薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > 抗腫瘍性抗生物質
一般名ピラルビシン塩酸塩注射用
薬価8869
メーカーMeijiSeikaファルマ
最終更新2011年04月改訂(第4版)

用法・用量

1.注射液の調製:本剤のバイアルに5%ブドウ糖注射液、注射用水又は生理食塩液10mLを加えて溶解する。

2.投与方法:投与は疾患別に次記の方法に準じて行う。

1).静脈内注射の場合:頭頚部癌は3法又は4法を、乳癌及び胃癌は1法又は3法を、卵巣癌及び子宮癌は1法を、尿路上皮癌は1法又は2法を、急性白血病は5法を、悪性リンパ腫は1法又は4法を標準的用法・用量として選択する。

(1).1法(3〜4週1回法)[乳癌、胃癌、卵巣癌、子宮癌、尿路上皮癌、悪性リンパ腫]:ピラルビシンとして、1日1回、40〜60mg(25〜40mg/㎡)(力価)を投与し、3〜4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。

(2).2法(3〜4週2回法)[尿路上皮癌]:ピラルビシンとして、1日1回、30〜40mg(20〜25mg/㎡)(力価)を2日間連日投与し、3〜4週間休薬する。

これを1クールとし、投与を繰り返す。

(3).3法(週1回法)[頭頚部癌、乳癌、胃癌]:ピラルビシンとして、1日1回、20〜40mg(14〜25mg/㎡)(力価)を1週間間隔で2〜3回投与し、3〜4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。

(4).4法(連日法)[頭頚部癌、悪性リンパ腫]:ピラルビシンとして、1日1回、10〜20mg(7〜14mg/㎡)(力価)を3〜5日間連日投与し、3〜4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。

(5).5法(連日法)[急性白血病]:ピラルビシンとして、1日1回、10〜30mg(7〜20mg/㎡)(力価)を5日間連日投与する。骨髄機能が回復するまで休薬し、投与を繰り返す。

2).動脈内注射による頭頚部癌、膀胱癌の場合:ピラルビシンとして、1日1回、10〜20mg(7〜14mg/㎡)(力価)を連日又は隔日に5〜10回投与する。

3).膀胱内注入による膀胱癌の場合:カテーテルを用いて導尿した後、ピラルビシンとして、1日1回、15〜30mg(力価)を500〜1000μg(力価)/mLの溶液として週3回、各1〜2時間膀胱内把持する。これを1クールとし、2〜3クール繰り返す。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

次記疾患の自覚的・他覚的症状の緩解並びに改善:頭頚部癌、乳癌、胃癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂腫瘍・尿管腫瘍)、卵巣癌、子宮癌、急性白血病、悪性リンパ腫。

副作用

承認時(823例)及び市販後使用成績調査(4,563例)の結果は次のとおりであった(注射用テラルビシンの再審査終了時)。

1.静脈内投与:調査症例3,591例中副作用が報告されたのは71.18%であり、主な副作用は、白血球減少50.40%、血小板減少14.48%等の骨髄抑制と食欲不振36.40%、悪心31.89%、嘔吐23.56%等の消化管障害であり、その他脱毛21.50%、全身倦怠18.07%等であった。

2.動脈内投与:調査症例460例中副作用が報告されたのは、56.74%であり、主な副作用は、白血球減少31.96%等の骨髄抑制と食欲不振24.13%、悪心23.04%、嘔吐15.43%等の消化管障害であり、その他脱毛16.74%、全身倦怠12.61%等であった。

3.膀胱内注入:調査症例1,233例中副作用が報告されたのは、26.20%であり、主な副作用は、排尿痛18.17%、頻尿17.36%等の膀胱刺激症状であった。

重大な副作用

1.重大な副作用

1).心筋障害(0.1〜5%未満)更に心不全(0.1%未満)等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は投与を中止する。また、総投与量が950mg/㎡(体表面積)を超えるとうっ血性心不全を起こすことが多くなるので、十分に注意する(特に他のアントラサイクリン系薬剤投与後症例(ダウノルビシン、ドキソルビシン、アクラルビシン、エピルビシン等)への本剤の投与には、十分注意する)。

2).汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少(5%以上)、出血傾向(0.1〜5%未満)等の骨髄抑制が現れることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行う。

3).ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

4).発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線像異常等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

5).膀胱内注入療法によって萎縮膀胱(0.1〜5%未満)が現れることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用

1).心臓:(0.1〜5%未満)心電図異常、頻脈、不整脈。

2).肝臓:(5%以上)肝障害(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇等)。

3).腎臓:(0.1〜5%未満)腎障害(蛋白尿、BUN上昇、クレアチニン上昇等)。

4).消化器:(5%以上)食欲不振、悪心・嘔吐、口内炎、(0.1〜5%未満)下痢、腹痛、(0.1%未満)消化管出血、*イレウス[*:異常が認められた場合には、投与を中止する]、便秘。

5).皮膚:(5%以上)脱毛、(0.1〜5%未満)皮膚色素沈着。

6).精神神経系:(5%以上)全身倦怠、(0.1〜5%未満)頭痛、眩暈、しびれ。

7).泌尿器:(5%以上)膀胱内注入療法時の頻尿、排尿痛、血尿等の膀胱刺激症状、(0.1〜5%未満)排尿痛、血尿、(0.1%未満)膀胱内注入療法時の排尿障害。

8).過敏症:(0.1〜5%未満)発疹等の過敏症状、(0.1%未満)皮膚炎。

9).その他:(5%以上)発熱、(0.1〜5%未満)感染症、胸痛、浮腫、動悸、息切れ、血清総蛋白減少、電解質異常、味覚異常、(0.1%未満)顔面潮紅、耳鳴。

禁忌

1.心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害が現れることがある]。

2.本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。

3.他のアントラサイクリン系薬剤による前治療が限界量等心毒性を有する薬剤による前治療が限界量(ドキソルビシン塩酸塩では総投与量が体表面積当り500mg/㎡、ダウノルビシン塩酸塩では総投与量が体重当り25mg/kg等)に達している患者[心筋障害が現れることがある]。

慎重投与

1.肝障害のある患者[副作用が強く現れる恐れがある]。

2.腎障害のある患者[副作用が強く現れる恐れがある]。

3.骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制を増悪させる恐れがある]。

4.感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により感染を増悪させる恐れがある]。

5.高齢者。

6.水痘患者[致命的全身障害が現れる恐れがある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.骨髄機能抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。また、使用が長期間にわたると副作用が強く現れ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行う。心機能検査としては、心電図等を原則としてクール(通常3〜4週)ごとに実施することが望ましい。急性白血病の治療の場合には、末梢血液及び骨髄所見を随時検査し、投与期間を短縮又は延長する。

2.アントラサイクリン系薬剤未治療例で、本剤の総投与量が950mg/㎡(体表面積)を超えると、うっ血性心不全を起こすことが多くなるので十分に注意する。

3.前治療等により950mg/㎡以下の総投与量でもうっ血性心不全が起こることがあるので、他のアントラサイクリン系薬剤による前治療歴等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者、心臓部あるいは縦隔に放射線療法を受けた患者及び本剤の総投与量が700mg/㎡を超える患者では心機能検査を行い慎重に投与する。

4.感染症の発現又は感染症増悪、出血傾向の発現又は出血傾向増悪に十分注意する。

5.小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与する。

6.小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮する。

相互作用

併用注意:

1.投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射、アントラサイクリン系薬剤等他の潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤[心筋障害が増強される恐れがある]。

2.他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射[骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないことが望ましい[動物実験(ラット)で胎仔に対する毒性的影響(胎仔体重抑制、胎仔腰椎過剰、胎仔前肢指化骨数減少)が報告され、アントラサイクリン系の他の抗悪性腫瘍剤の動物実験では催奇形性が報告されている]。

2.授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.投与経路:

1).皮下・筋肉内には投与しない。

2).膀胱癌の動脈内投与療法に際し阻血を行った症例で、高濃度の薬剤が坐骨神経に流れ、坐骨神経麻痺を起こしたとの報告があるので、このような投与方法を行う場合には慎重に投与する。

2.調製時:本剤は溶解時のpHにより力価の低下及び濁りを生じることがあるので、他の薬剤<日局ブドウ糖注射液・日局注射用水又は日局生理食塩液を除く>との混注を避け、日局ブドウ糖注射液、日局注射用水又は日局生理食塩液等に溶解して投与する。

3.溶解後:溶解後はできるだけ速やかに使用する(なお、やむを得ず保存を必要とする場合には、室温保存では6時間以内に使用する)。

4.投与時:

1).血管内投与により、ときに血管痛、静脈炎等を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意する。

2).血管内投与に際し、薬液が血管外に漏れると注射部位に硬結・壊死、炎症を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないよう慎重に投与する。

3).本剤を溶解した液とシリンジに塗布されているシリコンオイルが接触することで、シリンジ内にまれにシリコンオイルの浮遊物がみられることがあるので、その場合はフィルターを使用して投与する。

その他の注意

1.本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。

2.本剤の尿中排泄により尿が赤色になることがある。

3.ラットに腹腔内投与した実験で、発癌性がみられたとの報告がある。

保管上の注意

冷所。

テラルビシン注射用20mg
テラルビシン注射用20mg

テラルビシン注射用20mg

抗悪性腫瘍薬 > 抗腫瘍性抗生物質
2011年04月改訂(第4版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > 抗腫瘍性抗生物質
一般名ピラルビシン塩酸塩注射用
薬価8869
メーカーMeijiSeikaファルマ
最終更新2011年04月改訂(第4版)

用法・用量

1.注射液の調製:本剤のバイアルに5%ブドウ糖注射液、注射用水又は生理食塩液10mLを加えて溶解する。

2.投与方法:投与は疾患別に次記の方法に準じて行う。

1).静脈内注射の場合:頭頚部癌は3法又は4法を、乳癌及び胃癌は1法又は3法を、卵巣癌及び子宮癌は1法を、尿路上皮癌は1法又は2法を、急性白血病は5法を、悪性リンパ腫は1法又は4法を標準的用法・用量として選択する。

(1).1法(3〜4週1回法)[乳癌、胃癌、卵巣癌、子宮癌、尿路上皮癌、悪性リンパ腫]:ピラルビシンとして、1日1回、40〜60mg(25〜40mg/㎡)(力価)を投与し、3〜4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。

(2).2法(3〜4週2回法)[尿路上皮癌]:ピラルビシンとして、1日1回、30〜40mg(20〜25mg/㎡)(力価)を2日間連日投与し、3〜4週間休薬する。

これを1クールとし、投与を繰り返す。

(3).3法(週1回法)[頭頚部癌、乳癌、胃癌]:ピラルビシンとして、1日1回、20〜40mg(14〜25mg/㎡)(力価)を1週間間隔で2〜3回投与し、3〜4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。

(4).4法(連日法)[頭頚部癌、悪性リンパ腫]:ピラルビシンとして、1日1回、10〜20mg(7〜14mg/㎡)(力価)を3〜5日間連日投与し、3〜4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。

(5).5法(連日法)[急性白血病]:ピラルビシンとして、1日1回、10〜30mg(7〜20mg/㎡)(力価)を5日間連日投与する。骨髄機能が回復するまで休薬し、投与を繰り返す。

2).動脈内注射による頭頚部癌、膀胱癌の場合:ピラルビシンとして、1日1回、10〜20mg(7〜14mg/㎡)(力価)を連日又は隔日に5〜10回投与する。

3).膀胱内注入による膀胱癌の場合:カテーテルを用いて導尿した後、ピラルビシンとして、1日1回、15〜30mg(力価)を500〜1000μg(力価)/mLの溶液として週3回、各1〜2時間膀胱内把持する。これを1クールとし、2〜3クール繰り返す。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

次記疾患の自覚的・他覚的症状の緩解並びに改善:頭頚部癌、乳癌、胃癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂腫瘍・尿管腫瘍)、卵巣癌、子宮癌、急性白血病、悪性リンパ腫。

副作用

承認時(823例)及び市販後使用成績調査(4,563例)の結果は次のとおりであった(注射用テラルビシンの再審査終了時)。

1.静脈内投与:調査症例3,591例中副作用が報告されたのは71.18%であり、主な副作用は、白血球減少50.40%、血小板減少14.48%等の骨髄抑制と食欲不振36.40%、悪心31.89%、嘔吐23.56%等の消化管障害であり、その他脱毛21.50%、全身倦怠18.07%等であった。

2.動脈内投与:調査症例460例中副作用が報告されたのは、56.74%であり、主な副作用は、白血球減少31.96%等の骨髄抑制と食欲不振24.13%、悪心23.04%、嘔吐15.43%等の消化管障害であり、その他脱毛16.74%、全身倦怠12.61%等であった。

3.膀胱内注入:調査症例1,233例中副作用が報告されたのは、26.20%であり、主な副作用は、排尿痛18.17%、頻尿17.36%等の膀胱刺激症状であった。

重大な副作用

1.重大な副作用

1).心筋障害(0.1〜5%未満)更に心不全(0.1%未満)等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は投与を中止する。また、総投与量が950mg/㎡(体表面積)を超えるとうっ血性心不全を起こすことが多くなるので、十分に注意する(特に他のアントラサイクリン系薬剤投与後症例(ダウノルビシン、ドキソルビシン、アクラルビシン、エピルビシン等)への本剤の投与には、十分注意する)。

2).汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少(5%以上)、出血傾向(0.1〜5%未満)等の骨髄抑制が現れることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行う。

3).ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

4).発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線像異常等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

5).膀胱内注入療法によって萎縮膀胱(0.1〜5%未満)が現れることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用

1).心臓:(0.1〜5%未満)心電図異常、頻脈、不整脈。

2).肝臓:(5%以上)肝障害(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇等)。

3).腎臓:(0.1〜5%未満)腎障害(蛋白尿、BUN上昇、クレアチニン上昇等)。

4).消化器:(5%以上)食欲不振、悪心・嘔吐、口内炎、(0.1〜5%未満)下痢、腹痛、(0.1%未満)消化管出血、*イレウス[*:異常が認められた場合には、投与を中止する]、便秘。

5).皮膚:(5%以上)脱毛、(0.1〜5%未満)皮膚色素沈着。

6).精神神経系:(5%以上)全身倦怠、(0.1〜5%未満)頭痛、眩暈、しびれ。

7).泌尿器:(5%以上)膀胱内注入療法時の頻尿、排尿痛、血尿等の膀胱刺激症状、(0.1〜5%未満)排尿痛、血尿、(0.1%未満)膀胱内注入療法時の排尿障害。

8).過敏症:(0.1〜5%未満)発疹等の過敏症状、(0.1%未満)皮膚炎。

9).その他:(5%以上)発熱、(0.1〜5%未満)感染症、胸痛、浮腫、動悸、息切れ、血清総蛋白減少、電解質異常、味覚異常、(0.1%未満)顔面潮紅、耳鳴。

禁忌

1.心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害が現れることがある]。

2.本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。

3.他のアントラサイクリン系薬剤による前治療が限界量等心毒性を有する薬剤による前治療が限界量(ドキソルビシン塩酸塩では総投与量が体表面積当り500mg/㎡、ダウノルビシン塩酸塩では総投与量が体重当り25mg/kg等)に達している患者[心筋障害が現れることがある]。

慎重投与

1.肝障害のある患者[副作用が強く現れる恐れがある]。

2.腎障害のある患者[副作用が強く現れる恐れがある]。

3.骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制を増悪させる恐れがある]。

4.感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により感染を増悪させる恐れがある]。

5.高齢者。

6.水痘患者[致命的全身障害が現れる恐れがある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.骨髄機能抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。また、使用が長期間にわたると副作用が強く現れ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行う。心機能検査としては、心電図等を原則としてクール(通常3〜4週)ごとに実施することが望ましい。急性白血病の治療の場合には、末梢血液及び骨髄所見を随時検査し、投与期間を短縮又は延長する。

2.アントラサイクリン系薬剤未治療例で、本剤の総投与量が950mg/㎡(体表面積)を超えると、うっ血性心不全を起こすことが多くなるので十分に注意する。

3.前治療等により950mg/㎡以下の総投与量でもうっ血性心不全が起こることがあるので、他のアントラサイクリン系薬剤による前治療歴等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者、心臓部あるいは縦隔に放射線療法を受けた患者及び本剤の総投与量が700mg/㎡を超える患者では心機能検査を行い慎重に投与する。

4.感染症の発現又は感染症増悪、出血傾向の発現又は出血傾向増悪に十分注意する。

5.小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与する。

6.小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮する。

相互作用

併用注意:

1.投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射、アントラサイクリン系薬剤等他の潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤[心筋障害が増強される恐れがある]。

2.他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射[骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないことが望ましい[動物実験(ラット)で胎仔に対する毒性的影響(胎仔体重抑制、胎仔腰椎過剰、胎仔前肢指化骨数減少)が報告され、アントラサイクリン系の他の抗悪性腫瘍剤の動物実験では催奇形性が報告されている]。

2.授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.投与経路:

1).皮下・筋肉内には投与しない。

2).膀胱癌の動脈内投与療法に際し阻血を行った症例で、高濃度の薬剤が坐骨神経に流れ、坐骨神経麻痺を起こしたとの報告があるので、このような投与方法を行う場合には慎重に投与する。

2.調製時:本剤は溶解時のpHにより力価の低下及び濁りを生じることがあるので、他の薬剤<日局ブドウ糖注射液・日局注射用水又は日局生理食塩液を除く>との混注を避け、日局ブドウ糖注射液、日局注射用水又は日局生理食塩液等に溶解して投与する。

3.溶解後:溶解後はできるだけ速やかに使用する(なお、やむを得ず保存を必要とする場合には、室温保存では6時間以内に使用する)。

4.投与時:

1).血管内投与により、ときに血管痛、静脈炎等を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意する。

2).血管内投与に際し、薬液が血管外に漏れると注射部位に硬結・壊死、炎症を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないよう慎重に投与する。

3).本剤を溶解した液とシリンジに塗布されているシリコンオイルが接触することで、シリンジ内にまれにシリコンオイルの浮遊物がみられることがあるので、その場合はフィルターを使用して投与する。

その他の注意

1.本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。

2.本剤の尿中排泄により尿が赤色になることがある。

3.ラットに腹腔内投与した実験で、発癌性がみられたとの報告がある。

保管上の注意

冷所。

薬剤情報

薬剤写真、用法用量、効能効果や後発品の情報が一度に参照でき、関連情報へ簡単にアクセスができます。

一般名、製品名どちらでも検索可能!

※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。