薬剤情報
後発品
薬効分類冠血管拡張薬 > β遮断薬 血圧降下薬 > β遮断薬 抗不整脈薬 > β遮断薬
一般名ナドロール錠
薬価36.5
メーカー住友ファーマ
最終更新
2023年12月改訂(第1版)
添付文書のPDFはこちら

用法・用量

ナドロールとして、通常成人に1回30〜60mgを1日1回経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α−遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα−遮断剤を併用すること〔2.8、9.1.1参照〕。

7.2. 腎機能障害のある患者では血中濃度が高値になることがあるので、クレアチニンクリアランス値が50mL/分以下、糸球体ろ過値が50mL/分以下の場合は、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること〔9.2腎機能障害患者、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。

効能・効果

1). 本態性高血圧症<軽症〜中等症>。

2). 狭心症。

3). 頻脈性不整脈。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 心不全(0.1%未満)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1%未満)発疹、そう痒感。

2). 循環器:(0.1〜5%未満)徐脈、動悸、心胸比増大、血圧低下・起立性低血圧、(0.1%未満)房室ブロック、四肢冷感、胸部圧迫感。

3). 精神神経系:(0.1〜5%未満)めまい・立ちくらみ、ふらつき、頭痛・頭重感、眠気、(0.1%未満)不眠、しびれ感。

4). 呼吸器:(0.1〜5%未満)息切れ・息苦しさ、咳嗽・喀痰、(0.1%未満)喘息発作の誘発。

5). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、下痢、(0.1%未満)胃部不快感・胃重感、腹部膨満感、食欲不振、腹痛、胃痛、便秘、口渇。

6). 眼:(0.1%未満)涙液分泌減少、(頻度不明)霧視。

7). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満)ALP上昇。

8). その他:(0.1〜5%未満)倦怠感、疲労感、浮腫、トリグリセリド上昇、(0.1%未満)鼻閉、血糖値上昇、BUN上昇、脱力感、悪寒。

発現頻度は使用成績調査を含む。

禁忌

2.1. 気管支喘息、気管支痙れん、慢性閉塞性肺疾患のおそれのある患者[気管支筋を収縮させ、喘息症状の誘発及び症状の悪化を招くおそれがある]。

2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[心筋収縮力の抑制が増強されるおそれがある]。

2.3. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2・3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたす]。

2.4. 心原性ショックの患者[心拍出量の抑制により、循環不全が悪化するおそれがある]。

2.5. 肺高血圧による右心不全のある患者[心拍出量の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがある]。

2.6. うっ血性心不全のある患者[心収縮力抑制作用により、症状の悪化をきたすおそれがある]。

2.7. 異型狭心症の患者[症状を悪化させるおそれがある]。

2.8. 未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.1、9.1.1参照〕。

2.9. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。

特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には、減量又は中止すること(また、必要に応じアトロピンを使用すること)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

8.2. 類似化合物(プロプラノロール)を使用中の狭心症の患者で、急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること〔9.8高齢者の項参照〕。

8.3. 手術前48時間は投与しないことが望ましい。

8.4. めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転など危険を伴う機械の作業に注意させること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある〔2.8、7.1参照〕。

9.1.2. うっ血性心不全のおそれのある患者:観察を十分に行い、強心配糖体を併用するなど慎重に投与すること(心収縮力抑制作用により、心不全症状を誘発するおそれがある)。

9.1.3. 低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者:血糖値に注意すること(低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である心悸亢進、頻脈等の症状をマスクしやすい)。

9.1.4. 徐脈、房室ブロック<1度>のある患者:心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがある。

9.1.5. 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等):末梢血管の拡張を抑制し、症状の悪化をきたすおそれがある。

9.1.6. 甲状腺中毒症の患者:頻脈等の甲状腺中毒症状をマスクすることがある(急に投与を中止すると症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行うこと)。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者〔7.2、16.6.1参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:肝機能障害を悪化させるおそれがある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド等)、アミオダロン、ソタロール[過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(併用により心機能抑制作用が強くあらわれる)]。

2). 強心配糖体(ジゴキシン、ジギトキシン等)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>があらわれることがある(併用により心刺激伝導抑制作用が強くあらわれ、房室伝導時間が延長する)]。

3). カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)[過度の血圧低下や心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>、心機能抑制があらわれることがある(併用により降圧作用、心刺激伝導抑制作用、陰性変力作用が強くあらわれる)]。

4). 交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過度の交感神経抑制をきたすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること(併用により交感神経抑制作用が強くあらわれる)]。

5). 麻酔剤(ジエチルエーテル等)[過度の血圧低下や心機能抑制があらわれるおそれがある(併用により交感神経抑制作用が強くあらわれる)]。

6). フィンゴリモド[フィンゴリモドの投与開始時に併用すると徐脈が増強されることがある(ともに徐脈を引き起こすおそれがある)]。

7). クロニジン[クロニジンの投与中止後のリバウンド現象<急激な血圧上昇>を増強する可能性があるので、本剤を中止した後、クロニジンを徐々に減量すること(α2−選択的刺激作用を有するクロニジンの急激な中止により、血中カテコールアミンが上昇するが、β−遮断剤の併用によりα−刺激作用が優位にあらわれると考えられる)]。

8). アドレナリン製剤[血圧上昇、徐脈等が起こるおそれがあるので、血圧や脈拍に注意すること(本剤のβ−遮断作用により、アドレナリンのα−刺激作用が優位になると考えられる)]。

9). 血糖降下剤(インスリン、クロルプロパミド、トルブタミド等)[これらの薬剤の血糖降下作用を増強したり、低血糖症状<心悸亢進等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること(本剤のβ−遮断作用による低血糖からの回復遅延と低血糖に伴う交感神経症状のマスクが考えられる)]。

10). リドカイン[リドカインの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(本剤による肝血流量の低下により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる)]。

11). 麦角アルカロイド(エルゴタミン等)[末梢血流量の低下により四肢の疼痛・冷感・チアノーゼ等が起こるおそれがある(併用により末梢血管収縮作用が強くあらわれると考えられる)]。

12). 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、ナトリウムや水の貯留、血管収縮が生じ、降圧作用が減弱する)]。

13). 降圧作用を有する他の薬剤(降圧剤、亜硝酸剤・硝酸剤等)[相互に降圧作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること(併用により降圧作用が強くあらわれる)]。

高齢者

次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

・ 一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。

・ 休薬を要する場合は、徐々に減量する〔8.2参照〕。

・ 本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある〔7.2、16.6.1参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ウサギ)で大量投与により胎仔死亡、流産が報告されている)〔2.9参照〕。

(授乳婦)

授乳を避けさせること(母乳中へ移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、過度の徐脈、心不全、低血圧、気管支痙れん等があらわれることがある。

13.2. 処置

過量投与時、必要に応じて、血液透析等により薬剤の除去を行う(心電図をモニターするとともに、次記のような適切な処置を行うこと)。

・ 過量投与時の過度の徐脈に対しては、まずアトロピン硫酸塩水和物(0.25〜1mg静注)を投与し、さらに必要に応じてβ−刺激剤の投与や心臓ペーシングを行う。

・ 過量投与時の心不全に対しては、強心配糖体、利尿剤を投与する。

・ 過量投与時の低血圧に対しては、アドレナリン等の昇圧剤を投与する。

・ 過量投与時の気管支痙れんに対しては、β2−刺激剤の静脈内投与又はアミノフィリンの静脈内投与や補助呼吸を行う。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

β−遮断剤(プロプラノロール等)投与中の患者では、他の薬剤等によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療には反応しにくいとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ナディック錠30mg
後発品はありません
ナディック錠30mg
ナディック錠30mg

ナディック錠30mg

冠血管拡張薬 > β遮断薬 血圧降下薬 > β遮断薬 抗不整脈薬 > β遮断薬
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一般名ナドロール錠
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用法・用量

ナドロールとして、通常成人に1回30〜60mgを1日1回経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α−遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα−遮断剤を併用すること〔2.8、9.1.1参照〕。

7.2. 腎機能障害のある患者では血中濃度が高値になることがあるので、クレアチニンクリアランス値が50mL/分以下、糸球体ろ過値が50mL/分以下の場合は、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること〔9.2腎機能障害患者、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。

効能・効果

1). 本態性高血圧症<軽症〜中等症>。

2). 狭心症。

3). 頻脈性不整脈。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 心不全(0.1%未満)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1%未満)発疹、そう痒感。

2). 循環器:(0.1〜5%未満)徐脈、動悸、心胸比増大、血圧低下・起立性低血圧、(0.1%未満)房室ブロック、四肢冷感、胸部圧迫感。

3). 精神神経系:(0.1〜5%未満)めまい・立ちくらみ、ふらつき、頭痛・頭重感、眠気、(0.1%未満)不眠、しびれ感。

4). 呼吸器:(0.1〜5%未満)息切れ・息苦しさ、咳嗽・喀痰、(0.1%未満)喘息発作の誘発。

5). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、下痢、(0.1%未満)胃部不快感・胃重感、腹部膨満感、食欲不振、腹痛、胃痛、便秘、口渇。

6). 眼:(0.1%未満)涙液分泌減少、(頻度不明)霧視。

7). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満)ALP上昇。

8). その他:(0.1〜5%未満)倦怠感、疲労感、浮腫、トリグリセリド上昇、(0.1%未満)鼻閉、血糖値上昇、BUN上昇、脱力感、悪寒。

発現頻度は使用成績調査を含む。

禁忌

2.1. 気管支喘息、気管支痙れん、慢性閉塞性肺疾患のおそれのある患者[気管支筋を収縮させ、喘息症状の誘発及び症状の悪化を招くおそれがある]。

2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[心筋収縮力の抑制が増強されるおそれがある]。

2.3. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2・3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたす]。

2.4. 心原性ショックの患者[心拍出量の抑制により、循環不全が悪化するおそれがある]。

2.5. 肺高血圧による右心不全のある患者[心拍出量の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがある]。

2.6. うっ血性心不全のある患者[心収縮力抑制作用により、症状の悪化をきたすおそれがある]。

2.7. 異型狭心症の患者[症状を悪化させるおそれがある]。

2.8. 未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.1、9.1.1参照〕。

2.9. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。

特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には、減量又は中止すること(また、必要に応じアトロピンを使用すること)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

8.2. 類似化合物(プロプラノロール)を使用中の狭心症の患者で、急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること〔9.8高齢者の項参照〕。

8.3. 手術前48時間は投与しないことが望ましい。

8.4. めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転など危険を伴う機械の作業に注意させること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある〔2.8、7.1参照〕。

9.1.2. うっ血性心不全のおそれのある患者:観察を十分に行い、強心配糖体を併用するなど慎重に投与すること(心収縮力抑制作用により、心不全症状を誘発するおそれがある)。

9.1.3. 低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者:血糖値に注意すること(低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である心悸亢進、頻脈等の症状をマスクしやすい)。

9.1.4. 徐脈、房室ブロック<1度>のある患者:心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがある。

9.1.5. 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等):末梢血管の拡張を抑制し、症状の悪化をきたすおそれがある。

9.1.6. 甲状腺中毒症の患者:頻脈等の甲状腺中毒症状をマスクすることがある(急に投与を中止すると症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行うこと)。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者〔7.2、16.6.1参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:肝機能障害を悪化させるおそれがある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド等)、アミオダロン、ソタロール[過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(併用により心機能抑制作用が強くあらわれる)]。

2). 強心配糖体(ジゴキシン、ジギトキシン等)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>があらわれることがある(併用により心刺激伝導抑制作用が強くあらわれ、房室伝導時間が延長する)]。

3). カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)[過度の血圧低下や心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>、心機能抑制があらわれることがある(併用により降圧作用、心刺激伝導抑制作用、陰性変力作用が強くあらわれる)]。

4). 交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過度の交感神経抑制をきたすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること(併用により交感神経抑制作用が強くあらわれる)]。

5). 麻酔剤(ジエチルエーテル等)[過度の血圧低下や心機能抑制があらわれるおそれがある(併用により交感神経抑制作用が強くあらわれる)]。

6). フィンゴリモド[フィンゴリモドの投与開始時に併用すると徐脈が増強されることがある(ともに徐脈を引き起こすおそれがある)]。

7). クロニジン[クロニジンの投与中止後のリバウンド現象<急激な血圧上昇>を増強する可能性があるので、本剤を中止した後、クロニジンを徐々に減量すること(α2−選択的刺激作用を有するクロニジンの急激な中止により、血中カテコールアミンが上昇するが、β−遮断剤の併用によりα−刺激作用が優位にあらわれると考えられる)]。

8). アドレナリン製剤[血圧上昇、徐脈等が起こるおそれがあるので、血圧や脈拍に注意すること(本剤のβ−遮断作用により、アドレナリンのα−刺激作用が優位になると考えられる)]。

9). 血糖降下剤(インスリン、クロルプロパミド、トルブタミド等)[これらの薬剤の血糖降下作用を増強したり、低血糖症状<心悸亢進等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること(本剤のβ−遮断作用による低血糖からの回復遅延と低血糖に伴う交感神経症状のマスクが考えられる)]。

10). リドカイン[リドカインの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(本剤による肝血流量の低下により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる)]。

11). 麦角アルカロイド(エルゴタミン等)[末梢血流量の低下により四肢の疼痛・冷感・チアノーゼ等が起こるおそれがある(併用により末梢血管収縮作用が強くあらわれると考えられる)]。

12). 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、ナトリウムや水の貯留、血管収縮が生じ、降圧作用が減弱する)]。

13). 降圧作用を有する他の薬剤(降圧剤、亜硝酸剤・硝酸剤等)[相互に降圧作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること(併用により降圧作用が強くあらわれる)]。

高齢者

次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

・ 一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。

・ 休薬を要する場合は、徐々に減量する〔8.2参照〕。

・ 本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある〔7.2、16.6.1参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ウサギ)で大量投与により胎仔死亡、流産が報告されている)〔2.9参照〕。

(授乳婦)

授乳を避けさせること(母乳中へ移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、過度の徐脈、心不全、低血圧、気管支痙れん等があらわれることがある。

13.2. 処置

過量投与時、必要に応じて、血液透析等により薬剤の除去を行う(心電図をモニターするとともに、次記のような適切な処置を行うこと)。

・ 過量投与時の過度の徐脈に対しては、まずアトロピン硫酸塩水和物(0.25〜1mg静注)を投与し、さらに必要に応じてβ−刺激剤の投与や心臓ペーシングを行う。

・ 過量投与時の心不全に対しては、強心配糖体、利尿剤を投与する。

・ 過量投与時の低血圧に対しては、アドレナリン等の昇圧剤を投与する。

・ 過量投与時の気管支痙れんに対しては、β2−刺激剤の静脈内投与又はアミノフィリンの静脈内投与や補助呼吸を行う。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

β−遮断剤(プロプラノロール等)投与中の患者では、他の薬剤等によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療には反応しにくいとの報告がある。

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