薬効分類 | メトヘモグロビン血症治療薬 |
一般名 | メチルチオニニウム塩化物水和物注射液 |
薬価 | 122611円 |
メーカー | 第一三共 |
最終更新 | 2024年10月改訂(第4版) |
通常、生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回1〜2mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できるが、累積投与量は最大7mg/kgまでとする。
通常、新生児及び生後3ヵ月以下の乳児には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回0.3〜0.5mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できる。
(用法及び用量に関連する注意)
生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人におけるアニリン又はジアフェニルスルホンによるメトヘモグロビン血症の場合の累積投与量は最大4mg/kgまでとする〔9.1.1、11.1.2参照〕。
中毒性メトヘモグロビン血症。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)。
11.1.2. メトヘモグロビン血症増悪(頻度不明)、溶血性貧血(頻度不明):グルコース−6−リン酸脱水素酵素欠損症もしくはNADPH還元酵素欠損症である可能性又は投与量が過剰となっているおそれがある〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.1.1参照〕。
11.1.3. 腎不全(頻度不明):腎機能障害があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(頻度不明)錯乱状態、激越、浮動性めまい、頭痛、不安、振戦、失語症。
2). 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹。
3). 消化器:(頻度不明)腹痛、悪心、嘔吐、変色便<青緑色>。
4). 循環器:(頻度不明)胸痛、不整脈、頻脈、高血圧、低血圧。
5). 呼吸器:(頻度不明)呼吸困難、頻呼吸、低酸素症。
6). 腎臓・泌尿器:(頻度不明)排尿困難、腎機能障害、着色尿<青緑色>。
7). 肝臓:(頻度不明)高ビリルビン血症。
8). 血液:(頻度不明)ヘモグロビン減少。
9). 眼:(頻度不明)散瞳。
10). 投与部位(適用部位):(頻度不明)注射部位の局所組織壊死。
11). その他:(頻度不明)発熱、発汗、皮膚変色<青色>。
2.1. 本剤の成分、フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. グルコース−6−リン酸脱水素酵素欠損症と判明している患者[メトヘモグロビン血症増悪及び溶血を起こす可能性がある]。
2.3. NADPH還元酵素欠損症と判明している患者[メトヘモグロビン血症増悪及び溶血を起こす可能性がある]。
2.4. 塩素酸塩によるメトヘモグロビン血症患者[毒性の強い次亜塩素酸塩が形成される可能性がある]。
2.5. シアン化合物中毒の解毒剤とした亜硝酸化合物によるメトヘモグロビン血症患者[シアンによる毒性が生じやすくなる]。
本剤による効果が認められない場合、チトクロームb5還元酵素欠損症又はスルフヘモグロビン血症等の可能性が考えられるため、他の治療法への切り替えを考慮すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. アニリンによるメトヘモグロビン血症又はジアフェニルスルホンによるメトヘモグロビン血症患者:溶血を起こしやすい〔7.用法及び用量に関連する注意の項、11.1.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 中等度腎機能障害又は高度腎機能障害のある患者:低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること(本剤の主たる排泄経路は腎臓であるため、腎機能障害の悪化又は本剤の排泄遅延による副作用発現のおそれがある)。
本剤はチトクロームP450(1A2、2B6、2C9、2C19)を阻害する作用がある。
10.2. 併用注意:
1). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩、パロキセチン塩酸塩水和物、セルトラリン塩酸塩、エスシタロプラムシュウ酸塩等)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(ミルナシプラン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩等)、三環系抗うつ剤(アミトリプチリン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩、クロミプラミン塩酸塩等)、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤(ミルタザピン)[セロトニン作動薬との併用により、セロトニン症候群があらわれるおそれがあるので、本剤の低用量からの投与開始を考慮すること(本剤のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される)]。
2). オピオイド系薬剤(トラマドール塩酸塩、ペチジン塩酸塩等)、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物[これらの薬剤との併用により、セロトニン症候群があらわれるおそれがあるので、本剤の低用量からの投与開始を考慮すること(本剤のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される)]。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。適応外であるが、羊膜内投与で胎児の小腸閉鎖症、死亡が報告されている。また、動物実験(マウス)で催奇形性及び胎仔死亡増加が報告されている。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7.1. 新生児及び生後3ヵ月以下の乳児:繰り返し投与を行う場合は、特に注意すること(本剤によりメトヘモグロビン血症増悪や溶血を起こしやすい)。
本剤の投与により、パルスオキシメーターによる血中酸素飽和度の測定において、血中酸素飽和度が見かけ上低値を示すことがあるので注意すること。
13.1. 症状
過量投与時、メトヘモグロビン血症を誘発し、チアノーゼ、呼吸困難、溶血性貧血等の症状があらわれることがある。
13.2. 処置
過量投与時、酸素吸入、輸血等の適切な処置を行うこと。なお、過量投与時、重度溶血性貧血の場合は血液透析等を考慮すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. メチルチオニニウム塩化物が析出する場合があるので、体温付近の温度で約3分間振とうし溶解後使用すること。
14.1.2. 本剤1アンプルに対し5%ブドウ糖注射液50mLで希釈すること。
14.1.3. 本剤の有効成分であるメチルチオニニウム塩化物は、塩化ナトリウムにより溶解度が低下するため生理食塩液と混合しないこと。
14.1.4. 調製後、やむを得ず保存を必要とする場合でも、室温保存では6時間以内に使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
血管外に本剤が漏出した場合に、注射部位に皮膚壊死等が起こる可能性があるため、薬液が血管外に漏れないよう慎重に投与すること。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 細菌及び細胞を用いたin vitro試験で、遺伝子突然変異及び染色体異常の誘発が認められている。
15.2.2. 動物実験(マウス)で、小腸腺癌と小腸腺腫及び腺癌の発生頻度、並びに悪性リンパ腫の発生頻度の増加傾向が認められている。また、動物実験(ラット)で、膵島細胞腺腫と膵島細胞腺腫及び腺癌の発生頻度の増加が認められている。
15.2.3. 動物実験(マウス)及びin vitro試験(ヒト)で精子運動性低下が認められている。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | メトヘモグロビン血症治療薬 |
一般名 | メチルチオニニウム塩化物水和物注射液 |
薬価 | 122611円 |
メーカー | 第一三共 |
最終更新 | 2024年10月改訂(第4版) |
通常、生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回1〜2mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できるが、累積投与量は最大7mg/kgまでとする。
通常、新生児及び生後3ヵ月以下の乳児には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回0.3〜0.5mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できる。
(用法及び用量に関連する注意)
生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人におけるアニリン又はジアフェニルスルホンによるメトヘモグロビン血症の場合の累積投与量は最大4mg/kgまでとする〔9.1.1、11.1.2参照〕。
中毒性メトヘモグロビン血症。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)。
11.1.2. メトヘモグロビン血症増悪(頻度不明)、溶血性貧血(頻度不明):グルコース−6−リン酸脱水素酵素欠損症もしくはNADPH還元酵素欠損症である可能性又は投与量が過剰となっているおそれがある〔7.用法及び用量に関連する注意の項、9.1.1参照〕。
11.1.3. 腎不全(頻度不明):腎機能障害があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(頻度不明)錯乱状態、激越、浮動性めまい、頭痛、不安、振戦、失語症。
2). 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹。
3). 消化器:(頻度不明)腹痛、悪心、嘔吐、変色便<青緑色>。
4). 循環器:(頻度不明)胸痛、不整脈、頻脈、高血圧、低血圧。
5). 呼吸器:(頻度不明)呼吸困難、頻呼吸、低酸素症。
6). 腎臓・泌尿器:(頻度不明)排尿困難、腎機能障害、着色尿<青緑色>。
7). 肝臓:(頻度不明)高ビリルビン血症。
8). 血液:(頻度不明)ヘモグロビン減少。
9). 眼:(頻度不明)散瞳。
10). 投与部位(適用部位):(頻度不明)注射部位の局所組織壊死。
11). その他:(頻度不明)発熱、発汗、皮膚変色<青色>。
2.1. 本剤の成分、フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. グルコース−6−リン酸脱水素酵素欠損症と判明している患者[メトヘモグロビン血症増悪及び溶血を起こす可能性がある]。
2.3. NADPH還元酵素欠損症と判明している患者[メトヘモグロビン血症増悪及び溶血を起こす可能性がある]。
2.4. 塩素酸塩によるメトヘモグロビン血症患者[毒性の強い次亜塩素酸塩が形成される可能性がある]。
2.5. シアン化合物中毒の解毒剤とした亜硝酸化合物によるメトヘモグロビン血症患者[シアンによる毒性が生じやすくなる]。
本剤による効果が認められない場合、チトクロームb5還元酵素欠損症又はスルフヘモグロビン血症等の可能性が考えられるため、他の治療法への切り替えを考慮すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. アニリンによるメトヘモグロビン血症又はジアフェニルスルホンによるメトヘモグロビン血症患者:溶血を起こしやすい〔7.用法及び用量に関連する注意の項、11.1.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 中等度腎機能障害又は高度腎機能障害のある患者:低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること(本剤の主たる排泄経路は腎臓であるため、腎機能障害の悪化又は本剤の排泄遅延による副作用発現のおそれがある)。
本剤はチトクロームP450(1A2、2B6、2C9、2C19)を阻害する作用がある。
10.2. 併用注意:
1). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩、パロキセチン塩酸塩水和物、セルトラリン塩酸塩、エスシタロプラムシュウ酸塩等)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(ミルナシプラン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩等)、三環系抗うつ剤(アミトリプチリン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩、クロミプラミン塩酸塩等)、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤(ミルタザピン)[セロトニン作動薬との併用により、セロトニン症候群があらわれるおそれがあるので、本剤の低用量からの投与開始を考慮すること(本剤のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される)]。
2). オピオイド系薬剤(トラマドール塩酸塩、ペチジン塩酸塩等)、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物[これらの薬剤との併用により、セロトニン症候群があらわれるおそれがあるので、本剤の低用量からの投与開始を考慮すること(本剤のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される)]。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。適応外であるが、羊膜内投与で胎児の小腸閉鎖症、死亡が報告されている。また、動物実験(マウス)で催奇形性及び胎仔死亡増加が報告されている。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7.1. 新生児及び生後3ヵ月以下の乳児:繰り返し投与を行う場合は、特に注意すること(本剤によりメトヘモグロビン血症増悪や溶血を起こしやすい)。
本剤の投与により、パルスオキシメーターによる血中酸素飽和度の測定において、血中酸素飽和度が見かけ上低値を示すことがあるので注意すること。
13.1. 症状
過量投与時、メトヘモグロビン血症を誘発し、チアノーゼ、呼吸困難、溶血性貧血等の症状があらわれることがある。
13.2. 処置
過量投与時、酸素吸入、輸血等の適切な処置を行うこと。なお、過量投与時、重度溶血性貧血の場合は血液透析等を考慮すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. メチルチオニニウム塩化物が析出する場合があるので、体温付近の温度で約3分間振とうし溶解後使用すること。
14.1.2. 本剤1アンプルに対し5%ブドウ糖注射液50mLで希釈すること。
14.1.3. 本剤の有効成分であるメチルチオニニウム塩化物は、塩化ナトリウムにより溶解度が低下するため生理食塩液と混合しないこと。
14.1.4. 調製後、やむを得ず保存を必要とする場合でも、室温保存では6時間以内に使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
血管外に本剤が漏出した場合に、注射部位に皮膚壊死等が起こる可能性があるため、薬液が血管外に漏れないよう慎重に投与すること。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 細菌及び細胞を用いたin vitro試験で、遺伝子突然変異及び染色体異常の誘発が認められている。
15.2.2. 動物実験(マウス)で、小腸腺癌と小腸腺腫及び腺癌の発生頻度、並びに悪性リンパ腫の発生頻度の増加傾向が認められている。また、動物実験(ラット)で、膵島細胞腺腫と膵島細胞腺腫及び腺癌の発生頻度の増加が認められている。
15.2.3. 動物実験(マウス)及びin vitro試験(ヒト)で精子運動性低下が認められている。
(保管上の注意)
室温保存。
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