薬剤情報
後発品
薬効分類非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs)
一般名ピロキシカムカプセル
薬価11.1
メーカー富士フイルム富山化学
最終更新
2024年10月改訂(第2版)
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用法・用量

通常、成人にはピロキシカムとして、20mgを1日1回食後に経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜減量する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 本剤は1日最大20mgまでの投与とすること。

7.2. 本剤の投与に際しては、その必要性を明確に把握し、少なくとも投与後2週間を目処に治療継続の再評価を行い、漫然と投与し続けることのないよう注意すること(外国において、本剤が、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤に比較して、胃腸障害及び重篤な皮膚障害の発現率が高いとの報告がされている)〔8.2参照〕。

7.3. 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。

効能・効果

次記疾患並びに症状の消炎、鎮痛:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈効能共通〉他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の治療効果が不十分と考えられる患者のみに投与すること。

5.2. 〈腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群〉慢性期のみに投与すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 消化性潰瘍(穿孔を伴うことがある)(0.2%*)、吐血、下血等の胃腸出血(0.1%未満*)〔8.2、9.1.1、9.1.2、9.8高齢者の項参照〕。

11.1.2. ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、潮紅、血管浮腫、呼吸困難等)(いずれも頻度不明)。

11.1.3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.4. 再生不良性貧血、骨髄機能抑制(いずれも頻度不明)〔8.2参照〕。

11.1.5. 急性腎障害、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2、9.2.2参照〕。

11.1.6. AST上昇・ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)〔8.2、9.3.2参照〕。

11.1.7. 心筋梗塞、脳血管障害(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 消化器:(0.1〜2%未満*)胃部痛・腹部痛、胃部不快感・腹部不快感、胃もたれ、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢・軟便、口内炎、(0.1%未満*)便秘、舌炎、胃炎、腹部膨満感、(頻度不明)膵炎。

2). 血液:(0.1%未満*)貧血、顆粒球減少、血小板減少、紫斑、血小板機能低下(出血時間延長)、白血球増加、赤血球減少。

3). 肝臓:(0.1〜2%未満*)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満*)Al−P上昇、LDH上昇。

4). 腎臓:(0.1%未満*)BUN上昇、蛋白尿。

5). 過敏症:(0.1〜2%未満*)発疹、そう痒、(0.1%未満*)光線過敏症、湿疹、発赤、蕁麻疹。

6). 精神神経系:(0.1%未満*)眠気、めまい、頭痛、耳鳴、手足のしびれ。

7). その他:(0.1〜2%未満*)浮腫、(0.1%未満*)口渇、全身倦怠感、肩こり、発熱、動悸、ほてり、(頻度不明)腫脹。

*)臨床試験と承認後の使用成績調査を合算した発現頻度。

禁忌

2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させることがある]〔9.1.1、9.1.2参照〕。

2.2. 重篤な血液異常のある患者〔9.1.3参照〕。

2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.4. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。

2.5. 重篤な心機能不全のある患者〔9.1.5参照〕。

2.6. 重篤な高血圧症のある患者〔9.1.6参照〕。

2.7. 妊娠後期の患者〔9.5.1参照〕。

2.8. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.9. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重篤な喘息発作を誘発又は再発させることがある]〔9.1.7参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。

8.2. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には次の事項を考慮すること〔7.2参照〕。

・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を長期投与する場合には、定期的に尿検査、血液検査、肝機能検査及び便潜血検査等を行い、また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずること〔11.1.1、11.1.4−11.1.6参照〕。

・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分に経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)〔2.1、11.1.1参照〕。

9.1.2. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させることがある〔2.1、11.1.1参照〕。

9.1.3. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させることがある〔2.2参照〕。

9.1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがある。

9.1.5. 心機能障害<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、心機能障害を悪化させるおそれがある〔2.5参照〕。

9.1.6. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、血圧を上昇させるおそれがある〔2.6参照〕。

9.1.7. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:喘息発作を誘発させることがある〔2.9参照〕。

9.1.8. 潰瘍性大腸炎の患者:病態を悪化させることがある。

9.1.9. クローン病の患者:病態を悪化させることがある。

9.1.10. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こり、腎機能障害を悪化させることがある)〔2.4参照〕。

9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:腎機能障害を悪化又は再発させることがある〔11.1.5参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(肝機能障害を悪化させることがある)〔2.3参照〕。

9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害を悪化又は再発させることがある〔11.1.6参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)の作用を増強したとの報告があるので、血液凝固能検査を行うなど注意すること(本剤のヒトでの蛋白結合率が99.8%と高いため、ワルファリンの活性型が増加するためと考えられる)]。

2). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>[出血傾向が増強するおそれがある(SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、併用により出血傾向が増大すると考えられる)]。

3). アスピリン:

@. アスピリン[低用量アスピリンの血小板凝集抑制作用が減弱するおそれがある(血小板のシクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられる)]。

A. アスピリン[双方又は一方の医薬品の副作用の発現頻度が増加したとの報告がある(両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を示すためと考えられる)]。

4). 非ステロイド性消炎鎮痛剤[消化性潰瘍・胃腸出血の発現が高まるおそれがある(両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を示すためと考えられる)]。

5). 抗血小板薬[胃腸出血の発現が高まるおそれがある(抗血小板薬が血小板の凝集を阻害するためと考えられる)]。

6). リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈したとの報告があるので、血中リチウム濃度を測定するなど注意すること(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる)]。

7). メトトレキサート[メトトレキサートの作用が増強するおそれがあるので、併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる)]。

8). ジゴキシン、ジギトキシン[これらの薬剤の作用が増強するおそれがあるので、併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる)]。

9). チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)[チアジド系利尿剤との併用により、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤でチアジド系利尿剤の作用が減弱したとの報告がある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられる)]。

10). フロセミド[フロセミドの作用が減弱したとの報告がある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられる)]。

11). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等)、エプレレノン[降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられる)]。

12). ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤、β遮断薬[これらの薬剤の降圧作用が減弱するおそれがある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられる)]。

13). コレスチラミン<経口>[本剤の排泄が促進され血中濃度半減期が短縮したとの報告がある(コレスチラミンの薬物吸着作用により、本剤の消失が速まると考えられる)]。

14). 副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)[消化性潰瘍・胃腸出血の発現が高まるおそれがある(両剤とも消化管粘膜を傷害するため、併用した場合その影響が大きくなると考えられる)]。

15). シクロスポリン、タクロリムス[これらの薬剤の腎毒性が高まるおそれがある(プロスタグランジン生合成阻害に伴う腎血流量低下により、腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる)]。

高齢者

副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始し必要最小限の使用にとどめるなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(穿孔を伴う消化性潰瘍、胃腸出血等の副作用があらわれやすい)〔11.1.1参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

9.5.1. 妊娠後期の患者:投与しないこと。動物実験(ラット)で周産期投与により分娩遅延が報告されている。妊娠後期のラットに投与した実験で、胎仔動脈管収縮が報告されている〔2.7参照〕。

9.5.2. 妊婦<妊娠後期を除く>又は妊娠している可能性のある患者:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中への移行が報告されている)。

小児等

やむを得ず使用する場合には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること(小児等を対象とした臨床試験は実施していない)。

過量投与

13.1. 症状

非ステロイド性消炎鎮痛剤の過量投与時の一般的な徴候・症状は次のとおりである:嗜眠、傾眠、悪心・嘔吐、心窩部痛。

13.2. 処置

過量投与時、本剤は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有用ではないと考えられる。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

バキソカプセル20
バキソカプセル20

バキソカプセル20

非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs)
2024年10月改訂(第2版)
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一般名ピロキシカムカプセル
薬価11.1
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用法・用量

通常、成人にはピロキシカムとして、20mgを1日1回食後に経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜減量する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 本剤は1日最大20mgまでの投与とすること。

7.2. 本剤の投与に際しては、その必要性を明確に把握し、少なくとも投与後2週間を目処に治療継続の再評価を行い、漫然と投与し続けることのないよう注意すること(外国において、本剤が、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤に比較して、胃腸障害及び重篤な皮膚障害の発現率が高いとの報告がされている)〔8.2参照〕。

7.3. 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。

効能・効果

次記疾患並びに症状の消炎、鎮痛:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈効能共通〉他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の治療効果が不十分と考えられる患者のみに投与すること。

5.2. 〈腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群〉慢性期のみに投与すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 消化性潰瘍(穿孔を伴うことがある)(0.2%*)、吐血、下血等の胃腸出血(0.1%未満*)〔8.2、9.1.1、9.1.2、9.8高齢者の項参照〕。

11.1.2. ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、潮紅、血管浮腫、呼吸困難等)(いずれも頻度不明)。

11.1.3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.4. 再生不良性貧血、骨髄機能抑制(いずれも頻度不明)〔8.2参照〕。

11.1.5. 急性腎障害、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2、9.2.2参照〕。

11.1.6. AST上昇・ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)〔8.2、9.3.2参照〕。

11.1.7. 心筋梗塞、脳血管障害(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 消化器:(0.1〜2%未満*)胃部痛・腹部痛、胃部不快感・腹部不快感、胃もたれ、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢・軟便、口内炎、(0.1%未満*)便秘、舌炎、胃炎、腹部膨満感、(頻度不明)膵炎。

2). 血液:(0.1%未満*)貧血、顆粒球減少、血小板減少、紫斑、血小板機能低下(出血時間延長)、白血球増加、赤血球減少。

3). 肝臓:(0.1〜2%未満*)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満*)Al−P上昇、LDH上昇。

4). 腎臓:(0.1%未満*)BUN上昇、蛋白尿。

5). 過敏症:(0.1〜2%未満*)発疹、そう痒、(0.1%未満*)光線過敏症、湿疹、発赤、蕁麻疹。

6). 精神神経系:(0.1%未満*)眠気、めまい、頭痛、耳鳴、手足のしびれ。

7). その他:(0.1〜2%未満*)浮腫、(0.1%未満*)口渇、全身倦怠感、肩こり、発熱、動悸、ほてり、(頻度不明)腫脹。

*)臨床試験と承認後の使用成績調査を合算した発現頻度。

禁忌

2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させることがある]〔9.1.1、9.1.2参照〕。

2.2. 重篤な血液異常のある患者〔9.1.3参照〕。

2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.4. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。

2.5. 重篤な心機能不全のある患者〔9.1.5参照〕。

2.6. 重篤な高血圧症のある患者〔9.1.6参照〕。

2.7. 妊娠後期の患者〔9.5.1参照〕。

2.8. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.9. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重篤な喘息発作を誘発又は再発させることがある]〔9.1.7参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。

8.2. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には次の事項を考慮すること〔7.2参照〕。

・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を長期投与する場合には、定期的に尿検査、血液検査、肝機能検査及び便潜血検査等を行い、また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずること〔11.1.1、11.1.4−11.1.6参照〕。

・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分に経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)〔2.1、11.1.1参照〕。

9.1.2. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させることがある〔2.1、11.1.1参照〕。

9.1.3. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させることがある〔2.2参照〕。

9.1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがある。

9.1.5. 心機能障害<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、心機能障害を悪化させるおそれがある〔2.5参照〕。

9.1.6. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、血圧を上昇させるおそれがある〔2.6参照〕。

9.1.7. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:喘息発作を誘発させることがある〔2.9参照〕。

9.1.8. 潰瘍性大腸炎の患者:病態を悪化させることがある。

9.1.9. クローン病の患者:病態を悪化させることがある。

9.1.10. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こり、腎機能障害を悪化させることがある)〔2.4参照〕。

9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:腎機能障害を悪化又は再発させることがある〔11.1.5参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(肝機能障害を悪化させることがある)〔2.3参照〕。

9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害を悪化又は再発させることがある〔11.1.6参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)の作用を増強したとの報告があるので、血液凝固能検査を行うなど注意すること(本剤のヒトでの蛋白結合率が99.8%と高いため、ワルファリンの活性型が増加するためと考えられる)]。

2). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>[出血傾向が増強するおそれがある(SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、併用により出血傾向が増大すると考えられる)]。

3). アスピリン:

@. アスピリン[低用量アスピリンの血小板凝集抑制作用が減弱するおそれがある(血小板のシクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられる)]。

A. アスピリン[双方又は一方の医薬品の副作用の発現頻度が増加したとの報告がある(両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を示すためと考えられる)]。

4). 非ステロイド性消炎鎮痛剤[消化性潰瘍・胃腸出血の発現が高まるおそれがある(両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を示すためと考えられる)]。

5). 抗血小板薬[胃腸出血の発現が高まるおそれがある(抗血小板薬が血小板の凝集を阻害するためと考えられる)]。

6). リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈したとの報告があるので、血中リチウム濃度を測定するなど注意すること(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる)]。

7). メトトレキサート[メトトレキサートの作用が増強するおそれがあるので、併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる)]。

8). ジゴキシン、ジギトキシン[これらの薬剤の作用が増強するおそれがあるので、併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる)]。

9). チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)[チアジド系利尿剤との併用により、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤でチアジド系利尿剤の作用が減弱したとの報告がある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられる)]。

10). フロセミド[フロセミドの作用が減弱したとの報告がある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられる)]。

11). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等)、エプレレノン[降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられる)]。

12). ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤、β遮断薬[これらの薬剤の降圧作用が減弱するおそれがある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられる)]。

13). コレスチラミン<経口>[本剤の排泄が促進され血中濃度半減期が短縮したとの報告がある(コレスチラミンの薬物吸着作用により、本剤の消失が速まると考えられる)]。

14). 副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)[消化性潰瘍・胃腸出血の発現が高まるおそれがある(両剤とも消化管粘膜を傷害するため、併用した場合その影響が大きくなると考えられる)]。

15). シクロスポリン、タクロリムス[これらの薬剤の腎毒性が高まるおそれがある(プロスタグランジン生合成阻害に伴う腎血流量低下により、腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる)]。

高齢者

副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始し必要最小限の使用にとどめるなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(穿孔を伴う消化性潰瘍、胃腸出血等の副作用があらわれやすい)〔11.1.1参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

9.5.1. 妊娠後期の患者:投与しないこと。動物実験(ラット)で周産期投与により分娩遅延が報告されている。妊娠後期のラットに投与した実験で、胎仔動脈管収縮が報告されている〔2.7参照〕。

9.5.2. 妊婦<妊娠後期を除く>又は妊娠している可能性のある患者:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中への移行が報告されている)。

小児等

やむを得ず使用する場合には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること(小児等を対象とした臨床試験は実施していない)。

過量投与

13.1. 症状

非ステロイド性消炎鎮痛剤の過量投与時の一般的な徴候・症状は次のとおりである:嗜眠、傾眠、悪心・嘔吐、心窩部痛。

13.2. 処置

過量投与時、本剤は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有用ではないと考えられる。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

薬剤情報

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※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。