薬効分類 | 鎮咳薬・気管支拡張薬・去痰薬 |
一般名 | ジヒドロコデイン・エフェドリン配合剤シロップ |
薬価 | 19.3円 |
メーカー | 日医工 |
最終更新 | 2022年12月改訂(第1版) 添付文書のPDFはこちら |
通常成人1回3〜5mLを1日3回食後又は食間にそのまま、又は白湯でうすめて経口投与する。
12〜14歳:成人量の2/3。
次記疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難:急性気管支炎、慢性気管支炎、感冒・上気道炎。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 依存性(頻度不明):連用により生じることがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身筋肉痛・全身関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと〔8.3参照〕。
11.1.2. 呼吸抑制(頻度不明):息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと(なお、ジヒドロコデインリン酸塩による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する)。
11.1.3. 錯乱(頻度不明)、せん妄(頻度不明)。
11.1.4. 無気肺(頻度不明)、気管支痙攣(頻度不明)、喉頭浮腫(頻度不明)。
11.1.5. 麻痺性イレウス(頻度不明)、中毒性巨大結腸(頻度不明):炎症性腸疾患の患者に投与した場合にあらわれるとの報告がある。
11.1.6. 重篤な血清カリウム値低下(頻度不明):キサンチン誘導体併用、ステロイド剤併用及び利尿剤併用により血清カリウム値低下増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること〔9.1.21、10.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 循環器:(頻度不明)不整脈、心悸亢進、血圧変動、顔面潮紅。
2). 精神神経系:(頻度不明)眠気、めまい、視調節障害、頭痛・頭重、振戦、不眠、神経過敏、脱力感、発汗。
3). 消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、食欲不振、便秘。
4). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感。
5). 泌尿器:(頻度不明)排尿困難。
6). 長期連用:(頻度不明)不安、幻覚、妄想を伴う精神症状。
7). その他:(頻度不明)口渇。
2.1. 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する]。
2.2. 12歳未満の小児〔9.7.1参照〕。
2.3. 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる]。
2.4. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する]。
2.6. 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄刺激効果があらわれる]。
2.7. 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する]。
2.8. 本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者。
2.9. カテコールアミン投与中(アドレナリン、イソプロテレノール、ドパミン等)の患者〔10.1参照〕。
8.1. 用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。
8.2. 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないように注意すること。
8.3. 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること〔11.1.1参照〕。
8.4. 眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 18歳未満の肥満、18歳未満の閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は18歳未満の重篤な肺疾患を有する患者:投与しないこと(重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある)。
9.1.2. 心機能障害のある患者:循環不全を増強するおそれがある。
9.1.3. 呼吸機能障害のある患者:呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.4. 脳器質的障害のある患者:呼吸抑制や頭蓋内圧上昇を起こすおそれがある。
9.1.5. ショック状態にある患者:循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.6. 代謝性アシドーシスのある患者:呼吸抑制を起こすおそれがある。
9.1.7. 甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者:呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。
9.1.8. 甲状腺機能亢進症の患者:甲状腺機能亢進症が悪化するおそれがある。
9.1.9. 副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者:呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.10. 薬物依存の既往歴のある患者:依存性を生じやすい。
9.1.11. 衰弱者:呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.12. 前立腺肥大症、尿道狭窄、尿路手術術後の患者:排尿障害が悪化するおそれがある。
9.1.13. 器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者:消化管運動を抑制する。
9.1.14. 痙攣の既往歴のある患者:痙攣を誘発するおそれがある。
9.1.15. 胆嚢障害及び胆石のある患者:胆道痙攣を起こすことがある。
9.1.16. 重篤な炎症性腸疾患のある患者:連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。
9.1.17. 高血圧症の患者:エフェドリン塩酸塩には血圧上昇作用がある。
9.1.18. 心疾患のある患者:エフェドリン塩酸塩には心刺激作用がある。
9.1.19. 糖尿病の患者:血糖が上昇するおそれがある。
9.1.20. 緑内障の患者:眼圧が上昇するおそれがある。
9.1.21. 低酸素血症の患者:定期的に血清カリウム値を観察することが望ましい(低酸素血症は、血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある)〔10.2、11.1.6参照〕。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(昏睡に陥ることがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>患者:代謝が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩は、主として肝代謝酵素UGT2B7、UGT2B4及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される。
10.1. 併用禁忌:
カテコールアミン(アドレナリン<ボスミン>、イソプロテレノール<プロタノール等>、ドパミン等)〔2.9参照〕[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある(エフェドリン塩酸塩の交感神経刺激作用が増強される)]。
10.2. 併用注意:
1). キサンチン誘導体(テオフィリン、ジプロフィリン等)、ステロイド剤(プレドニゾロン、ベタメタゾン等)、利尿剤(フロセミド、ヒドロクロロチアジド等)〔9.1.21、11.1.6参照〕[血清カリウム値が低下するおそれがあるので、血清カリウム値をモニターするとともに、減量するなど注意すること(エフェドリンの血清カリウム低下作用が増強される)]。
2). モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)、甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン等)[エフェドリンの作用が増強されるおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること(エフェドリン塩酸塩の交感神経刺激作用が増強される)]。
3). 中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等)、吸入麻酔剤、モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)、三環系抗うつ剤、β−遮断剤、アルコール[呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある(ジヒドロコデインリン酸塩の中枢神経抑制作用が増強される)]。
4). 抗コリン作動性薬剤[麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある(ジヒドロコデインリン酸塩により抗コリン作用が増強される)]。
5). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある(機序不明)]。
6). ナルメフェン塩酸塩水和物[本剤の効果が減弱するおそれがある(μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される)]。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。ジヒドロコデインリン酸塩の類似化合物(コデイン)の動物実験(マウス)で催奇形作用(化骨遅延)が報告されている。
(授乳婦)
本剤投与中は授乳を避けさせること(ジヒドロコデインリン酸塩の類似化合物(コデイン)で、母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある)。
授乳中でCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。
9.7.1. 12歳未満の小児:投与しないこと(呼吸抑制の感受性が高い、海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある)〔2.2参照〕。
9.7.2. 12歳以上の小児:12歳以上の小児には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
9.7.3. 肥満を有する小児、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を有する小児又は重篤な肺疾患を有する小児:投与しないこと(重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある)。
13.1. 症状
過量投与時、呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
13.2. 処置
過量投与時には、次の治療を行うことが望ましい[1)投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う、2)麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する(なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はジヒドロコデインリン酸塩のそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する)、3)必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う]。
15.1. 臨床使用に基づく情報
遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩の活性代謝産物であるジヒドロモルヒネの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 鎮咳薬・気管支拡張薬・去痰薬 |
一般名 | ジヒドロコデイン・エフェドリン配合剤シロップ |
薬価 | 19.3円 |
メーカー | 日医工 |
最終更新 | 2022年12月改訂(第1版) 添付文書のPDFはこちら |
通常成人1回3〜5mLを1日3回食後又は食間にそのまま、又は白湯でうすめて経口投与する。
12〜14歳:成人量の2/3。
次記疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難:急性気管支炎、慢性気管支炎、感冒・上気道炎。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 依存性(頻度不明):連用により生じることがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身筋肉痛・全身関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと〔8.3参照〕。
11.1.2. 呼吸抑制(頻度不明):息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと(なお、ジヒドロコデインリン酸塩による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する)。
11.1.3. 錯乱(頻度不明)、せん妄(頻度不明)。
11.1.4. 無気肺(頻度不明)、気管支痙攣(頻度不明)、喉頭浮腫(頻度不明)。
11.1.5. 麻痺性イレウス(頻度不明)、中毒性巨大結腸(頻度不明):炎症性腸疾患の患者に投与した場合にあらわれるとの報告がある。
11.1.6. 重篤な血清カリウム値低下(頻度不明):キサンチン誘導体併用、ステロイド剤併用及び利尿剤併用により血清カリウム値低下増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること〔9.1.21、10.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 循環器:(頻度不明)不整脈、心悸亢進、血圧変動、顔面潮紅。
2). 精神神経系:(頻度不明)眠気、めまい、視調節障害、頭痛・頭重、振戦、不眠、神経過敏、脱力感、発汗。
3). 消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、食欲不振、便秘。
4). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感。
5). 泌尿器:(頻度不明)排尿困難。
6). 長期連用:(頻度不明)不安、幻覚、妄想を伴う精神症状。
7). その他:(頻度不明)口渇。
2.1. 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する]。
2.2. 12歳未満の小児〔9.7.1参照〕。
2.3. 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる]。
2.4. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する]。
2.6. 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄刺激効果があらわれる]。
2.7. 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する]。
2.8. 本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者。
2.9. カテコールアミン投与中(アドレナリン、イソプロテレノール、ドパミン等)の患者〔10.1参照〕。
8.1. 用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。
8.2. 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないように注意すること。
8.3. 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること〔11.1.1参照〕。
8.4. 眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 18歳未満の肥満、18歳未満の閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は18歳未満の重篤な肺疾患を有する患者:投与しないこと(重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある)。
9.1.2. 心機能障害のある患者:循環不全を増強するおそれがある。
9.1.3. 呼吸機能障害のある患者:呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.4. 脳器質的障害のある患者:呼吸抑制や頭蓋内圧上昇を起こすおそれがある。
9.1.5. ショック状態にある患者:循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.6. 代謝性アシドーシスのある患者:呼吸抑制を起こすおそれがある。
9.1.7. 甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者:呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。
9.1.8. 甲状腺機能亢進症の患者:甲状腺機能亢進症が悪化するおそれがある。
9.1.9. 副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者:呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.10. 薬物依存の既往歴のある患者:依存性を生じやすい。
9.1.11. 衰弱者:呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.12. 前立腺肥大症、尿道狭窄、尿路手術術後の患者:排尿障害が悪化するおそれがある。
9.1.13. 器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者:消化管運動を抑制する。
9.1.14. 痙攣の既往歴のある患者:痙攣を誘発するおそれがある。
9.1.15. 胆嚢障害及び胆石のある患者:胆道痙攣を起こすことがある。
9.1.16. 重篤な炎症性腸疾患のある患者:連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。
9.1.17. 高血圧症の患者:エフェドリン塩酸塩には血圧上昇作用がある。
9.1.18. 心疾患のある患者:エフェドリン塩酸塩には心刺激作用がある。
9.1.19. 糖尿病の患者:血糖が上昇するおそれがある。
9.1.20. 緑内障の患者:眼圧が上昇するおそれがある。
9.1.21. 低酸素血症の患者:定期的に血清カリウム値を観察することが望ましい(低酸素血症は、血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある)〔10.2、11.1.6参照〕。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(昏睡に陥ることがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>患者:代謝が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩は、主として肝代謝酵素UGT2B7、UGT2B4及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される。
10.1. 併用禁忌:
カテコールアミン(アドレナリン<ボスミン>、イソプロテレノール<プロタノール等>、ドパミン等)〔2.9参照〕[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある(エフェドリン塩酸塩の交感神経刺激作用が増強される)]。
10.2. 併用注意:
1). キサンチン誘導体(テオフィリン、ジプロフィリン等)、ステロイド剤(プレドニゾロン、ベタメタゾン等)、利尿剤(フロセミド、ヒドロクロロチアジド等)〔9.1.21、11.1.6参照〕[血清カリウム値が低下するおそれがあるので、血清カリウム値をモニターするとともに、減量するなど注意すること(エフェドリンの血清カリウム低下作用が増強される)]。
2). モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)、甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン等)[エフェドリンの作用が増強されるおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること(エフェドリン塩酸塩の交感神経刺激作用が増強される)]。
3). 中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等)、吸入麻酔剤、モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)、三環系抗うつ剤、β−遮断剤、アルコール[呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある(ジヒドロコデインリン酸塩の中枢神経抑制作用が増強される)]。
4). 抗コリン作動性薬剤[麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある(ジヒドロコデインリン酸塩により抗コリン作用が増強される)]。
5). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある(機序不明)]。
6). ナルメフェン塩酸塩水和物[本剤の効果が減弱するおそれがある(μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される)]。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。ジヒドロコデインリン酸塩の類似化合物(コデイン)の動物実験(マウス)で催奇形作用(化骨遅延)が報告されている。
(授乳婦)
本剤投与中は授乳を避けさせること(ジヒドロコデインリン酸塩の類似化合物(コデイン)で、母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある)。
授乳中でCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。
9.7.1. 12歳未満の小児:投与しないこと(呼吸抑制の感受性が高い、海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある)〔2.2参照〕。
9.7.2. 12歳以上の小児:12歳以上の小児には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
9.7.3. 肥満を有する小児、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を有する小児又は重篤な肺疾患を有する小児:投与しないこと(重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある)。
13.1. 症状
過量投与時、呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
13.2. 処置
過量投与時には、次の治療を行うことが望ましい[1)投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う、2)麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する(なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はジヒドロコデインリン酸塩のそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する)、3)必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う]。
15.1. 臨床使用に基づく情報
遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩の活性代謝産物であるジヒドロモルヒネの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
(保管上の注意)
室温保存。
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