| 薬効分類 | 気管支拡張薬 > αβ刺激薬 昇圧薬 > αβ刺激薬 |
| 一般名 | アドレナリン噴霧剤 |
| 薬価 | 22975.3円 |
| メーカー | アルフレッサ ファーマ |
| 最終更新 | 2026年02月改訂(第2版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、体重30kg未満の患者には、アドレナリンとして1回1mgを、体重30kg以上の患者には、アドレナリンとして1回2mgを鼻腔内に投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 原則として1mg製剤は体重15kg以上の患者に対して使用すること(これまでに本剤を15kg未満の患者に投与した成績は得られていない)。体重15kg未満の患者に本剤1mg製剤を投与すると、過量となるおそれがあるので、副作用の発現等に十分な注意が必要であり、通常のアドレナリン注射液の使用についても考慮する必要がある。体重15kg未満の患者に本剤1mg製剤を投与することの必要性については、救命を最優先し、患者ごとの症状を観察した上で慎重に判断すること〔9.1.1参照〕。
7.2. 効果不十分な場合には、1回目の投与から10分以降を目安に、2回目の投与ができる(2回目投与時は1回目と同一鼻孔に投与することが望ましい)。追加投与を行うべき状況、症状等については、本剤を患者に交付する際に患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に指導すること〔8.2、8.5.2参照〕。
蜂毒に起因するアナフィラキシー反応、食物に起因するアナフィラキシー反応及び薬物に起因するアナフィラキシー反応等のアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. アナフィラキシー反応は、病状が進行性であり、初期症状(しびれ感、違和感、口唇の浮腫、気分不快、吐き気、嘔吐、腹痛、蕁麻疹、咳込み等)が患者により異なることがあるので、本剤を患者に交付する際には、過去のアナフィラキシー発現の有無、初期症状等を必ず聴取し、本剤の使用時期について患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に適切に指導すること〔8.5.2参照〕。
5.2. 本剤の使用時期については、次のような目安も参考とし、使用時期を遺失しないよう注意すること〔8.5.2参照〕。
・ 初期症状が発現し、ショック症状が発現する前の時点を目安とし、使用時期を遺失しないよう注意すること。
・ 過去にアナフィラキシーを起こしたアレルゲンを誤って摂取し、明らかな異常症状を感じた時点を目安とし、使用時期を遺失しないよう注意すること。
5.3. 本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性ショック・外傷性ショック時の使用は避けること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 肺水腫(頻度不明):初期症状として、血圧異常上昇があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.2. 呼吸困難(頻度不明)。
11.1.3. 心停止(頻度不明):初期症状として、頻脈、不整脈、心悸亢進、胸内苦悶があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 鼻腔:(頻度不明)鼻部不快感、鼻粘膜障害、鼻腔内感覚鈍麻、鼻痂皮、鼻痛、鼻漏、鼻閉。
2). 呼吸器:(頻度不明)咽喉刺激感、咳嗽、口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛、咽頭感覚鈍麻。
3). 循環器:(頻度不明)動悸、頻脈、血圧上昇、心拍数増加、胸内苦悶、不整脈、顔面潮紅・顔面蒼白。
4). 精神神経系:(頻度不明)頭痛、振戦、浮動性めまい、不安。
5). 消化器:(頻度不明)口の感覚鈍麻、悪心、嘔吐。
6). 皮膚:(頻度不明)皮膚そう痒症。
7). 過敏症:(頻度不明)過敏症状等。
8). その他:(頻度不明)悪寒、熱感、発汗、疼痛、びくびく感。
1.1. 本剤を患者に交付する際には、必ずインフォームドコンセントを実施し、本剤交付前に自らが適切に自己投与できるよう、本剤の保存方法、使用方法、使用時に発現する可能性のある副作用等を患者に対して指導し、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者が理解したことを確認した上で交付すること〔8.5、14.1参照〕。
1.2. 本剤を患者に交付する際には、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤に関する患者向けの説明文書等を熟読し、また、本剤の練習用見本を用い、日頃から本剤の使用方法について訓練しておくよう指導すること〔8.5.1、14.1参照〕。
1.3. 本剤は、アナフィラキシー発現時の緊急補助的治療として使用するものであるので、本剤を患者に交付する際には、医療機関での治療に代わり得るものではなく、本剤使用後には必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けるよう指導すること〔8.5.3参照〕。
イソプレナリン、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤投与中、アドレナリン作動薬投与中の患者(ただし、蘇生等の緊急時はこの限りでない)〔10.1参照〕。
8.1. 本剤はアドレナリン受容体作動薬として、α受容体、β受容体それぞれに作用し、その作用は投与量、投与方法等に影響を受けやすいので注意すること。
8.2. アドレナリンはアナフィラキシーショックの救急治療の第一選択薬であり、ショック時の循環動態を改善するが、その循環動態はショックを起こした原因及び病期により異なることがあるので、治療に際し本剤の選択、使用時期には十分注意すること〔7.2参照〕。
8.3. 本剤には昇圧作用のほか血管収縮、気管支拡張作用等もあるので、ショックの初期治療後は他の昇圧薬を用いること。
8.4. 過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意すること〔11.1.1、11.1.3、13.1参照〕。
8.5. 本剤を患者に交付する際には、必ずインフォームドコンセントを実施し、医師は患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対して、次の点及び本剤の投与により発現する可能性のある副作用等について指導すること〔1.1、14.1参照〕。
8.5.1. 本剤に関する患者向けの説明文書等を熟読し、また、本剤の練習用見本を用いた訓練を行い、日頃から本剤の使用方法について理解しておくこと〔1.2参照〕。
8.5.2. 本剤の投与が必要となるアナフィラキシーの症状について医師と認識を共有すること〔5.1、5.2、7.2参照〕。
8.5.3. 原則として本剤投与後は救急搬送の手配を行い、必ず医療機関を受診し適切な治療を受けること。救急搬送の際、本剤投与状況の確認のため、使用済みの製剤を医療従事者に提示すること〔1.3参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 次の患者には、ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと。
(1). 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(2). 交感神経作動薬に対し過敏反応を示す患者:アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(3). 動脈硬化症の患者:本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進され、冠動脈攣縮や脳血管攣縮等及び冠動脈の基質的閉塞や脳血管の基質的閉塞等があらわれるおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(4). 甲状腺機能亢進症の患者:頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(5). 糖尿病の患者:肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(6). 心室性頻拍等の重症不整脈のある患者:本剤のβ刺激作用により、不整脈を悪化させるおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(7). 精神神経症の患者:一般に交感神経作動薬の中枢神経系の副作用として情緒不安、不眠、錯乱、易刺激性及び精神病的状態等があるので悪化するおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(8). コカイン中毒の患者:コカインは、交感神経末端でのカテコールアミンの再取り込みを阻害するので、本剤の作用が増強されるおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(9). 体重15kg未満の患者:体重15kg未満の患者に対する本剤1mg製剤投与は過量投与になるおそれがあるので、通常のアドレナリン注射液を用いて治療することを考慮すること(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)〔7.1参照〕。
(10). 鼻の解剖学的異常のある患者:鼻茸、鼻骨折又は鼻損傷の既往歴、鼻の手術歴等を有する患者では、本剤の吸収が十分でない可能性があることから、他の投与経路のアドレナリン製剤による治療を考慮すること(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
9.1.2. 高血圧の患者:本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。
9.1.3. 肺気腫のある患者:肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。
9.1.4. 心疾患のある患者:本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。
10.1. 併用禁忌:
イソプレナリン、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬<メチルフェニデート以外><プロタノール等>〔2.禁忌の項参照〕[不整脈、場合により心停止があらわれることがあるので、蘇生等の緊急時以外には併用しない(これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている)]。
10.2. 併用注意:
1). ハロゲン含有吸入麻酔薬(イソフルラン、セボフルラン、デスフルラン)[頻脈・心室細動発現の危険性が増大する(これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。
@. イソフルラン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は6.7μg/kgと報告されている。
A. セボフルラン麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg〜14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された。
B. デスフルラン麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0μg/kg〜13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された。
2). モノアミン酸化酵素<MAO>阻害薬(セレギリン、ラサギリン、サフィナミド)、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ<COMT>阻害剤(エンタカポン、オピカポン)[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。
3). 三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリン等)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤<SNRI>(ミルナシプラン等)、その他の抗うつ薬(マプロチリン等)、メチルフェニデート[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている)]。
4). 抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン等)[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(これらの薬剤の副交感神経の抑制により、本剤の交感神経刺激作用が相対的に優位になると考えられている)]。
5). 抗精神病薬(ブチロフェノン系薬剤、フェノチアジン系薬剤、イミノジベンジル系薬剤、ゾテピン、リスペリドン)、α遮断薬[本剤の昇圧作用の反転により低血圧があらわれることがある(これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている)]。
6). 分娩促進薬(オキシトシン等)、バッカクアルカロイド類(エルゴタミン等)[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている)]。
7). ジギタリス製剤[異所性不整脈があらわれることがある(ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている)]。
8). キニジン[心室細動があらわれることがある(相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている)]。
9). 甲状腺製剤(チロキシン等)[冠不全発作があらわれることがある(甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。
10). 非選択性β遮断薬:
@. 非選択性β遮断薬(プロプラノロール、カルベジロール等)[相互の薬剤の効果が減弱する(これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制され、また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される)]。
A. 非選択性β遮断薬(プロプラノロール、カルベジロール等)[血圧上昇、徐脈があらわれることがある(これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている)]。
11). 血糖降下薬(インスリン等)[血糖降下薬の作用を減弱させることがある(本剤の血糖上昇作用によると考えられている)]。
12). ブロモクリプチン[血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある(機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている)]。
13). 利尿剤(チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)、チアジド系類似剤(インダパミド等)、ループ利尿剤(フロセミド等)、カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン))[本剤の作用が減弱することがあるので、手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと(本剤の血管反応性を低下させることがある)]。
14). 鼻腔内投与製剤[これらの薬剤の作用が増強する可能性がある(本剤投与後2週間程度は、鼻粘膜が変化し鼻腔内投与製剤の全身吸収を増加させる可能性がある)]。
患者の状態に応じ慎重に投与すること(高齢者はアドレナリンの作用に対する感受性が高いことがある)。
(妊婦)
妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい(胎児の酸素欠乏をもたらす、あるいは分娩第二期を遅延するおそれがある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
4歳未満の幼児等(体重15kg未満の幼児等)を対象とした臨床試験は実施していない。
13.1. 過量投与時、ときに心室細動、脳出血等があらわれることがある(またアドレナリン受容体感受性の高い患者では特に注意すること)〔8.4参照〕。
13.2. 過量投与時、腎血管の異常収縮により、腎機能停止するおそれがある。
13.3. 過量投与時、血中の乳酸濃度が上昇し、重篤な代謝性アシドーシスがあらわれるおそれがある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
本剤を患者に交付する際には、使用説明書を渡し、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に次の内容を説明し指導すること〔1.1、1.2、8.5参照〕。
14.1.1. 本剤には有効期限が記載されている。有効期間に注意して、有効期限が来る前に新しい製品の処方を受けること。
14.1.2. 本剤を使用した場合あるいは使用する必要がなくなった場合には、医療機関等へ本剤を提出すること。
14.1.3. 次の使用方法について説明し指導すること。
・ 本剤は1回投与分の規定量を充填したスプレーであるため、試しでの噴霧や再使用はしないこと。
・ 本剤は鼻腔内投与製剤であるため、その他の投与経路には用いないこと。
・ 鼻孔内にまっすぐに向けてスプレーを挿入し、プランジャーをしっかり押して作動させる(この際スプレーが鼻孔の内側や外側に向かないようにする)。
(保管上の注意)
室温保存。
| 薬効分類 | 気管支拡張薬 > αβ刺激薬 昇圧薬 > αβ刺激薬 |
| 一般名 | アドレナリン噴霧剤 |
| 薬価 | 22975.3円 |
| メーカー | アルフレッサ ファーマ |
| 最終更新 | 2026年02月改訂(第2版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、体重30kg未満の患者には、アドレナリンとして1回1mgを、体重30kg以上の患者には、アドレナリンとして1回2mgを鼻腔内に投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 原則として1mg製剤は体重15kg以上の患者に対して使用すること(これまでに本剤を15kg未満の患者に投与した成績は得られていない)。体重15kg未満の患者に本剤1mg製剤を投与すると、過量となるおそれがあるので、副作用の発現等に十分な注意が必要であり、通常のアドレナリン注射液の使用についても考慮する必要がある。体重15kg未満の患者に本剤1mg製剤を投与することの必要性については、救命を最優先し、患者ごとの症状を観察した上で慎重に判断すること〔9.1.1参照〕。
7.2. 効果不十分な場合には、1回目の投与から10分以降を目安に、2回目の投与ができる(2回目投与時は1回目と同一鼻孔に投与することが望ましい)。追加投与を行うべき状況、症状等については、本剤を患者に交付する際に患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に指導すること〔8.2、8.5.2参照〕。
蜂毒に起因するアナフィラキシー反応、食物に起因するアナフィラキシー反応及び薬物に起因するアナフィラキシー反応等のアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. アナフィラキシー反応は、病状が進行性であり、初期症状(しびれ感、違和感、口唇の浮腫、気分不快、吐き気、嘔吐、腹痛、蕁麻疹、咳込み等)が患者により異なることがあるので、本剤を患者に交付する際には、過去のアナフィラキシー発現の有無、初期症状等を必ず聴取し、本剤の使用時期について患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に適切に指導すること〔8.5.2参照〕。
5.2. 本剤の使用時期については、次のような目安も参考とし、使用時期を遺失しないよう注意すること〔8.5.2参照〕。
・ 初期症状が発現し、ショック症状が発現する前の時点を目安とし、使用時期を遺失しないよう注意すること。
・ 過去にアナフィラキシーを起こしたアレルゲンを誤って摂取し、明らかな異常症状を感じた時点を目安とし、使用時期を遺失しないよう注意すること。
5.3. 本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性ショック・外傷性ショック時の使用は避けること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 肺水腫(頻度不明):初期症状として、血圧異常上昇があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.2. 呼吸困難(頻度不明)。
11.1.3. 心停止(頻度不明):初期症状として、頻脈、不整脈、心悸亢進、胸内苦悶があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 鼻腔:(頻度不明)鼻部不快感、鼻粘膜障害、鼻腔内感覚鈍麻、鼻痂皮、鼻痛、鼻漏、鼻閉。
2). 呼吸器:(頻度不明)咽喉刺激感、咳嗽、口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛、咽頭感覚鈍麻。
3). 循環器:(頻度不明)動悸、頻脈、血圧上昇、心拍数増加、胸内苦悶、不整脈、顔面潮紅・顔面蒼白。
4). 精神神経系:(頻度不明)頭痛、振戦、浮動性めまい、不安。
5). 消化器:(頻度不明)口の感覚鈍麻、悪心、嘔吐。
6). 皮膚:(頻度不明)皮膚そう痒症。
7). 過敏症:(頻度不明)過敏症状等。
8). その他:(頻度不明)悪寒、熱感、発汗、疼痛、びくびく感。
1.1. 本剤を患者に交付する際には、必ずインフォームドコンセントを実施し、本剤交付前に自らが適切に自己投与できるよう、本剤の保存方法、使用方法、使用時に発現する可能性のある副作用等を患者に対して指導し、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者が理解したことを確認した上で交付すること〔8.5、14.1参照〕。
1.2. 本剤を患者に交付する際には、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤に関する患者向けの説明文書等を熟読し、また、本剤の練習用見本を用い、日頃から本剤の使用方法について訓練しておくよう指導すること〔8.5.1、14.1参照〕。
1.3. 本剤は、アナフィラキシー発現時の緊急補助的治療として使用するものであるので、本剤を患者に交付する際には、医療機関での治療に代わり得るものではなく、本剤使用後には必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けるよう指導すること〔8.5.3参照〕。
イソプレナリン、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤投与中、アドレナリン作動薬投与中の患者(ただし、蘇生等の緊急時はこの限りでない)〔10.1参照〕。
8.1. 本剤はアドレナリン受容体作動薬として、α受容体、β受容体それぞれに作用し、その作用は投与量、投与方法等に影響を受けやすいので注意すること。
8.2. アドレナリンはアナフィラキシーショックの救急治療の第一選択薬であり、ショック時の循環動態を改善するが、その循環動態はショックを起こした原因及び病期により異なることがあるので、治療に際し本剤の選択、使用時期には十分注意すること〔7.2参照〕。
8.3. 本剤には昇圧作用のほか血管収縮、気管支拡張作用等もあるので、ショックの初期治療後は他の昇圧薬を用いること。
8.4. 過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意すること〔11.1.1、11.1.3、13.1参照〕。
8.5. 本剤を患者に交付する際には、必ずインフォームドコンセントを実施し、医師は患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対して、次の点及び本剤の投与により発現する可能性のある副作用等について指導すること〔1.1、14.1参照〕。
8.5.1. 本剤に関する患者向けの説明文書等を熟読し、また、本剤の練習用見本を用いた訓練を行い、日頃から本剤の使用方法について理解しておくこと〔1.2参照〕。
8.5.2. 本剤の投与が必要となるアナフィラキシーの症状について医師と認識を共有すること〔5.1、5.2、7.2参照〕。
8.5.3. 原則として本剤投与後は救急搬送の手配を行い、必ず医療機関を受診し適切な治療を受けること。救急搬送の際、本剤投与状況の確認のため、使用済みの製剤を医療従事者に提示すること〔1.3参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 次の患者には、ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと。
(1). 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(2). 交感神経作動薬に対し過敏反応を示す患者:アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(3). 動脈硬化症の患者:本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進され、冠動脈攣縮や脳血管攣縮等及び冠動脈の基質的閉塞や脳血管の基質的閉塞等があらわれるおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(4). 甲状腺機能亢進症の患者:頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(5). 糖尿病の患者:肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(6). 心室性頻拍等の重症不整脈のある患者:本剤のβ刺激作用により、不整脈を悪化させるおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(7). 精神神経症の患者:一般に交感神経作動薬の中枢神経系の副作用として情緒不安、不眠、錯乱、易刺激性及び精神病的状態等があるので悪化するおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(8). コカイン中毒の患者:コカインは、交感神経末端でのカテコールアミンの再取り込みを阻害するので、本剤の作用が増強されるおそれがある(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
(9). 体重15kg未満の患者:体重15kg未満の患者に対する本剤1mg製剤投与は過量投与になるおそれがあるので、通常のアドレナリン注射液を用いて治療することを考慮すること(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)〔7.1参照〕。
(10). 鼻の解剖学的異常のある患者:鼻茸、鼻骨折又は鼻損傷の既往歴、鼻の手術歴等を有する患者では、本剤の吸収が十分でない可能性があることから、他の投与経路のアドレナリン製剤による治療を考慮すること(ショック等生命の危機に直面しており、緊急時に用いる場合を除き、投与しないこと)。
9.1.2. 高血圧の患者:本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。
9.1.3. 肺気腫のある患者:肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。
9.1.4. 心疾患のある患者:本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。
10.1. 併用禁忌:
イソプレナリン、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬<メチルフェニデート以外><プロタノール等>〔2.禁忌の項参照〕[不整脈、場合により心停止があらわれることがあるので、蘇生等の緊急時以外には併用しない(これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている)]。
10.2. 併用注意:
1). ハロゲン含有吸入麻酔薬(イソフルラン、セボフルラン、デスフルラン)[頻脈・心室細動発現の危険性が増大する(これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。
@. イソフルラン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は6.7μg/kgと報告されている。
A. セボフルラン麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg〜14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された。
B. デスフルラン麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0μg/kg〜13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された。
2). モノアミン酸化酵素<MAO>阻害薬(セレギリン、ラサギリン、サフィナミド)、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ<COMT>阻害剤(エンタカポン、オピカポン)[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。
3). 三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリン等)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤<SNRI>(ミルナシプラン等)、その他の抗うつ薬(マプロチリン等)、メチルフェニデート[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている)]。
4). 抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン等)[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(これらの薬剤の副交感神経の抑制により、本剤の交感神経刺激作用が相対的に優位になると考えられている)]。
5). 抗精神病薬(ブチロフェノン系薬剤、フェノチアジン系薬剤、イミノジベンジル系薬剤、ゾテピン、リスペリドン)、α遮断薬[本剤の昇圧作用の反転により低血圧があらわれることがある(これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている)]。
6). 分娩促進薬(オキシトシン等)、バッカクアルカロイド類(エルゴタミン等)[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている)]。
7). ジギタリス製剤[異所性不整脈があらわれることがある(ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている)]。
8). キニジン[心室細動があらわれることがある(相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている)]。
9). 甲状腺製剤(チロキシン等)[冠不全発作があらわれることがある(甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。
10). 非選択性β遮断薬:
@. 非選択性β遮断薬(プロプラノロール、カルベジロール等)[相互の薬剤の効果が減弱する(これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制され、また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される)]。
A. 非選択性β遮断薬(プロプラノロール、カルベジロール等)[血圧上昇、徐脈があらわれることがある(これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている)]。
11). 血糖降下薬(インスリン等)[血糖降下薬の作用を減弱させることがある(本剤の血糖上昇作用によると考えられている)]。
12). ブロモクリプチン[血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある(機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている)]。
13). 利尿剤(チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)、チアジド系類似剤(インダパミド等)、ループ利尿剤(フロセミド等)、カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン))[本剤の作用が減弱することがあるので、手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと(本剤の血管反応性を低下させることがある)]。
14). 鼻腔内投与製剤[これらの薬剤の作用が増強する可能性がある(本剤投与後2週間程度は、鼻粘膜が変化し鼻腔内投与製剤の全身吸収を増加させる可能性がある)]。
患者の状態に応じ慎重に投与すること(高齢者はアドレナリンの作用に対する感受性が高いことがある)。
(妊婦)
妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい(胎児の酸素欠乏をもたらす、あるいは分娩第二期を遅延するおそれがある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
4歳未満の幼児等(体重15kg未満の幼児等)を対象とした臨床試験は実施していない。
13.1. 過量投与時、ときに心室細動、脳出血等があらわれることがある(またアドレナリン受容体感受性の高い患者では特に注意すること)〔8.4参照〕。
13.2. 過量投与時、腎血管の異常収縮により、腎機能停止するおそれがある。
13.3. 過量投与時、血中の乳酸濃度が上昇し、重篤な代謝性アシドーシスがあらわれるおそれがある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
本剤を患者に交付する際には、使用説明書を渡し、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に次の内容を説明し指導すること〔1.1、1.2、8.5参照〕。
14.1.1. 本剤には有効期限が記載されている。有効期間に注意して、有効期限が来る前に新しい製品の処方を受けること。
14.1.2. 本剤を使用した場合あるいは使用する必要がなくなった場合には、医療機関等へ本剤を提出すること。
14.1.3. 次の使用方法について説明し指導すること。
・ 本剤は1回投与分の規定量を充填したスプレーであるため、試しでの噴霧や再使用はしないこと。
・ 本剤は鼻腔内投与製剤であるため、その他の投与経路には用いないこと。
・ 鼻孔内にまっすぐに向けてスプレーを挿入し、プランジャーをしっかり押して作動させる(この際スプレーが鼻孔の内側や外側に向かないようにする)。
(保管上の注意)
室温保存。
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