薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > 黄体形成ホルモン放出ホルモン (LH−RH) 誘導体
一般名ゴセレリン酢酸塩キット
薬価37821
メーカーアストラゼネカ
最終更新
2022年06月改訂(第1版)
添付文書のPDFはこちら

用法・用量

通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして10.8mg含有)を前腹部に12〜13週ごとに1回皮下投与する。

効能・効果

1). 前立腺癌。

2). 閉経前乳癌。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

〈閉経前乳癌〉本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しないこと。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 〈効能共通〉アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー等の過敏症状があらわれることがある。

11.1.2. 〈効能共通〉間質性肺炎(頻度不明)。

11.1.3. 〈効能共通〉肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.1.4. 〈効能共通〉血栓塞栓症(頻度不明):心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症があらわれることがある。

11.1.5. 〈前立腺癌〉前立腺癌随伴症状の増悪(頻度不明):本剤投与開始初期に骨性疼痛、尿路閉塞、排尿困難、脊髄圧迫等があらわれることがある〔8.1、9.1.2参照〕。

11.1.6. 〈前立腺癌〉糖尿病の発症又は糖尿病増悪(頻度不明)。

11.1.7. 〈前立腺癌〉心不全(頻度不明)。

11.1.8. 〈閉経前乳癌〉高カルシウム血症(頻度不明):閉経前乳癌で骨転移のある患者で投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 〈前立腺癌〉

@. 〈前立腺癌〉循環器:(頻度不明)血圧変動(高血圧、低血圧等)[通常、一過性で、治療の継続又は休薬により回復するが、必要に応じて本剤投与中止等の適切な処置を取ること]。

A. 〈前立腺癌〉皮膚:(5%以上)皮膚そう痒感、(5%未満)発疹、(頻度不明)脱毛。

B. 〈前立腺癌〉内分泌:(5%以上)勃起力低下、性欲減退、(頻度不明)乳房腫脹、乳房圧痛。

C. 〈前立腺癌〉泌尿器:(5%未満)排尿困難、(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿。

D. 〈前立腺癌〉肝臓:(5%以上)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、(頻度不明)Al−P上昇、LDH上昇。

E. 〈前立腺癌〉精神神経系:(頻度不明)感覚異常(しびれ等)、幻覚、妄想、気分変調(抑うつ等)。

F. 〈前立腺癌〉消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐。

G. 〈前立腺癌〉筋・骨格系:(頻度不明)骨性疼痛、関節痛、骨塩量低下。

H. 〈前立腺癌〉血液:(5%以上)貧血、(頻度不明)白血球減少、血小板減少。

I. 〈前立腺癌〉注射部位:(頻度不明)注射部位反応(出血、血腫、膿瘍、硬結、疼痛等)。

J. 〈前立腺癌〉その他:(5%以上)体のほてり(20.0%)、トリグリセライド上昇、発汗、コレステロール上昇、(5%未満)食欲不振、浮腫、(頻度不明)倦怠感、顔面潮紅、発熱、体重増加、鼻出血、血糖値上昇、下垂体卒中、下垂体腺腫。

2). 〈閉経前乳癌〉

@. 〈閉経前乳癌〉循環器:(5%未満)血圧変動(高血圧、低血圧等)[通常、一過性で、治療の継続又は休薬により回復するが、必要に応じて本剤投与中止等の適切な処置を取ること]。

A. 〈閉経前乳癌〉皮膚:(5%未満)蕁麻疹、皮膚そう痒感、脱毛、(頻度不明)ざ瘡。

B. 〈閉経前乳癌〉内分泌:(5%以上)ほてり(38.7%)、月経回復遅延、(5%未満)白帯下、性器出血、腟乾燥感、(頻度不明)乳房緊満、性欲減退。

C. 〈閉経前乳癌〉肝臓:(5%未満)ALT上昇、(頻度不明)AST上昇、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。

D. 〈閉経前乳癌〉精神神経系:(5%以上)頭痛、(5%未満)めまい、気分変調(抑うつ等)、頭重感、不眠、感覚異常(しびれ等)、(頻度不明)いらいら感、幻覚、妄想。

E. 〈閉経前乳癌〉消化器:(5%未満)悪心、(頻度不明)嘔吐。

F. 〈閉経前乳癌〉筋・骨格系:(5%以上)関節痛、(5%未満)骨塩量低下、〈閉経前乳癌〉*骨痛[*:骨痛には乳癌随伴症状として本剤投与開始初期にあらわれるものがあるので、異常が認められた場合には対症療法を行うこと]。

G. 〈閉経前乳癌〉血液:(5%未満)白血球減少、血小板減少、(頻度不明)貧血。

H. 〈閉経前乳癌〉注射部位:(5%未満)注射部位反応(出血、血腫、膿瘍、硬結、疼痛等)。

I. 〈閉経前乳癌〉その他:(5%以上)発汗、(5%未満)更年期様症状(肩こり、食欲不振等)、浮腫、体重増加、トリグリセライド上昇、コレステロール上昇、(頻度不明)発熱、倦怠感、鼻出血、卵巣嚢胞、下垂体卒中、下垂体腺腫。

禁忌

2.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

2.2. 授乳中の女性〔9.6授乳婦の項参照〕。

2.3. 本剤の成分又はLH−RH作動薬に対して過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. LH−RH作動薬の投与開始初期に、男性では血中テストステロンの一過性上昇、投与開始初期に、女性では血中エストラジオールの一過性上昇を認める。投与開始初期に骨性疼痛の一過性増悪がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。また、前立腺癌患者において尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられるおそれがあるので、慎重に投与し、投与開始1ヵ月間は十分観察を行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと〔9.1.2参照〕。

8.2. 本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。

8.3. 本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されているので、血管を損傷する可能性の少ない部位を選択すること〔14.2.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 易出血状態の患者(抗凝固剤投与中の患者等):本剤投与の可否を慎重に判断すること(本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されている)。

9.1.2. 〈前立腺癌〉前立腺癌で脊髄圧迫による腎障害又は前立腺癌で尿路閉塞による腎障害を既に呈しているか、又は新たに発生するおそれのある患者〔8.1参照〕。

9.1.3. 〈閉経前乳癌〉閉経前乳癌で骨転移のある患者:投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。

(生殖能を有する者)

生殖能を有する者:治療に際して妊娠していないことを確認すること(また、治療中はホルモン剤以外の避妊法を用いること)〔9.5妊婦の項参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験で流産又は分娩障害が認められており、また他のLH−RH作動薬による流産の報告がある)〔2.1、9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

投与しないこと(動物実験で乳汁移行が報告されている)〔2.2参照〕。

小児等

国内において、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. アルミパウチを開封及び取り出す際に、プランジャー(押棒)は引っ張ると抜けるので開封部付近にプランジャー(押棒)が無いことを確認して開封し、開封部を十分広げた上でプランジャーを引っ張らずに慎重に取り出すこと。

14.1.2. プランジャー(押棒)からクリップを外す際に、注入器本体からプランジャー(押棒)が抜けないようにすること。

14.1.3. 本剤は針刺し事故防止機能付き専用注入器のため、使用前に添付文書の末尾掲載の「投与方法」を確認すること。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 投与時

(1). 必要に応じて投与部位にあらかじめ局所麻酔を施行する。

(2). プランジャー(押棒)を注入器本体の内側までしっかりと押し込み、デポ剤の注入と注射針カバーを作動させること。

(3). 注射針カバーが十分に作動しない場合には、針刺し事故に注意しながら投与部位から注射針を抜くこと。

(4). 使用後は感染防止に留意し、安全な方法で処分すること。

14.2.2. 投与部位

(1). 血管を損傷する可能性の少ない投与部位を慎重に選択すること〔8.3参照〕。

(2). 投与部位は毎回変更し、同一部位への反復投与は行わないこと。

(取扱い上の注意)

本剤は無菌製剤であり、また吸湿性を有するため使用直前まで開封しないこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本薬で抗腫瘍効果が得られず進行を認めた場合は、集学的治療法などの治療法を考慮すること。

15.1.2. 外国において子宮筋腫の患者で、筋腫変性によると考えられる大量の子宮出血、下腹痛等の症状があらわれたとの報告がある。

15.1.3. まれに本剤治療中に閉経し、本剤を中止しても月経が回復しないことがある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

雄ラットに長期投与した試験で、対照群に比し、良性下垂体腺腫の発現の増加がみられている。本所見は外科的に去勢した雄ラットにおいても報告されている。

貯法

(保管上の注意)

凍結を避け、冷所に保存すること。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(投与方法)

投与する前に注入器のチャンバー(透明箇所)内にデポ剤(ゾラデックス)の存在を必ず確認する。

@. アルミパウチから滅菌済みの注入器を取り出す。

注)プランジャー(押棒)は引っ張ると抜けるので、開封部付近にプランジャー(押棒)が無いことを確認して開封し、開封部を十分広げた上で、プランジャーを引っ張らずに慎重に取り出す(添付文書の図1)。

A. 投与する前に注入器のチャンバー(透明箇所)内にデポ剤(ゾラデックス)があることを確かめる(添付文書の図2)。

注)デポ剤はシリンジ内で移動するため、チャンバー(透明箇所)内に一部しか見えない場合がある。

B. 投与部位を消毒する。術創がある場合は術創とは反対側を投与部位に選ぶ。

C. プランジャー(押棒)を固定しているクリップをはずした後に注射針キャップをはずす(添付文書の図3)。

注)この時、絶対にプランジャーを押したり、引っ張って抜いたり、指ではじいたりしないように注意する(空気抜きの必要はない)。

D. 下腹部の皮下をつまみ上げ注射針の切り口を上向きにして、皮下組織にシリンジ部分が患者に触れるぐらいの深さまで注射針を30〜40度の角度で速やかに穿刺する。投与に際しては、針先が腹筋や腹膜に到達しないよう、特に術創がある場合や皮下脂肪の少ない場合には血管損傷に注意する(穿刺は血管走行と同じ縦方向にすると出血が少なくてすむ)(添付文書の図4)。

E. プランジャー(押棒)を注入器本体の内側までしっかりと押し込みデポ剤を注入する。プランジャー(押棒)の先端が注射針の針先より突出し、更に注射針カバーが作動して針刺し事故を防止する(添付文書の図5)。

F. 投与終了後注射針を抜くと、注射針カバーが針先を覆う(添付文書の図6)。

注)注射針カバーが十分に作動しない場合には、針刺し事故に注意しながら投与部位から注射針を抜き、安全な方法で処理する(注射針カバーが作動しない場合でもデポ剤の注入は完了している)。

G. 投与部位は止血確認後に滅菌テープなどで保護する。なお、出血を認める場合は、適切な止血処置を確実に行う(添付文書の図7)。

ゾラデックスLA10.8mgデポ
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抗悪性腫瘍薬 > 黄体形成ホルモン放出ホルモン (LH−RH) 誘導体
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一般名ゴセレリン酢酸塩キット
薬価37821
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最終更新
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用法・用量

通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして10.8mg含有)を前腹部に12〜13週ごとに1回皮下投与する。

効能・効果

1). 前立腺癌。

2). 閉経前乳癌。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

〈閉経前乳癌〉本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しないこと。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 〈効能共通〉アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー等の過敏症状があらわれることがある。

11.1.2. 〈効能共通〉間質性肺炎(頻度不明)。

11.1.3. 〈効能共通〉肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.1.4. 〈効能共通〉血栓塞栓症(頻度不明):心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症があらわれることがある。

11.1.5. 〈前立腺癌〉前立腺癌随伴症状の増悪(頻度不明):本剤投与開始初期に骨性疼痛、尿路閉塞、排尿困難、脊髄圧迫等があらわれることがある〔8.1、9.1.2参照〕。

11.1.6. 〈前立腺癌〉糖尿病の発症又は糖尿病増悪(頻度不明)。

11.1.7. 〈前立腺癌〉心不全(頻度不明)。

11.1.8. 〈閉経前乳癌〉高カルシウム血症(頻度不明):閉経前乳癌で骨転移のある患者で投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 〈前立腺癌〉

@. 〈前立腺癌〉循環器:(頻度不明)血圧変動(高血圧、低血圧等)[通常、一過性で、治療の継続又は休薬により回復するが、必要に応じて本剤投与中止等の適切な処置を取ること]。

A. 〈前立腺癌〉皮膚:(5%以上)皮膚そう痒感、(5%未満)発疹、(頻度不明)脱毛。

B. 〈前立腺癌〉内分泌:(5%以上)勃起力低下、性欲減退、(頻度不明)乳房腫脹、乳房圧痛。

C. 〈前立腺癌〉泌尿器:(5%未満)排尿困難、(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿。

D. 〈前立腺癌〉肝臓:(5%以上)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、(頻度不明)Al−P上昇、LDH上昇。

E. 〈前立腺癌〉精神神経系:(頻度不明)感覚異常(しびれ等)、幻覚、妄想、気分変調(抑うつ等)。

F. 〈前立腺癌〉消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐。

G. 〈前立腺癌〉筋・骨格系:(頻度不明)骨性疼痛、関節痛、骨塩量低下。

H. 〈前立腺癌〉血液:(5%以上)貧血、(頻度不明)白血球減少、血小板減少。

I. 〈前立腺癌〉注射部位:(頻度不明)注射部位反応(出血、血腫、膿瘍、硬結、疼痛等)。

J. 〈前立腺癌〉その他:(5%以上)体のほてり(20.0%)、トリグリセライド上昇、発汗、コレステロール上昇、(5%未満)食欲不振、浮腫、(頻度不明)倦怠感、顔面潮紅、発熱、体重増加、鼻出血、血糖値上昇、下垂体卒中、下垂体腺腫。

2). 〈閉経前乳癌〉

@. 〈閉経前乳癌〉循環器:(5%未満)血圧変動(高血圧、低血圧等)[通常、一過性で、治療の継続又は休薬により回復するが、必要に応じて本剤投与中止等の適切な処置を取ること]。

A. 〈閉経前乳癌〉皮膚:(5%未満)蕁麻疹、皮膚そう痒感、脱毛、(頻度不明)ざ瘡。

B. 〈閉経前乳癌〉内分泌:(5%以上)ほてり(38.7%)、月経回復遅延、(5%未満)白帯下、性器出血、腟乾燥感、(頻度不明)乳房緊満、性欲減退。

C. 〈閉経前乳癌〉肝臓:(5%未満)ALT上昇、(頻度不明)AST上昇、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。

D. 〈閉経前乳癌〉精神神経系:(5%以上)頭痛、(5%未満)めまい、気分変調(抑うつ等)、頭重感、不眠、感覚異常(しびれ等)、(頻度不明)いらいら感、幻覚、妄想。

E. 〈閉経前乳癌〉消化器:(5%未満)悪心、(頻度不明)嘔吐。

F. 〈閉経前乳癌〉筋・骨格系:(5%以上)関節痛、(5%未満)骨塩量低下、〈閉経前乳癌〉*骨痛[*:骨痛には乳癌随伴症状として本剤投与開始初期にあらわれるものがあるので、異常が認められた場合には対症療法を行うこと]。

G. 〈閉経前乳癌〉血液:(5%未満)白血球減少、血小板減少、(頻度不明)貧血。

H. 〈閉経前乳癌〉注射部位:(5%未満)注射部位反応(出血、血腫、膿瘍、硬結、疼痛等)。

I. 〈閉経前乳癌〉その他:(5%以上)発汗、(5%未満)更年期様症状(肩こり、食欲不振等)、浮腫、体重増加、トリグリセライド上昇、コレステロール上昇、(頻度不明)発熱、倦怠感、鼻出血、卵巣嚢胞、下垂体卒中、下垂体腺腫。

禁忌

2.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

2.2. 授乳中の女性〔9.6授乳婦の項参照〕。

2.3. 本剤の成分又はLH−RH作動薬に対して過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. LH−RH作動薬の投与開始初期に、男性では血中テストステロンの一過性上昇、投与開始初期に、女性では血中エストラジオールの一過性上昇を認める。投与開始初期に骨性疼痛の一過性増悪がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。また、前立腺癌患者において尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられるおそれがあるので、慎重に投与し、投与開始1ヵ月間は十分観察を行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと〔9.1.2参照〕。

8.2. 本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。

8.3. 本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されているので、血管を損傷する可能性の少ない部位を選択すること〔14.2.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 易出血状態の患者(抗凝固剤投与中の患者等):本剤投与の可否を慎重に判断すること(本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されている)。

9.1.2. 〈前立腺癌〉前立腺癌で脊髄圧迫による腎障害又は前立腺癌で尿路閉塞による腎障害を既に呈しているか、又は新たに発生するおそれのある患者〔8.1参照〕。

9.1.3. 〈閉経前乳癌〉閉経前乳癌で骨転移のある患者:投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。

(生殖能を有する者)

生殖能を有する者:治療に際して妊娠していないことを確認すること(また、治療中はホルモン剤以外の避妊法を用いること)〔9.5妊婦の項参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験で流産又は分娩障害が認められており、また他のLH−RH作動薬による流産の報告がある)〔2.1、9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

投与しないこと(動物実験で乳汁移行が報告されている)〔2.2参照〕。

小児等

国内において、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. アルミパウチを開封及び取り出す際に、プランジャー(押棒)は引っ張ると抜けるので開封部付近にプランジャー(押棒)が無いことを確認して開封し、開封部を十分広げた上でプランジャーを引っ張らずに慎重に取り出すこと。

14.1.2. プランジャー(押棒)からクリップを外す際に、注入器本体からプランジャー(押棒)が抜けないようにすること。

14.1.3. 本剤は針刺し事故防止機能付き専用注入器のため、使用前に添付文書の末尾掲載の「投与方法」を確認すること。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 投与時

(1). 必要に応じて投与部位にあらかじめ局所麻酔を施行する。

(2). プランジャー(押棒)を注入器本体の内側までしっかりと押し込み、デポ剤の注入と注射針カバーを作動させること。

(3). 注射針カバーが十分に作動しない場合には、針刺し事故に注意しながら投与部位から注射針を抜くこと。

(4). 使用後は感染防止に留意し、安全な方法で処分すること。

14.2.2. 投与部位

(1). 血管を損傷する可能性の少ない投与部位を慎重に選択すること〔8.3参照〕。

(2). 投与部位は毎回変更し、同一部位への反復投与は行わないこと。

(取扱い上の注意)

本剤は無菌製剤であり、また吸湿性を有するため使用直前まで開封しないこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本薬で抗腫瘍効果が得られず進行を認めた場合は、集学的治療法などの治療法を考慮すること。

15.1.2. 外国において子宮筋腫の患者で、筋腫変性によると考えられる大量の子宮出血、下腹痛等の症状があらわれたとの報告がある。

15.1.3. まれに本剤治療中に閉経し、本剤を中止しても月経が回復しないことがある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

雄ラットに長期投与した試験で、対照群に比し、良性下垂体腺腫の発現の増加がみられている。本所見は外科的に去勢した雄ラットにおいても報告されている。

貯法

(保管上の注意)

凍結を避け、冷所に保存すること。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(投与方法)

投与する前に注入器のチャンバー(透明箇所)内にデポ剤(ゾラデックス)の存在を必ず確認する。

@. アルミパウチから滅菌済みの注入器を取り出す。

注)プランジャー(押棒)は引っ張ると抜けるので、開封部付近にプランジャー(押棒)が無いことを確認して開封し、開封部を十分広げた上で、プランジャーを引っ張らずに慎重に取り出す(添付文書の図1)。

A. 投与する前に注入器のチャンバー(透明箇所)内にデポ剤(ゾラデックス)があることを確かめる(添付文書の図2)。

注)デポ剤はシリンジ内で移動するため、チャンバー(透明箇所)内に一部しか見えない場合がある。

B. 投与部位を消毒する。術創がある場合は術創とは反対側を投与部位に選ぶ。

C. プランジャー(押棒)を固定しているクリップをはずした後に注射針キャップをはずす(添付文書の図3)。

注)この時、絶対にプランジャーを押したり、引っ張って抜いたり、指ではじいたりしないように注意する(空気抜きの必要はない)。

D. 下腹部の皮下をつまみ上げ注射針の切り口を上向きにして、皮下組織にシリンジ部分が患者に触れるぐらいの深さまで注射針を30〜40度の角度で速やかに穿刺する。投与に際しては、針先が腹筋や腹膜に到達しないよう、特に術創がある場合や皮下脂肪の少ない場合には血管損傷に注意する(穿刺は血管走行と同じ縦方向にすると出血が少なくてすむ)(添付文書の図4)。

E. プランジャー(押棒)を注入器本体の内側までしっかりと押し込みデポ剤を注入する。プランジャー(押棒)の先端が注射針の針先より突出し、更に注射針カバーが作動して針刺し事故を防止する(添付文書の図5)。

F. 投与終了後注射針を抜くと、注射針カバーが針先を覆う(添付文書の図6)。

注)注射針カバーが十分に作動しない場合には、針刺し事故に注意しながら投与部位から注射針を抜き、安全な方法で処理する(注射針カバーが作動しない場合でもデポ剤の注入は完了している)。

G. 投与部位は止血確認後に滅菌テープなどで保護する。なお、出血を認める場合は、適切な止血処置を確実に行う(添付文書の図7)。

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