薬剤情報
後発品
薬効分類血圧降下薬 > 選択的β1遮断薬 抗不整脈薬 > 選択的β1遮断薬
一般名ビソプロロール貼付剤
薬価60.1
メーカートーアエイヨー
最終更新2024年04月改訂(第2版)

用法・用量

〈本態性高血圧症(軽症〜中等症)〉

通常、成人にはビソプロロールとして8mgを1日1回、胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。

なお、年齢、症状により1日1回4mgから投与を開始し、1日最大投与量は8mgとする。

〈頻脈性心房細動〉

通常、成人にはビソプロロールとして1日1回4mgから投与開始し、効果が不十分な場合には1日1回8mgに増量する。本剤は胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は8mgとする。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること〔2.8、9.1.11参照〕。

7.2. 頻脈性心房細動を合併する本態性高血圧症の患者に投与する場合、頻脈性心房細動の用法及び用量は1日1回4mgから開始することに留意した上で、各疾患の指標となる血圧や心拍数、症状等に応じ、開始用量を設定すること。

効能・効果

1). 本態性高血圧症<軽症〜中等症>。

2). 頻脈性心房細動。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 心不全(0.6%)、完全房室ブロック、高度徐脈、洞不全症候群(いずれも頻度不明):心機能検査を定期的に行い、このような副作用が発現した場合には減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(1%以上)徐脈、(1%未満)房室ブロック、血圧低下、心室性期外収縮、動悸、胸痛、(頻度不明)*心房細動、*心胸郭比増加[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

2). 精神神経系:(1%未満)頭痛、傾眠、浮動性めまい、体位性めまい、(頻度不明)*頭重感、*不眠、*悪夢[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

3). 消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、胃部不快感、腹部不快感、食欲不振、下痢[経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

4). 肝臓:(1%以上)ALT上昇、(1%未満)AST上昇、LDH上昇、Al−P上昇、ビリルビン上昇、(頻度不明)*γ−GTP上昇、*肝腫大[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

5). 腎臓・泌尿器:(1%以上)尿中蛋白陽性、(1%未満)クレアチニン上昇、BUN上昇、(頻度不明)*尿中ブドウ糖陽性、*頻尿[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

6). 呼吸器:(1%未満)呼吸困難、(頻度不明)*気管支痙攣[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

7). 過敏症:(1%未満)皮膚そう痒感、(頻度不明)*発疹[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

8). 眼:(頻度不明)霧視、涙液分泌減少[経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

9). 適用部位障害:(1%以上)(適用部位)皮膚炎、紅斑、そう痒感、(1%未満)(適用部位)疼痛、熱感、乾燥、湿疹、変色、びらん。

10). その他:(1%以上)好酸球百分率増加、血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加、CRP増加、(1%未満)無力症、疲労、倦怠感、CK上昇、血中コレステロール増加、HDLコレステロール増加、LDLコレステロール増加、血中ブドウ糖増加、(頻度不明)*浮腫、*気分不快感、*四肢冷感、*悪寒、*しびれ感、*糖尿病増悪[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

禁忌

2.1. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2・3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[症状を悪化させるおそれがある]。

2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させるおそれがある]。

2.3. 心原性ショックのある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある]。

2.4. 肺高血圧による右心不全のある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある]。

2.5. 強心薬を静脈内投与する必要のある心不全又は血管拡張薬を静脈内投与する必要のある心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある]。

2.6. 非代償性心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある]。

2.7. 重度末梢循環障害のある患者(壊疽等)[末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある]。

2.8. 未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.1、9.1.11参照〕。

2.9. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。徐脈又は低血圧の症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること(また、必要に応じアトロピンを使用すること)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

8.2. 類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。特に高齢者においては同様の注意をすること〔9.8.2参照〕。

8.3. 手術前48時間は投与しないことが望ましい。

8.4. めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

8.5. 本剤の貼付により皮膚症状を起こすことがあるので、本剤の使用が適切であるか慎重に判断すること。また、本剤の貼付に際しては貼付部位を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド軟膏等を投与するか、本剤を投与中止するなど適切な処置を行うこと〔14.1.1参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者:気管支を収縮させ、症状を発現させるおそれがある。

9.1.2. 心不全を合併する患者:心機能検査を行う等、観察を十分に行うこと(症状を悪化させるおそれがある)。

9.1.3. うっ血性心不全のおそれのある患者:観察を十分に行うこと(心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある)。

9.1.4. 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者:血糖値に注意すること(低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい)。

9.1.5. 甲状腺中毒症の患者:休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと(急に投与を中止すると、症状を悪化させるおそれがあり、また、頻脈等の中毒症状をマスクすることがある)。

9.1.6. 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等):末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。

9.1.7. 徐脈、房室ブロック<1度>のある患者:心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。

9.1.8. 過度に血圧の低い患者:血圧を更に低下させるおそれがある。

9.1.9. 異型狭心症の患者:症状を悪化させるおそれがある。

9.1.10. 乾癬の患者又は乾癬の既往のある患者:症状を悪化又は誘発させるおそれがある。

9.1.11. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤の単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがある〔2.8、7.1参照〕。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者:低用量から投与を開始することを考慮すること(薬物の排泄遅延により血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある)〔16.6.1参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:薬物の代謝が遅延し、作用が増強するおそれがある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 交感神経系に対し抑制的に作用する薬剤(レセルピン等)[過剰の交感神経抑制作用<徐脈・血圧低下等>があらわれることがあるので、異常が認められた場合には両剤の減量若しくは投与を中止する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。

2). 血糖降下剤(インスリン製剤、トルブタミド等)[血糖降下作用が増強することがあり、また、低血糖症状<頻脈・発汗等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する(β2遮断により肝臓でのグリコーゲン分解が抑制され、また、低血糖時に分泌されるアドレナリンにより生じる低血糖症状をマスクする)]。

3). Ca拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)[徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがあるので、定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する(相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させ、特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する)]。

4). ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン)[徐脈、房室ブロック等があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する(相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させ、特にCa拮抗剤との3剤併用時には注意を要する)]。

5). クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩[クロニジン、グアナベンズ投与中止後のリバウンド現象<急激な血圧上昇>が増強することがあるので、クロニジンを中止する場合は、あらかじめ本剤の投与中止等適切な処置を行う(クロニジンを中止した場合、血中ノルアドレナリンが上昇するが、β遮断剤と併用している場合、クロニジンの中止により、α作用が強調され、より急激な血圧上昇を起こす(グアナベンズも作用機序から同様な反応が予測される))]。

6). クラス1抗不整脈剤(ジソピラミドリン酸塩、プロカインアミド塩酸塩、アジマリン等)、クラス3抗不整脈剤(アミオダロン塩酸塩)[過度の心機能抑制<徐脈・低血圧等>があらわれることがあるので、臨床症状を観察し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。

7). 非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する)]。

8). 降圧作用を有する薬剤(降圧剤、硝酸剤)[降圧作用が増強することがあるので、定期的に血圧を測定し、両剤の用量を調節する(相加的に作用(降圧作用)を増強させる)]。

9). フィンゴリモド塩酸塩[フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある(共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある)]。

高齢者

9.8.1. 少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に過度の降圧は好ましくないとされており、また、脳梗塞等がおこるおそれがある)。

9.8.2. 徐脈等の心拍数障害・心リズム障害があらわれやすいので、このような症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること(なお、休薬を要する場合は、徐々に減量する)〔8.2参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与に際しては、母体及び胎児の状態を十分に観察すること。また、出生後も新生児の状態を十分に観察し、新生児の低血糖、徐脈、哺乳不良等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

妊婦にβ遮断薬を投与した場合に、胎児の発育不全、新生児の低血糖、徐脈、哺乳不良等が認められたとの報告がある。また、動物実験(ラット、ウサギ)で胎仔毒性(胎仔致死、胎仔発育抑制)及び新生仔毒性(新生仔発育毒性等)が報告されている(安全域*:ラット胎仔で58倍、ウサギ胎仔で39倍、ラット新生仔で19倍)。

*)ビソプロロールフマル酸塩の最大臨床用量の5mgと動物試験における体表面積換算した無毒性量(体表面積換算に基づくヒト等価用量)との比較による。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与により、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等があらわれることがある。

13.2. 処置

過量投与の場合は、本剤を皮膚から除去するとともに、次記等の適切な処置を行うこと。

・ 過量投与時の徐脈、完全房室ブロック:アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン塩酸塩等の投与や心臓ペーシングを適用すること。

・ 過量投与時の心不全の急性増悪:利尿薬を静脈内投与、強心薬を静脈内投与、血管拡張剤を静脈内投与すること。

・ 過量投与時の低血圧:強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用すること。

・ 過量投与時の気管支痙攣:イソプレナリン塩酸塩、β2刺激薬又はアミノフィリン水和物等の気管支拡張剤を投与すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

患者に対し次の点に注意するよう指導すること。

14.1.1. 貼付部位

・ 皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位には貼付しないこと。

・ 貼付部位に、発汗、湿潤、汚染等がみられるときは清潔なタオル等でよくふき取ってから本剤を貼付すること。特に夏期は、一般的に密封療法では皮膚症状が誘発されることが知られているので、十分に注意して投与すること。

・ 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること〔8.5参照〕。

14.1.2. 貼付期間中:本剤が皮膚から一部剥離した場合は、絆創膏等で剥離部を固定すること。

14.1.3. 保管:使用するまではアルミ袋を開封しないこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

β遮断剤使用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療では効果が得られない場合がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ビソノテープ4mg
後発品はありません
ビソノテープ4mg
ビソノテープ4mg

ビソノテープ4mg

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一般名ビソプロロール貼付剤
薬価60.1
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最終更新2024年04月改訂(第2版)

用法・用量

〈本態性高血圧症(軽症〜中等症)〉

通常、成人にはビソプロロールとして8mgを1日1回、胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。

なお、年齢、症状により1日1回4mgから投与を開始し、1日最大投与量は8mgとする。

〈頻脈性心房細動〉

通常、成人にはビソプロロールとして1日1回4mgから投与開始し、効果が不十分な場合には1日1回8mgに増量する。本剤は胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は8mgとする。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること〔2.8、9.1.11参照〕。

7.2. 頻脈性心房細動を合併する本態性高血圧症の患者に投与する場合、頻脈性心房細動の用法及び用量は1日1回4mgから開始することに留意した上で、各疾患の指標となる血圧や心拍数、症状等に応じ、開始用量を設定すること。

効能・効果

1). 本態性高血圧症<軽症〜中等症>。

2). 頻脈性心房細動。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 心不全(0.6%)、完全房室ブロック、高度徐脈、洞不全症候群(いずれも頻度不明):心機能検査を定期的に行い、このような副作用が発現した場合には減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(1%以上)徐脈、(1%未満)房室ブロック、血圧低下、心室性期外収縮、動悸、胸痛、(頻度不明)*心房細動、*心胸郭比増加[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

2). 精神神経系:(1%未満)頭痛、傾眠、浮動性めまい、体位性めまい、(頻度不明)*頭重感、*不眠、*悪夢[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

3). 消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、胃部不快感、腹部不快感、食欲不振、下痢[経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

4). 肝臓:(1%以上)ALT上昇、(1%未満)AST上昇、LDH上昇、Al−P上昇、ビリルビン上昇、(頻度不明)*γ−GTP上昇、*肝腫大[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

5). 腎臓・泌尿器:(1%以上)尿中蛋白陽性、(1%未満)クレアチニン上昇、BUN上昇、(頻度不明)*尿中ブドウ糖陽性、*頻尿[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

6). 呼吸器:(1%未満)呼吸困難、(頻度不明)*気管支痙攣[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

7). 過敏症:(1%未満)皮膚そう痒感、(頻度不明)*発疹[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

8). 眼:(頻度不明)霧視、涙液分泌減少[経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

9). 適用部位障害:(1%以上)(適用部位)皮膚炎、紅斑、そう痒感、(1%未満)(適用部位)疼痛、熱感、乾燥、湿疹、変色、びらん。

10). その他:(1%以上)好酸球百分率増加、血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加、CRP増加、(1%未満)無力症、疲労、倦怠感、CK上昇、血中コレステロール増加、HDLコレステロール増加、LDLコレステロール増加、血中ブドウ糖増加、(頻度不明)*浮腫、*気分不快感、*四肢冷感、*悪寒、*しびれ感、*糖尿病増悪[*:経口製剤の電子添文に記載のある副作用]。

禁忌

2.1. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック<2・3度>、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[症状を悪化させるおそれがある]。

2.2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させるおそれがある]。

2.3. 心原性ショックのある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある]。

2.4. 肺高血圧による右心不全のある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある]。

2.5. 強心薬を静脈内投与する必要のある心不全又は血管拡張薬を静脈内投与する必要のある心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある]。

2.6. 非代償性心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある]。

2.7. 重度末梢循環障害のある患者(壊疽等)[末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある]。

2.8. 未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.1、9.1.11参照〕。

2.9. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。徐脈又は低血圧の症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること(また、必要に応じアトロピンを使用すること)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

8.2. 類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。特に高齢者においては同様の注意をすること〔9.8.2参照〕。

8.3. 手術前48時間は投与しないことが望ましい。

8.4. めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

8.5. 本剤の貼付により皮膚症状を起こすことがあるので、本剤の使用が適切であるか慎重に判断すること。また、本剤の貼付に際しては貼付部位を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド軟膏等を投与するか、本剤を投与中止するなど適切な処置を行うこと〔14.1.1参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者:気管支を収縮させ、症状を発現させるおそれがある。

9.1.2. 心不全を合併する患者:心機能検査を行う等、観察を十分に行うこと(症状を悪化させるおそれがある)。

9.1.3. うっ血性心不全のおそれのある患者:観察を十分に行うこと(心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある)。

9.1.4. 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者:血糖値に注意すること(低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすい)。

9.1.5. 甲状腺中毒症の患者:休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと(急に投与を中止すると、症状を悪化させるおそれがあり、また、頻脈等の中毒症状をマスクすることがある)。

9.1.6. 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等):末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。

9.1.7. 徐脈、房室ブロック<1度>のある患者:心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。

9.1.8. 過度に血圧の低い患者:血圧を更に低下させるおそれがある。

9.1.9. 異型狭心症の患者:症状を悪化させるおそれがある。

9.1.10. 乾癬の患者又は乾癬の既往のある患者:症状を悪化又は誘発させるおそれがある。

9.1.11. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤の単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがある〔2.8、7.1参照〕。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者:低用量から投与を開始することを考慮すること(薬物の排泄遅延により血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある)〔16.6.1参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:薬物の代謝が遅延し、作用が増強するおそれがある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 交感神経系に対し抑制的に作用する薬剤(レセルピン等)[過剰の交感神経抑制作用<徐脈・血圧低下等>があらわれることがあるので、異常が認められた場合には両剤の減量若しくは投与を中止する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。

2). 血糖降下剤(インスリン製剤、トルブタミド等)[血糖降下作用が増強することがあり、また、低血糖症状<頻脈・発汗等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する(β2遮断により肝臓でのグリコーゲン分解が抑制され、また、低血糖時に分泌されるアドレナリンにより生じる低血糖症状をマスクする)]。

3). Ca拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)[徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがあるので、定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する(相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させ、特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する)]。

4). ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン)[徐脈、房室ブロック等があらわれることがあるので、定期的に心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する(相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させ、特にCa拮抗剤との3剤併用時には注意を要する)]。

5). クロニジン塩酸塩、グアナベンズ酢酸塩[クロニジン、グアナベンズ投与中止後のリバウンド現象<急激な血圧上昇>が増強することがあるので、クロニジンを中止する場合は、あらかじめ本剤の投与中止等適切な処置を行う(クロニジンを中止した場合、血中ノルアドレナリンが上昇するが、β遮断剤と併用している場合、クロニジンの中止により、α作用が強調され、より急激な血圧上昇を起こす(グアナベンズも作用機序から同様な反応が予測される))]。

6). クラス1抗不整脈剤(ジソピラミドリン酸塩、プロカインアミド塩酸塩、アジマリン等)、クラス3抗不整脈剤(アミオダロン塩酸塩)[過度の心機能抑制<徐脈・低血圧等>があらわれることがあるので、臨床症状を観察し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。

7). 非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する)]。

8). 降圧作用を有する薬剤(降圧剤、硝酸剤)[降圧作用が増強することがあるので、定期的に血圧を測定し、両剤の用量を調節する(相加的に作用(降圧作用)を増強させる)]。

9). フィンゴリモド塩酸塩[フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある(共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある)]。

高齢者

9.8.1. 少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に過度の降圧は好ましくないとされており、また、脳梗塞等がおこるおそれがある)。

9.8.2. 徐脈等の心拍数障害・心リズム障害があらわれやすいので、このような症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること(なお、休薬を要する場合は、徐々に減量する)〔8.2参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与に際しては、母体及び胎児の状態を十分に観察すること。また、出生後も新生児の状態を十分に観察し、新生児の低血糖、徐脈、哺乳不良等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

妊婦にβ遮断薬を投与した場合に、胎児の発育不全、新生児の低血糖、徐脈、哺乳不良等が認められたとの報告がある。また、動物実験(ラット、ウサギ)で胎仔毒性(胎仔致死、胎仔発育抑制)及び新生仔毒性(新生仔発育毒性等)が報告されている(安全域*:ラット胎仔で58倍、ウサギ胎仔で39倍、ラット新生仔で19倍)。

*)ビソプロロールフマル酸塩の最大臨床用量の5mgと動物試験における体表面積換算した無毒性量(体表面積換算に基づくヒト等価用量)との比較による。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与により、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙攣等があらわれることがある。

13.2. 処置

過量投与の場合は、本剤を皮膚から除去するとともに、次記等の適切な処置を行うこと。

・ 過量投与時の徐脈、完全房室ブロック:アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン塩酸塩等の投与や心臓ペーシングを適用すること。

・ 過量投与時の心不全の急性増悪:利尿薬を静脈内投与、強心薬を静脈内投与、血管拡張剤を静脈内投与すること。

・ 過量投与時の低血圧:強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用すること。

・ 過量投与時の気管支痙攣:イソプレナリン塩酸塩、β2刺激薬又はアミノフィリン水和物等の気管支拡張剤を投与すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

患者に対し次の点に注意するよう指導すること。

14.1.1. 貼付部位

・ 皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位には貼付しないこと。

・ 貼付部位に、発汗、湿潤、汚染等がみられるときは清潔なタオル等でよくふき取ってから本剤を貼付すること。特に夏期は、一般的に密封療法では皮膚症状が誘発されることが知られているので、十分に注意して投与すること。

・ 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること〔8.5参照〕。

14.1.2. 貼付期間中:本剤が皮膚から一部剥離した場合は、絆創膏等で剥離部を固定すること。

14.1.3. 保管:使用するまではアルミ袋を開封しないこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

β遮断剤使用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療では効果が得られない場合がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

後発品はありません
薬剤情報

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