薬剤情報
後発品
薬効分類凝固因子製剤 > 血液凝固第8因子
一般名乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子
薬価34938
メーカー日本血液製剤機構
最終更新
2021年01月改訂(第1版)
添付文書のPDFはこちら

用法・用量

〈効能共通〉

本剤は製剤に添付された溶解液(日局注射用水)全量で溶解し、緩徐に静脈内に注射又は点滴注入する。なお、1分間に5mLをこえる注射速度は避けること。

〈血友病A〉

通常1回に血液凝固第8因子活性(F.8:C)で250〜2000国際単位を投与するが、年齢・症状に応じて適宜増減する。

〈von Willebrand病〉

通常1回にリストセチンコファクター活性(RCof)で500〜4000単位を投与するが、年齢・症状に応じて適宜増減する。

効能・効果

1). 血液凝固第8因子欠乏患者に対し、血漿中の血液凝固第8因子を補い、その出血傾向を抑制する。

2). von Willebrand病患者に対し、血漿中のvon Willebrand因子を補い、その出血傾向を抑制する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(頻度不明)発熱、蕁麻疹、顔面潮紅等。

2). 消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、腹痛等。

3). 精神神経系:(頻度不明)倦怠感、違和感、頭痛等。

4). 注射部位:(頻度不明)血管痛。

5). その他:(頻度不明)溶血性貧血、血圧上昇、悪寒、腰痛、季肋部不快感、結膜充血。

重要な基本的注意

8.1. 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。

8.2. 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV−1抗体、抗HIV−2抗体、抗HTLV−1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。更に、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した血漿を原料として、人血液凝固第8因子−vWF複合体を濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化を目的として、製造工程においてリン酸トリ−n−ブチル(TNBP)/ポリソルベート80処理、凍結乾燥の後、60℃、72時間の加熱処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。

8.2.1. 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること〔9.1.2、9.1.3、9.5妊婦の項参照〕。

8.2.2. 肝炎ウイルス感染等のウイルス感染のリスクについては完全には否定できないので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

8.2.3. 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。

8.3. 大量投与により血管内凝固による栓塞を起こすおそれがあるので、慎重に投与すること。

8.4. 患者の血中に血液凝固第8因子に対するインヒビター発生するおそれがある。

特に、血液凝固第8因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビター発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第8因子回収率や血液凝固第8因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。

8.5. 本剤は抗A及び抗B血液型抗体を有するので、血液型がO型でない患者に大量投与したとき、まれに溶血性貧血を起こすことがある。

8.6. 本剤にはフィブリノゲンが含まれているので、投与により血中のフィブリノゲン濃度が過度に上昇するおそれがある。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. IgA欠損症の患者:抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。

9.1.2. 溶血性貧血・失血性貧血の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。

9.1.3. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある))〔8.2.1参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 他の製剤と混注しないこと。

14.1.2. 溶解した液を注射器に移す場合、フィルターの付いたセットを用いること。

14.1.3. 一度溶解したものは1時間以内に使用すること。

14.1.4. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しない(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない)。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 溶解時に沈殿の認められるものは使用しないこと。

14.2.2. 輸注速度が速すぎるとチアノーゼ、動悸を起こすことがあるので、1分間に5mLを超えない速度でゆっくり注入すること。

14.3. 薬剤交付時の注意

14.3.1. 子供の手の届かない所へ保管すること。

14.3.2. 使用済の医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。

(取扱い上の注意)

本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、製造番号(ロット番号)、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

貯法

(保管上の注意)

10℃以下に凍結を避けて保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(注意)

本剤は、貴重な人血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。

(参考)

[血友病Aに対する投与量の基準]

本剤の投与量は、出血部位と症状、因子欠乏の程度、患者の体重、抑制因子(インヒビター)の有無とその量、更に期待される凝固因子レベルなどによって決定される。

通常体重1kg当たり第8因子を1国際単位投与したとき、血中第8因子レベルは2%上昇するとされている。本剤投与時の第8因子活性の上昇期待値は次式を用いて求められる。

第8因子活性の上昇期待値(%)※=[投与第8因子力価(国際単位)÷体重(kg)]×2

また、投与に必要な第8因子力価は

投与所要力価(国際単位)=体重(kg)×上昇期待値(%)※×0.5

(※正常値を100%とする)

前式はインヒビターが存在しない場合であるので、インヒビターが存在する場合は、次式を用いてインヒビターが中和される量をプラスして投与しなければならない。

第8因子1国際単位に結合するインヒビターは約2単位といわれている。

インヒビター活性の中和に要する第8因子力価(国際単位)=血漿インヒビターの活性値(単位/mL)×体重(kg)×48

[血友病A患者出血時の補充療法基準](添付文書の表参照)

1. 本基準はインヒビター保有患者には適用されない。

2. 高度の肝障害その他で血栓形成傾向のある患者に大量頻回投与する場合、血栓症又はDIC発症について注意深く観察し、必要に応じて減量する。

(安部 英:血液凝固因子及び血液阻害物質に関する研究、厚生省血液研究事業:昭和56年度研究報告集、p.185)

(コンコエイト−HTの溶解法及び溶解液注入針の使い方)

@. 添付の溶剤瓶を室温程度にまで温める(決して37℃を超えて加温しない)。

A. コンコエイト−HTと溶剤の両方の瓶のキャップを除去しゴム栓の表面を消毒する(添付文書の図1)。

B. 溶解液注入針に添付のアダプターを溶剤瓶にセットする(添付文書の図2)。

C. 溶解液注入針の保護サヤをまず片方だけ軽くまわしてはずす(添付文書の図3)。

D. 溶解液注入針を溶剤瓶のゴム栓中央に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図4)。

E. 溶解液注入針の反対側の保護サヤを軽くまわしてはずし、コンコエイト−HT瓶を倒立させて溶解液注入針をゴム栓の中央大きい○印の箇所に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図5)。

F. 溶剤瓶が上になるように逆転する。液が流れ始めたら連結された両方の瓶を斜めにして液ができるだけコンコエイト−HT瓶の壁面に沿って流れ込むようにする(添付文書の図6)。

G. 溶剤瓶をはずし、溶解液注入針に保護サヤをはめる。

その状態でコンコエイト−HT瓶をゆるやかに振盪し、完全に溶解させる(添付文書の図7)。

H. 溶解液注入針の保護サヤをはずし、フィルトランを注射筒にセットする。

フィルトラン付注射筒をコンコエイト−HTの容量分引き、そのまま溶解液注入針の針部に深く刺し込み、押し子を押し込む(添付文書の図8)。

I. コンコエイト−HT瓶を倒立させ、注射筒にコンコエイト−HTを取り出す(添付文書の図9)。

J. 注射筒からフィルトランを抜き取る(添付文書の図10)。

K. 翼状針を装着して静脈内に投与する(添付文書の図11)。

コンコエイト−HT
コンコエイト−HT

コンコエイト−HT

凝固因子製剤 > 血液凝固第8因子
2021年01月改訂(第1版)
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後発品
薬効分類凝固因子製剤 > 血液凝固第8因子
一般名乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子
薬価34938
メーカー日本血液製剤機構
最終更新
2021年01月改訂(第1版)
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用法・用量

〈効能共通〉

本剤は製剤に添付された溶解液(日局注射用水)全量で溶解し、緩徐に静脈内に注射又は点滴注入する。なお、1分間に5mLをこえる注射速度は避けること。

〈血友病A〉

通常1回に血液凝固第8因子活性(F.8:C)で250〜2000国際単位を投与するが、年齢・症状に応じて適宜増減する。

〈von Willebrand病〉

通常1回にリストセチンコファクター活性(RCof)で500〜4000単位を投与するが、年齢・症状に応じて適宜増減する。

効能・効果

1). 血液凝固第8因子欠乏患者に対し、血漿中の血液凝固第8因子を補い、その出血傾向を抑制する。

2). von Willebrand病患者に対し、血漿中のvon Willebrand因子を補い、その出血傾向を抑制する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(頻度不明)発熱、蕁麻疹、顔面潮紅等。

2). 消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、腹痛等。

3). 精神神経系:(頻度不明)倦怠感、違和感、頭痛等。

4). 注射部位:(頻度不明)血管痛。

5). その他:(頻度不明)溶血性貧血、血圧上昇、悪寒、腰痛、季肋部不快感、結膜充血。

重要な基本的注意

8.1. 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。

8.2. 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV−1抗体、抗HIV−2抗体、抗HTLV−1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。更に、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した血漿を原料として、人血液凝固第8因子−vWF複合体を濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化を目的として、製造工程においてリン酸トリ−n−ブチル(TNBP)/ポリソルベート80処理、凍結乾燥の後、60℃、72時間の加熱処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。

8.2.1. 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること〔9.1.2、9.1.3、9.5妊婦の項参照〕。

8.2.2. 肝炎ウイルス感染等のウイルス感染のリスクについては完全には否定できないので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

8.2.3. 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。

8.3. 大量投与により血管内凝固による栓塞を起こすおそれがあるので、慎重に投与すること。

8.4. 患者の血中に血液凝固第8因子に対するインヒビター発生するおそれがある。

特に、血液凝固第8因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビター発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第8因子回収率や血液凝固第8因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。

8.5. 本剤は抗A及び抗B血液型抗体を有するので、血液型がO型でない患者に大量投与したとき、まれに溶血性貧血を起こすことがある。

8.6. 本剤にはフィブリノゲンが含まれているので、投与により血中のフィブリノゲン濃度が過度に上昇するおそれがある。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. IgA欠損症の患者:抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。

9.1.2. 溶血性貧血・失血性貧血の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。

9.1.3. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)〔8.2.1参照〕。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある))〔8.2.1参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 他の製剤と混注しないこと。

14.1.2. 溶解した液を注射器に移す場合、フィルターの付いたセットを用いること。

14.1.3. 一度溶解したものは1時間以内に使用すること。

14.1.4. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しない(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない)。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 溶解時に沈殿の認められるものは使用しないこと。

14.2.2. 輸注速度が速すぎるとチアノーゼ、動悸を起こすことがあるので、1分間に5mLを超えない速度でゆっくり注入すること。

14.3. 薬剤交付時の注意

14.3.1. 子供の手の届かない所へ保管すること。

14.3.2. 使用済の医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。

(取扱い上の注意)

本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、製造番号(ロット番号)、投与又は処方した日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

貯法

(保管上の注意)

10℃以下に凍結を避けて保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(注意)

本剤は、貴重な人血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。

(参考)

[血友病Aに対する投与量の基準]

本剤の投与量は、出血部位と症状、因子欠乏の程度、患者の体重、抑制因子(インヒビター)の有無とその量、更に期待される凝固因子レベルなどによって決定される。

通常体重1kg当たり第8因子を1国際単位投与したとき、血中第8因子レベルは2%上昇するとされている。本剤投与時の第8因子活性の上昇期待値は次式を用いて求められる。

第8因子活性の上昇期待値(%)※=[投与第8因子力価(国際単位)÷体重(kg)]×2

また、投与に必要な第8因子力価は

投与所要力価(国際単位)=体重(kg)×上昇期待値(%)※×0.5

(※正常値を100%とする)

前式はインヒビターが存在しない場合であるので、インヒビターが存在する場合は、次式を用いてインヒビターが中和される量をプラスして投与しなければならない。

第8因子1国際単位に結合するインヒビターは約2単位といわれている。

インヒビター活性の中和に要する第8因子力価(国際単位)=血漿インヒビターの活性値(単位/mL)×体重(kg)×48

[血友病A患者出血時の補充療法基準](添付文書の表参照)

1. 本基準はインヒビター保有患者には適用されない。

2. 高度の肝障害その他で血栓形成傾向のある患者に大量頻回投与する場合、血栓症又はDIC発症について注意深く観察し、必要に応じて減量する。

(安部 英:血液凝固因子及び血液阻害物質に関する研究、厚生省血液研究事業:昭和56年度研究報告集、p.185)

(コンコエイト−HTの溶解法及び溶解液注入針の使い方)

@. 添付の溶剤瓶を室温程度にまで温める(決して37℃を超えて加温しない)。

A. コンコエイト−HTと溶剤の両方の瓶のキャップを除去しゴム栓の表面を消毒する(添付文書の図1)。

B. 溶解液注入針に添付のアダプターを溶剤瓶にセットする(添付文書の図2)。

C. 溶解液注入針の保護サヤをまず片方だけ軽くまわしてはずす(添付文書の図3)。

D. 溶解液注入針を溶剤瓶のゴム栓中央に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図4)。

E. 溶解液注入針の反対側の保護サヤを軽くまわしてはずし、コンコエイト−HT瓶を倒立させて溶解液注入針をゴム栓の中央大きい○印の箇所に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図5)。

F. 溶剤瓶が上になるように逆転する。液が流れ始めたら連結された両方の瓶を斜めにして液ができるだけコンコエイト−HT瓶の壁面に沿って流れ込むようにする(添付文書の図6)。

G. 溶剤瓶をはずし、溶解液注入針に保護サヤをはめる。

その状態でコンコエイト−HT瓶をゆるやかに振盪し、完全に溶解させる(添付文書の図7)。

H. 溶解液注入針の保護サヤをはずし、フィルトランを注射筒にセットする。

フィルトラン付注射筒をコンコエイト−HTの容量分引き、そのまま溶解液注入針の針部に深く刺し込み、押し子を押し込む(添付文書の図8)。

I. コンコエイト−HT瓶を倒立させ、注射筒にコンコエイト−HTを取り出す(添付文書の図9)。

J. 注射筒からフィルトランを抜き取る(添付文書の図10)。

K. 翼状針を装着して静脈内に投与する(添付文書の図11)。

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