薬効分類 | ヨード造影剤 |
一般名 | イオベルソール注射液 |
薬価 | 5520円 |
メーカー | ゲルベ・ジャパン |
最終更新 | 2023年09月改訂(第1版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、成人1回次記量を使用する。なお、年齢、体重、症状、目的により適宜増減する。
1). 血管心臓撮影:
@. 心腔内撮影:20〜40mL。
A. 冠状動脈撮影:3〜8mL。
2). 大動脈撮影:30〜50mL。
3). 選択的血管撮影:5〜60mL。
4). 腹部のコンピューター断層撮影における造影:90〜150mL(体重に応じて1.71mL/kgを静脈内投与する。1回量は150mLを超えないこと)。
血管心臓撮影、大動脈撮影、選択的血管撮影、腹部コンピューター断層撮影における造影。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明):ショック(遅発性ショックを含む)を起こし、失神、意識消失、呼吸困難、呼吸停止、心停止等の症状があらわれることがある。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展する場合がある〔1.1、8.1−8.5、9.1.8、9.1.9参照〕。
11.1.2. アナフィラキシー(頻度不明):呼吸困難、咽頭浮腫・喉頭浮腫等のアナフィラキシー(遅発性アナフィラキシーを含む)があらわれることがある〔1.1、8.1−8.5、9.1.8、9.1.9参照〕。
11.1.3. 心室細動、冠動脈れん縮(いずれも頻度不明)。
11.1.4. 腎不全(頻度不明):急性腎障害があらわれることがある〔8.6、9.1.5、9.1.10、9.1.13、9.2.1、9.2.2参照〕。
11.1.5. 肺水腫(頻度不明)。
11.1.6. 失神(意識消失等)(頻度不明)。
11.1.7. けいれん発作(頻度不明):発現した場合には、フェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。
11.1.8. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝機能障害(AST異常(GOT異常)、ALT異常(GPT異常)、γ−GTP異常等)、黄疸があらわれることがある〔9.3.1、9.3.2参照〕。
11.1.9. 血小板減少(頻度不明)。
11.1.10. 脳血管障害(頻度不明):脳血管障害(脳梗塞増悪等)があらわれることがある。
11.1.11. 皮膚障害(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、小膿疱、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
11.1.12. 造影剤脳症(頻度不明):脳血管撮影、血管心臓撮影、大動脈撮影において、本剤が脳血管外に漏出し、意識障害、麻痺、失語、皮質盲等の中枢神経症状があらわれることがあるので投与量は必要最小限とし、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
次のような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒感、発赤、(0.1%未満)湿疹、じん麻疹、(頻度不明)潮紅、発汗等。
2). 循環器:(0.1%未満)血圧低下、(頻度不明)徐脈、頻脈、血圧上昇、心悸亢進、不整脈、顔面蒼白等。
3). 呼吸器:(0.1%未満)くしゃみ、(頻度不明)せき、鼻閉、呼吸困難、嗄声、鼻汁、咽頭異和感・喉頭異和感、喉頭浮腫、喘息発作等。
4). 精神神経系:(0.1〜5%未満)頭痛、(0.1%未満)ねむけ、上肢脱力、(頻度不明)耳鳴、めまい、振戦、失見当識、しびれ(しびれ感)、一過性盲等の視力障害等。
5). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、嘔吐、(0.1%未満)上腹部痛、腹痛、下痢等。
6). 腎臓:(0.1%未満)尿中蛋白陽性等、(頻度不明)BUN上昇・クレアチニン上昇。
7). 内分泌系:(頻度不明)甲状腺機能低下症。
8). その他:(0.1%未満)腫脹、胸部痛、注射部位漏出、血中尿酸増加等、(頻度不明)浮腫、胸部絞扼感、悪寒、熱感、味覚異常・嗅覚異常、発熱、結膜充血、けん怠感等。
1.1. ショック等の重篤な副作用があらわれることがある〔8.1−8.5、9.1.8、9.1.9、11.1.1、11.1.2参照〕。
1.2. 本剤を脳・脊髄腔内に投与すると重篤な副作用が発現するおそれがあるので、脳槽・脊髄造影には使用しないこと〔14.3.1参照〕。
2.1. ヨードに過敏症又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者〔8.1参照〕。
2.2. 重篤な甲状腺疾患のある患者[甲状腺機能に変化を及ぼし、症状が悪化するおそれがある]〔9.1.14参照〕。
8.1. ショック等の発現に備え、十分な問診を行うこと〔1.1、2.1、9.1.8、9.1.9、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. 投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応を示すことがある(本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと)〔1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.3. 投与にあたっては、投与開始時より患者の状態を観察しながら、過敏反応の発現に注意し、慎重に投与すること(また、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと)〔1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.4. 重篤な遅発性副作用(遅発性ショックを含む)等があらわれることがあるので、投与中及び投与後も、患者の状態を十分に観察すること〔1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.5. 外来患者に使用する場合には、本剤投与開始より1時間〜数日後にも遅発性副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で、発疹、浮腫・腫脹、じん麻疹、そう痒感、嘔気、嘔吐、血圧低下等の副作用と思われる症状が発現した場合には、速やかに主治医に連絡するように指示するなど適切な対応をとること〔1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.6. ヨード造影剤の投与により腎機能低下があらわれるおそれがあるので、適切な水分補給を行うこと〔9.1.5、9.1.10、9.1.13、9.1.15、9.2.1、9.2.2、11.1.4、14.1.1、14.4.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 一般状態の極度に悪い患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2. 気管支喘息のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(副作用の発現頻度が高いとの報告がある)。
9.1.3. 重篤な心障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(本剤投与により、血圧低下、不整脈、徐脈、頻脈等の報告があり、症状が悪化するおそれがある)。
9.1.4. マクログロブリン血症の患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(類薬において、静脈性胆嚢造影で血液のゼラチン様変化をきたし、死亡したとの報告がある)。
9.1.5. 多発性骨髄腫のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(特に多発性骨髄腫で脱水症状のある場合、腎不全(無尿等)を起こすおそれがある)〔8.6、11.1.4参照〕。
9.1.6. テタニーのある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(血中カルシウムの低下により、症状が悪化するおそれがある)。
9.1.7. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(やむを得ず検査を実施する場合には静脈確保の上、フェントラミンメシル酸塩等のα遮断薬及びプロプラノロール塩酸塩等のβ遮断薬の十分な量を用意するなど、これらの発作に対処できるよう十分な準備を行い、慎重に投与すること)、血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作が起こるおそれがある。
9.1.8. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じん麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者〔1.1、8.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
9.1.9. 薬物過敏症の既往歴のある患者〔1.1、8.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
9.1.10. 脱水症状のある患者:急性腎障害を起こすおそれがある〔8.6、11.1.4参照〕。
9.1.11. 高血圧症の患者:血圧上昇等、症状が悪化するおそれがある。
9.1.12. 動脈硬化のある患者:心、循環器系に影響を及ぼすことがある。
9.1.13. 糖尿病の患者:急性腎障害を起こすおそれがある〔8.6、11.1.4参照〕。
9.1.14. 甲状腺疾患<重篤な甲状腺疾患を除く>のある患者:甲状腺機能に変化を及ぼし、症状が悪化するおそれがある〔2.2参照〕。
9.1.15. 急性膵炎の患者:本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと(症状が悪化するおそれがある)〔8.6、14.1.1、14.4.1参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎障害(無尿等)のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり、腎機能低下患者では急性腎障害等、症状が悪化するおそれがある)〔8.6、11.1.4参照〕。
9.2.2. 腎機能低下している患者:腎機能が悪化するおそれがある〔8.6、11.1.4参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が悪化するおそれがある)〔11.1.8参照〕。
9.3.2. 肝機能低下している患者:肝機能が悪化するおそれがある〔11.1.8参照〕。
10.2. 併用注意:
ビグアナイド系糖尿病用薬(メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩等)[X線ヨード造影剤との併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、本剤を使用する場合には、ビグアナイド系糖尿病用薬を一時的に中止する等処置を行う(ビグアナイド系糖尿病用薬の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている)]。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤投与の際にはX線照射をともなう)。
(授乳婦)
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット、静脈内投与)において乳汁中への移行が報告されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
甲状腺機能検査等の放射性ヨードによる診断が必要な場合には、本剤投与前に実施すること。また、本剤投与後1ヵ月間は放射性ヨードによる検査を実施しないこと。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与前の注意
14.1.1. 投与前には極端な水分制限をしないこと〔8.6、9.1.15参照〕。
14.1.2. 投与前に体温まで温めること。
14.2. 薬剤調製時の注意
次の薬剤を混和した場合、白濁することがあるので混和しないこと:モノエタノールアミンオレイン酸塩注、エタノール。
14.3. 薬剤投与時の注意
14.3.1. 脳槽及び脊髄造影には使用しないこと〔1.2参照〕。
14.3.2. 本剤は、製剤により効能・効果、また撮影の種類により用法・用量が異なるので、製剤濃度、注入部位、注入量及び注入速度など投与方法に注意すること。
14.3.3. 次の薬剤は配合変化を起こす場合があるので、併用する場合は別々に使用すること:抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤。
14.3.4. 非イオン性造影剤の血液凝固抑制作用は、イオン性造影剤に比較して弱いことがin vitro試験で認められているので、本剤による血管撮影にあたってはカテーテル内をよくフラッシュし、また、本剤注入に際し注入器あるいはカテーテル内で血液と本剤との接触が長時間に及ぶことを避けること。
14.3.5. 誤って造影剤を血管外に漏出させた場合、発赤、腫脹、水疱、血管痛等があらわれることがあるので、注入時には十分注意すること。
14.3.6. 注入装置の洗浄が不十分な場合には、注入器内部に付着する残存液に由来する銅イオン溶出等によって、生成物を生じるおそれがあるので、使い捨て以外の器具を用いる場合には内部の汚れに注意し、洗浄、滅菌を十分に行うこと。
14.3.7. 静脈内投与により血管痛、血栓性静脈炎があらわれることがある。
14.4. 薬剤投与後の注意
14.4.1. 投与後も水分の補給を行い、造影剤の速やかな排泄を促すこと〔8.6、9.1.15参照〕。
14.4.2. 1回の検査にのみ使用し、容器の再使用はしないこと(余剰の薬液は廃棄すること)。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光にて保存すること。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | ヨード造影剤 |
一般名 | イオベルソール注射液 |
薬価 | 5520円 |
メーカー | ゲルベ・ジャパン |
最終更新 | 2023年09月改訂(第1版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、成人1回次記量を使用する。なお、年齢、体重、症状、目的により適宜増減する。
1). 血管心臓撮影:
@. 心腔内撮影:20〜40mL。
A. 冠状動脈撮影:3〜8mL。
2). 大動脈撮影:30〜50mL。
3). 選択的血管撮影:5〜60mL。
4). 腹部のコンピューター断層撮影における造影:90〜150mL(体重に応じて1.71mL/kgを静脈内投与する。1回量は150mLを超えないこと)。
血管心臓撮影、大動脈撮影、選択的血管撮影、腹部コンピューター断層撮影における造影。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明):ショック(遅発性ショックを含む)を起こし、失神、意識消失、呼吸困難、呼吸停止、心停止等の症状があらわれることがある。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展する場合がある〔1.1、8.1−8.5、9.1.8、9.1.9参照〕。
11.1.2. アナフィラキシー(頻度不明):呼吸困難、咽頭浮腫・喉頭浮腫等のアナフィラキシー(遅発性アナフィラキシーを含む)があらわれることがある〔1.1、8.1−8.5、9.1.8、9.1.9参照〕。
11.1.3. 心室細動、冠動脈れん縮(いずれも頻度不明)。
11.1.4. 腎不全(頻度不明):急性腎障害があらわれることがある〔8.6、9.1.5、9.1.10、9.1.13、9.2.1、9.2.2参照〕。
11.1.5. 肺水腫(頻度不明)。
11.1.6. 失神(意識消失等)(頻度不明)。
11.1.7. けいれん発作(頻度不明):発現した場合には、フェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。
11.1.8. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝機能障害(AST異常(GOT異常)、ALT異常(GPT異常)、γ−GTP異常等)、黄疸があらわれることがある〔9.3.1、9.3.2参照〕。
11.1.9. 血小板減少(頻度不明)。
11.1.10. 脳血管障害(頻度不明):脳血管障害(脳梗塞増悪等)があらわれることがある。
11.1.11. 皮膚障害(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、小膿疱、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
11.1.12. 造影剤脳症(頻度不明):脳血管撮影、血管心臓撮影、大動脈撮影において、本剤が脳血管外に漏出し、意識障害、麻痺、失語、皮質盲等の中枢神経症状があらわれることがあるので投与量は必要最小限とし、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
次のような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒感、発赤、(0.1%未満)湿疹、じん麻疹、(頻度不明)潮紅、発汗等。
2). 循環器:(0.1%未満)血圧低下、(頻度不明)徐脈、頻脈、血圧上昇、心悸亢進、不整脈、顔面蒼白等。
3). 呼吸器:(0.1%未満)くしゃみ、(頻度不明)せき、鼻閉、呼吸困難、嗄声、鼻汁、咽頭異和感・喉頭異和感、喉頭浮腫、喘息発作等。
4). 精神神経系:(0.1〜5%未満)頭痛、(0.1%未満)ねむけ、上肢脱力、(頻度不明)耳鳴、めまい、振戦、失見当識、しびれ(しびれ感)、一過性盲等の視力障害等。
5). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、嘔吐、(0.1%未満)上腹部痛、腹痛、下痢等。
6). 腎臓:(0.1%未満)尿中蛋白陽性等、(頻度不明)BUN上昇・クレアチニン上昇。
7). 内分泌系:(頻度不明)甲状腺機能低下症。
8). その他:(0.1%未満)腫脹、胸部痛、注射部位漏出、血中尿酸増加等、(頻度不明)浮腫、胸部絞扼感、悪寒、熱感、味覚異常・嗅覚異常、発熱、結膜充血、けん怠感等。
1.1. ショック等の重篤な副作用があらわれることがある〔8.1−8.5、9.1.8、9.1.9、11.1.1、11.1.2参照〕。
1.2. 本剤を脳・脊髄腔内に投与すると重篤な副作用が発現するおそれがあるので、脳槽・脊髄造影には使用しないこと〔14.3.1参照〕。
2.1. ヨードに過敏症又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者〔8.1参照〕。
2.2. 重篤な甲状腺疾患のある患者[甲状腺機能に変化を及ぼし、症状が悪化するおそれがある]〔9.1.14参照〕。
8.1. ショック等の発現に備え、十分な問診を行うこと〔1.1、2.1、9.1.8、9.1.9、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. 投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応を示すことがある(本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと)〔1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.3. 投与にあたっては、投与開始時より患者の状態を観察しながら、過敏反応の発現に注意し、慎重に投与すること(また、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと)〔1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.4. 重篤な遅発性副作用(遅発性ショックを含む)等があらわれることがあるので、投与中及び投与後も、患者の状態を十分に観察すること〔1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.5. 外来患者に使用する場合には、本剤投与開始より1時間〜数日後にも遅発性副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で、発疹、浮腫・腫脹、じん麻疹、そう痒感、嘔気、嘔吐、血圧低下等の副作用と思われる症状が発現した場合には、速やかに主治医に連絡するように指示するなど適切な対応をとること〔1.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.6. ヨード造影剤の投与により腎機能低下があらわれるおそれがあるので、適切な水分補給を行うこと〔9.1.5、9.1.10、9.1.13、9.1.15、9.2.1、9.2.2、11.1.4、14.1.1、14.4.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 一般状態の極度に悪い患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2. 気管支喘息のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(副作用の発現頻度が高いとの報告がある)。
9.1.3. 重篤な心障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(本剤投与により、血圧低下、不整脈、徐脈、頻脈等の報告があり、症状が悪化するおそれがある)。
9.1.4. マクログロブリン血症の患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(類薬において、静脈性胆嚢造影で血液のゼラチン様変化をきたし、死亡したとの報告がある)。
9.1.5. 多発性骨髄腫のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(特に多発性骨髄腫で脱水症状のある場合、腎不全(無尿等)を起こすおそれがある)〔8.6、11.1.4参照〕。
9.1.6. テタニーのある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(血中カルシウムの低下により、症状が悪化するおそれがある)。
9.1.7. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(やむを得ず検査を実施する場合には静脈確保の上、フェントラミンメシル酸塩等のα遮断薬及びプロプラノロール塩酸塩等のβ遮断薬の十分な量を用意するなど、これらの発作に対処できるよう十分な準備を行い、慎重に投与すること)、血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作が起こるおそれがある。
9.1.8. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じん麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者〔1.1、8.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
9.1.9. 薬物過敏症の既往歴のある患者〔1.1、8.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
9.1.10. 脱水症状のある患者:急性腎障害を起こすおそれがある〔8.6、11.1.4参照〕。
9.1.11. 高血圧症の患者:血圧上昇等、症状が悪化するおそれがある。
9.1.12. 動脈硬化のある患者:心、循環器系に影響を及ぼすことがある。
9.1.13. 糖尿病の患者:急性腎障害を起こすおそれがある〔8.6、11.1.4参照〕。
9.1.14. 甲状腺疾患<重篤な甲状腺疾患を除く>のある患者:甲状腺機能に変化を及ぼし、症状が悪化するおそれがある〔2.2参照〕。
9.1.15. 急性膵炎の患者:本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと(症状が悪化するおそれがある)〔8.6、14.1.1、14.4.1参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎障害(無尿等)のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり、腎機能低下患者では急性腎障害等、症状が悪化するおそれがある)〔8.6、11.1.4参照〕。
9.2.2. 腎機能低下している患者:腎機能が悪化するおそれがある〔8.6、11.1.4参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が悪化するおそれがある)〔11.1.8参照〕。
9.3.2. 肝機能低下している患者:肝機能が悪化するおそれがある〔11.1.8参照〕。
10.2. 併用注意:
ビグアナイド系糖尿病用薬(メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩等)[X線ヨード造影剤との併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、本剤を使用する場合には、ビグアナイド系糖尿病用薬を一時的に中止する等処置を行う(ビグアナイド系糖尿病用薬の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている)]。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤投与の際にはX線照射をともなう)。
(授乳婦)
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット、静脈内投与)において乳汁中への移行が報告されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
甲状腺機能検査等の放射性ヨードによる診断が必要な場合には、本剤投与前に実施すること。また、本剤投与後1ヵ月間は放射性ヨードによる検査を実施しないこと。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与前の注意
14.1.1. 投与前には極端な水分制限をしないこと〔8.6、9.1.15参照〕。
14.1.2. 投与前に体温まで温めること。
14.2. 薬剤調製時の注意
次の薬剤を混和した場合、白濁することがあるので混和しないこと:モノエタノールアミンオレイン酸塩注、エタノール。
14.3. 薬剤投与時の注意
14.3.1. 脳槽及び脊髄造影には使用しないこと〔1.2参照〕。
14.3.2. 本剤は、製剤により効能・効果、また撮影の種類により用法・用量が異なるので、製剤濃度、注入部位、注入量及び注入速度など投与方法に注意すること。
14.3.3. 次の薬剤は配合変化を起こす場合があるので、併用する場合は別々に使用すること:抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤。
14.3.4. 非イオン性造影剤の血液凝固抑制作用は、イオン性造影剤に比較して弱いことがin vitro試験で認められているので、本剤による血管撮影にあたってはカテーテル内をよくフラッシュし、また、本剤注入に際し注入器あるいはカテーテル内で血液と本剤との接触が長時間に及ぶことを避けること。
14.3.5. 誤って造影剤を血管外に漏出させた場合、発赤、腫脹、水疱、血管痛等があらわれることがあるので、注入時には十分注意すること。
14.3.6. 注入装置の洗浄が不十分な場合には、注入器内部に付着する残存液に由来する銅イオン溶出等によって、生成物を生じるおそれがあるので、使い捨て以外の器具を用いる場合には内部の汚れに注意し、洗浄、滅菌を十分に行うこと。
14.3.7. 静脈内投与により血管痛、血栓性静脈炎があらわれることがある。
14.4. 薬剤投与後の注意
14.4.1. 投与後も水分の補給を行い、造影剤の速やかな排泄を促すこと〔8.6、9.1.15参照〕。
14.4.2. 1回の検査にのみ使用し、容器の再使用はしないこと(余剰の薬液は廃棄すること)。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光にて保存すること。
(保管上の注意)
室温保存。
薬剤写真、用法用量、効能効果や後発品の情報が一度に参照でき、関連情報へ簡単にアクセスができます。
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※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。