薬剤情報
後発品
薬効分類抗C型肝炎ウイルス薬・抗C型肝炎ウイルス薬 > HCV NS5A 阻害薬・HCV NS5B ポリメラーゼ阻害薬
一般名レジパスビルアセトン付加物・ソホスブビル錠
薬価55491.7
メーカーギリアド・サイエンシズ
最終更新
2023年05月改訂(第2版)
添付文書のPDFはこちら

用法・用量

通常、成人には1日1回1錠(レジパスビルとして90mg及びソホスブビルとして400mg)を12週間経口投与する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

本剤は、有効成分としてレジパスビル及びソホスブビルを含有した配合錠であるので、本剤の有効成分であるソホスブビルを含む製剤と併用しないこと。

効能・効果

セログループ1のC型慢性肝炎又はセログループ1のC型代償性肝硬変又はセログループ2のC型慢性肝炎又はセログループ2のC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善。

セログループ1:ジェノタイプ1、セログループ2:ジェノタイプ2。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。また、肝予備能、臨床症状等により非代償性肝硬変でないことを確認すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 高血圧(頻度不明):収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上に至った例も報告されている〔8.3参照〕。

11.1.2. 脳血管障害(頻度不明):脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 感染:(5%未満)鼻咽頭炎。

2). 血液・リンパ系:(5%未満)貧血。

3). 神経系:(5%未満)頭痛。

4). 循環器:(頻度不明)徐脈、房室ブロック、心房細動。

5). 消化器:(5%未満)悪心、便秘、口内炎、腹部不快感。

6). 皮膚及び皮下組織:(5%未満)皮膚そう痒症、発疹、(頻度不明)血管性浮腫。

7). その他:(5%未満)倦怠感、(頻度不明)疲労。

警告

本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重度腎機能障害(eGFR<30mL/分/1.73u)又は透析を必要とする腎不全の患者〔9.2.1、16.6.1参照〕。

2.3. 次の薬剤を投与中の患者:カルバマゼピン投与中、フェニトイン投与中、リファンピシン投与中、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中〔10.1、16.7.2参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 本剤とアミオダロンをやむを得ず併用する場合には、患者又はその家族に対して併用投与により徐脈等の重篤な不整脈が発現するリスクがあること等を十分説明するとともに、アミオダロンの併用投与により不整脈の徴候又は症状(失神寸前の状態又は失神、浮動性めまい、ふらつき、倦怠感、脱力、極度の疲労感、息切れ、胸痛、錯乱、記憶障害等)が認められた場合には速やかに担当医師に連絡するよう指導すること。また、本剤とアミオダロンをやむを得ず併用する場合には、併用投与開始から少なくとも3日間は入院下で適切に心電図モニタリングを実施し、アミオダロンの併用投与時、退院後少なくとも2週間は患者又はその家族等が心拍数を連日確認し、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと。なお、アミオダロンを長期間投与した際の血漿からの消失半減期は19〜53日と極めて長いため、本剤の投与開始前にアミオダロンの投与を中止した患者に対しても、患者又はその家族に対して投与により徐脈等の重篤な不整脈が発現するリスクがあること等を十分説明するとともに、本剤投与前にアミオダロン投与中止の患者にも不整脈の徴候・症状(失神寸前状態又は失神、浮動性めまい、ふらつき、倦怠感、脱力、極度の疲労感、息切れ、胸痛、錯乱、記憶障害等)がある際は速やかに担当医師に連絡するよう指導し、また、本剤の投与開始前にアミオダロンの投与を中止した患者に対しても、投与開始から少なくとも3日間は入院下で適切に心電図モニタリングを実施し、本剤の投与開始前にアミオダロンの投与を中止した患者に対しても、退院後少なくとも2週間は患者又はその家族等が心拍数を連日確認し、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと〔10.2参照〕。

8.2. B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.1参照〕。

8.3. 高血圧があらわれることがあるので、投与中は血圧の推移等に十分注意すること〔11.1.1参照〕。

8.4. C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、ワルファリンやタクロリムスの増量、低血糖によりインスリン等の糖尿病治療薬の減量が必要となった症例が報告されており、本剤による抗ウイルス治療に伴い、使用中の併用薬の用量調節が必要になる可能性があるので、特にワルファリン、タクロリムス等の肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤や糖尿病治療薬を使用している患者に本剤を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、頻回にPT−INRや頻回に血中薬物濃度、頻回に血糖値のモニタリングを行うなど患者の状態を十分に観察すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者:B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。

C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている〔8.2参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 重度腎機能障害(eGFR<30mL/分/1.73u)又は透析を必要とする腎不全の患者:投与しないこと〔2.2、16.6.1参照〕。

相互作用

レジパスビル及びソホスブビルはトランスポーター(P糖蛋白(P−gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP))の基質である〔16.7.1、16.7.2参照〕。

10.1. 併用禁忌:

リファンピシン<リファジン>〔2.3、16.7.2参照〕、カルバマゼピン<テグレトール>、フェニトイン<アレビアチン>〔2.3参照〕、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品〔2.3参照〕[本剤の血漿中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(これらの薬剤の強力なP−gpの誘導作用により、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある)]。

10.2. 併用注意:

1). 制酸剤<PPI・H2ブロッカー以外>(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)[レジパスビルの血漿中濃度が低下しレジパスビルの効果が減弱するおそれがある(レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下するので、胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する)]。

2). H2受容体拮抗剤(ファモチジン等)〔16.7.2参照〕[レジパスビルの血漿中濃度が低下しレジパスビルの効果が減弱するおそれがあるため、本剤と併用する場合は、H2受容体拮抗剤を本剤と同時に投与又は本剤投与と12時間の間隔をあけて投与すること(レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下するので、胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する)]。

3). プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール等)〔16.7.2参照〕[レジパスビルの血漿中濃度が低下しレジパスビルの効果が減弱するおそれがあるため、本剤投与前にプロトンポンプ阻害剤を投与しないこと(本剤と併用する場合は、プロトンポンプ阻害剤を空腹時に本剤と同時投与すること)(レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下するので、胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する)]。

4). アミオダロン〔8.1参照〕[徐脈等の不整脈があらわれるおそれがあり、海外の市販後において死亡例も報告されていることから、本剤とアミオダロンの併用は可能な限り避けること(ただし、やむを得ず本剤とアミオダロンを併用する場合は、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと)。また、β遮断剤投与中の患者、又は心疾患、重度肝疾患を有する患者では、アミオダロンの併用により徐脈等の不整脈の発現リスクが増加するおそれがある(機序は不明である)]。

5). ジゴキシン[ジゴキシンの血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤と併用する場合は、ジゴキシンの血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること(レジパスビルの腸管でのP−gpの阻害作用により、ジゴキシンのバイオアベイラビリティが増加する)]。

6). リファブチン、フェノバルビタール[レジパスビル及びソホスブビルの血漿中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(これら薬剤のP−gpの誘導作用により、レジパスビル及びソホスブビルの消化管における吸収が低下する可能性がある)]。

7). テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤〔16.7.2参照〕[テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤と本剤との併用により、テノホビルの血漿中濃度が上昇する(作用機序は不明であるが、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩が基質となるP−gp及びBCRPに対するレジパスビルの阻害作用が関与すると考えられる)]。

8). ロスバスタチン[ロスバスタチンの血漿中濃度が上昇し横紋筋融解症を含むミオパチーの発現リスクが高くなるおそれがある(レジパスビルのBCRP阻害作用により、ロスバスタチンのバイオアベイラビリティが増加する)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多くみられる)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で、レジパスビルの乳汁中への移行が示唆されており、ソホスブビルの主要代謝物であるGS−331007の乳汁中への移行が認められている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

過量投与時、レジパスビルは血漿蛋白との結合率が高いため血液透析により除去できる可能性は低いが、循環血液中のソホスブビルの主要代謝物であるGS−331007は、血液透析により53%が除去される(ソホスブビル400mgを投与した場合、4時間の血液透析により投与量換算で約18%)〔16.3、16.4、16.6.1参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ハーボニー配合錠
後発品はありません
ハーボニー配合錠
ハーボニー配合錠

ハーボニー配合錠

抗C型肝炎ウイルス薬・抗C型肝炎ウイルス薬 > HCV NS5A 阻害薬・HCV NS5B ポリメラーゼ阻害薬
2023年05月改訂(第2版)
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後発品
薬効分類抗C型肝炎ウイルス薬・抗C型肝炎ウイルス薬 > HCV NS5A 阻害薬・HCV NS5B ポリメラーゼ阻害薬
一般名レジパスビルアセトン付加物・ソホスブビル錠
薬価55491.7
メーカーギリアド・サイエンシズ
最終更新
2023年05月改訂(第2版)
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用法・用量

通常、成人には1日1回1錠(レジパスビルとして90mg及びソホスブビルとして400mg)を12週間経口投与する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

本剤は、有効成分としてレジパスビル及びソホスブビルを含有した配合錠であるので、本剤の有効成分であるソホスブビルを含む製剤と併用しないこと。

効能・効果

セログループ1のC型慢性肝炎又はセログループ1のC型代償性肝硬変又はセログループ2のC型慢性肝炎又はセログループ2のC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善。

セログループ1:ジェノタイプ1、セログループ2:ジェノタイプ2。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。また、肝予備能、臨床症状等により非代償性肝硬変でないことを確認すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 高血圧(頻度不明):収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上に至った例も報告されている〔8.3参照〕。

11.1.2. 脳血管障害(頻度不明):脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 感染:(5%未満)鼻咽頭炎。

2). 血液・リンパ系:(5%未満)貧血。

3). 神経系:(5%未満)頭痛。

4). 循環器:(頻度不明)徐脈、房室ブロック、心房細動。

5). 消化器:(5%未満)悪心、便秘、口内炎、腹部不快感。

6). 皮膚及び皮下組織:(5%未満)皮膚そう痒症、発疹、(頻度不明)血管性浮腫。

7). その他:(5%未満)倦怠感、(頻度不明)疲労。

警告

本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重度腎機能障害(eGFR<30mL/分/1.73u)又は透析を必要とする腎不全の患者〔9.2.1、16.6.1参照〕。

2.3. 次の薬剤を投与中の患者:カルバマゼピン投与中、フェニトイン投与中、リファンピシン投与中、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中〔10.1、16.7.2参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 本剤とアミオダロンをやむを得ず併用する場合には、患者又はその家族に対して併用投与により徐脈等の重篤な不整脈が発現するリスクがあること等を十分説明するとともに、アミオダロンの併用投与により不整脈の徴候又は症状(失神寸前の状態又は失神、浮動性めまい、ふらつき、倦怠感、脱力、極度の疲労感、息切れ、胸痛、錯乱、記憶障害等)が認められた場合には速やかに担当医師に連絡するよう指導すること。また、本剤とアミオダロンをやむを得ず併用する場合には、併用投与開始から少なくとも3日間は入院下で適切に心電図モニタリングを実施し、アミオダロンの併用投与時、退院後少なくとも2週間は患者又はその家族等が心拍数を連日確認し、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと。なお、アミオダロンを長期間投与した際の血漿からの消失半減期は19〜53日と極めて長いため、本剤の投与開始前にアミオダロンの投与を中止した患者に対しても、患者又はその家族に対して投与により徐脈等の重篤な不整脈が発現するリスクがあること等を十分説明するとともに、本剤投与前にアミオダロン投与中止の患者にも不整脈の徴候・症状(失神寸前状態又は失神、浮動性めまい、ふらつき、倦怠感、脱力、極度の疲労感、息切れ、胸痛、錯乱、記憶障害等)がある際は速やかに担当医師に連絡するよう指導し、また、本剤の投与開始前にアミオダロンの投与を中止した患者に対しても、投与開始から少なくとも3日間は入院下で適切に心電図モニタリングを実施し、本剤の投与開始前にアミオダロンの投与を中止した患者に対しても、退院後少なくとも2週間は患者又はその家族等が心拍数を連日確認し、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと〔10.2参照〕。

8.2. B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.1参照〕。

8.3. 高血圧があらわれることがあるので、投与中は血圧の推移等に十分注意すること〔11.1.1参照〕。

8.4. C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、ワルファリンやタクロリムスの増量、低血糖によりインスリン等の糖尿病治療薬の減量が必要となった症例が報告されており、本剤による抗ウイルス治療に伴い、使用中の併用薬の用量調節が必要になる可能性があるので、特にワルファリン、タクロリムス等の肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤や糖尿病治療薬を使用している患者に本剤を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、頻回にPT−INRや頻回に血中薬物濃度、頻回に血糖値のモニタリングを行うなど患者の状態を十分に観察すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者:B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。

C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている〔8.2参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 重度腎機能障害(eGFR<30mL/分/1.73u)又は透析を必要とする腎不全の患者:投与しないこと〔2.2、16.6.1参照〕。

相互作用

レジパスビル及びソホスブビルはトランスポーター(P糖蛋白(P−gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP))の基質である〔16.7.1、16.7.2参照〕。

10.1. 併用禁忌:

リファンピシン<リファジン>〔2.3、16.7.2参照〕、カルバマゼピン<テグレトール>、フェニトイン<アレビアチン>〔2.3参照〕、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品〔2.3参照〕[本剤の血漿中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(これらの薬剤の強力なP−gpの誘導作用により、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある)]。

10.2. 併用注意:

1). 制酸剤<PPI・H2ブロッカー以外>(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)[レジパスビルの血漿中濃度が低下しレジパスビルの効果が減弱するおそれがある(レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下するので、胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する)]。

2). H2受容体拮抗剤(ファモチジン等)〔16.7.2参照〕[レジパスビルの血漿中濃度が低下しレジパスビルの効果が減弱するおそれがあるため、本剤と併用する場合は、H2受容体拮抗剤を本剤と同時に投与又は本剤投与と12時間の間隔をあけて投与すること(レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下するので、胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する)]。

3). プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール等)〔16.7.2参照〕[レジパスビルの血漿中濃度が低下しレジパスビルの効果が減弱するおそれがあるため、本剤投与前にプロトンポンプ阻害剤を投与しないこと(本剤と併用する場合は、プロトンポンプ阻害剤を空腹時に本剤と同時投与すること)(レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下するので、胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する)]。

4). アミオダロン〔8.1参照〕[徐脈等の不整脈があらわれるおそれがあり、海外の市販後において死亡例も報告されていることから、本剤とアミオダロンの併用は可能な限り避けること(ただし、やむを得ず本剤とアミオダロンを併用する場合は、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと)。また、β遮断剤投与中の患者、又は心疾患、重度肝疾患を有する患者では、アミオダロンの併用により徐脈等の不整脈の発現リスクが増加するおそれがある(機序は不明である)]。

5). ジゴキシン[ジゴキシンの血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤と併用する場合は、ジゴキシンの血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること(レジパスビルの腸管でのP−gpの阻害作用により、ジゴキシンのバイオアベイラビリティが増加する)]。

6). リファブチン、フェノバルビタール[レジパスビル及びソホスブビルの血漿中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(これら薬剤のP−gpの誘導作用により、レジパスビル及びソホスブビルの消化管における吸収が低下する可能性がある)]。

7). テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤〔16.7.2参照〕[テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤と本剤との併用により、テノホビルの血漿中濃度が上昇する(作用機序は不明であるが、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩が基質となるP−gp及びBCRPに対するレジパスビルの阻害作用が関与すると考えられる)]。

8). ロスバスタチン[ロスバスタチンの血漿中濃度が上昇し横紋筋融解症を含むミオパチーの発現リスクが高くなるおそれがある(レジパスビルのBCRP阻害作用により、ロスバスタチンのバイオアベイラビリティが増加する)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多くみられる)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で、レジパスビルの乳汁中への移行が示唆されており、ソホスブビルの主要代謝物であるGS−331007の乳汁中への移行が認められている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

過量投与時、レジパスビルは血漿蛋白との結合率が高いため血液透析により除去できる可能性は低いが、循環血液中のソホスブビルの主要代謝物であるGS−331007は、血液透析により53%が除去される(ソホスブビル400mgを投与した場合、4時間の血液透析により投与量換算で約18%)〔16.3、16.4、16.6.1参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

貯法

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室温保存。

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