血圧降下薬 > αβ遮断薬
薬効分類 | 血圧降下薬 > αβ遮断薬 |
一般名 | ラベタロール塩酸塩錠 |
薬価 | 10.9円 |
メーカー | サンドファーマ |
最終更新 | 2021年09月改訂(第18版) |
ラベタロール塩酸塩として1日150mgより投与を開始し、効果不十分な場合には1日450mgまで漸増し、1日3回に分割、経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
1.本態性高血圧症。
2.褐色細胞腫による高血圧症。
総症例10,823例中、399例(3.7%)に臨床検査値の変動を含む副作用が報告された。その主なものは、眩暈・立ちくらみ158例(1.5%)、頭痛45例(0.4%)、倦怠感32例(0.3%)、悪心・嘔吐28例(0.3%)であった(再審査終了時)。
1.重大な副作用
1).うっ血性心不全が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
2).肝壊死等の重篤な肝障害、黄疸等が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行う(なお、このような患者には再投与しない)。
3).SLE様症状(筋肉痛、関節痛、抗核抗体陽性)、乾癬が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
4).ミオパシーが現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).過敏症:(0.1%〜5%未満)発疹、そう痒、(0.1%未満)発熱、呼吸困難、(頻度不明)血管浮腫[このような場合には、投与を中止する]。
2).皮膚:(頻度不明)苔癬様皮疹。
3).精神神経系:(0.1%〜5%未満)頭痛、不眠、(0.1%未満)眠気、しびれ感、振戦、(頻度不明)抑うつ。
4).循環器:(0.1%〜5%未満)眩暈・立ちくらみ、徐脈、(0.1%未満)胸痛、(頻度不明)房室ブロック、末梢循環障害(レイノー症状悪化、冷感等)。
5).呼吸器:(0.1%未満)喘息様症状、(頻度不明)気管支痙攣。
6).消化器:(0.1%〜5%未満)悪心・嘔吐、胃痛、腹痛、(0.1%未満)便秘、消化不良、口渇。
7).泌尿器:(0.1%〜5%未満)尿閉。
8).肝臓:(0.1%〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇、Al−P上昇等。
9).腎臓:(0.1%未満)BUN上昇。
10).眼:(頻度不明)霧視、また、β遮断剤の投与により、涙液分泌減少等が現れたとの報告がある[このような症状が現れた場合には投与を中止する(角膜潰瘍等の重篤な合併症を防止するため)]。
11).その他:(0.1%〜5%未満)頭皮異常感、倦怠感、浮腫、(0.1%未満)筋肉痛、CK上昇(CPK上昇)、陰萎、勃起不全、疲労感、鼻閉、発汗、悪寒、(頻度不明)性欲減退、射精不能。
1.糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させる恐れがある]。
2.高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2〜3度>、洞房ブロックのある患者[症状を悪化させる恐れがある]。
3.心原性ショックの患者、肺高血圧による右心不全のある患者、うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
4.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
5.気管支喘息、気管支痙攣の恐れのある患者[気管支を収縮させ、症状を誘発又は悪化させる恐れがある]。
1.うっ血性心不全の恐れのある患者(観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与する)[心機能を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
2.房室ブロック<1度>のある患者[β遮断剤において房室伝導時間が延長するとの報告がある]。
3.末梢循環障害のある患者[末梢循環障害の症状を悪化させる恐れがある]。
4.低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすいので血糖値に注意する]。
5.甲状腺中毒症の患者[β遮断剤において中毒症状をマスクすることがあるとの報告がある]。
6.肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝されるので血中濃度が上昇する恐れがある(本剤を肝障害のある患者に投与する際は、本剤の代謝速度が低下するため、低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行う)]。
7.重篤な腎障害のある患者[降圧に伴う腎潅流圧の低下により、症状を悪化させる恐れがあり、また、腎臓は主要な排泄経路であるので、血中濃度が上昇する恐れがある]。
8.小児及び高齢者。
(重要な基本的注意)
1.投与は少量より開始し、長期投与の場合は心機能検査(脈拍・血圧・心電図・X線等)を定期的に行う。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止する(また、必要に応じて対症療法を行う)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意する。
2.類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行い、また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意する。狭心症以外の適用で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をする。
3.甲状腺中毒症の患者では急に投与を中止すると、症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行う。
4.褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き手術前24時間は投与しないことが望ましい。
5.眩暈、ふらつきが現れることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させる。
併用注意:
1.交感神経系に抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過剰の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。
2.血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)[血糖降下作用が増強することがあり、また、低血糖症状<頻脈・発汗等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意する(低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクしたり、β遮断作用により低血糖の回復を遅らせる)]。
3.麻酔剤(ハロタン等)[過剰の交感神経抑制を来す恐れがあるので、減量するなど注意し、又は麻酔の導入前にアトロピンを静脈内投与しておく(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。
4.カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)[徐脈・房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全が現れることがあるので、併用する場合には、用量に注意する(相加的に作用(陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用)を増強させる)]。
5.抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等)[過度の心機能抑制が現れることがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(心機能抑制作用)を増強させる)]。
6.三環系抗うつ剤(イミプラミン、アミトリプチリン、デシプラミン等)[併用により振戦が現れやすいとの報告がある(本剤との併用によりイミプラミンの水酸化が阻害され、イミプラミンのAUCが増加したとの報告がある)]。
7.シメチジン[併用により本剤の血中濃度が上昇したとの報告があるので、併用する場合には減量するなど慎重に投与する(シメチジンが本剤の肝での代謝を抑制し、本剤のクリアランスが減少し、血中濃度が上昇する)]。
8.ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>が現れることがあるので注意する(相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる)]。
9.非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱する恐れがあるので、併用する場合には、必要に応じて用量調整を行う(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する)]。
10.交感神経刺激剤(エピネフリン等)[本剤との相互作用により高血圧症、徐脈が発現する恐れがあるので注意する(本剤のβ遮断作用により交感神経刺激剤のα刺激作用が優位となる)]。
(高齢者への投与)
高齢者には、次の点に注意し、少量から投与するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)。
2.休薬を要する場合は、徐々に減量する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、投与に際しては、母体及び胎児の状態を十分に観察し、過度の血圧低下とならないよう注意し、胎児及び新生児に血圧低下、徐脈等の異常が認められた場合には適切な処置を行う[妊婦への投与例において、胎児に徐脈等、新生児に血圧低下、徐脈等の症状が認められたとの報告がある]。
2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむをえず投与する場合には授乳を中止させる[母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない。
1.本剤投与中の患者では、蛍光法を用いる血中及び尿中カテコールアミン、VMA(Vanillyl mandelic acid)の測定値をみかけ上増加させる可能性があるので、蛍光法を用いる血中及び尿中カテコールアミン、VMAの検査は本剤投与前に行う(本剤は、アルカリ溶液中にて励起波長334nmで蛍光を発し、その蛍光波長は412nmである)。
2.本剤投与中の患者において、MIBG(metaiodobenzylguanidine)を用いた臨床検査(シンチグラフィー)を実施したところ、MIBGの取り込みが阻害され、臨床検査結果に影響を与えたという報告があるので、本剤投与中の患者においてMIBGを用いた臨床検査を実施する場合には注意する。
1.徴候、症状:本剤の過量投与により、過度の起立性低血圧、徐脈などの重度心血管系作用が発現する可能性があり、本剤の過量投与後の乏尿性腎不全が報告されている。
2.処置:過量投与時には、下肢を挙上させ患者を仰臥位にし、必要に応じて次のような処置を行う。
1).過量投与による心不全:強心配糖体や利尿薬を投与する。
2).過量投与による気管支痙攣:吸入β2刺激薬を投与する。
3).過量投与による徐脈:アトロピン硫酸塩水和物を静注し、血液循環を改善させるため、反応をみながらノルエピネフリン投与を繰り返し、必要に応じて、心臓ペーシングを適用する(なお、透析により血中から除去できるラベタロール塩酸塩は1%以下である)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
1.褐色細胞腫の患者に投与した場合に高血圧が悪化したとの報告がある。
2.重篤なアナフィラキシーの既往歴のある患者では、β遮断剤服用により、アナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のエピネフリンによる治療に抵抗する場合がある。
3.α遮断薬であるタムスロシンを服用中又は過去に服用経験のある患者において、白内障手術中に術中虹彩緊張低下症候群(IFIS:縮瞳型症候群の一種)が現れるとの報告がある。IFISの発現により白内障手術中の合併症が増加する恐れがあるため、本剤の服用又は服用歴について手術前に執刀医に伝えるよう指導する。
気密容器。
薬効分類 | 血圧降下薬 > αβ遮断薬 |
一般名 | ラベタロール塩酸塩錠 |
薬価 | 10.9円 |
メーカー | サンドファーマ |
最終更新 | 2021年09月改訂(第18版) |
ラベタロール塩酸塩として1日150mgより投与を開始し、効果不十分な場合には1日450mgまで漸増し、1日3回に分割、経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
1.本態性高血圧症。
2.褐色細胞腫による高血圧症。
総症例10,823例中、399例(3.7%)に臨床検査値の変動を含む副作用が報告された。その主なものは、眩暈・立ちくらみ158例(1.5%)、頭痛45例(0.4%)、倦怠感32例(0.3%)、悪心・嘔吐28例(0.3%)であった(再審査終了時)。
1.重大な副作用
1).うっ血性心不全が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
2).肝壊死等の重篤な肝障害、黄疸等が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行う(なお、このような患者には再投与しない)。
3).SLE様症状(筋肉痛、関節痛、抗核抗体陽性)、乾癬が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
4).ミオパシーが現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).過敏症:(0.1%〜5%未満)発疹、そう痒、(0.1%未満)発熱、呼吸困難、(頻度不明)血管浮腫[このような場合には、投与を中止する]。
2).皮膚:(頻度不明)苔癬様皮疹。
3).精神神経系:(0.1%〜5%未満)頭痛、不眠、(0.1%未満)眠気、しびれ感、振戦、(頻度不明)抑うつ。
4).循環器:(0.1%〜5%未満)眩暈・立ちくらみ、徐脈、(0.1%未満)胸痛、(頻度不明)房室ブロック、末梢循環障害(レイノー症状悪化、冷感等)。
5).呼吸器:(0.1%未満)喘息様症状、(頻度不明)気管支痙攣。
6).消化器:(0.1%〜5%未満)悪心・嘔吐、胃痛、腹痛、(0.1%未満)便秘、消化不良、口渇。
7).泌尿器:(0.1%〜5%未満)尿閉。
8).肝臓:(0.1%〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇、Al−P上昇等。
9).腎臓:(0.1%未満)BUN上昇。
10).眼:(頻度不明)霧視、また、β遮断剤の投与により、涙液分泌減少等が現れたとの報告がある[このような症状が現れた場合には投与を中止する(角膜潰瘍等の重篤な合併症を防止するため)]。
11).その他:(0.1%〜5%未満)頭皮異常感、倦怠感、浮腫、(0.1%未満)筋肉痛、CK上昇(CPK上昇)、陰萎、勃起不全、疲労感、鼻閉、発汗、悪寒、(頻度不明)性欲減退、射精不能。
1.糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させる恐れがある]。
2.高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2〜3度>、洞房ブロックのある患者[症状を悪化させる恐れがある]。
3.心原性ショックの患者、肺高血圧による右心不全のある患者、うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
4.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
5.気管支喘息、気管支痙攣の恐れのある患者[気管支を収縮させ、症状を誘発又は悪化させる恐れがある]。
1.うっ血性心不全の恐れのある患者(観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与する)[心機能を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。
2.房室ブロック<1度>のある患者[β遮断剤において房室伝導時間が延長するとの報告がある]。
3.末梢循環障害のある患者[末梢循環障害の症状を悪化させる恐れがある]。
4.低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすいので血糖値に注意する]。
5.甲状腺中毒症の患者[β遮断剤において中毒症状をマスクすることがあるとの報告がある]。
6.肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝されるので血中濃度が上昇する恐れがある(本剤を肝障害のある患者に投与する際は、本剤の代謝速度が低下するため、低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行う)]。
7.重篤な腎障害のある患者[降圧に伴う腎潅流圧の低下により、症状を悪化させる恐れがあり、また、腎臓は主要な排泄経路であるので、血中濃度が上昇する恐れがある]。
8.小児及び高齢者。
(重要な基本的注意)
1.投与は少量より開始し、長期投与の場合は心機能検査(脈拍・血圧・心電図・X線等)を定期的に行う。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止する(また、必要に応じて対症療法を行う)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意する。
2.類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行い、また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意する。狭心症以外の適用で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をする。
3.甲状腺中毒症の患者では急に投与を中止すると、症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行う。
4.褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き手術前24時間は投与しないことが望ましい。
5.眩暈、ふらつきが現れることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させる。
併用注意:
1.交感神経系に抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過剰の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。
2.血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)[血糖降下作用が増強することがあり、また、低血糖症状<頻脈・発汗等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意する(低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクしたり、β遮断作用により低血糖の回復を遅らせる)]。
3.麻酔剤(ハロタン等)[過剰の交感神経抑制を来す恐れがあるので、減量するなど注意し、又は麻酔の導入前にアトロピンを静脈内投与しておく(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。
4.カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)[徐脈・房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全が現れることがあるので、併用する場合には、用量に注意する(相加的に作用(陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用)を増強させる)]。
5.抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等)[過度の心機能抑制が現れることがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(心機能抑制作用)を増強させる)]。
6.三環系抗うつ剤(イミプラミン、アミトリプチリン、デシプラミン等)[併用により振戦が現れやすいとの報告がある(本剤との併用によりイミプラミンの水酸化が阻害され、イミプラミンのAUCが増加したとの報告がある)]。
7.シメチジン[併用により本剤の血中濃度が上昇したとの報告があるので、併用する場合には減量するなど慎重に投与する(シメチジンが本剤の肝での代謝を抑制し、本剤のクリアランスが減少し、血中濃度が上昇する)]。
8.ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>が現れることがあるので注意する(相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる)]。
9.非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱する恐れがあるので、併用する場合には、必要に応じて用量調整を行う(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する)]。
10.交感神経刺激剤(エピネフリン等)[本剤との相互作用により高血圧症、徐脈が発現する恐れがあるので注意する(本剤のβ遮断作用により交感神経刺激剤のα刺激作用が優位となる)]。
(高齢者への投与)
高齢者には、次の点に注意し、少量から投与するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)。
2.休薬を要する場合は、徐々に減量する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、投与に際しては、母体及び胎児の状態を十分に観察し、過度の血圧低下とならないよう注意し、胎児及び新生児に血圧低下、徐脈等の異常が認められた場合には適切な処置を行う[妊婦への投与例において、胎児に徐脈等、新生児に血圧低下、徐脈等の症状が認められたとの報告がある]。
2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむをえず投与する場合には授乳を中止させる[母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない。
1.本剤投与中の患者では、蛍光法を用いる血中及び尿中カテコールアミン、VMA(Vanillyl mandelic acid)の測定値をみかけ上増加させる可能性があるので、蛍光法を用いる血中及び尿中カテコールアミン、VMAの検査は本剤投与前に行う(本剤は、アルカリ溶液中にて励起波長334nmで蛍光を発し、その蛍光波長は412nmである)。
2.本剤投与中の患者において、MIBG(metaiodobenzylguanidine)を用いた臨床検査(シンチグラフィー)を実施したところ、MIBGの取り込みが阻害され、臨床検査結果に影響を与えたという報告があるので、本剤投与中の患者においてMIBGを用いた臨床検査を実施する場合には注意する。
1.徴候、症状:本剤の過量投与により、過度の起立性低血圧、徐脈などの重度心血管系作用が発現する可能性があり、本剤の過量投与後の乏尿性腎不全が報告されている。
2.処置:過量投与時には、下肢を挙上させ患者を仰臥位にし、必要に応じて次のような処置を行う。
1).過量投与による心不全:強心配糖体や利尿薬を投与する。
2).過量投与による気管支痙攣:吸入β2刺激薬を投与する。
3).過量投与による徐脈:アトロピン硫酸塩水和物を静注し、血液循環を改善させるため、反応をみながらノルエピネフリン投与を繰り返し、必要に応じて、心臓ペーシングを適用する(なお、透析により血中から除去できるラベタロール塩酸塩は1%以下である)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
1.褐色細胞腫の患者に投与した場合に高血圧が悪化したとの報告がある。
2.重篤なアナフィラキシーの既往歴のある患者では、β遮断剤服用により、アナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のエピネフリンによる治療に抵抗する場合がある。
3.α遮断薬であるタムスロシンを服用中又は過去に服用経験のある患者において、白内障手術中に術中虹彩緊張低下症候群(IFIS:縮瞳型症候群の一種)が現れるとの報告がある。IFISの発現により白内障手術中の合併症が増加する恐れがあるため、本剤の服用又は服用歴について手術前に執刀医に伝えるよう指導する。
気密容器。
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