局所麻酔薬
薬効分類 | 局所麻酔薬 |
一般名 | ブピバカイン塩酸塩水和物注射液 |
薬価 | 191円 |
メーカー | サンドファーマ |
最終更新 | 2021年09月改訂(第14版) |
伝達麻酔あるいは硬膜外麻酔に用いるが、その麻酔部位、年齢及び全身状態等により適宜用量を決定する。ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)1回体重1kg当り2mgまでを使用する。
<参考>麻酔方法別使用量一覧
1.伝達麻酔
1).三叉神経ブロック:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)2.5〜5mg。
2).星状神経節ブロック:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)12.5〜25mg。
3).腕神経叢ブロック(腋窩法):(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)50〜75mg;(濃度)0.5%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)50〜100mg。
4).肋間神経ブロック:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)12.5mg以下;(濃度)0.5%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)25mg以下:この用量は各神経当りのものである。
5).腰部交感神経節ブロック:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)12.5〜25mg。
2.硬膜外麻酔
1).硬膜外麻酔:(濃度)0.5%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)75〜100mg。
2).持続硬膜外麻酔:(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)最初25〜50mgついで0.25%は7.5〜12.5〜20mg、0.5%は15〜25〜40mgを4〜6時間ごと<この用量は、期待する鎮痛効果による分節の数及び患者の年齢による>。
3).仙骨麻酔:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)37.5〜75mg;(濃度)0.5%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)75〜100mg。
<血管収縮剤の添加について>
本剤は、血管収縮剤を添加しなくても十分な作用時間がえられるが、更に作用時間の延長を望む場合は血管収縮剤を適宜添加する。
伝達麻酔、硬膜外麻酔。
使用成績調査等の頻度が明確となる調査を実施していないため、副作用発現頻度については不明である。
1.重大な副作用
1).ショック:徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、適切な処置を行う。
2).意識障害、振戦、痙攣:意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
3).異常感覚、知覚・運動障害:注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔では神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、膀胱直腸障害等の神経学的疾患が現れることがある。
4).肝障害:(硬膜外麻酔)持続硬膜外ブロックを長期間施行した場合、まれに黄疸、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行う。
2.その他の副作用(頻度不明)
1).循環器:血圧上昇。
2).中枢神経:眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等[このような症状が現れた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う]。
3).消化器:悪心・嘔吐等[このような症状が現れた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う]。
4).過敏症:蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等。
5).泌尿器:尿閉。
6).眼:複視。
7).その他:クモ膜炎。
1.本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.(硬膜外麻酔)大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある]。
3.(硬膜外麻酔)注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある]。
4.(硬膜外麻酔)敗血症の患者[敗血症性髄膜炎を生じる恐れがある]。
1.高齢者。
2.全身状態不良な患者[生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある]。
3.心刺激伝導障害のある患者[症状を悪化させることがある]。
4.重篤な肝機能障害又は重篤な腎機能障害のある患者[中毒症状が発現しやすくなる]。
5.(硬膜外麻酔)中枢神経系疾患:髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄ろう等の患者及び脊髄に腫瘍・脊椎に腫瘍又は脊髄に結核・脊椎に結核等のある患者[硬膜外麻酔により病状が悪化する恐れがある]。
6.(硬膜外麻酔)血液凝固障害や抗凝血薬投与中の患者[出血しやすいため、血腫形成や脊髄障害を起こすことがあるので、やむを得ず投与する場合は観察を十分に行う]。
7.(硬膜外麻酔)脊柱に著明な変形のある患者[脊髄損傷や神経根損傷の恐れがあり、また麻酔範囲の予測も困難であるので、やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行う]。
8.(硬膜外麻酔)妊産婦。
9.(硬膜外麻酔)腹部腫瘤のある患者[仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい;麻酔中は更に増悪することがあるので、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う]。
10.(硬膜外麻酔)重篤な高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすいので、患者の全身状態の観察を十分に行う]。
(重要な基本的注意)
1.まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておく。なお、事前の静脈路確保が望ましい。
2.本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意する。
1).患者の全身状態の観察を十分に行う。
2).できるだけ薄い濃度のものを用いる。
3).できるだけ必要最少量にとどめる。
4).必要に応じて血管収縮剤の併用を考慮する。
5).注射の速度はできるだけ遅くする。
6).注射針が、血管又はクモ膜下腔に入っていないことを確かめる。
7).前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、鎮静薬、鎮痛薬等を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい(なお、高齢者、小児、全身状態不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行う)。
8).(硬膜外麻酔)試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認する。
9).(硬膜外麻酔)麻酔範囲が予期した以上に広がることにより、過度の血圧低下、徐脈、呼吸抑制を来すことがあるので、麻酔範囲に注意する。
10).(伝達麻酔)血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与する。
3.注射針又はカテーテルが適切に位置していない等により、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わない。
4.本剤に血管収縮剤(アドレナリン等)を添加して投与する場合には、血管収縮剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認する。
5.球後麻酔、眼球周囲麻酔施行時は次の諸点に留意する。
1).(伝達麻酔)球後麻酔、眼球周囲麻酔施行時:持続性眼筋運動障害が発現する恐れがあるので、できるだけ薄い濃度で、必要最少量を用いることとし、外眼筋内への注入は避け、また、血管収縮剤は眼筋運動障害を悪化させることがあるので、必要な場合にのみ使用する。
2).(伝達麻酔)球後麻酔、眼球周囲麻酔施行時:視神経鞘内への誤注入により、一過性失明、心肺停止を起こすことがあるので、注射針はできるだけ短く、先の鈍いものを使用することが望ましい。
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。
併用注意:
1.ジゴキシン[ブピバカインによる中毒症状が発現しやすくなる(ラットを用いた研究で、ジゴキシンとの併用によりブピバカインの中毒閾値が低下したとの報告がある)]。
2.アミド型局所麻酔剤[中毒症状が相加的に起こる恐れがある(他の局所麻酔剤との併用で中毒症状が相加的に起こることが考えられる)]。
3.クラス3抗不整脈剤(アミオダロン等)[心機能抑制作用が増強する恐れがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行う(作用が増強することが考えられる)]。
(高齢者への投与)
(硬膜外麻酔)一般に高齢者では、麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下しているので、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
2.妊産婦:(硬膜外麻酔)妊娠後期の患者には、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与する[妊娠末期は、仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい;麻酔中は更に増悪することがある]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない。
局所麻酔剤の過量投与や血管内誤投与又は非常に急速な吸収等による血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に血管内誤投与となった場合には、数分以内に発現することがあり、その症状は、主に中枢神経系症状及び心血管系症状として現れる。また、腕神経叢ブロックや坐骨神経ブロック等の伝達麻酔の過量投与や硬膜外麻酔の過量投与で、人工蘇生術困難及び死亡に至った報告がある。
1.徴候、症状:
1).過量投与時の中枢神経系症状:初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等が現れる(症状が進行すると意識消失、全身痙攣が現れ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じる恐れがあり、より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある)。
2).過量投与時の心血管系症状:血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等が現れる。これらの心血管系の症状は、鎮静下又は全身麻酔下において、中枢神経症状を伴わずに発生することがある。
2.処置:過量投与時には呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要であり、必要に応じて人工呼吸を行う。過量投与による振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。過量投与による心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。過量投与により心停止を来した場合には直ちに心マッサージ等の蘇生術を開始する。
(適用上の注意)
使用目的:
1.局所静脈内麻酔<Bier’s block>として投与しない。
2.傍頚管ブロックとして投与しない。
1.本剤使用前にゴム栓をアルコール綿等で清拭する。
2.本剤は金属を侵す性質があるので、長時間金属器具(カニューレ、注射針等)に接触させないことが望ましい(なお、金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗する)。
因果関係は明らかでないが、外国において術後に本剤を関節内(特に肩関節)に持続投与された患者で軟骨融解を発現したとの報告がある。
薬効分類 | 局所麻酔薬 |
一般名 | ブピバカイン塩酸塩水和物注射液 |
薬価 | 191円 |
メーカー | サンドファーマ |
最終更新 | 2021年09月改訂(第14版) |
伝達麻酔あるいは硬膜外麻酔に用いるが、その麻酔部位、年齢及び全身状態等により適宜用量を決定する。ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)1回体重1kg当り2mgまでを使用する。
<参考>麻酔方法別使用量一覧
1.伝達麻酔
1).三叉神経ブロック:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)2.5〜5mg。
2).星状神経節ブロック:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)12.5〜25mg。
3).腕神経叢ブロック(腋窩法):(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)50〜75mg;(濃度)0.5%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)50〜100mg。
4).肋間神経ブロック:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)12.5mg以下;(濃度)0.5%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)25mg以下:この用量は各神経当りのものである。
5).腰部交感神経節ブロック:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)12.5〜25mg。
2.硬膜外麻酔
1).硬膜外麻酔:(濃度)0.5%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)75〜100mg。
2).持続硬膜外麻酔:(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)最初25〜50mgついで0.25%は7.5〜12.5〜20mg、0.5%は15〜25〜40mgを4〜6時間ごと<この用量は、期待する鎮痛効果による分節の数及び患者の年齢による>。
3).仙骨麻酔:(濃度)0.25%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)37.5〜75mg;(濃度)0.5%(ブピバカイン塩酸塩水和物(無水物として)の用量)75〜100mg。
<血管収縮剤の添加について>
本剤は、血管収縮剤を添加しなくても十分な作用時間がえられるが、更に作用時間の延長を望む場合は血管収縮剤を適宜添加する。
伝達麻酔、硬膜外麻酔。
使用成績調査等の頻度が明確となる調査を実施していないため、副作用発現頻度については不明である。
1.重大な副作用
1).ショック:徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、適切な処置を行う。
2).意識障害、振戦、痙攣:意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
3).異常感覚、知覚・運動障害:注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔では神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、膀胱直腸障害等の神経学的疾患が現れることがある。
4).肝障害:(硬膜外麻酔)持続硬膜外ブロックを長期間施行した場合、まれに黄疸、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行う。
2.その他の副作用(頻度不明)
1).循環器:血圧上昇。
2).中枢神経:眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等[このような症状が現れた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う]。
3).消化器:悪心・嘔吐等[このような症状が現れた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う]。
4).過敏症:蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等。
5).泌尿器:尿閉。
6).眼:複視。
7).その他:クモ膜炎。
1.本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.(硬膜外麻酔)大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある]。
3.(硬膜外麻酔)注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある]。
4.(硬膜外麻酔)敗血症の患者[敗血症性髄膜炎を生じる恐れがある]。
1.高齢者。
2.全身状態不良な患者[生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある]。
3.心刺激伝導障害のある患者[症状を悪化させることがある]。
4.重篤な肝機能障害又は重篤な腎機能障害のある患者[中毒症状が発現しやすくなる]。
5.(硬膜外麻酔)中枢神経系疾患:髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄ろう等の患者及び脊髄に腫瘍・脊椎に腫瘍又は脊髄に結核・脊椎に結核等のある患者[硬膜外麻酔により病状が悪化する恐れがある]。
6.(硬膜外麻酔)血液凝固障害や抗凝血薬投与中の患者[出血しやすいため、血腫形成や脊髄障害を起こすことがあるので、やむを得ず投与する場合は観察を十分に行う]。
7.(硬膜外麻酔)脊柱に著明な変形のある患者[脊髄損傷や神経根損傷の恐れがあり、また麻酔範囲の予測も困難であるので、やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行う]。
8.(硬膜外麻酔)妊産婦。
9.(硬膜外麻酔)腹部腫瘤のある患者[仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい;麻酔中は更に増悪することがあるので、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う]。
10.(硬膜外麻酔)重篤な高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすいので、患者の全身状態の観察を十分に行う]。
(重要な基本的注意)
1.まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておく。なお、事前の静脈路確保が望ましい。
2.本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の諸点に留意する。
1).患者の全身状態の観察を十分に行う。
2).できるだけ薄い濃度のものを用いる。
3).できるだけ必要最少量にとどめる。
4).必要に応じて血管収縮剤の併用を考慮する。
5).注射の速度はできるだけ遅くする。
6).注射針が、血管又はクモ膜下腔に入っていないことを確かめる。
7).前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、鎮静薬、鎮痛薬等を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい(なお、高齢者、小児、全身状態不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行う)。
8).(硬膜外麻酔)試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認する。
9).(硬膜外麻酔)麻酔範囲が予期した以上に広がることにより、過度の血圧低下、徐脈、呼吸抑制を来すことがあるので、麻酔範囲に注意する。
10).(伝達麻酔)血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与する。
3.注射針又はカテーテルが適切に位置していない等により、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わない。
4.本剤に血管収縮剤(アドレナリン等)を添加して投与する場合には、血管収縮剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認する。
5.球後麻酔、眼球周囲麻酔施行時は次の諸点に留意する。
1).(伝達麻酔)球後麻酔、眼球周囲麻酔施行時:持続性眼筋運動障害が発現する恐れがあるので、できるだけ薄い濃度で、必要最少量を用いることとし、外眼筋内への注入は避け、また、血管収縮剤は眼筋運動障害を悪化させることがあるので、必要な場合にのみ使用する。
2).(伝達麻酔)球後麻酔、眼球周囲麻酔施行時:視神経鞘内への誤注入により、一過性失明、心肺停止を起こすことがあるので、注射針はできるだけ短く、先の鈍いものを使用することが望ましい。
本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。
併用注意:
1.ジゴキシン[ブピバカインによる中毒症状が発現しやすくなる(ラットを用いた研究で、ジゴキシンとの併用によりブピバカインの中毒閾値が低下したとの報告がある)]。
2.アミド型局所麻酔剤[中毒症状が相加的に起こる恐れがある(他の局所麻酔剤との併用で中毒症状が相加的に起こることが考えられる)]。
3.クラス3抗不整脈剤(アミオダロン等)[心機能抑制作用が増強する恐れがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行う(作用が増強することが考えられる)]。
(高齢者への投与)
(硬膜外麻酔)一般に高齢者では、麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下しているので、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
2.妊産婦:(硬膜外麻酔)妊娠後期の患者には、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与する[妊娠末期は、仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい;麻酔中は更に増悪することがある]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない。
局所麻酔剤の過量投与や血管内誤投与又は非常に急速な吸収等による血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に血管内誤投与となった場合には、数分以内に発現することがあり、その症状は、主に中枢神経系症状及び心血管系症状として現れる。また、腕神経叢ブロックや坐骨神経ブロック等の伝達麻酔の過量投与や硬膜外麻酔の過量投与で、人工蘇生術困難及び死亡に至った報告がある。
1.徴候、症状:
1).過量投与時の中枢神経系症状:初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等が現れる(症状が進行すると意識消失、全身痙攣が現れ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じる恐れがあり、より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある)。
2).過量投与時の心血管系症状:血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等が現れる。これらの心血管系の症状は、鎮静下又は全身麻酔下において、中枢神経症状を伴わずに発生することがある。
2.処置:過量投与時には呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要であり、必要に応じて人工呼吸を行う。過量投与による振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。過量投与による心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。過量投与により心停止を来した場合には直ちに心マッサージ等の蘇生術を開始する。
(適用上の注意)
使用目的:
1.局所静脈内麻酔<Bier’s block>として投与しない。
2.傍頚管ブロックとして投与しない。
1.本剤使用前にゴム栓をアルコール綿等で清拭する。
2.本剤は金属を侵す性質があるので、長時間金属器具(カニューレ、注射針等)に接触させないことが望ましい(なお、金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗する)。
因果関係は明らかでないが、外国において術後に本剤を関節内(特に肩関節)に持続投与された患者で軟骨融解を発現したとの報告がある。
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