薬効分類 | 消炎・鎮痛・解熱薬 |
一般名 | アセトアミノフェン坐剤 |
薬価 | 20.3円 |
メーカー | 久光製薬 |
最終更新 | 2023年10月改訂(第2版) |
通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10〜15mgを直腸内に挿入する。投与間隔は4〜6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、成人の用量を超えない。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 1回投与量の目安は次記のとおり〔14.1.2参照〕。
1). 体重10kg:アセトアミノフェン量として100−150mg;0.5個。
2). 体重20kg:アセトアミノフェン量として200−300mg;1−1.5個。
3). 体重30kg:アセトアミノフェン量として300−450mg;1.5−2個。
7.2. 「小児科領域における解熱・鎮痛」の効能・効果に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして500mg、1日あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして1500mgである。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
7.3. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として長期投与を避けること(原則として5日以内に限ること)。
7.4. 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
7.5. 総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は、アセトアミノフェンが含まれていないか確認し、含まれている場合は併用を避けること〔1.2、8.4参照〕。
7.6. アスピリン喘息又はその既往歴のある患者に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして300mg以下とすること〔9.1.5参照〕。
小児科領域における解熱・鎮痛。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎、AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔1.1、2.1、8.6、9.3.1、9.3.2参照〕。
11.1.4. 喘息発作の誘発(頻度不明)〔9.1.4、9.1.5参照〕。
11.1.5. 顆粒球減少症(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.6. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.1.7. 間質性腎炎、急性腎障害(いずれも頻度不明)〔9.2.1参照〕。
11.1.8. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)血小板減少[症状(異常)があらわれた場合には投与を中止すること]。
2). 過敏症:(0.1%未満)発疹、(頻度不明)チアノーゼ[症状(異常)があらわれた場合には投与を中止すること]。
3). 消化器:(0.1%未満)悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、軟便、便意。
1.1. 本剤により重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので注意すること〔2.1、8.6、9.3.1、11.1.3参照〕。
1.2. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤<一般用医薬品を含む>との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること〔7.5、8.4、13.2参照〕。
2.1. 重篤な肝機能障害のある患者〔1.1、9.3.1、11.1.3参照〕。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、発熱、疼痛の程度を考慮し投与すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行うこと。
8.3. 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者及び高熱を伴う小児等又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
8.4. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤<一般用医薬品を含む>との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること〔1.2、7.5、13.2参照〕。
8.5. アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがあり、本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり、上気道炎等に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので、観察を十分行い慎重に投与すること。
8.6. 重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので、長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい〔1.1、9.3.2、11.1.3参照〕。
8.7. 慢性疾患に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 血液異常又はその既往歴のある患者:症状が悪化又は再発を促すおそれがある〔11.1.5参照〕。
9.1.2. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがある。
9.1.3. 心機能異常のある患者:症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
9.1.4. 気管支喘息のある患者:症状が悪化するおそれがある〔11.1.4参照〕。
9.1.5. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者:アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある〔7.6、11.1.4参照〕。
9.1.6. アルコール多量常飲者:肝機能障害があらわれやすくなる〔10.2参照〕。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
9.1.7. 絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者:肝機能障害があらわれやすくなる。
9.1.8. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)〔10.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 腎機能障害又はその既往歴のある患者:投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること(症状が悪化又は再発を促すおそれがある)〔11.1.7参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害患者:投与しないこと(重篤な転帰をとるおそれがある)〔1.1、2.1、11.1.3参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能が悪化するおそれがある〔8.6、11.1.3参照〕。
10.2. 併用注意:
1). リチウム製剤(炭酸リチウム)[インドメタシン、イブプロフェン等の他の非ステロイド性消炎鎮痛剤でリチウム中毒を呈したとの報告がある(非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより、炭酸リチウムの排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている)]。
2). チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)[インドメタシン等の他の非ステロイド性消炎鎮痛剤でチアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている(非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制して水、塩類貯留が生じ、チアジド系利尿剤の排泄作用に拮抗すると考えられている)]。
3). アルコール(飲酒)〔9.1.6参照〕[アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある<本剤は小児用解熱鎮痛剤である>(アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される)]。
4). クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(本剤が血漿蛋白結合部位において競合することで、抗凝血剤を遊離させ、その抗凝血作用を増強させる)]。
5). カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、リファンピシン、イソニアジド[これらの薬剤の長期連用者は、肝機能障害を生じやすくなるとの報告がある(これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される)]。
6). 抗生物質、抗菌剤〔9.1.8参照〕[過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから、併用する場合には観察を十分に行い、慎重に投与すること(機序は不明である)]。
9.8.1. 高齢者:少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)。
9.8.2. 高齢者:副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、次のリスクを考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・ 妊娠後期の女性への投与により、胎児動脈管収縮を起こすことがある。
・ 妊娠後期のラットに投与した実験で、弱い胎仔動脈管収縮が報告されている。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
9.7.1. 低出生体重児、新生児及び3カ月未満の乳児を対象とした有効性・安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
13.1. 症状
過量投与時、肝臓壊死、腎臓壊死、心筋壊死が起こったとの報告がある。
13.2. 処置
過量投与時、解毒(肝機能障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること〔1.2、8.4参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与時の注意
14.1.1. 本剤を使用する前は、できるだけ排便をすませておくこと。
14.1.2. 本剤を取り出すには、まず1個分の容器を切り離し、上端の合わせ目から引裂いて、坐剤を取り出す。なお、1/2個を用いる場合には、坐剤を斜めに切断する〔7.1参照〕。
14.1.3. 容器から坐剤を取り出した後、太い方から肛門内に深く挿入すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常を起こすことがある。
15.1.2. 腎盂腫瘍及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェナセチン)を長期・大量に使用(例:総服用量1.5〜27kg、服用期間4〜30年)していた人が多いとの報告がある。
15.1.3. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
30℃以下で保管。
(参考情報)
本剤を取り出すには、まず1個分の容器を切り離し、添付文書の図のように上端の合わせ目から引裂いて、坐剤を取り出す。なお、1/2個を用いる場合には、添付文書の図のように坐剤を斜めに切断する。
薬効分類 | 消炎・鎮痛・解熱薬 |
一般名 | アセトアミノフェン坐剤 |
薬価 | 20.3円 |
メーカー | 久光製薬 |
最終更新 | 2023年10月改訂(第2版) |
通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10〜15mgを直腸内に挿入する。投与間隔は4〜6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、成人の用量を超えない。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 1回投与量の目安は次記のとおり〔14.1.2参照〕。
1). 体重10kg:アセトアミノフェン量として100−150mg;0.5個。
2). 体重20kg:アセトアミノフェン量として200−300mg;1−1.5個。
3). 体重30kg:アセトアミノフェン量として300−450mg;1.5−2個。
7.2. 「小児科領域における解熱・鎮痛」の効能・効果に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして500mg、1日あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして1500mgである。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
7.3. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として長期投与を避けること(原則として5日以内に限ること)。
7.4. 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
7.5. 総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は、アセトアミノフェンが含まれていないか確認し、含まれている場合は併用を避けること〔1.2、8.4参照〕。
7.6. アスピリン喘息又はその既往歴のある患者に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして300mg以下とすること〔9.1.5参照〕。
小児科領域における解熱・鎮痛。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎、AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔1.1、2.1、8.6、9.3.1、9.3.2参照〕。
11.1.4. 喘息発作の誘発(頻度不明)〔9.1.4、9.1.5参照〕。
11.1.5. 顆粒球減少症(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.6. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.1.7. 間質性腎炎、急性腎障害(いずれも頻度不明)〔9.2.1参照〕。
11.1.8. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)血小板減少[症状(異常)があらわれた場合には投与を中止すること]。
2). 過敏症:(0.1%未満)発疹、(頻度不明)チアノーゼ[症状(異常)があらわれた場合には投与を中止すること]。
3). 消化器:(0.1%未満)悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、軟便、便意。
1.1. 本剤により重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので注意すること〔2.1、8.6、9.3.1、11.1.3参照〕。
1.2. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤<一般用医薬品を含む>との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること〔7.5、8.4、13.2参照〕。
2.1. 重篤な肝機能障害のある患者〔1.1、9.3.1、11.1.3参照〕。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、発熱、疼痛の程度を考慮し投与すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行うこと。
8.3. 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者及び高熱を伴う小児等又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
8.4. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤<一般用医薬品を含む>との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること〔1.2、7.5、13.2参照〕。
8.5. アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがあり、本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり、上気道炎等に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので、観察を十分行い慎重に投与すること。
8.6. 重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので、長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい〔1.1、9.3.2、11.1.3参照〕。
8.7. 慢性疾患に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 血液異常又はその既往歴のある患者:症状が悪化又は再発を促すおそれがある〔11.1.5参照〕。
9.1.2. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがある。
9.1.3. 心機能異常のある患者:症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
9.1.4. 気管支喘息のある患者:症状が悪化するおそれがある〔11.1.4参照〕。
9.1.5. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者:アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある〔7.6、11.1.4参照〕。
9.1.6. アルコール多量常飲者:肝機能障害があらわれやすくなる〔10.2参照〕。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
9.1.7. 絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者:肝機能障害があらわれやすくなる。
9.1.8. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)〔10.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 腎機能障害又はその既往歴のある患者:投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること(症状が悪化又は再発を促すおそれがある)〔11.1.7参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害患者:投与しないこと(重篤な転帰をとるおそれがある)〔1.1、2.1、11.1.3参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能が悪化するおそれがある〔8.6、11.1.3参照〕。
10.2. 併用注意:
1). リチウム製剤(炭酸リチウム)[インドメタシン、イブプロフェン等の他の非ステロイド性消炎鎮痛剤でリチウム中毒を呈したとの報告がある(非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより、炭酸リチウムの排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている)]。
2). チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)[インドメタシン等の他の非ステロイド性消炎鎮痛剤でチアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている(非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制して水、塩類貯留が生じ、チアジド系利尿剤の排泄作用に拮抗すると考えられている)]。
3). アルコール(飲酒)〔9.1.6参照〕[アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある<本剤は小児用解熱鎮痛剤である>(アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される)]。
4). クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(本剤が血漿蛋白結合部位において競合することで、抗凝血剤を遊離させ、その抗凝血作用を増強させる)]。
5). カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、リファンピシン、イソニアジド[これらの薬剤の長期連用者は、肝機能障害を生じやすくなるとの報告がある(これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される)]。
6). 抗生物質、抗菌剤〔9.1.8参照〕[過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから、併用する場合には観察を十分に行い、慎重に投与すること(機序は不明である)]。
9.8.1. 高齢者:少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)。
9.8.2. 高齢者:副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、次のリスクを考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・ 妊娠後期の女性への投与により、胎児動脈管収縮を起こすことがある。
・ 妊娠後期のラットに投与した実験で、弱い胎仔動脈管収縮が報告されている。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
9.7.1. 低出生体重児、新生児及び3カ月未満の乳児を対象とした有効性・安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
13.1. 症状
過量投与時、肝臓壊死、腎臓壊死、心筋壊死が起こったとの報告がある。
13.2. 処置
過量投与時、解毒(肝機能障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること〔1.2、8.4参照〕。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与時の注意
14.1.1. 本剤を使用する前は、できるだけ排便をすませておくこと。
14.1.2. 本剤を取り出すには、まず1個分の容器を切り離し、上端の合わせ目から引裂いて、坐剤を取り出す。なお、1/2個を用いる場合には、坐剤を斜めに切断する〔7.1参照〕。
14.1.3. 容器から坐剤を取り出した後、太い方から肛門内に深く挿入すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常を起こすことがある。
15.1.2. 腎盂腫瘍及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェナセチン)を長期・大量に使用(例:総服用量1.5〜27kg、服用期間4〜30年)していた人が多いとの報告がある。
15.1.3. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
30℃以下で保管。
(参考情報)
本剤を取り出すには、まず1個分の容器を切り離し、添付文書の図のように上端の合わせ目から引裂いて、坐剤を取り出す。なお、1/2個を用いる場合には、添付文書の図のように坐剤を斜めに切断する。
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