック等の過敏症が現れることがあるので、これらの発現を予測するため、十分な問診を行う。
3.ショック発現時に緊急処置のとれる準備をしておく。また、投与後患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う。
4.発熱を伴う患者に対する解熱や、腰痛症の患者に対する鎮痛を目的として使用しない。
5.経口投与が不可能な患者に投与した場合は、経口投与が可能になれば速やかに投与を中止し、経口投与に切り替える。
6.疼痛の程度を考慮し、必要以上に投与しない。また、癌患者において鎮痛効果がみられない場合は、他剤に切り替えるなど適切な処置を行う。
7.長期投与を避ける[なお、やむを得ず長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行い、また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を講ずる]。
8.投与中は患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意する。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が現れることがあるので、投与後の患者の状態に十分注意する。
9.高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与する。
10.感染症を不顕性化する恐れがあるので、感染症を合併している患者に対して用いる場合には必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与する。なお、エノキサシン水和物との併用、ロメフロキサシンとの併用、ノルフロキサシンとの併用により、まれに痙攣が現れることがあるので、これらニューキノロン系抗菌剤との併用は避ける。また、エノキサシン水和物、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン以外のニューキノロン系抗菌剤との併用は避けることが望ましい。
11.他の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
本剤の活性代謝物であるフルルビプロフェンは、主として肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。
1.併用禁忌:
1).エノキサシン水和物、ロメフロキサシン<ロメバクト、バレオン>、ノルフロキサシン<バクシダール>[併用により痙攣が現れることがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
2).プルリフロキサシン<スオード>[併用により痙攣が現れる恐れがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
2.併用注意:
1).ニューキノロン系抗菌剤<ENX・LFLX・NFLX・PUFXは併用禁忌>(オフロキサシン等)[併用により痙攣が現れる恐れがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
2).クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するとの報告があるので、用量を調節するなど注意する(本剤がワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる)]。
3).メトトレキサート[メトトレキサートの作用が増強され中毒症状<貧血・血小板減少等>が現れたとの報告があるので、用量を調節するなど注意する(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
4).リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈する恐れがあるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与する(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
5).チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド等)、ループ利尿薬(フロセミド)[これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、水・塩類の体内貯留が生じるためと考えられる)]。
6).副腎皮質ホルモン剤(メチルプレドニゾロン等)[相互に消化器系の副作用<消化性潰瘍・消化管出血等>が増強される恐れがある(両薬剤の消化器系の副作用が併用により増強されると考えられる)]。
7).CYP2C9阻害作用を有する薬剤(フルコナゾール等)[フルルビプロフェンの血中濃度が上昇する恐れがある(代謝酵素(CYP2C9)の競合により、フルルビプロフェンの代謝が阻害されると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者には副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始するなど慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊娠後期には投与しない[妊娠後期のラットに投与した実験で、分娩遅延及び胎仔動脈管収縮が報告されている]。
2.妊婦<妊娠後期以外>又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある]。
3.本剤投与中は授乳を避けさせる[母乳中へ移行することがある]。
<参考>
1.妊娠前及び妊娠初期投与試験:ラット(静脈内投与)の5mg/kg/日群で、排卵減少及び着床減少が認められた。
2.器官形成期投与試験:ラット(静脈内投与)の10mg/kg/日群で、母体の全身状態悪化に伴う胎仔発育遅延、胎仔死亡率増加傾向、哺育能力低下及び出生仔発育抑制が認められ、また、ウサギ(静脈内投与)の80mg/kg/日群で、母体の全身状態の悪化に伴う流産増加・早産増加及び胎仔死亡率の増加が認められた。
3.周産期及び授乳期投与試験:ラット(静脈内投与)の0.1、1mg/kg/日群で、分娩障害による母体死亡、また、1mg/kg/日群で妊娠期間延長、分娩障害による死産仔数増加及び哺育能力低下が認められた。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
(適用上の注意)
1.投与経路:静脈内注射にのみ使用し、筋肉内注射はしない。
2.アンプルカット時:本剤の容器はワンポイントカットアンプルなので丸印を上にして下方向へ折る。なお、アンプルカット時の異物混入を避けるため、エタノール綿等で清拭しカットする。
3.その他:
1).本剤は脂肪乳剤を含有しているため、ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、コネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性がある(その場合、必要な投与量が確保されず期待された鎮痛効果が得られない可能性があるので注意する)。
2).可塑剤としてDEHP[di−(2−ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | フルルビプロフェンアキセチル注射液 |
薬価 | 197円 |
メーカー | 科研製薬 |
最終更新 | 2022年06月改訂(第17版) |
フルルビプロフェン アキセチルとして1回50mgをできるだけゆっくり静脈内注射する。その後、必要に応じて反復投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、本剤の使用は経口投与が不可能な場合又は効果が不十分な場合とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
患者の状態に注意し、できるだけゆっくり(1分間以上の時間をかけて)投与する。
次記疾患並びに状態における鎮痛:術後、各種癌。
総症例6,046例中、副作用が認められたのは、103例(1.70%)174件で、その主なものは、ALT(GPT)上昇29件(0.48%)、AST(GOT)上昇23件(0.38%)、嘔気16件(0.26%)、Al−P上昇9件(0.15%)等であった(再審査結果時)。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー:ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).急性腎障害、ネフローゼ症候群:急性腎障害、ネフローゼ症候群(いずれも0.1%未満)等の重篤な腎障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).胃腸出血:胃腸出血(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).痙攣:意識障害、意識喪失等を伴う痙攣(0.1%未満)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5).喘息発作:喘息発作(頻度不明)を誘発することがあるので、喘鳴、呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は投与を中止する。
6).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.重大な副作用(類似化合物)
類似化合物(フルルビプロフェン)において、再生不良性貧血が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
3.その他の副作用
1).過敏症:(0.1%未満)そう痒感、発疹[発現した場合には投与を中止する]。
2).消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、嘔吐、(0.1%未満)下痢。
3).肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等。
4).精神神経系:(0.1〜5%未満)熱感、(0.1%未満)頭痛、倦怠感、眠気、悪寒。
5).循環器:(0.1%未満)血圧上昇、動悸。
6).血液:(頻度不明)血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)。
7).適用部位:(0.1%未満)注射部位の疼痛、皮下出血。
1.消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させることがある]。
2.重篤な血液異常のある患者[副作用として血液障害が現れることがあるので、血液の異常を更に悪化させる恐れがある]。
3.重篤な肝障害のある患者[副作用として肝機能異常が現れることがあるので、肝障害を更に悪化させる恐れがある]。
4.重篤な腎障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させる恐れがある]。
5.重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能不全が更に悪化する恐れがある]。
6.重篤な高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を更に上昇させる恐れがある]。
7.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発することがある]。
9.エノキサシン水和物投与中、ロメフロキサシン投与中、ノルフロキサシン投与中、プルリフロキサシン投与中の患者。
10.妊娠後期の女性。
1.消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがある]。
2.血液異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させる恐れがある]。
3.出血傾向のある患者[血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長する恐れがある]。
4.肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させる恐れがある]。
5.腎障害又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量低下している患者[腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させる恐れがある]。
6.心機能異常のある患者[心機能異常を悪化させる恐れがある]。
7.高血圧症のある患者[血圧を上昇させる恐れがある]。
8.過敏症の既往歴のある患者。
9.気管支喘息のある患者[気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では喘息発作を誘発することがある]。
10.高齢者。
11.潰瘍性大腸炎の患者[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある]。
12.クローン氏病の患者[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤の適用にあたっては、効能・効果(術後、各種癌の鎮痛)、用法・用量を厳守する。
2.ショック等の過敏症が現れることがあるので、これらの発現を予測するため、十分な問診を行う。
3.ショック発現時に緊急処置のとれる準備をしておく。また、投与後患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う。
4.発熱を伴う患者に対する解熱や、腰痛症の患者に対する鎮痛を目的として使用しない。
5.経口投与が不可能な患者に投与した場合は、経口投与が可能になれば速やかに投与を中止し、経口投与に切り替える。
6.疼痛の程度を考慮し、必要以上に投与しない。また、癌患者において鎮痛効果がみられない場合は、他剤に切り替えるなど適切な処置を行う。
7.長期投与を避ける[なお、やむを得ず長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行い、また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を講ずる]。
8.投与中は患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意する。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が現れることがあるので、投与後の患者の状態に十分注意する。
9.高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与する。
10.感染症を不顕性化する恐れがあるので、感染症を合併している患者に対して用いる場合には必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与する。なお、エノキサシン水和物との併用、ロメフロキサシンとの併用、ノルフロキサシンとの併用により、まれに痙攣が現れることがあるので、これらニューキノロン系抗菌剤との併用は避ける。また、エノキサシン水和物、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン以外のニューキノロン系抗菌剤との併用は避けることが望ましい。
11.他の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
本剤の活性代謝物であるフルルビプロフェンは、主として肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。
1.併用禁忌:
1).エノキサシン水和物、ロメフロキサシン<ロメバクト、バレオン>、ノルフロキサシン<バクシダール>[併用により痙攣が現れることがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
2).プルリフロキサシン<スオード>[併用により痙攣が現れる恐れがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
2.併用注意:
1).ニューキノロン系抗菌剤<ENX・LFLX・NFLX・PUFXは併用禁忌>(オフロキサシン等)[併用により痙攣が現れる恐れがある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
2).クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するとの報告があるので、用量を調節するなど注意する(本剤がワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる)]。
3).メトトレキサート[メトトレキサートの作用が増強され中毒症状<貧血・血小板減少等>が現れたとの報告があるので、用量を調節するなど注意する(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
4).リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈する恐れがあるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与する(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
5).チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド等)、ループ利尿薬(フロセミド)[これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、水・塩類の体内貯留が生じるためと考えられる)]。
6).副腎皮質ホルモン剤(メチルプレドニゾロン等)[相互に消化器系の副作用<消化性潰瘍・消化管出血等>が増強される恐れがある(両薬剤の消化器系の副作用が併用により増強されると考えられる)]。
7).CYP2C9阻害作用を有する薬剤(フルコナゾール等)[フルルビプロフェンの血中濃度が上昇する恐れがある(代謝酵素(CYP2C9)の競合により、フルルビプロフェンの代謝が阻害されると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者には副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始するなど慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊娠後期には投与しない[妊娠後期のラットに投与した実験で、分娩遅延及び胎仔動脈管収縮が報告されている]。
2.妊婦<妊娠後期以外>又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある]。
3.本剤投与中は授乳を避けさせる[母乳中へ移行することがある]。
<参考>
1.妊娠前及び妊娠初期投与試験:ラット(静脈内投与)の5mg/kg/日群で、排卵減少及び着床減少が認められた。
2.器官形成期投与試験:ラット(静脈内投与)の10mg/kg/日群で、母体の全身状態悪化に伴う胎仔発育遅延、胎仔死亡率増加傾向、哺育能力低下及び出生仔発育抑制が認められ、また、ウサギ(静脈内投与)の80mg/kg/日群で、母体の全身状態の悪化に伴う流産増加・早産増加及び胎仔死亡率の増加が認められた。
3.周産期及び授乳期投与試験:ラット(静脈内投与)の0.1、1mg/kg/日群で、分娩障害による母体死亡、また、1mg/kg/日群で妊娠期間延長、分娩障害による死産仔数増加及び哺育能力低下が認められた。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
(適用上の注意)
1.投与経路:静脈内注射にのみ使用し、筋肉内注射はしない。
2.アンプルカット時:本剤の容器はワンポイントカットアンプルなので丸印を上にして下方向へ折る。なお、アンプルカット時の異物混入を避けるため、エタノール綿等で清拭しカットする。
3.その他:
1).本剤は脂肪乳剤を含有しているため、ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、コネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性がある(その場合、必要な投与量が確保されず期待された鎮痛効果が得られない可能性があるので注意する)。
2).可塑剤としてDEHP[di−(2−ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
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