薬剤情報
後発品
薬効分類造血薬 > エリスロポエチン
一般名エポエチンアルファ (遺伝子組換え) 注射液
薬価412
メーカー協和キリン
最終更新2020年12月改訂(第1版)

用法・用量

〈透析施行中の腎性貧血〉

投与初期は、エポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、通常、成人、1回3000国際単位を週3回、できるだけ緩徐に静脈内投与する。

貧血改善効果が得られたら、維持量として、通常、成人、1回1500国際単位を週2〜3回、あるいは1回3000国際単位を週2回投与する。

貧血改善効果の目標値はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後とする。

なお、いずれの場合も貧血症状の程度、年齢等により適宜増減するが、維持量での最高投与量は、1回3000国際単位、週3回投与とする。

〈未熟児貧血〉

通常、エポエチン アルファ(遺伝子組換え)として1回200国際単位/kgを週2回皮下投与する。

ただし、未熟児早期貧血期を脱し、ヘモグロビン濃度が10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後で臨床症状が安定したと考えられる場合は投与を中止すること。

なお、貧血症状の程度により適宜増減する。

効能・効果

1). 透析施行中の腎性貧血。

2). 未熟児貧血。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤の投与は貧血症に伴う日常生活活動の支障が認められる患者に限定すること(なお、投与対象はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)未満を目安とする)。

5.2. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤の投与に際しては、腎性貧血であることを確認し、他の貧血症(失血性貧血、汎血球減少症、アルミニウム蓄積症等)には投与しないこと。

5.3. 〈未熟児貧血〉本剤の投与は未熟児貧血に限定すること(なお、投与対象はヘモグロビン濃度で12g/dL(ヘマトクリット値で36%)未満を目安とし、また、未熟児貧血におけるヘモグロビン濃度の低下は急速であるため、未熟児貧血発症早期より本剤を投与することが望ましい)。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(じん麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)があらわれることがある〔8.2、8.8参照〕。

11.1.2. 高血圧性脳症、脳出血(いずれも頻度不明):急激な血圧上昇により、頭痛・意識障害・痙攣等を示す高血圧性脳症、高血圧性脳出血があらわれることがある〔8.4、9.1.2参照〕。

11.1.3. 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞(いずれも頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.4. 赤芽球癆(頻度不明):抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(また、他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤への切替えは避けること)〔8.5参照〕。

11.1.5. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(0.1〜5%未満)血圧上昇、(0.1%未満)動悸。

2). 皮膚:(0.1〜5%未満)皮膚そう痒感、(0.1%未満)発疹、(頻度不明)ざ瘡。

3). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、Al−P上昇、(0.1%未満)ビリルビン上昇、(頻度不明)肝機能異常。

4). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気・嘔吐、(0.1%未満)食欲不振、下痢、(頻度不明)腹痛。

5). 感覚器系:(0.1〜5%未満)頭痛、発熱、(0.1%未満)熱感・ほてり感、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛、不眠、(頻度不明)めまい、口内苦味感。

6). 血液:(0.1〜5%未満)好酸球増多、*顆粒球減少、*血小板増多[*:未熟児貧血での報告]、(頻度不明)白血球増多。

7). その他:(0.1〜5%未満)血清カリウム上昇、*くる病[*:未熟児貧血での報告]、(0.1%未満)BUN上昇、尿酸上昇、クレアチニン上昇、浮腫、(頻度不明)眼底出血(網膜動脈血栓症、網膜静脈血栓症等)、脾腫増大、鼻出血。

発現頻度は使用成績調査を含む。

禁忌

本剤の成分又は他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤に過敏症の患者。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。

8.2. 〈透析施行中の腎性貧血〉腎性貧血にはショック等の反応を予測するため十分な問診をする(なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量を静脈内に注入し、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい)〔11.1.1参照〕。

8.3. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的(投与初期には週1回、維持投与期には2週に1回程度)に観察し、腎性貧血の場合、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で12g/dL以上、あるいはヘマトクリット値で36%以上を目安とする)にならないように十分注意すること(必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること)。

8.4. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症が報告されているので、血圧、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値等の推移に十分注意しながら投与し、特に、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値は徐々に上昇させるよう注意すること(また、投与中止後もヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が上昇する場合があるので、観察を十分行うこと)〔9.1.2、11.1.2参照〕。

8.5. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与により抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、本剤投与中に貧血の改善がない、あるいは貧血が悪化する場合等は抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆を疑うこと〔11.1.4参照〕。

8.6. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与により高カリウム血症を認める場合があるので、腎性貧血では、食事管理を適切に行うこと。

8.7. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与によりシャントの閉塞や血液透析装置内の残血を認める場合があるので、シャントの血流量や血液透析装置内の血流量には十分注意すること(このような場合にはシャントの再造設、抗凝固剤の増量等の適切な処置をとること)。

8.8. 〈未熟児貧血〉未熟児貧血の場合、ショック等の反応を予測するため親・兄姉のアレルギー歴等について十分な問診をする(なお、投与開始時には本剤の少量を皮内に注入し異常反応の発現しないことを確認して投与することが望ましい)〔11.1.1参照〕。

8.9. 〈未熟児貧血〉本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、未熟児貧血の場合、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で13g/dL以上あるいはヘマトクリット値で39%以上を目安とする)にならないように十分注意すること(必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること)。

8.10. 〈未熟児貧血〉本剤投与により血圧上昇を認める場合があるので、血圧、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値等の推移に十分注意しながら投与すること〔9.1.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞等の患者、又はそれらの既往歴を有し血栓塞栓症を起こすおそれのある患者:観察を十分に行うこと(血液粘稠度が上昇するとの報告があり、血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある)〔11.1.3参照〕。

9.1.2. 高血圧症の患者:血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症があらわれるおそれがある〔8.4、8.10、11.1.2参照〕。

9.1.3. 薬物過敏症の既往歴のある患者。

9.1.4. アレルギー素因のある患者。

9.1.5. 脳室内出血を有する未熟児及び脳実質内出血を有する未熟児:脳内出血を増悪する可能性がある。

高齢者

本剤の投与に際しては血圧及びヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等を頻回に測定し、投与量又は投与回数を適宜調節すること(一般に高齢者では生理機能が低下しており、また高血圧症等の循環器系疾患を合併することが多い)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で、胎仔発育遅延・出生仔発育遅延が報告されている)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。

小児等

新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

他剤との混注は行わないこと。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. エリスロポエチン製剤を投与した未熟児貧血患児において、因果関係は認められないものの未熟児網膜症の発症に関与することを示唆する報告がある。

15.1.2. 心不全や虚血性心疾患を合併する血液透析患者において、目標ヘモグロビン濃度を14g/dL(ヘマトクリット値42%)に維持<本邦では承認外>した群では、10g/dL(ヘマトクリット値30%)前後に維持した群に比べて死亡率が高い傾向が示されたとの報告がある。

15.1.3. 保存期慢性腎臓病患者における腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤による治療について、目標ヘモグロビン濃度を13.5g/dLに設定<本邦では承認外>した患者では、11.3g/dLに設定した患者に比較して、有意に死亡及び心血管系障害の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある。

15.1.4. 2型糖尿病の保存期慢性腎臓病で腎性貧血を合併している患者において、目標ヘモグロビン濃度を13.0g/dLに設定<本邦では承認外>して赤血球造血刺激因子製剤が投与された患者とプラセボが投与された患者(ヘモグロビン濃度が9.0g/dLを下回った場合に赤血球造血刺激因子製剤を投与)を比較したところ、赤血球造血刺激因子製剤群ではプラセボ群に比較して有意に脳卒中の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある。

15.1.5. がん化学療法又は放射線療法による貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより生存期間短縮が認められたとの報告がある。

15.1.6. 放射線療法による貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより、腫瘍進展又は腫瘍局所再発のリスクが増加したとの報告がある。

15.1.7. プラセボを投与されたがん化学療法による貧血<本邦では承認外>患者に比べて赤血球造血刺激因子製剤の治療を受けた患者で血栓塞栓症の発現頻度が高いことが臨床試験にて示されたとの報告がある。

15.1.8. がん化学療法又は放射線療法を受けていないがんに伴う貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与した臨床試験で、プラセボを投与した患者に比べて死亡率が高いことが示されたとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

凍結を避け、10℃以下に保存。

エスポー注射液750
エスポー注射液750

エスポー注射液750

造血薬 > エリスロポエチン
2020年12月改訂(第1版)
薬剤情報
後発品
薬効分類造血薬 > エリスロポエチン
一般名エポエチンアルファ (遺伝子組換え) 注射液
薬価412
メーカー協和キリン
最終更新2020年12月改訂(第1版)

用法・用量

〈透析施行中の腎性貧血〉

投与初期は、エポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、通常、成人、1回3000国際単位を週3回、できるだけ緩徐に静脈内投与する。

貧血改善効果が得られたら、維持量として、通常、成人、1回1500国際単位を週2〜3回、あるいは1回3000国際単位を週2回投与する。

貧血改善効果の目標値はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後とする。

なお、いずれの場合も貧血症状の程度、年齢等により適宜増減するが、維持量での最高投与量は、1回3000国際単位、週3回投与とする。

〈未熟児貧血〉

通常、エポエチン アルファ(遺伝子組換え)として1回200国際単位/kgを週2回皮下投与する。

ただし、未熟児早期貧血期を脱し、ヘモグロビン濃度が10g/dL(ヘマトクリット値で30%)前後で臨床症状が安定したと考えられる場合は投与を中止すること。

なお、貧血症状の程度により適宜増減する。

効能・効果

1). 透析施行中の腎性貧血。

2). 未熟児貧血。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤の投与は貧血症に伴う日常生活活動の支障が認められる患者に限定すること(なお、投与対象はヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)未満を目安とする)。

5.2. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤の投与に際しては、腎性貧血であることを確認し、他の貧血症(失血性貧血、汎血球減少症、アルミニウム蓄積症等)には投与しないこと。

5.3. 〈未熟児貧血〉本剤の投与は未熟児貧血に限定すること(なお、投与対象はヘモグロビン濃度で12g/dL(ヘマトクリット値で36%)未満を目安とし、また、未熟児貧血におけるヘモグロビン濃度の低下は急速であるため、未熟児貧血発症早期より本剤を投与することが望ましい)。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(じん麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)があらわれることがある〔8.2、8.8参照〕。

11.1.2. 高血圧性脳症、脳出血(いずれも頻度不明):急激な血圧上昇により、頭痛・意識障害・痙攣等を示す高血圧性脳症、高血圧性脳出血があらわれることがある〔8.4、9.1.2参照〕。

11.1.3. 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞(いずれも頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.4. 赤芽球癆(頻度不明):抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(また、他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤への切替えは避けること)〔8.5参照〕。

11.1.5. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(0.1〜5%未満)血圧上昇、(0.1%未満)動悸。

2). 皮膚:(0.1〜5%未満)皮膚そう痒感、(0.1%未満)発疹、(頻度不明)ざ瘡。

3). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、Al−P上昇、(0.1%未満)ビリルビン上昇、(頻度不明)肝機能異常。

4). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気・嘔吐、(0.1%未満)食欲不振、下痢、(頻度不明)腹痛。

5). 感覚器系:(0.1〜5%未満)頭痛、発熱、(0.1%未満)熱感・ほてり感、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛、不眠、(頻度不明)めまい、口内苦味感。

6). 血液:(0.1〜5%未満)好酸球増多、*顆粒球減少、*血小板増多[*:未熟児貧血での報告]、(頻度不明)白血球増多。

7). その他:(0.1〜5%未満)血清カリウム上昇、*くる病[*:未熟児貧血での報告]、(0.1%未満)BUN上昇、尿酸上昇、クレアチニン上昇、浮腫、(頻度不明)眼底出血(網膜動脈血栓症、網膜静脈血栓症等)、脾腫増大、鼻出血。

発現頻度は使用成績調査を含む。

禁忌

本剤の成分又は他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤に過敏症の患者。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。

8.2. 〈透析施行中の腎性貧血〉腎性貧血にはショック等の反応を予測するため十分な問診をする(なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量を静脈内に注入し、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい)〔11.1.1参照〕。

8.3. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的(投与初期には週1回、維持投与期には2週に1回程度)に観察し、腎性貧血の場合、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で12g/dL以上、あるいはヘマトクリット値で36%以上を目安とする)にならないように十分注意すること(必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること)。

8.4. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症が報告されているので、血圧、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値等の推移に十分注意しながら投与し、特に、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値は徐々に上昇させるよう注意すること(また、投与中止後もヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が上昇する場合があるので、観察を十分行うこと)〔9.1.2、11.1.2参照〕。

8.5. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与により抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、本剤投与中に貧血の改善がない、あるいは貧血が悪化する場合等は抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆を疑うこと〔11.1.4参照〕。

8.6. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与により高カリウム血症を認める場合があるので、腎性貧血では、食事管理を適切に行うこと。

8.7. 〈透析施行中の腎性貧血〉本剤投与によりシャントの閉塞や血液透析装置内の残血を認める場合があるので、シャントの血流量や血液透析装置内の血流量には十分注意すること(このような場合にはシャントの再造設、抗凝固剤の増量等の適切な処置をとること)。

8.8. 〈未熟児貧血〉未熟児貧血の場合、ショック等の反応を予測するため親・兄姉のアレルギー歴等について十分な問診をする(なお、投与開始時には本剤の少量を皮内に注入し異常反応の発現しないことを確認して投与することが望ましい)〔11.1.1参照〕。

8.9. 〈未熟児貧血〉本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、未熟児貧血の場合、必要以上の造血(ヘモグロビン濃度で13g/dL以上あるいはヘマトクリット値で39%以上を目安とする)にならないように十分注意すること(必要以上の造血を認めた場合は、休薬するなど適切な処置をとること)。

8.10. 〈未熟児貧血〉本剤投与により血圧上昇を認める場合があるので、血圧、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値等の推移に十分注意しながら投与すること〔9.1.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞等の患者、又はそれらの既往歴を有し血栓塞栓症を起こすおそれのある患者:観察を十分に行うこと(血液粘稠度が上昇するとの報告があり、血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある)〔11.1.3参照〕。

9.1.2. 高血圧症の患者:血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症があらわれるおそれがある〔8.4、8.10、11.1.2参照〕。

9.1.3. 薬物過敏症の既往歴のある患者。

9.1.4. アレルギー素因のある患者。

9.1.5. 脳室内出血を有する未熟児及び脳実質内出血を有する未熟児:脳内出血を増悪する可能性がある。

高齢者

本剤の投与に際しては血圧及びヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等を頻回に測定し、投与量又は投与回数を適宜調節すること(一般に高齢者では生理機能が低下しており、また高血圧症等の循環器系疾患を合併することが多い)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で、胎仔発育遅延・出生仔発育遅延が報告されている)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。

小児等

新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

他剤との混注は行わないこと。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. エリスロポエチン製剤を投与した未熟児貧血患児において、因果関係は認められないものの未熟児網膜症の発症に関与することを示唆する報告がある。

15.1.2. 心不全や虚血性心疾患を合併する血液透析患者において、目標ヘモグロビン濃度を14g/dL(ヘマトクリット値42%)に維持<本邦では承認外>した群では、10g/dL(ヘマトクリット値30%)前後に維持した群に比べて死亡率が高い傾向が示されたとの報告がある。

15.1.3. 保存期慢性腎臓病患者における腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤による治療について、目標ヘモグロビン濃度を13.5g/dLに設定<本邦では承認外>した患者では、11.3g/dLに設定した患者に比較して、有意に死亡及び心血管系障害の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある。

15.1.4. 2型糖尿病の保存期慢性腎臓病で腎性貧血を合併している患者において、目標ヘモグロビン濃度を13.0g/dLに設定<本邦では承認外>して赤血球造血刺激因子製剤が投与された患者とプラセボが投与された患者(ヘモグロビン濃度が9.0g/dLを下回った場合に赤血球造血刺激因子製剤を投与)を比較したところ、赤血球造血刺激因子製剤群ではプラセボ群に比較して有意に脳卒中の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある。

15.1.5. がん化学療法又は放射線療法による貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより生存期間短縮が認められたとの報告がある。

15.1.6. 放射線療法による貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより、腫瘍進展又は腫瘍局所再発のリスクが増加したとの報告がある。

15.1.7. プラセボを投与されたがん化学療法による貧血<本邦では承認外>患者に比べて赤血球造血刺激因子製剤の治療を受けた患者で血栓塞栓症の発現頻度が高いことが臨床試験にて示されたとの報告がある。

15.1.8. がん化学療法又は放射線療法を受けていないがんに伴う貧血<本邦では承認外>患者に赤血球造血刺激因子製剤を投与した臨床試験で、プラセボを投与した患者に比べて死亡率が高いことが示されたとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

凍結を避け、10℃以下に保存。

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