薬剤情報
後発品
薬効分類バルプロ酸系抗てんかん薬 片頭痛薬 > バルプロ酸系
一般名バルプロ酸ナトリウム細粒
薬価18.1
メーカー日医工
最終更新2024年08月改訂(第2版)

用法・用量

〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉

通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400〜1200mgを1日2〜3回に分けて経口投与する。

ただし、年齢・症状に応じ適宜増減する。

〈片頭痛発作の発症抑制〉

通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400〜800mgを1日2〜3回に分けて経口投与する。

なお、年齢・症状に応じ適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

〈躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉バルプロ酸の躁病および躁うつ病の躁状態に対する、3週間以上の長期使用については、国内外の臨床試験で明確なエビデンスは得られていない。

効能・効果

1). 各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療。

2). 躁病および躁うつ病の躁状態の治療。

3). 片頭痛発作の発症抑制。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈片頭痛発作の発症抑制〉本剤は、片頭痛発作の急性期治療のみでは日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。

5.2. 〈片頭痛発作の発症抑制〉本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、片頭痛発作の発症抑制で、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝等(いずれも頻度不明):肝障害とともに急激な意識障害があらわれることがある〔8.1、9.3.2参照〕。

11.1.2. 高アンモニア血症を伴う意識障害(頻度不明)〔8.2、9.1.3、10.2参照〕。

11.1.3. 溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。

11.1.4. 急性膵炎(頻度不明):激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.5. 間質性腎炎、ファンコニー症候群(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。

11.1.6. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.7. 過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。

11.1.8. 脳萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状(いずれも頻度不明):認知症様症状として健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等があらわれることがあり、パーキンソン様症状として静止時振戦、硬直、姿勢異常・歩行異常等があらわれることがある(なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1〜2ヵ月で回復している)。

11.1.9. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.10. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量増加、高張尿等があらわれた場合には、水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。

11.1.11. 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 血液:(0.1%未満*)白血球減少、(頻度不明)貧血、好酸球増多、血小板凝集能低下、低フィブリノーゲン血症。

2). 精神神経系:(5%以上*)傾眠、(0.1〜5%未満*)失調、頭痛、不眠、不穏、視覚異常、(0.1%未満*)感覚変化、(頻度不明)振戦、めまい、抑うつ。

3). 消化器:(0.1〜5%未満*)悪心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、便秘、(0.1%未満*)口内炎、下痢、(頻度不明)食欲亢進、腹痛。

4). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇。

5). 皮膚:(0.1%未満*)脱毛。

6). 過敏症:(0.1〜5%未満*)発疹。

7). 泌尿器:(0.1〜5%未満*)夜尿・頻尿、(頻度不明)血尿、尿失禁。

8). 生殖器:(0.1%未満*)月経異常(月経不順、無月経)、(頻度不明)多嚢胞性卵巣、※精子数減少、※精子運動性低下[※:本剤の投与中止後に、改善されたとの報告がある]。

9). その他:(0.1〜5%未満*)倦怠感、鼻血、(0.1%未満*)口渇、浮腫、発熱、(頻度不明)高アンモニア血症、歯肉肥厚、体重増加、カルニチン減少。

*)発現頻度は副作用頻度調査を含む。

禁忌

2.1. 〈効能共通〉重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.2. 〈効能共通〉カルバペネム系抗生物質投与中の患者〔10.1参照〕。

2.3. 〈効能共通〉尿素サイクル異常症の患者[重篤な高アンモニア血症があらわれることがある]。

2.4. 〈片頭痛発作の発症抑制〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉重篤な肝障害(投与初期6ヵ月以内に多い)があらわれることがあるので、投与初期6ヵ月間は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。その後も連用中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい〔11.1.1参照〕。

8.2. 〈効能共通〉高アンモニア血症を伴う意識障害があらわれることがあるので、定期的にアンモニア値を測定するなど観察を十分に行うこと〔10.2、11.1.2参照〕。

8.3. 〈効能共通〉連用中は定期的に腎機能検査、血液検査を行うことが望ましい〔11.1.3、11.1.5参照〕。

8.4. 〈効能共通〉眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

8.5. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと〔9.1.4、9.8.2参照〕。

8.6. 〈片頭痛発作の発症抑制〉片頭痛発作の発症抑制の場合、患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること(症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと)。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 〈効能共通〉薬物過敏症の既往歴のある患者。

9.1.2. 〈効能共通〉自殺企図の既往及び自殺念慮のある躁病及び自殺念慮のある躁うつ病の躁状態の患者:自殺企図や自殺念慮が悪化するおそれがある〔15.1.1参照〕。

9.1.3. 〈効能共通〉尿素サイクル異常症が疑われる患者:次のような患者においては、本剤投与前にアミノ酸分析等の検査を考慮するとともに、本剤投与中は、アンモニア値の変動に注意し、十分な観察を行うこと(重篤な高アンモニア血症があらわれるおそれがある)〔11.1.2参照〕[1)原因不明の脳症若しくは原因不明の昏睡の既往のある患者、2)尿素サイクル異常症又は原因不明の乳児死亡の家族歴のある患者]。

9.1.4. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉虚弱者:投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること〔8.5参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 腎機能障害患者:蛋白結合率の低下等の要因により、遊離型薬物濃度が上昇するおそれがある。

9.2.2. 血液透析患者:血液透析による本剤の除去や蛋白結合能の変化により遊離型薬物濃度が低下するおそれがある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害が強くあらわれるため致死的になるおそれがある)〔2.1参照〕。

9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害が強くあらわれるおそれがある〔11.1.1参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明し、本剤の使用が適切であるか慎重に判断すること(本剤で催奇形性が認められている)〔9.5.4、9.5.8参照〕。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

カルバペネム系抗生物質(パニペネム・ベタミプロン<カルベニン>、メロペネム水和物<メロペン>、イミペネム水和物・シラスタチン<チエナム>、レレバクタム水和物・イミペネム水和物・シラスタチン<レカルブリオ>、ビアペネム<オメガシン>、ドリペネム水和物<フィニバックス>、テビペネム ピボキシル<オラペネム>)〔2.2参照〕[てんかんの発作が再発することがある(バルプロ酸の血中濃度が低下する)]。

10.2. 併用注意:

1). バルビツール酸剤(フェノバルビタール等)[バルプロ酸の作用が減弱、併用薬剤の作用が増強することがある(併用薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下し、また、併用薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

2). フェニトイン、カルバマゼピン[バルプロ酸の作用が減弱、併用薬剤の作用が増強又は減弱することがある(併用薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下し、また、併用薬剤の血中濃度を上昇又は低下させる)]。

3). フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール〔8.2、11.1.2参照〕[バルプロ酸による高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある(機序は不明である)]。

4). エトスクシミド、アミトリプチリン、ノルトリプチリン[併用薬剤の作用が増強することがある(併用薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

5). クロバザム[バルプロ酸の作用が増強されることがある(機序は不明であるが、バルプロ酸の血中濃度が上昇する)]。

6). ラモトリギン[併用薬剤の消失半減期が約2倍延長するとの報告がある(肝におけるグルクロン酸抱合が競合する)]。

7). ロラゼパム[併用薬剤の消失半減期が延長することがある(肝におけるグルクロン酸抱合が競合する)]。

8). グルクロン酸抱合を誘導する薬剤(リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル、ロピナビル・リトナビル配合剤等)[バルプロ酸の作用が減弱することがある(肝における本剤のグルクロン酸抱合が促進される)]。

9). ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム等)、ワルファリン[併用薬剤の作用が増強することがある(遊離型の併用薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

10). サリチル酸系薬剤(アスピリン等)[バルプロ酸の作用が増強されることがある(遊離型バルプロ酸濃度が上昇し、また、バルプロ酸の代謝が阻害される)]。

11). エリスロマイシン、シメチジン[バルプロ酸の作用が増強されることがある(併用薬剤が肝チトクロームP−450による薬物代謝を抑制し、バルプロ酸の血中濃度が上昇する)]。

12). クロナゼパム[アブサンス重積<欠神発作重積>があらわれたとの報告がある(機序は不明である)]。

高齢者

9.8.1. 〈効能共通〉用量に留意して慎重に投与すること(本剤は、血漿アルブミンとの結合性が強いが、高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがある)。

9.8.2. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉てんかんの高齢者:投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること〔8.5参照〕。

9.8.3. 〈片頭痛発作の発症抑制〉片頭痛発作の発症抑制の高齢者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

9.5.1. 〈片頭痛発作の発症抑制〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと〔2.4参照〕。

9.5.2. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉妊婦又は妊娠している可能性〈てんかん・躁病および躁うつ病〉のある女性には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

9.5.3. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉妊娠中〈てんかん・躁病および躁うつ病〉にやむを得ず本剤を投与する場合、可能な限り単独投与することが望ましい(他の抗てんかん剤(特にカルバマゼピン)と併用時に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与時と比較して多いとの疫学的調査報告がある)。

9.5.4. 〈効能共通〉二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂、尿道下裂等の外表奇形、その他の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、特有の顔貌を有する児(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を出産したとの報告がある〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

9.5.5. 〈効能共通〉妊娠中の投与により、新生児に呼吸障害、肝障害、低フィブリノーゲン血症、低血糖、退薬症候(神経過敏、過緊張、痙攣、嘔吐)等があらわれるとの報告がある。

9.5.6. 〈効能共通〉海外で実施された観察研究において、妊娠中に抗てんかん薬を投与されたてんかん患者からの出生児224例を対象に6歳時の知能指数(IQ)[平均値(95%信頼区間)]を比較した結果、本剤を投与されたてんかん患者からの出生児のIQ[98(95−102)]は、ラモトリギン[108(105−111)]、フェニトイン[109(105−113)]、カルバマゼピン[106(103−109)]を投与されたてんかん患者からの出生児と比較してIQが低いとの報告がある。なお、本剤の投与量が1000mg/日(本研究における中央値)未満の場合は[104(99−109)]、1000mg/日を超える場合は[94(90−99)]であった。

9.5.7. 〈効能共通〉海外で実施された観察研究において、妊娠中に本剤を投与された母親からの出生児508例は、本剤を投与されていない母親からの出生児655107例と比較して、自閉症発症リスクが高かったとの報告がある[調整ハザード比:2.9(95%信頼区間:1.7−4.9)]。

9.5.8. 〈効能共通〉動物実験(マウス)で、本剤が葉酸代謝を阻害し、新生仔先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中へ移行することがある)。

小児等

9.7.1. 〈効能共通〉低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.7.2. 〈片頭痛発作の発症抑制〉片頭痛発作の発症抑制の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

誤飲や自殺企図による過量服用により意識障害(傾眠、昏睡)、痙攣、呼吸抑制、高アンモニア血症、脳水腫を起こした例が報告されており、外国では死亡例が報告されている。

13.2. 処置

過量投与時には、下剤、活性炭投与を行い、尿排泄を促進させ、また、必要に応じて直接血液灌流、血液透析を行う(ナロキソンの投与が有効であったとする報告がある)。

適用上の注意、取扱い上の注意

(取扱い上の注意)

分包以外は開封後湿気を避けて保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6−3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている〔9.1.2参照〕。

15.1.2. 本剤との因果関係は明らかではないが、北欧で実施された観察研究において、受胎前の3ヵ月間に本剤に曝露した父親の児は、ラモトリギン又はレベチラセタムに曝露した父親の児と比較して、神経発達症リスクの増加を示唆する報告がある(調整ハザード比1.50[95%信頼区間:1.09−2.07])。一方で、てんかんを有する父親を対象とした海外で実施された観察研究において、受胎前の120日間に本剤に曝露した父親の児は、本剤に曝露していない父親の児と比較して、統計学的に有意な神経発達症リスクの増加は認められないとする報告もある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

バルプロ酸ナトリウム細粒20%「EMEC」
バルプロ酸ナトリウム細粒20%「EMEC」

バルプロ酸ナトリウム細粒20%「EMEC」

バルプロ酸系抗てんかん薬 片頭痛薬 > バルプロ酸系
2024年08月改訂(第2版)
薬剤情報
後発品
薬効分類バルプロ酸系抗てんかん薬 片頭痛薬 > バルプロ酸系
一般名バルプロ酸ナトリウム細粒
薬価18.1
メーカー日医工
最終更新2024年08月改訂(第2版)

用法・用量

〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉

通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400〜1200mgを1日2〜3回に分けて経口投与する。

ただし、年齢・症状に応じ適宜増減する。

〈片頭痛発作の発症抑制〉

通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400〜800mgを1日2〜3回に分けて経口投与する。

なお、年齢・症状に応じ適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

〈躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉バルプロ酸の躁病および躁うつ病の躁状態に対する、3週間以上の長期使用については、国内外の臨床試験で明確なエビデンスは得られていない。

効能・効果

1). 各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療。

2). 躁病および躁うつ病の躁状態の治療。

3). 片頭痛発作の発症抑制。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈片頭痛発作の発症抑制〉本剤は、片頭痛発作の急性期治療のみでは日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。

5.2. 〈片頭痛発作の発症抑制〉本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、片頭痛発作の発症抑制で、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝等(いずれも頻度不明):肝障害とともに急激な意識障害があらわれることがある〔8.1、9.3.2参照〕。

11.1.2. 高アンモニア血症を伴う意識障害(頻度不明)〔8.2、9.1.3、10.2参照〕。

11.1.3. 溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。

11.1.4. 急性膵炎(頻度不明):激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.5. 間質性腎炎、ファンコニー症候群(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。

11.1.6. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.7. 過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。

11.1.8. 脳萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状(いずれも頻度不明):認知症様症状として健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等があらわれることがあり、パーキンソン様症状として静止時振戦、硬直、姿勢異常・歩行異常等があらわれることがある(なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1〜2ヵ月で回復している)。

11.1.9. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.10. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量増加、高張尿等があらわれた場合には、水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。

11.1.11. 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 血液:(0.1%未満*)白血球減少、(頻度不明)貧血、好酸球増多、血小板凝集能低下、低フィブリノーゲン血症。

2). 精神神経系:(5%以上*)傾眠、(0.1〜5%未満*)失調、頭痛、不眠、不穏、視覚異常、(0.1%未満*)感覚変化、(頻度不明)振戦、めまい、抑うつ。

3). 消化器:(0.1〜5%未満*)悪心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、便秘、(0.1%未満*)口内炎、下痢、(頻度不明)食欲亢進、腹痛。

4). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇。

5). 皮膚:(0.1%未満*)脱毛。

6). 過敏症:(0.1〜5%未満*)発疹。

7). 泌尿器:(0.1〜5%未満*)夜尿・頻尿、(頻度不明)血尿、尿失禁。

8). 生殖器:(0.1%未満*)月経異常(月経不順、無月経)、(頻度不明)多嚢胞性卵巣、※精子数減少、※精子運動性低下[※:本剤の投与中止後に、改善されたとの報告がある]。

9). その他:(0.1〜5%未満*)倦怠感、鼻血、(0.1%未満*)口渇、浮腫、発熱、(頻度不明)高アンモニア血症、歯肉肥厚、体重増加、カルニチン減少。

*)発現頻度は副作用頻度調査を含む。

禁忌

2.1. 〈効能共通〉重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.2. 〈効能共通〉カルバペネム系抗生物質投与中の患者〔10.1参照〕。

2.3. 〈効能共通〉尿素サイクル異常症の患者[重篤な高アンモニア血症があらわれることがある]。

2.4. 〈片頭痛発作の発症抑制〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉重篤な肝障害(投与初期6ヵ月以内に多い)があらわれることがあるので、投与初期6ヵ月間は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。その後も連用中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい〔11.1.1参照〕。

8.2. 〈効能共通〉高アンモニア血症を伴う意識障害があらわれることがあるので、定期的にアンモニア値を測定するなど観察を十分に行うこと〔10.2、11.1.2参照〕。

8.3. 〈効能共通〉連用中は定期的に腎機能検査、血液検査を行うことが望ましい〔11.1.3、11.1.5参照〕。

8.4. 〈効能共通〉眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

8.5. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと〔9.1.4、9.8.2参照〕。

8.6. 〈片頭痛発作の発症抑制〉片頭痛発作の発症抑制の場合、患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること(症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと)。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 〈効能共通〉薬物過敏症の既往歴のある患者。

9.1.2. 〈効能共通〉自殺企図の既往及び自殺念慮のある躁病及び自殺念慮のある躁うつ病の躁状態の患者:自殺企図や自殺念慮が悪化するおそれがある〔15.1.1参照〕。

9.1.3. 〈効能共通〉尿素サイクル異常症が疑われる患者:次のような患者においては、本剤投与前にアミノ酸分析等の検査を考慮するとともに、本剤投与中は、アンモニア値の変動に注意し、十分な観察を行うこと(重篤な高アンモニア血症があらわれるおそれがある)〔11.1.2参照〕[1)原因不明の脳症若しくは原因不明の昏睡の既往のある患者、2)尿素サイクル異常症又は原因不明の乳児死亡の家族歴のある患者]。

9.1.4. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉虚弱者:投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること〔8.5参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 腎機能障害患者:蛋白結合率の低下等の要因により、遊離型薬物濃度が上昇するおそれがある。

9.2.2. 血液透析患者:血液透析による本剤の除去や蛋白結合能の変化により遊離型薬物濃度が低下するおそれがある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害が強くあらわれるため致死的になるおそれがある)〔2.1参照〕。

9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害が強くあらわれるおそれがある〔11.1.1参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明し、本剤の使用が適切であるか慎重に判断すること(本剤で催奇形性が認められている)〔9.5.4、9.5.8参照〕。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

カルバペネム系抗生物質(パニペネム・ベタミプロン<カルベニン>、メロペネム水和物<メロペン>、イミペネム水和物・シラスタチン<チエナム>、レレバクタム水和物・イミペネム水和物・シラスタチン<レカルブリオ>、ビアペネム<オメガシン>、ドリペネム水和物<フィニバックス>、テビペネム ピボキシル<オラペネム>)〔2.2参照〕[てんかんの発作が再発することがある(バルプロ酸の血中濃度が低下する)]。

10.2. 併用注意:

1). バルビツール酸剤(フェノバルビタール等)[バルプロ酸の作用が減弱、併用薬剤の作用が増強することがある(併用薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下し、また、併用薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

2). フェニトイン、カルバマゼピン[バルプロ酸の作用が減弱、併用薬剤の作用が増強又は減弱することがある(併用薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下し、また、併用薬剤の血中濃度を上昇又は低下させる)]。

3). フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール〔8.2、11.1.2参照〕[バルプロ酸による高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある(機序は不明である)]。

4). エトスクシミド、アミトリプチリン、ノルトリプチリン[併用薬剤の作用が増強することがある(併用薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

5). クロバザム[バルプロ酸の作用が増強されることがある(機序は不明であるが、バルプロ酸の血中濃度が上昇する)]。

6). ラモトリギン[併用薬剤の消失半減期が約2倍延長するとの報告がある(肝におけるグルクロン酸抱合が競合する)]。

7). ロラゼパム[併用薬剤の消失半減期が延長することがある(肝におけるグルクロン酸抱合が競合する)]。

8). グルクロン酸抱合を誘導する薬剤(リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル、ロピナビル・リトナビル配合剤等)[バルプロ酸の作用が減弱することがある(肝における本剤のグルクロン酸抱合が促進される)]。

9). ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム等)、ワルファリン[併用薬剤の作用が増強することがある(遊離型の併用薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

10). サリチル酸系薬剤(アスピリン等)[バルプロ酸の作用が増強されることがある(遊離型バルプロ酸濃度が上昇し、また、バルプロ酸の代謝が阻害される)]。

11). エリスロマイシン、シメチジン[バルプロ酸の作用が増強されることがある(併用薬剤が肝チトクロームP−450による薬物代謝を抑制し、バルプロ酸の血中濃度が上昇する)]。

12). クロナゼパム[アブサンス重積<欠神発作重積>があらわれたとの報告がある(機序は不明である)]。

高齢者

9.8.1. 〈効能共通〉用量に留意して慎重に投与すること(本剤は、血漿アルブミンとの結合性が強いが、高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがある)。

9.8.2. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉てんかんの高齢者:投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること〔8.5参照〕。

9.8.3. 〈片頭痛発作の発症抑制〉片頭痛発作の発症抑制の高齢者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

9.5.1. 〈片頭痛発作の発症抑制〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと〔2.4参照〕。

9.5.2. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉妊婦又は妊娠している可能性〈てんかん・躁病および躁うつ病〉のある女性には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

9.5.3. 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉妊娠中〈てんかん・躁病および躁うつ病〉にやむを得ず本剤を投与する場合、可能な限り単独投与することが望ましい(他の抗てんかん剤(特にカルバマゼピン)と併用時に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与時と比較して多いとの疫学的調査報告がある)。

9.5.4. 〈効能共通〉二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂、尿道下裂等の外表奇形、その他の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、特有の顔貌を有する児(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を出産したとの報告がある〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

9.5.5. 〈効能共通〉妊娠中の投与により、新生児に呼吸障害、肝障害、低フィブリノーゲン血症、低血糖、退薬症候(神経過敏、過緊張、痙攣、嘔吐)等があらわれるとの報告がある。

9.5.6. 〈効能共通〉海外で実施された観察研究において、妊娠中に抗てんかん薬を投与されたてんかん患者からの出生児224例を対象に6歳時の知能指数(IQ)[平均値(95%信頼区間)]を比較した結果、本剤を投与されたてんかん患者からの出生児のIQ[98(95−102)]は、ラモトリギン[108(105−111)]、フェニトイン[109(105−113)]、カルバマゼピン[106(103−109)]を投与されたてんかん患者からの出生児と比較してIQが低いとの報告がある。なお、本剤の投与量が1000mg/日(本研究における中央値)未満の場合は[104(99−109)]、1000mg/日を超える場合は[94(90−99)]であった。

9.5.7. 〈効能共通〉海外で実施された観察研究において、妊娠中に本剤を投与された母親からの出生児508例は、本剤を投与されていない母親からの出生児655107例と比較して、自閉症発症リスクが高かったとの報告がある[調整ハザード比:2.9(95%信頼区間:1.7−4.9)]。

9.5.8. 〈効能共通〉動物実験(マウス)で、本剤が葉酸代謝を阻害し、新生仔先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中へ移行することがある)。

小児等

9.7.1. 〈効能共通〉低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.7.2. 〈片頭痛発作の発症抑制〉片頭痛発作の発症抑制の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

誤飲や自殺企図による過量服用により意識障害(傾眠、昏睡)、痙攣、呼吸抑制、高アンモニア血症、脳水腫を起こした例が報告されており、外国では死亡例が報告されている。

13.2. 処置

過量投与時には、下剤、活性炭投与を行い、尿排泄を促進させ、また、必要に応じて直接血液灌流、血液透析を行う(ナロキソンの投与が有効であったとする報告がある)。

適用上の注意、取扱い上の注意

(取扱い上の注意)

分包以外は開封後湿気を避けて保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6−3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている〔9.1.2参照〕。

15.1.2. 本剤との因果関係は明らかではないが、北欧で実施された観察研究において、受胎前の3ヵ月間に本剤に曝露した父親の児は、ラモトリギン又はレベチラセタムに曝露した父親の児と比較して、神経発達症リスクの増加を示唆する報告がある(調整ハザード比1.50[95%信頼区間:1.09−2.07])。一方で、てんかんを有する父親を対象とした海外で実施された観察研究において、受胎前の120日間に本剤に曝露した父親の児は、本剤に曝露していない父親の児と比較して、統計学的に有意な神経発達症リスクの増加は認められないとする報告もある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

薬剤情報

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