薬剤情報
後発品
薬効分類冠血管拡張薬 > β遮断薬 血圧降下薬 > β遮断薬 抗不整脈薬 > β遮断薬
一般名ナドロール錠
薬価45.2
メーカー住友ファーマ
最終更新2023年03月改訂(第11版)

用法・用量

ナドロールとして、1回30〜60mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.褐色細胞腫の患者では、本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがあるので、α−遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα−遮断剤を併用する。

2.腎障害のある患者では血中濃度が高値になることがあるので、クレアチニンクリアランス値が50mL/分以下、糸球体濾過値が50mL/分以下の場合は、投与間隔を延長するなど慎重に投与する。

効能・効果

本態性高血圧症<軽症〜中等症>、狭心症、頻脈性不整脈。

副作用

承認までの臨床試験1,148例及び使用成績調査10,810例の合計11,958例中577例(4.8%)に副作用がみられた。その主なものは、徐脈(1.9%)、眩暈・立ちくらみ(0.4%)、倦怠感(0.3%)、ふらつき(0.2%)、息切れ・息苦しさ(0.2%)等であった(再審査終了時)。

重大な副作用

1.重大な副作用

心不全(0.1%未満):心不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。

2.類薬による重大な副作用

洞房ブロック、洞不全症候群:他のβ−遮断剤でこれらの副作用が報告されているので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。

その他の副作用

3.その他の副作用

1).過敏症:(0.1%未満)発疹、そう痒感[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。

2).循環器:(0.1〜5%未満)徐脈、動悸、心胸比増大、血圧低下・起立性低血圧、(0.1%未満)房室ブロック、四肢冷感、胸部圧迫感。

3).精神神経系:(0.1〜5%未満)眩暈・立ちくらみ、ふらつき、頭痛・頭重感、眠気、(0.1%未満)不眠、しびれ感。

4).呼吸器:(0.1〜5%未満)息切れ・息苦しさ、咳嗽・喀痰、(0.1%未満)喘息発作の誘発。

5).消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、下痢、(0.1%未満)胃部不快感・胃重感、腹部膨満感、食欲不振、腹痛、胃痛、便秘、口渇。

6).眼:(0.1%未満)涙液分泌減少、(頻度不明)霧視[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。

7).肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、(0.1%未満)Al−P上昇。

8).その他:(0.1〜5%未満)倦怠感、疲労感、浮腫、トリグリセリド上昇、(0.1%未満)鼻閉、血糖値上昇、BUN上昇、脱力感、悪寒、(頻度不明)*CK上昇(*CPK上昇)[*:他のβ−遮断剤(ピンドロール等)の投与によりCK(CPK)の上昇がみられたとの報告がある]。

禁忌

1.気管支喘息、気管支痙攣、慢性閉塞性肺疾患の恐れのある患者[気管支筋を収縮させ、喘息症状の誘発及び症状の悪化を招く恐れがある]。

2.糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[心筋収縮力の抑制が増強される恐れがある]。

3.高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2〜3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[心刺激伝導の抑制により、症状の悪化を来す]。

4.心原性ショックの患者[心拍出量の抑制により、循環不全が悪化する恐れがある]。

5.肺高血圧による右心不全のある患者[心拍出量の抑制により、症状の悪化を来す恐れがある]。

6.うっ血性心不全のある患者[心収縮力抑制作用により、症状の悪化を来す恐れがある]。

7.異型狭心症の患者[症状を悪化させる恐れがある]。

8.未治療の褐色細胞腫の患者。

9.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

慎重投与

1.うっ血性心不全の恐れのある患者[心収縮力抑制作用により、心不全症状を誘発する恐れがあるので、観察を十分に行い、強心配糖体を併用するなど慎重に投与する]。

2.低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である心悸亢進、頻脈等の症状をマスクしやすいので、血糖値に注意する]。

3.重篤な肝障害のある患者[肝障害を悪化させる恐れがある]。

4.腎障害のある患者。

5.徐脈、房室ブロック<1度>のある患者[心刺激伝導の抑制により、症状の悪化を来す恐れがある]。

6.末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[末梢血管の拡張を抑制し、症状の悪化を来す恐れがある]。

7.甲状腺中毒症の患者[頻脈等の甲状腺中毒症状をマスクすることがある]。

8.高齢者。

9.小児等。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行う。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には、減量又は中止し、また、必要に応じアトロピンを使用する。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意する。

2.類似化合物(プロプラノロール)を使用中の狭心症の患者で、急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行い、また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意する。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をする。

3.甲状腺中毒症の患者では、急に投与を中止すると症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行う。

4.手術前48時間は投与しないことが望ましい。

5.眩暈、ふらつきが現れることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転など危険を伴う機械の作業に注意させる。

相互作用

併用注意:

1.クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等)、アミオダロン、ソタロール[過度の心機能抑制が現れることがあるので、減量するなど慎重に投与する(併用により心機能抑制作用が強く現れる)]。

2.強心配糖体(ジゴキシン、ジギトキシン、プロスシラリジン等)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>が現れることがある(併用により心刺激伝導抑制作用が強く現れ、房室伝導時間が延長する)]。

3.カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)[過度の血圧低下や心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>、心機能抑制が現れることがある(併用により降圧作用、心刺激伝導抑制作用、陰性変力作用が強く現れる)]。

4.交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過度の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど慎重に投与する(併用により交感神経抑制作用が強く現れる)]。

5.麻酔剤(エーテル等)[過度の血圧低下や心機能抑制が現れる恐れがある(併用により交感神経抑制作用が強く現れる)]。

6.フィンゴリモド[フィンゴリモドの投与開始時に併用すると徐脈が増強されることがある(ともに徐脈を引き起こす恐れがある)]。

7.クロニジン[クロニジンの投与中止後のリバウンド現象<急激な血圧上昇>を増強する可能性があるので、本剤を中止した後、クロニジンを徐々に減量する(α2−選択的刺激作用を有するクロニジンの急激な中止により、血中カテコールアミンが上昇するが、β−遮断剤の併用によりα−刺激作用が優位に現れると考えられる)]。

8.アドレナリン製剤[血圧上昇、徐脈等が起こる恐れがあるので、血圧や脈拍に注意する(本剤のβ−遮断作用により、アドレナリンのα−刺激作用が優位になると考えられる)]。

9.血糖降下剤(インスリン、クロルプロパミド、トルブタミド等)[これらの薬剤の血糖降下作用を増強したり、低血糖症状<心悸亢進等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意する(本剤のβ−遮断作用による低血糖からの回復遅延と低血糖に伴う交感神経症状のマスクが考えられる)]。

10.リドカイン[リドカインの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど慎重に投与する(本剤による肝血流量の低下により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる)]。

11.麦角アルカロイド(エルゴタミン等)[末梢血流量の低下により四肢の疼痛・冷感・チアノーゼ等が起こる恐れがある(併用により末梢血管収縮作用が強く現れると考えられる)]。

12.非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、ナトリウムや水の貯留、血管収縮が生じ、降圧作用が減弱する)]。

13.降圧作用を有する他の薬剤(降圧剤、亜硝酸剤・硝酸剤等)[相互に降圧作用を増強する恐れがあるので、用量を調節するなど注意する(併用により降圧作用が強く現れる)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

1.高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている[脳梗塞等が起こる恐れがある]。

2.休薬を要する場合は、徐々に減量する。

3.本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する恐れがある。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[動物実験(ウサギ)で大量投与により胎仔死亡、流産が報告されており、また、ヒトにおける妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

2.授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[母乳中へ移行することが報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない[使用経験がない]。

過量投与

1.過量投与時の症状:過度の徐脈、心不全、低血圧、気管支痙攣等が現れることがある。

2.過量投与時の処置:投与を中止し、必要に応じて胃洗浄、血液透析等により薬剤の除去を行い、心電図をモニターするとともに、次記のような適切な処置を行う。

1).過量投与による過度の徐脈に対しては、まずアトロピン硫酸塩水和物(0.25〜1mg静注)を投与し、更に必要に応じてβ−刺激剤の投与や心臓ペーシングを行う。

2).過量投与による心不全に対しては、強心配糖体、利尿剤を投与する。

3).過量投与による低血圧に対しては、アドレナリン等の昇圧剤を投与する。

4).過量投与による気管支痙攣に対しては、β2−刺激剤の静脈内投与又はアミノフィリンの静脈内投与や補助呼吸を行う。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

その他の注意

β−遮断剤(プロプラノロール等)投与中の患者では、他の薬剤等によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療には反応しにくいとの報告がある。

保管上の注意

気密容器。

ナディック錠30mg
後発品はありません
ナディック錠30mg
ナディック錠30mg

ナディック錠30mg

冠血管拡張薬 > β遮断薬 血圧降下薬 > β遮断薬 抗不整脈薬 > β遮断薬
2023年03月改訂(第11版)
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後発品
薬効分類冠血管拡張薬 > β遮断薬 血圧降下薬 > β遮断薬 抗不整脈薬 > β遮断薬
一般名ナドロール錠
薬価45.2
メーカー住友ファーマ
最終更新2023年03月改訂(第11版)

用法・用量

ナドロールとして、1回30〜60mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.褐色細胞腫の患者では、本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがあるので、α−遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα−遮断剤を併用する。

2.腎障害のある患者では血中濃度が高値になることがあるので、クレアチニンクリアランス値が50mL/分以下、糸球体濾過値が50mL/分以下の場合は、投与間隔を延長するなど慎重に投与する。

効能・効果

本態性高血圧症<軽症〜中等症>、狭心症、頻脈性不整脈。

副作用

承認までの臨床試験1,148例及び使用成績調査10,810例の合計11,958例中577例(4.8%)に副作用がみられた。その主なものは、徐脈(1.9%)、眩暈・立ちくらみ(0.4%)、倦怠感(0.3%)、ふらつき(0.2%)、息切れ・息苦しさ(0.2%)等であった(再審査終了時)。

重大な副作用

1.重大な副作用

心不全(0.1%未満):心不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。

2.類薬による重大な副作用

洞房ブロック、洞不全症候群:他のβ−遮断剤でこれらの副作用が報告されているので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。

その他の副作用

3.その他の副作用

1).過敏症:(0.1%未満)発疹、そう痒感[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。

2).循環器:(0.1〜5%未満)徐脈、動悸、心胸比増大、血圧低下・起立性低血圧、(0.1%未満)房室ブロック、四肢冷感、胸部圧迫感。

3).精神神経系:(0.1〜5%未満)眩暈・立ちくらみ、ふらつき、頭痛・頭重感、眠気、(0.1%未満)不眠、しびれ感。

4).呼吸器:(0.1〜5%未満)息切れ・息苦しさ、咳嗽・喀痰、(0.1%未満)喘息発作の誘発。

5).消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、下痢、(0.1%未満)胃部不快感・胃重感、腹部膨満感、食欲不振、腹痛、胃痛、便秘、口渇。

6).眼:(0.1%未満)涙液分泌減少、(頻度不明)霧視[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。

7).肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、(0.1%未満)Al−P上昇。

8).その他:(0.1〜5%未満)倦怠感、疲労感、浮腫、トリグリセリド上昇、(0.1%未満)鼻閉、血糖値上昇、BUN上昇、脱力感、悪寒、(頻度不明)*CK上昇(*CPK上昇)[*:他のβ−遮断剤(ピンドロール等)の投与によりCK(CPK)の上昇がみられたとの報告がある]。

禁忌

1.気管支喘息、気管支痙攣、慢性閉塞性肺疾患の恐れのある患者[気管支筋を収縮させ、喘息症状の誘発及び症状の悪化を招く恐れがある]。

2.糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[心筋収縮力の抑制が増強される恐れがある]。

3.高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2〜3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[心刺激伝導の抑制により、症状の悪化を来す]。

4.心原性ショックの患者[心拍出量の抑制により、循環不全が悪化する恐れがある]。

5.肺高血圧による右心不全のある患者[心拍出量の抑制により、症状の悪化を来す恐れがある]。

6.うっ血性心不全のある患者[心収縮力抑制作用により、症状の悪化を来す恐れがある]。

7.異型狭心症の患者[症状を悪化させる恐れがある]。

8.未治療の褐色細胞腫の患者。

9.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

慎重投与

1.うっ血性心不全の恐れのある患者[心収縮力抑制作用により、心不全症状を誘発する恐れがあるので、観察を十分に行い、強心配糖体を併用するなど慎重に投与する]。

2.低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である心悸亢進、頻脈等の症状をマスクしやすいので、血糖値に注意する]。

3.重篤な肝障害のある患者[肝障害を悪化させる恐れがある]。

4.腎障害のある患者。

5.徐脈、房室ブロック<1度>のある患者[心刺激伝導の抑制により、症状の悪化を来す恐れがある]。

6.末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[末梢血管の拡張を抑制し、症状の悪化を来す恐れがある]。

7.甲状腺中毒症の患者[頻脈等の甲状腺中毒症状をマスクすることがある]。

8.高齢者。

9.小児等。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行う。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には、減量又は中止し、また、必要に応じアトロピンを使用する。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意する。

2.類似化合物(プロプラノロール)を使用中の狭心症の患者で、急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行い、また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意する。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をする。

3.甲状腺中毒症の患者では、急に投与を中止すると症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行う。

4.手術前48時間は投与しないことが望ましい。

5.眩暈、ふらつきが現れることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転など危険を伴う機械の作業に注意させる。

相互作用

併用注意:

1.クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等)、アミオダロン、ソタロール[過度の心機能抑制が現れることがあるので、減量するなど慎重に投与する(併用により心機能抑制作用が強く現れる)]。

2.強心配糖体(ジゴキシン、ジギトキシン、プロスシラリジン等)[心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>が現れることがある(併用により心刺激伝導抑制作用が強く現れ、房室伝導時間が延長する)]。

3.カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)[過度の血圧低下や心刺激伝導障害<徐脈・房室ブロック等>、心機能抑制が現れることがある(併用により降圧作用、心刺激伝導抑制作用、陰性変力作用が強く現れる)]。

4.交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過度の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど慎重に投与する(併用により交感神経抑制作用が強く現れる)]。

5.麻酔剤(エーテル等)[過度の血圧低下や心機能抑制が現れる恐れがある(併用により交感神経抑制作用が強く現れる)]。

6.フィンゴリモド[フィンゴリモドの投与開始時に併用すると徐脈が増強されることがある(ともに徐脈を引き起こす恐れがある)]。

7.クロニジン[クロニジンの投与中止後のリバウンド現象<急激な血圧上昇>を増強する可能性があるので、本剤を中止した後、クロニジンを徐々に減量する(α2−選択的刺激作用を有するクロニジンの急激な中止により、血中カテコールアミンが上昇するが、β−遮断剤の併用によりα−刺激作用が優位に現れると考えられる)]。

8.アドレナリン製剤[血圧上昇、徐脈等が起こる恐れがあるので、血圧や脈拍に注意する(本剤のβ−遮断作用により、アドレナリンのα−刺激作用が優位になると考えられる)]。

9.血糖降下剤(インスリン、クロルプロパミド、トルブタミド等)[これらの薬剤の血糖降下作用を増強したり、低血糖症状<心悸亢進等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意する(本剤のβ−遮断作用による低血糖からの回復遅延と低血糖に伴う交感神経症状のマスクが考えられる)]。

10.リドカイン[リドカインの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど慎重に投与する(本剤による肝血流量の低下により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる)]。

11.麦角アルカロイド(エルゴタミン等)[末梢血流量の低下により四肢の疼痛・冷感・チアノーゼ等が起こる恐れがある(併用により末梢血管収縮作用が強く現れると考えられる)]。

12.非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、ナトリウムや水の貯留、血管収縮が生じ、降圧作用が減弱する)]。

13.降圧作用を有する他の薬剤(降圧剤、亜硝酸剤・硝酸剤等)[相互に降圧作用を増強する恐れがあるので、用量を調節するなど注意する(併用により降圧作用が強く現れる)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

1.高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている[脳梗塞等が起こる恐れがある]。

2.休薬を要する場合は、徐々に減量する。

3.本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する恐れがある。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[動物実験(ウサギ)で大量投与により胎仔死亡、流産が報告されており、また、ヒトにおける妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

2.授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[母乳中へ移行することが報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない[使用経験がない]。

過量投与

1.過量投与時の症状:過度の徐脈、心不全、低血圧、気管支痙攣等が現れることがある。

2.過量投与時の処置:投与を中止し、必要に応じて胃洗浄、血液透析等により薬剤の除去を行い、心電図をモニターするとともに、次記のような適切な処置を行う。

1).過量投与による過度の徐脈に対しては、まずアトロピン硫酸塩水和物(0.25〜1mg静注)を投与し、更に必要に応じてβ−刺激剤の投与や心臓ペーシングを行う。

2).過量投与による心不全に対しては、強心配糖体、利尿剤を投与する。

3).過量投与による低血圧に対しては、アドレナリン等の昇圧剤を投与する。

4).過量投与による気管支痙攣に対しては、β2−刺激剤の静脈内投与又はアミノフィリンの静脈内投与や補助呼吸を行う。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

その他の注意

β−遮断剤(プロプラノロール等)投与中の患者では、他の薬剤等によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療には反応しにくいとの報告がある。

保管上の注意

気密容器。

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