薬剤情報
後発品
薬効分類抗HIV薬 > HIVインテグラーゼ阻害薬
一般名ドルテグラビルナトリウム錠
薬価3214.1
メーカーヴィーブヘルスケア
最終更新
2024年08月改訂(第7版)
添付文書のPDFはこちら

用法・用量

通常、成人には次の用法・用量で経口投与する。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。

〈未治療患者、インテグラーゼ阻害薬以外の抗HIV薬による治療経験のある患者〉

ドルテグラビルとして50mgを1日1回経口投与する。

〈インテグラーゼ阻害薬に対する耐性を有する患者〉

ドルテグラビルとして50mgを1日2回経口投与する。

なお、12歳以上及び体重40kg以上の未治療、インテグラーゼ阻害薬以外の抗HIV薬による治療経験がある小児患者には、ドルテグラビルとして50mgを1日1回経口投与できる。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈未治療患者、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)以外の抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)薬による治療経験のある患者〉本剤とエトラビリンを併用する場合は、(リトナビルでブーストしたアタザナビル、ダルナビル、ロピナビルと併用投与しない場合)本剤を50mg1日2回に増量投与し、未治療患者、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)以外の抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)薬による治療経験のある患者でエファビレンツ、ネビラピン、カルバマゼピン、リファンピシン、フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品を併用する場合は、本剤を50mg1日2回に増量投与すること〔10.2、16.7.3参照〕。

7.2. 〈INSTIに対する耐性を有する患者〉本剤とエトラビリンを併用する場合は、リトナビルでブーストしたアタザナビル、ダルナビル又はロピナビルのいずれかを併用投与すること〔10.2、16.7.3参照〕。

7.3. 〈INSTIに対する耐性を有する患者〉本剤とエファビレンツ、ネビラピン、ホスアンプレナビルカルシウム水和物+リトナビル、カルバマゼピン又はリファンピシンを併用しないこと〔10.2、16.7.3参照〕。

効能・効果

HIV感染症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 薬剤性過敏症症候群(1%未満):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、好酸球増多等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。

11.1.2. 肝機能障害、黄疸(いずれも1%未満):AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.4、9.1.1参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 免疫系:(1%未満)免疫再構築炎症反応症候群。

2). 精神・神経系:(2%以上)頭痛、不眠症、めまい、異常な夢、(1%未満)うつ病、不安、(頻度不明)自殺念慮、自殺企図。

3). 消化器:(2%以上)悪心、下痢、嘔吐、(1〜2%未満)上腹部痛、鼓腸、(1%未満)腹部不快感、腹痛。

4). 肝臓:(1%未満)肝炎。

5). 皮膚:(1〜2%未満)発疹、皮膚そう痒。

6). 全身症状:(2%以上)疲労。

7). 筋骨格:(1%未満)関節痛、筋肉痛。

8). 臨床検査:(1%未満)ビリルビン上昇、クレアチニン上昇、体重増加、(頻度不明)CK上昇。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。

8.2. 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。

・ 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。

・ 本剤は併用薬と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合には、事前に担当医に報告すること。

・ 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。

・ 担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。

8.3. 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染症に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。

8.4. 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行う等、観察を十分に行うこと〔9.1.1、11.1.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. B型又はC型肝炎ウイルス感染患者:肝機能の悪化(トランスアミナーゼ上昇又は増悪)のおそれがある(臨床試験において、B型肝炎ウイルス重複感染又はC型肝炎ウイルス重複感染患者では、トランスアミナーゼ上昇又は増悪の発現頻度が非重複感染患者より高かった)〔8.4、11.1.2参照〕。

相互作用

本剤は主にUGT1A1の基質であり、一部CYP3A4でも代謝される。また、本剤は有機カチオントランスポーター2(OCT2)及びMultidrug and Toxin Extrusion 1(MATE1)を阻害する〔16.4.1、16.7.1参照〕。

10.2. 併用注意:

1). ピルシカイニド塩酸塩水和物[ピルシカイニドの血漿中濃度を増加させる可能性があり、併用により、ピルシカイニドで重大な副作用として報告されている心室頻拍・洞停止及び心室細動等の発現及び重篤化があらわれるおそれがあるので、併用中は注意深く観察すること(本剤のOCT2及びMATE1の阻害作用により、ピルシカイニドの排出が阻害される可能性がある)]。

2). エトラビリン〔7.1、7.2、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで52%・Cτで88%低下させたとの報告がある(これらの薬剤がCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

3). エファビレンツ〔7.1、7.3、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで39%・Cτで75%低下させたとの報告がある(これらの薬剤がCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

4). ネビラピン〔7.1、7.3参照〕[本剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある(これらの薬剤がCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

5). ホスアンプレナビルカルシウム水和物+リトナビル〔7.3、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで24%・Cτで49%低下させたとの報告があるため、INSTIに対する耐性を有する患者では、本剤と併用しないこと(ホスアンプレナビルがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

6). カルバマゼピン〔7.1、7.3、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで33%・Cτで73%低下させたとの報告がある(カルバマゼピンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

7). フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔7.1参照〕[本剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある(これらの薬剤並びにセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

8). リファンピシン〔7.1、7.3、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで43%・Cτで72%低下させたとの報告がある(リファンピシンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

9). 多価カチオン含有製剤<経口>(Mg含有製剤<経口>、Al含有製剤<経口>等)〔16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで72%・C24で74%低下させるため、本剤は多価カチオン含有制酸剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される(これらの多価カチオンと錯体を形成することにより、本剤の吸収が阻害される)]。

10). 鉄剤<経口>、カルシウム含有製剤<経口>(鉄サプリメント<経口>、カルシウム含有サプリメント<経口>等)〔16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで35%・C24で32%低下させるため、食事と同時に摂取する場合を除き、本剤は鉄剤、カルシウム含有製剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される(鉄、カルシウムと錯体を形成することにより、本剤の吸収が阻害される)]。

11). メトホルミン塩酸塩:

@. メトホルミン塩酸塩〔16.7.2参照〕[ドルテグラビル50mg1日1回投与時にメトホルミンの血漿中濃度をCmaxで66%上昇させるため、注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること(本剤のOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある)]。

A. メトホルミン塩酸塩〔16.7.2参照〕[ドルテグラビル50mg1日2回投与時にメトホルミンの血漿中濃度をCmaxで111%上昇させるため、注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること(本剤のOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら注意して投与すること(一般に生理機能(肝機能、腎機能、心機能等)が低下しており、合併症を有している又は他の薬剤を併用している場合が多い)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

海外の観察研究において、無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖障害が、受胎前からドルテグラビル含有製剤を服用していた妊婦から生まれた児9460例中10例(0.11%、95%信頼区間0.06−0.19)に報告されており、ドルテグラビルを含まない抗HIV薬を服用していた妊婦から生まれた児23664例中25例(0.11%、95%信頼区間0.07−0.16)、HIV陰性の妊婦から生まれた児170723例中108例(0.07%、95%信頼区間0.05−0.08)に報告されている。

ドルテグラビルはヒト胎盤を通過する。ドルテグラビルの母体血漿中濃度に対する胎児臍帯血漿中濃度の比(中央値[範囲])は、1.28[1.21−1.28]であることが報告されている(外国人データ)。

(授乳婦)

授乳を避けさせること(一般に、乳児へのHIV感染を防ぐため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳すべきでない)。

ドルテグラビルはヒト乳汁中に移行する。ドルテグラビルの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比(中央値[範囲])は、0.033[0.021−0.050]であることが報告されている(外国人データ)。

小児等

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児又は体重40kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 処置

過量投与時、血液透析により除去される可能性は低いことが報告されている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

テビケイ錠50mg
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テビケイ錠50mg
テビケイ錠50mg

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抗HIV薬 > HIVインテグラーゼ阻害薬
2024年08月改訂(第7版)
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一般名ドルテグラビルナトリウム錠
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用法・用量

通常、成人には次の用法・用量で経口投与する。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。

〈未治療患者、インテグラーゼ阻害薬以外の抗HIV薬による治療経験のある患者〉

ドルテグラビルとして50mgを1日1回経口投与する。

〈インテグラーゼ阻害薬に対する耐性を有する患者〉

ドルテグラビルとして50mgを1日2回経口投与する。

なお、12歳以上及び体重40kg以上の未治療、インテグラーゼ阻害薬以外の抗HIV薬による治療経験がある小児患者には、ドルテグラビルとして50mgを1日1回経口投与できる。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈未治療患者、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)以外の抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)薬による治療経験のある患者〉本剤とエトラビリンを併用する場合は、(リトナビルでブーストしたアタザナビル、ダルナビル、ロピナビルと併用投与しない場合)本剤を50mg1日2回に増量投与し、未治療患者、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)以外の抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)薬による治療経験のある患者でエファビレンツ、ネビラピン、カルバマゼピン、リファンピシン、フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品を併用する場合は、本剤を50mg1日2回に増量投与すること〔10.2、16.7.3参照〕。

7.2. 〈INSTIに対する耐性を有する患者〉本剤とエトラビリンを併用する場合は、リトナビルでブーストしたアタザナビル、ダルナビル又はロピナビルのいずれかを併用投与すること〔10.2、16.7.3参照〕。

7.3. 〈INSTIに対する耐性を有する患者〉本剤とエファビレンツ、ネビラピン、ホスアンプレナビルカルシウム水和物+リトナビル、カルバマゼピン又はリファンピシンを併用しないこと〔10.2、16.7.3参照〕。

効能・効果

HIV感染症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 薬剤性過敏症症候群(1%未満):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、好酸球増多等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。

11.1.2. 肝機能障害、黄疸(いずれも1%未満):AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.4、9.1.1参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 免疫系:(1%未満)免疫再構築炎症反応症候群。

2). 精神・神経系:(2%以上)頭痛、不眠症、めまい、異常な夢、(1%未満)うつ病、不安、(頻度不明)自殺念慮、自殺企図。

3). 消化器:(2%以上)悪心、下痢、嘔吐、(1〜2%未満)上腹部痛、鼓腸、(1%未満)腹部不快感、腹痛。

4). 肝臓:(1%未満)肝炎。

5). 皮膚:(1〜2%未満)発疹、皮膚そう痒。

6). 全身症状:(2%以上)疲労。

7). 筋骨格:(1%未満)関節痛、筋肉痛。

8). 臨床検査:(1%未満)ビリルビン上昇、クレアチニン上昇、体重増加、(頻度不明)CK上昇。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。

8.2. 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。

・ 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。

・ 本剤は併用薬と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合には、事前に担当医に報告すること。

・ 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。

・ 担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。

8.3. 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染症に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。

8.4. 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行う等、観察を十分に行うこと〔9.1.1、11.1.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. B型又はC型肝炎ウイルス感染患者:肝機能の悪化(トランスアミナーゼ上昇又は増悪)のおそれがある(臨床試験において、B型肝炎ウイルス重複感染又はC型肝炎ウイルス重複感染患者では、トランスアミナーゼ上昇又は増悪の発現頻度が非重複感染患者より高かった)〔8.4、11.1.2参照〕。

相互作用

本剤は主にUGT1A1の基質であり、一部CYP3A4でも代謝される。また、本剤は有機カチオントランスポーター2(OCT2)及びMultidrug and Toxin Extrusion 1(MATE1)を阻害する〔16.4.1、16.7.1参照〕。

10.2. 併用注意:

1). ピルシカイニド塩酸塩水和物[ピルシカイニドの血漿中濃度を増加させる可能性があり、併用により、ピルシカイニドで重大な副作用として報告されている心室頻拍・洞停止及び心室細動等の発現及び重篤化があらわれるおそれがあるので、併用中は注意深く観察すること(本剤のOCT2及びMATE1の阻害作用により、ピルシカイニドの排出が阻害される可能性がある)]。

2). エトラビリン〔7.1、7.2、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで52%・Cτで88%低下させたとの報告がある(これらの薬剤がCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

3). エファビレンツ〔7.1、7.3、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで39%・Cτで75%低下させたとの報告がある(これらの薬剤がCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

4). ネビラピン〔7.1、7.3参照〕[本剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある(これらの薬剤がCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

5). ホスアンプレナビルカルシウム水和物+リトナビル〔7.3、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで24%・Cτで49%低下させたとの報告があるため、INSTIに対する耐性を有する患者では、本剤と併用しないこと(ホスアンプレナビルがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

6). カルバマゼピン〔7.1、7.3、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで33%・Cτで73%低下させたとの報告がある(カルバマゼピンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

7). フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔7.1参照〕[本剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある(これらの薬剤並びにセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

8). リファンピシン〔7.1、7.3、16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで43%・Cτで72%低下させたとの報告がある(リファンピシンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。

9). 多価カチオン含有製剤<経口>(Mg含有製剤<経口>、Al含有製剤<経口>等)〔16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで72%・C24で74%低下させるため、本剤は多価カチオン含有制酸剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される(これらの多価カチオンと錯体を形成することにより、本剤の吸収が阻害される)]。

10). 鉄剤<経口>、カルシウム含有製剤<経口>(鉄サプリメント<経口>、カルシウム含有サプリメント<経口>等)〔16.7.3参照〕[本剤の血漿中濃度をCmaxで35%・C24で32%低下させるため、食事と同時に摂取する場合を除き、本剤は鉄剤、カルシウム含有製剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される(鉄、カルシウムと錯体を形成することにより、本剤の吸収が阻害される)]。

11). メトホルミン塩酸塩:

@. メトホルミン塩酸塩〔16.7.2参照〕[ドルテグラビル50mg1日1回投与時にメトホルミンの血漿中濃度をCmaxで66%上昇させるため、注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること(本剤のOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある)]。

A. メトホルミン塩酸塩〔16.7.2参照〕[ドルテグラビル50mg1日2回投与時にメトホルミンの血漿中濃度をCmaxで111%上昇させるため、注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること(本剤のOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら注意して投与すること(一般に生理機能(肝機能、腎機能、心機能等)が低下しており、合併症を有している又は他の薬剤を併用している場合が多い)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

海外の観察研究において、無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖障害が、受胎前からドルテグラビル含有製剤を服用していた妊婦から生まれた児9460例中10例(0.11%、95%信頼区間0.06−0.19)に報告されており、ドルテグラビルを含まない抗HIV薬を服用していた妊婦から生まれた児23664例中25例(0.11%、95%信頼区間0.07−0.16)、HIV陰性の妊婦から生まれた児170723例中108例(0.07%、95%信頼区間0.05−0.08)に報告されている。

ドルテグラビルはヒト胎盤を通過する。ドルテグラビルの母体血漿中濃度に対する胎児臍帯血漿中濃度の比(中央値[範囲])は、1.28[1.21−1.28]であることが報告されている(外国人データ)。

(授乳婦)

授乳を避けさせること(一般に、乳児へのHIV感染を防ぐため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳すべきでない)。

ドルテグラビルはヒト乳汁中に移行する。ドルテグラビルの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比(中央値[範囲])は、0.033[0.021−0.050]であることが報告されている(外国人データ)。

小児等

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児又は体重40kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 処置

過量投与時、血液透析により除去される可能性は低いことが報告されている。

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