薬効分類 | 冠血管拡張薬 > 選択的β1遮断薬 血圧降下薬 > 選択的β1遮断薬 |
一般名 | セリプロロール塩酸塩錠 |
薬価 | 16.7円 |
メーカー | 日本新薬 |
最終更新 | 2023年04月改訂(第1版) |
〈本態性高血圧症(軽症〜中等症)、腎実質性高血圧症〉
通常、成人にはセリプロロール塩酸塩として1日1回100〜200mgを食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は400mgとする。
〈狭心症〉
通常、成人にはセリプロロール塩酸塩として1日1回200mgを食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は400mgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること〔2.6、9.1.8参照〕。
1). 本態性高血圧症<軽症〜中等症>。
2). 腎実質性高血圧症。
3). 狭心症。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 心不全、房室ブロック、洞房ブロック(いずれも頻度不明)〔8.1、9.1.2、9.1.6参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(1%未満)発疹、(頻度不明)皮膚そう痒感。
2). 循環器:(1%未満)動悸、胸痛、顔面潮紅、(頻度不明)徐脈、血圧低下、心胸郭比増大。
3). 呼吸器:(1%未満)咳、喘息、息切れ、鼻汁・鼻閉感、(頻度不明)喘鳴。
4). 精神神経系:(1〜5%未満)頭痛、めまい、(1%未満)しびれ、ふるえ、不眠、眠気、(頻度不明)抑うつ症状。
5). 消化器:(1%未満)嘔気、口渇、腹痛、下痢、(頻度不明)消化不良。
6). 眼:(頻度不明)涙液分泌減少、霧視。
7). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇等の肝機能異常。
8). 腎臓:(頻度不明)クレアチニン上昇、蛋白尿、BUN上昇等の腎機能異常。
9). その他:(1〜5%未満)倦怠感、(1%未満)浮腫、関節痛、腓腹筋痙攣(こむらがえり)、(頻度不明)中性脂肪上昇、総コレステロール上昇、尿酸上昇、CK上昇(CPK上昇)、白血球減少、高血糖悪化、筋肉痛、脱力感、味覚異常。
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制が増強されることがある]。
2.3. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2・3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[症状を悪化させることがある]。
2.4. 心原性ショックの患者[心機能の抑制により、原疾患を悪化させることがある]。
2.5. うっ血性心不全、肺高血圧による右心不全のある患者[心拍出量の減少により、これらの症状を悪化させることがある]。
2.6. 未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.1.8参照〕。
2.7. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
8.1. 長期投与の場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。徐脈又は低血圧の症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること(また、必要に応じアトロピン硫酸塩水和物等を使用すること)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること〔11.1.1参照〕。
8.2. 類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服用を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること〔9.8.2参照〕。
8.3. 手術前48時間は投与しないことが望ましい。
8.4. めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等、危険を伴う機械の作業に注意させること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者:症状を誘発するおそれがある。
9.1.2. うっ血性心不全のおそれのある患者:ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること(心機能を抑制し、症状を悪化させるおそれがある)〔11.1.1参照〕。
9.1.3. 低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者:血糖値に注意すること(低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい)。
9.1.4. 甲状腺中毒症の患者:休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと(急に投与を中止すると、症状を悪化させることがあり、頻脈等の中毒症状をマスクするおそれがある)。
9.1.5. 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等):症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6. 房室ブロック<1度>のある患者:心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.1.7. 異型狭心症の患者:症状を悪化させるおそれがある。
9.1.8. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤の単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがある〔2.6、7.用法及び用量に関連する注意の項参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:血清クレアチニン値4.0mg/dL以上の場合は減量するなど慎重に投与すること(血中半減期が延長するおそれがある)。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:本剤の代謝が遅延するおそれがある。
10.2. 併用注意:
1). カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)[徐脈・房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全があらわれるおそれがあるので、併用する場合には用量に注意する(相加的に作用(陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用)を増強させる)]。
2). 交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。
3). 血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)[血糖降下作用の増強、また、低血糖症状<頻脈・発汗等>をマスクするおそれがあるので、血糖値に注意する(β2遮断作用により、肝臓でのグリコーゲン分解が抑制され、また、低血糖時に分泌されるアドレナリンによって生じる低血糖症状をマスクする)]。
4). クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩[クロニジン塩酸塩又はグアナベンズ酢酸塩の投与中止後のリバウンド現象を増強するおそれがあるので、β遮断剤を先に中止し、これらの薬剤を徐々に減量する(クロニジン塩酸塩の中止により血中ノルアドレナリンが上昇するが、β遮断剤と併用している場合、ノルアドレナリンの作用のうち、α刺激作用が優位となり、急激な血圧上昇を起こす(グアナベンズ酢酸塩も作用機序から同様な反応が予測される))]。
5). クラス1抗不整脈剤(リン酸ジソピラミド、プロカインアミド塩酸塩、アジマリン等)、アミオダロン塩酸塩[過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(心機能抑制作用)を増強させる)]。
6). β遮断剤[血圧が上昇するおそれがある(本剤の血管拡張作用が抑制される)]。
7). 麻酔剤(エーテル等)[過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。
8). ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン等)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>があらわれるおそれがあるので、心機能に注意する(相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる)]。
9). 非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱するおそれがある(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する)]。
10). 降圧作用を有する他の薬剤(降圧剤、硝酸剤等)[降圧作用を増強するおそれがあるので、併用する場合には用量に注意する(相加的に作用(降圧作用)を増強させる)]。
次の点に注意し、少量(例えば100mg)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
9.8.1. 脳梗塞等が起こるおそれがある(一般に、過度の降圧は好ましくないとされている)。
9.8.2. 休薬を要する場合は、徐々に減量する〔8.2参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔2.7参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されており、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある)。
小児等に対する臨床試験は実施していない。
13.1. 症状
β遮断剤の過量投与で予測される症状は徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等である。
13.2. 処置
過量投与時、本剤の投与を中止し、必要に応じて胃洗浄等により薬剤の除去を行うとともに、次記等の適切な処置を行うこと。
・ 過量投与時の徐脈、完全房室ブロック:アトロピン硫酸塩水和物、イソプロテレノール等の投与や心臓ペーシングを適用すること。
・ 過量投与時の心不全、低血圧:強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用すること。
・ 過量投与時の気管支痙攣:β2作動薬の静注又はアミノフィリン水和物の静注等の投与や補助呼吸を適用すること。
これらの処置の間は常に観察下におくこと。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 本剤は空腹時に経口投与した場合、食後投与に比較して最高血漿中濃度が約2倍程度に上昇するという報告がある。
15.1.2. β遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗する場合がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 冠血管拡張薬 > 選択的β1遮断薬 血圧降下薬 > 選択的β1遮断薬 |
一般名 | セリプロロール塩酸塩錠 |
薬価 | 16.7円 |
メーカー | 日本新薬 |
最終更新 | 2023年04月改訂(第1版) |
〈本態性高血圧症(軽症〜中等症)、腎実質性高血圧症〉
通常、成人にはセリプロロール塩酸塩として1日1回100〜200mgを食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は400mgとする。
〈狭心症〉
通常、成人にはセリプロロール塩酸塩として1日1回200mgを食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は400mgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること〔2.6、9.1.8参照〕。
1). 本態性高血圧症<軽症〜中等症>。
2). 腎実質性高血圧症。
3). 狭心症。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 心不全、房室ブロック、洞房ブロック(いずれも頻度不明)〔8.1、9.1.2、9.1.6参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(1%未満)発疹、(頻度不明)皮膚そう痒感。
2). 循環器:(1%未満)動悸、胸痛、顔面潮紅、(頻度不明)徐脈、血圧低下、心胸郭比増大。
3). 呼吸器:(1%未満)咳、喘息、息切れ、鼻汁・鼻閉感、(頻度不明)喘鳴。
4). 精神神経系:(1〜5%未満)頭痛、めまい、(1%未満)しびれ、ふるえ、不眠、眠気、(頻度不明)抑うつ症状。
5). 消化器:(1%未満)嘔気、口渇、腹痛、下痢、(頻度不明)消化不良。
6). 眼:(頻度不明)涙液分泌減少、霧視。
7). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇等の肝機能異常。
8). 腎臓:(頻度不明)クレアチニン上昇、蛋白尿、BUN上昇等の腎機能異常。
9). その他:(1〜5%未満)倦怠感、(1%未満)浮腫、関節痛、腓腹筋痙攣(こむらがえり)、(頻度不明)中性脂肪上昇、総コレステロール上昇、尿酸上昇、CK上昇(CPK上昇)、白血球減少、高血糖悪化、筋肉痛、脱力感、味覚異常。
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制が増強されることがある]。
2.3. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2・3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[症状を悪化させることがある]。
2.4. 心原性ショックの患者[心機能の抑制により、原疾患を悪化させることがある]。
2.5. うっ血性心不全、肺高血圧による右心不全のある患者[心拍出量の減少により、これらの症状を悪化させることがある]。
2.6. 未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.1.8参照〕。
2.7. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
8.1. 長期投与の場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。徐脈又は低血圧の症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること(また、必要に応じアトロピン硫酸塩水和物等を使用すること)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること〔11.1.1参照〕。
8.2. 類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服用を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること〔9.8.2参照〕。
8.3. 手術前48時間は投与しないことが望ましい。
8.4. めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等、危険を伴う機械の作業に注意させること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者:症状を誘発するおそれがある。
9.1.2. うっ血性心不全のおそれのある患者:ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること(心機能を抑制し、症状を悪化させるおそれがある)〔11.1.1参照〕。
9.1.3. 低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者:血糖値に注意すること(低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい)。
9.1.4. 甲状腺中毒症の患者:休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと(急に投与を中止すると、症状を悪化させることがあり、頻脈等の中毒症状をマスクするおそれがある)。
9.1.5. 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等):症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6. 房室ブロック<1度>のある患者:心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.1.7. 異型狭心症の患者:症状を悪化させるおそれがある。
9.1.8. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤の単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがある〔2.6、7.用法及び用量に関連する注意の項参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:血清クレアチニン値4.0mg/dL以上の場合は減量するなど慎重に投与すること(血中半減期が延長するおそれがある)。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:本剤の代謝が遅延するおそれがある。
10.2. 併用注意:
1). カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)[徐脈・房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全があらわれるおそれがあるので、併用する場合には用量に注意する(相加的に作用(陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用)を増強させる)]。
2). 交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。
3). 血糖降下剤(インスリン、トルブタミド、アセトヘキサミド等)[血糖降下作用の増強、また、低血糖症状<頻脈・発汗等>をマスクするおそれがあるので、血糖値に注意する(β2遮断作用により、肝臓でのグリコーゲン分解が抑制され、また、低血糖時に分泌されるアドレナリンによって生じる低血糖症状をマスクする)]。
4). クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩[クロニジン塩酸塩又はグアナベンズ酢酸塩の投与中止後のリバウンド現象を増強するおそれがあるので、β遮断剤を先に中止し、これらの薬剤を徐々に減量する(クロニジン塩酸塩の中止により血中ノルアドレナリンが上昇するが、β遮断剤と併用している場合、ノルアドレナリンの作用のうち、α刺激作用が優位となり、急激な血圧上昇を起こす(グアナベンズ酢酸塩も作用機序から同様な反応が予測される))]。
5). クラス1抗不整脈剤(リン酸ジソピラミド、プロカインアミド塩酸塩、アジマリン等)、アミオダロン塩酸塩[過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(心機能抑制作用)を増強させる)]。
6). β遮断剤[血圧が上昇するおそれがある(本剤の血管拡張作用が抑制される)]。
7). 麻酔剤(エーテル等)[過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。
8). ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン等)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>があらわれるおそれがあるので、心機能に注意する(相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる)]。
9). 非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱するおそれがある(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する)]。
10). 降圧作用を有する他の薬剤(降圧剤、硝酸剤等)[降圧作用を増強するおそれがあるので、併用する場合には用量に注意する(相加的に作用(降圧作用)を増強させる)]。
次の点に注意し、少量(例えば100mg)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
9.8.1. 脳梗塞等が起こるおそれがある(一般に、過度の降圧は好ましくないとされている)。
9.8.2. 休薬を要する場合は、徐々に減量する〔8.2参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔2.7参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されており、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある)。
小児等に対する臨床試験は実施していない。
13.1. 症状
β遮断剤の過量投与で予測される症状は徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等である。
13.2. 処置
過量投与時、本剤の投与を中止し、必要に応じて胃洗浄等により薬剤の除去を行うとともに、次記等の適切な処置を行うこと。
・ 過量投与時の徐脈、完全房室ブロック:アトロピン硫酸塩水和物、イソプロテレノール等の投与や心臓ペーシングを適用すること。
・ 過量投与時の心不全、低血圧:強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用すること。
・ 過量投与時の気管支痙攣:β2作動薬の静注又はアミノフィリン水和物の静注等の投与や補助呼吸を適用すること。
これらの処置の間は常に観察下におくこと。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 本剤は空腹時に経口投与した場合、食後投与に比較して最高血漿中濃度が約2倍程度に上昇するという報告がある。
15.1.2. β遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗する場合がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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