薬効分類 | 高カロリー輸液用基本液 |
一般名 | 高カロリー輸液用基本液 (5−7) |
薬価 | 481円 |
メーカー | テルモ |
最終更新 | 2023年04月改訂(第1版) |
本剤は、経中心静脈輸液療法の基本液として用いる。
本剤1000mLに対して、ナトリウム及びクロールを含有しないか、あるいは含有量の少ない5.9〜12%アミノ酸注射液を200〜600mLの割合で加えてよく混合し、通常成人1日1200〜1600mLの維持量を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。
本剤は、高濃度のブドウ糖含有製剤なので、特に投与開始時には耐糖能、肝機能等に注意し、目安として維持量の半量程度から徐々に1日当たりの投与量を漸増し、維持量とする。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 高カロリー輸液療法施行中にビタミンB1欠乏により重篤なアシドーシスが起こることがあるので、必ず必要量(1日3mg以上を目安)のビタミンB1を併用すること〔1.警告の項、11.1.1参照〕。
7.2. ナトリウム及びクロールを含有するので、ナトリウム及びクロールを含有しないか、あるいはナトリウム及びクロールの含有量が少ないアミノ酸注射液を混合して使用すること。
経口栄養補給が不能又は不十分、経腸管栄養補給が不能又は不十分で、経中心静脈栄養に頼らざるを得ない場合の水分補給、電解質補給、カロリー補給(腎不全等による高カリウム血症、高リン血症の患者又はそのおそれのある患者に限る)。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アシドーシス(頻度不明):重篤なアシドーシスがあらわれることがある〔1.警告の項、7.1参照〕。
11.1.2. 高血糖(頻度不明):過度の高血糖、口渇があらわれた場合には、インスリン投与等の適切な処置を行うこと〔9.1.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(頻度不明)肝機能異常。
2). 大量・急速投与:(頻度不明)脳浮腫、肺水腫、末梢浮腫、アシドーシス、水中毒。
ビタミンB1を併用せずに高カロリー輸液療法を施行すると重篤なアシドーシスが発現することがあるので、必ずビタミンB1を併用すること。
ビタミンB1欠乏症と思われる重篤なアシドーシスが発現した場合には、直ちに100〜400mgのビタミンB1製剤を急速静脈内投与すること。
また、高カロリー輸液療法を施行中の患者では、基礎疾患及び合併症に起因するアシドーシスが発現することがあるので、症状があらわれた場合には高カロリー輸液療法を中断し、アルカリ化剤の投与等の処置を行うこと〔7.1、11.1.1参照〕。
2.1. 高乳酸血症の患者[高乳酸血症が悪化するおそれがある]。
2.2. 高ナトリウム血症の患者[高ナトリウム血症が悪化するおそれがある]。
2.3. 高クロール血症の患者[高クロール血症が悪化するおそれがある]。
2.4. 高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者[高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある]。
2.5. 高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症が悪化するおそれがある]。
2.6. 遺伝性果糖不耐症の患者(ソルビトールを含有するアミノ酸注射液を混合した場合)[ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されないため、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある]。
2.7. 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者〔9.3.1参照〕。
8.1. 高濃度のブドウ糖含有製剤なので、耐糖能、必要カロリー量、至適水分量等患者の病態を確認してから使用すること。
8.2. 急激な投与の中止により低血糖を起こすおそれがあるので、投与を中止する場合には、ブドウ糖濃度を徐々に下げること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 高度アシドーシスのある患者:アシドーシスが悪化するおそれがある。
9.1.2. アミノ酸代謝異常のある患者:混注するアミノ酸注射液のアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある。
9.1.3. 糖尿病の患者:血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.4. 膵炎、膵硬化症、膵腫瘍等の膵障害のある患者:高血糖等の耐糖能異常を起こすおそれがある。
9.1.5. 心不全の患者:循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.6. 重症熱傷の患者:水分、電解質代謝等が著しく障害されているため、心負荷増大のおそれがある。
9.1.7. 脱水症の患者:水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.8. 菌血症の患者:カテーテルが二次感染巣となることがあり、敗血症さらには敗血症性ショックを起こすおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者:投与しないこと(混注するアミノ酸注射液によるアミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化する又は誘発されるおそれがある)〔2.7参照〕。
10.2. 併用注意:
ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[ジギタリス中毒<不整脈等>の症状があらわれた場合には、投与を中止すること(カルシウムがジギタリス製剤の作用を増強するおそれがある)]。
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 全般的な注意
14.1.1. 使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.1.2. 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと(斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある)、また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2. 薬剤調製時の注意
14.2.1. 脂肪乳剤と配合しないこと。
14.2.2. 薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
14.3. 薬剤投与時の注意
14.3.1. 末梢静脈内には投与しないこと。
14.3.2. ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、クロール及び亜鉛の配合量を必要最小量としているので患者の病態に応じて適宜添加すること。
14.3.3. カリウム、リンを含有しないため、低カリウム血症、低リン血症を起こすおそれがあるので、投与中は観察を十分に行い、カリウム、リンを適宜添加するなど適切な処置を行うこと。
14.3.4. 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと(輸液セット内に空気が流入するおそれがある)。
14.3.5. 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.3.6. 残液は使用しないこと。
(取扱い上の注意)
20.1. 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2. 品質保持のため、個包装は使用時まで開封しないこと。
20.3. 次の場合には使用しないこと。
・ 個包装が破損している場合には使用しないこと。
・ 個包装内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合には使用しないこと。
・ 容器から薬液が漏れている場合には使用しないこと。
・ 性状その他薬液に異状が認められる場合には使用しないこと。
・ ゴム栓部のシールがはがれている場合には使用しないこと。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 高カロリー輸液用基本液 |
一般名 | 高カロリー輸液用基本液 (5−7) |
薬価 | 481円 |
メーカー | テルモ |
最終更新 | 2023年04月改訂(第1版) |
本剤は、経中心静脈輸液療法の基本液として用いる。
本剤1000mLに対して、ナトリウム及びクロールを含有しないか、あるいは含有量の少ない5.9〜12%アミノ酸注射液を200〜600mLの割合で加えてよく混合し、通常成人1日1200〜1600mLの維持量を24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する。
本剤は、高濃度のブドウ糖含有製剤なので、特に投与開始時には耐糖能、肝機能等に注意し、目安として維持量の半量程度から徐々に1日当たりの投与量を漸増し、維持量とする。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 高カロリー輸液療法施行中にビタミンB1欠乏により重篤なアシドーシスが起こることがあるので、必ず必要量(1日3mg以上を目安)のビタミンB1を併用すること〔1.警告の項、11.1.1参照〕。
7.2. ナトリウム及びクロールを含有するので、ナトリウム及びクロールを含有しないか、あるいはナトリウム及びクロールの含有量が少ないアミノ酸注射液を混合して使用すること。
経口栄養補給が不能又は不十分、経腸管栄養補給が不能又は不十分で、経中心静脈栄養に頼らざるを得ない場合の水分補給、電解質補給、カロリー補給(腎不全等による高カリウム血症、高リン血症の患者又はそのおそれのある患者に限る)。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アシドーシス(頻度不明):重篤なアシドーシスがあらわれることがある〔1.警告の項、7.1参照〕。
11.1.2. 高血糖(頻度不明):過度の高血糖、口渇があらわれた場合には、インスリン投与等の適切な処置を行うこと〔9.1.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(頻度不明)肝機能異常。
2). 大量・急速投与:(頻度不明)脳浮腫、肺水腫、末梢浮腫、アシドーシス、水中毒。
ビタミンB1を併用せずに高カロリー輸液療法を施行すると重篤なアシドーシスが発現することがあるので、必ずビタミンB1を併用すること。
ビタミンB1欠乏症と思われる重篤なアシドーシスが発現した場合には、直ちに100〜400mgのビタミンB1製剤を急速静脈内投与すること。
また、高カロリー輸液療法を施行中の患者では、基礎疾患及び合併症に起因するアシドーシスが発現することがあるので、症状があらわれた場合には高カロリー輸液療法を中断し、アルカリ化剤の投与等の処置を行うこと〔7.1、11.1.1参照〕。
2.1. 高乳酸血症の患者[高乳酸血症が悪化するおそれがある]。
2.2. 高ナトリウム血症の患者[高ナトリウム血症が悪化するおそれがある]。
2.3. 高クロール血症の患者[高クロール血症が悪化するおそれがある]。
2.4. 高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者[高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある]。
2.5. 高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症が悪化するおそれがある]。
2.6. 遺伝性果糖不耐症の患者(ソルビトールを含有するアミノ酸注射液を混合した場合)[ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されないため、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある]。
2.7. 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者〔9.3.1参照〕。
8.1. 高濃度のブドウ糖含有製剤なので、耐糖能、必要カロリー量、至適水分量等患者の病態を確認してから使用すること。
8.2. 急激な投与の中止により低血糖を起こすおそれがあるので、投与を中止する場合には、ブドウ糖濃度を徐々に下げること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 高度アシドーシスのある患者:アシドーシスが悪化するおそれがある。
9.1.2. アミノ酸代謝異常のある患者:混注するアミノ酸注射液のアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある。
9.1.3. 糖尿病の患者:血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.4. 膵炎、膵硬化症、膵腫瘍等の膵障害のある患者:高血糖等の耐糖能異常を起こすおそれがある。
9.1.5. 心不全の患者:循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.6. 重症熱傷の患者:水分、電解質代謝等が著しく障害されているため、心負荷増大のおそれがある。
9.1.7. 脱水症の患者:水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。
9.1.8. 菌血症の患者:カテーテルが二次感染巣となることがあり、敗血症さらには敗血症性ショックを起こすおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者:投与しないこと(混注するアミノ酸注射液によるアミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化する又は誘発されるおそれがある)〔2.7参照〕。
10.2. 併用注意:
ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[ジギタリス中毒<不整脈等>の症状があらわれた場合には、投与を中止すること(カルシウムがジギタリス製剤の作用を増強するおそれがある)]。
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 全般的な注意
14.1.1. 使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.1.2. 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと(斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある)、また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2. 薬剤調製時の注意
14.2.1. 脂肪乳剤と配合しないこと。
14.2.2. 薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
14.3. 薬剤投与時の注意
14.3.1. 末梢静脈内には投与しないこと。
14.3.2. ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、クロール及び亜鉛の配合量を必要最小量としているので患者の病態に応じて適宜添加すること。
14.3.3. カリウム、リンを含有しないため、低カリウム血症、低リン血症を起こすおそれがあるので、投与中は観察を十分に行い、カリウム、リンを適宜添加するなど適切な処置を行うこと。
14.3.4. 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと(輸液セット内に空気が流入するおそれがある)。
14.3.5. 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.3.6. 残液は使用しないこと。
(取扱い上の注意)
20.1. 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2. 品質保持のため、個包装は使用時まで開封しないこと。
20.3. 次の場合には使用しないこと。
・ 個包装が破損している場合には使用しないこと。
・ 個包装内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合には使用しないこと。
・ 容器から薬液が漏れている場合には使用しないこと。
・ 性状その他薬液に異状が認められる場合には使用しないこと。
・ ゴム栓部のシールがはがれている場合には使用しないこと。
(保管上の注意)
室温保存。
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