薬効分類 | 気管支拡張薬・鎮咳薬・消炎・鎮痛・解熱薬 |
一般名 | ジプロフィリン・ジヒドロコデイン配合剤錠 (2) |
薬価 | 8.9円 |
メーカー | ヴィアトリス・ヘルスケア |
最終更新 | 2024年07月改訂(第4版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、成人には1回2錠、1日3回経口投与する。
なお、12歳以上の小児には、年齢により、適宜減量する。
1). かぜ症候群における鎮咳、鎮痛、解熱。
2). 気管支炎における鎮咳。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)。
11.1.2. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
11.1.3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)。
11.1.4. 顆粒球減少(頻度不明)。
11.1.5. 喘息発作の誘発(頻度不明)。
11.1.6. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):劇症肝炎、AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.7. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.1.8. 間質性腎炎(頻度不明)、急性腎障害(頻度不明)。
11.1.9. 呼吸抑制(頻度不明):息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと(なお、ジヒドロコデインリン酸塩による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する)。
11.1.10. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感、紅斑、発熱。
2). 精神神経系:(頻度不明)眠気、めまい、視調節障害、発汗、倦怠感、神経過敏、頭痛、不眠、熱感、疲労、難聴、抑うつ、知覚異常、言語障害、思考異常、運動失調。
3). 循環器:(頻度不明)不整脈、血圧変動、動悸、顔面潮紅、顔面蒼白。
4). 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、便秘、食欲不振、口渇、下痢、腹痛、腹部膨満感。
5). 血液:(頻度不明)血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)、チアノーゼ。
6). 依存性:(頻度不明)薬物依存[反復使用により生じることがあるので、観察を十分に行うこと]。
1.1. 本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので注意すること。
1.2. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤<一般用医薬品を含む>との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること〔13.1.1参照〕。
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある]。
2.3. 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げるおそれがある]。
2.4. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
2.6. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により、症状を悪化させるおそれがある]。
2.7. アドレナリン及びイソプロテレノール等のカテコールアミン投与中の患者[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある]〔10.1参照〕。
2.8. 12歳未満の小児〔9.7.2参照〕。
8.1. 用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。
8.2. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 脳器質的障害のある患者:呼吸抑制増強するおそれがある。
9.1.2. 気管支喘息のある患者:症状が悪化するおそれがある。
9.1.3. 代謝性アシドーシスのある患者:呼吸抑制を起こすおそれがある。
9.1.4. 副腎皮質機能低下症のある患者:呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.5. てんかんの患者:中枢神経刺激作用により発作を起こすおそれがある。
9.1.6. 心機能異常のある患者:症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
9.1.7. 呼吸機能障害のある患者:呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.8. 高血圧症の患者:交感神経刺激作用により高血圧症状を悪化させるおそれがある。
9.1.9. 消化性潰瘍又はその既往歴のある患者:症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
9.1.10. 血液異常又はその既往歴のある患者:症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
9.1.11. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがある。
9.1.12. 甲状腺機能異常のある患者:甲状腺機能異常を悪化させるおそれがある。
9.1.13. 開放隅角緑内障の患者:抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.14. 衰弱者:呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.15. アルコール多量常飲者:肝機能障害があらわれやすくなる〔10.2参照〕。
9.1.16. 絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者:肝機能障害があらわれやすくなる。
9.1.17. 18歳未満の肥満、18歳未満の閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は18歳未満の重篤な肺疾患を有する患者:投与しないこと(重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある)。
9.1.18. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者:アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 腎機能障害又はその既往歴のある患者:投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること(症状が悪化又は再発を促すおそれがある)。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(昏睡に陥るおそれがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能が悪化するおそれがある。
10.1. 併用禁忌:
カテコールアミン製剤(アドレナリン<ボスミン>、イソプロテレノール<プロタノール等>等)〔2.7参照〕[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので併用を避けること(メチルエフェドリン塩酸塩と相加的に交感神経刺激作用を増強させる)]。
10.2. 併用注意:
1). アルコール(飲酒):
@. アルコール(飲酒)〔9.1.15参照〕[呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがある(相加的に作用を増強させる)]。
A. アルコール(飲酒)〔9.1.15参照〕[アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある(アルコールによりアセトアミノフェンから肝毒性を持つN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される)]。
2). 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸系薬剤等(クロルプロマジン、ペルフェナジン、フェノバルビタール等))、吸入麻酔剤(エーテル等)、モノアミン酸化酵素阻害剤、三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)、β−遮断剤(アルプレノロール、プロプラノロール等)[呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがある(相加的に作用を増強させる)]。
3). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(ジヒドロコデインリン酸塩が作用を増強させるが、その作用機序は不明である;アセトアミノフェンが血漿蛋白結合部位において競合することで、その抗凝血作用を増強させる)]。
4). 甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン等)[メチルエフェドリン塩酸塩による交感神経刺激作用が増強される(甲状腺ホルモンがメチルエフェドリン塩酸塩の感受性を増大させると考えられている)]。
5). キサンチン系薬剤(テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、カフェイン等)、中枢神経興奮剤(マオウ等)[過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある(中枢神経刺激作用を増強させる)]。
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(妊婦)
9.5.1. 妊婦<12週以内あるいは妊娠後期>又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形性作用が、また、ヒトで、妊娠後期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある)。
9.5.2. 妊娠後期の女性へのアセトアミノフェンの投与により胎児動脈管収縮を起こすことがある。
9.5.3. 妊娠後期のラットにアセトアミノフェンを投与した実験で弱い胎仔動脈管収縮の報告がある。
9.5.4. 分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれるとの報告がある。
9.5.5. 外国において、分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれるとの報告がある。
(授乳婦)
授乳を避けさせること(ジヒドロコデインの類似化合物(コデイン)で、母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある。なお、授乳中でCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。ジフェンヒドラミンは、動物実験(ラット)で乳汁中に移行するとの報告がある)。
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 12歳未満の小児:投与しないこと(呼吸抑制の感受性が高い、海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある)〔2.8参照〕。
9.7.3. 12歳以上の小児:副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること、また、12歳以上の小児には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分行うこと(呼吸抑制の感受性が高い)。
13.1. アセトアミノフェン
13.1.1. 症状
(1). アセトアミノフェンの過量投与により肝臓壊死・腎臓壊死・心筋壊死(初期症状:悪心、嘔吐、発汗、全身倦怠感等)及びメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
(2). 総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤には、アセトアミノフェンを含むものがあり、本剤とこれら配合剤との偶発的な併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがある〔1.2参照〕。
13.1.2. 処置:アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝機能障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること。
13.2. ジヒドロコデインリン酸塩
13.2.1. 症状:ジヒドロコデインの過量投与により、呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
13.2.2. 処置:ジヒドロコデインの過量投与時には次の治療を行うことが望ましい[1)投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う、2)麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する(なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はジヒドロコデインのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する)、3)必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う]。
13.3. ブロモバレリル尿素
13.3.1. 症状:ブロモバレリル尿素の服用量の増加に伴い、麻酔深度が深くなり、覚醒までの時間も長くなる。ブロモバレリル尿素の過量投与時の急性中毒症状としては、中枢神経症状(四肢不全麻痺、深部反射消失、呼吸抑制等)が主なものであり、覚醒後に幻視、全身痙攣発作、神経炎、神経痛等が起こる場合がある。
13.3.2. 処置:ブロモバレリル尿素の過量投与時には通常、次のような処置が行われる[1)未吸収のものを除去;催吐、胃内容物の吸引、胃洗浄、必要に応じ活性炭投与を行う、2)排泄促進;留置カテーテルによる導尿を行い、フロセミド40〜80mgを静注し、利尿反応を見ながら反復投与する、3)呼吸管理;気道の確保、必要に応じ気管内挿管、人工呼吸、酸素吸入を行う、4)対症療法;昇圧剤、強心剤、呼吸興奮剤等の投与(重症の場合は血液透析、血液灌流を行う)]。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常を起こすことがあるので、長期投与を避けること。
15.1.2. 腎盂腫瘍及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5〜27kg、服用期間4〜30年)していた人が多いとの報告がある。
15.1.3. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
15.1.4. 遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩の活性代謝産物であるジヒドロモルヒネの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 気管支拡張薬・鎮咳薬・消炎・鎮痛・解熱薬 |
一般名 | ジプロフィリン・ジヒドロコデイン配合剤錠 (2) |
薬価 | 8.9円 |
メーカー | ヴィアトリス・ヘルスケア |
最終更新 | 2024年07月改訂(第4版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、成人には1回2錠、1日3回経口投与する。
なお、12歳以上の小児には、年齢により、適宜減量する。
1). かぜ症候群における鎮咳、鎮痛、解熱。
2). 気管支炎における鎮咳。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)。
11.1.2. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
11.1.3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)。
11.1.4. 顆粒球減少(頻度不明)。
11.1.5. 喘息発作の誘発(頻度不明)。
11.1.6. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):劇症肝炎、AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.7. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.1.8. 間質性腎炎(頻度不明)、急性腎障害(頻度不明)。
11.1.9. 呼吸抑制(頻度不明):息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと(なお、ジヒドロコデインリン酸塩による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する)。
11.1.10. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感、紅斑、発熱。
2). 精神神経系:(頻度不明)眠気、めまい、視調節障害、発汗、倦怠感、神経過敏、頭痛、不眠、熱感、疲労、難聴、抑うつ、知覚異常、言語障害、思考異常、運動失調。
3). 循環器:(頻度不明)不整脈、血圧変動、動悸、顔面潮紅、顔面蒼白。
4). 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、便秘、食欲不振、口渇、下痢、腹痛、腹部膨満感。
5). 血液:(頻度不明)血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)、チアノーゼ。
6). 依存性:(頻度不明)薬物依存[反復使用により生じることがあるので、観察を十分に行うこと]。
1.1. 本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので注意すること。
1.2. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤<一般用医薬品を含む>との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること〔13.1.1参照〕。
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある]。
2.3. 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げるおそれがある]。
2.4. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
2.6. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により、症状を悪化させるおそれがある]。
2.7. アドレナリン及びイソプロテレノール等のカテコールアミン投与中の患者[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある]〔10.1参照〕。
2.8. 12歳未満の小児〔9.7.2参照〕。
8.1. 用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。
8.2. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 脳器質的障害のある患者:呼吸抑制増強するおそれがある。
9.1.2. 気管支喘息のある患者:症状が悪化するおそれがある。
9.1.3. 代謝性アシドーシスのある患者:呼吸抑制を起こすおそれがある。
9.1.4. 副腎皮質機能低下症のある患者:呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.5. てんかんの患者:中枢神経刺激作用により発作を起こすおそれがある。
9.1.6. 心機能異常のある患者:症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
9.1.7. 呼吸機能障害のある患者:呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.1.8. 高血圧症の患者:交感神経刺激作用により高血圧症状を悪化させるおそれがある。
9.1.9. 消化性潰瘍又はその既往歴のある患者:症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
9.1.10. 血液異常又はその既往歴のある患者:症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
9.1.11. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがある。
9.1.12. 甲状腺機能異常のある患者:甲状腺機能異常を悪化させるおそれがある。
9.1.13. 開放隅角緑内障の患者:抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.14. 衰弱者:呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
9.1.15. アルコール多量常飲者:肝機能障害があらわれやすくなる〔10.2参照〕。
9.1.16. 絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者:肝機能障害があらわれやすくなる。
9.1.17. 18歳未満の肥満、18歳未満の閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は18歳未満の重篤な肺疾患を有する患者:投与しないこと(重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある)。
9.1.18. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者:アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 腎機能障害又はその既往歴のある患者:投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること(症状が悪化又は再発を促すおそれがある)。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(昏睡に陥るおそれがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能が悪化するおそれがある。
10.1. 併用禁忌:
カテコールアミン製剤(アドレナリン<ボスミン>、イソプロテレノール<プロタノール等>等)〔2.7参照〕[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので併用を避けること(メチルエフェドリン塩酸塩と相加的に交感神経刺激作用を増強させる)]。
10.2. 併用注意:
1). アルコール(飲酒):
@. アルコール(飲酒)〔9.1.15参照〕[呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがある(相加的に作用を増強させる)]。
A. アルコール(飲酒)〔9.1.15参照〕[アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある(アルコールによりアセトアミノフェンから肝毒性を持つN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される)]。
2). 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸系薬剤等(クロルプロマジン、ペルフェナジン、フェノバルビタール等))、吸入麻酔剤(エーテル等)、モノアミン酸化酵素阻害剤、三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)、β−遮断剤(アルプレノロール、プロプラノロール等)[呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがある(相加的に作用を増強させる)]。
3). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(ジヒドロコデインリン酸塩が作用を増強させるが、その作用機序は不明である;アセトアミノフェンが血漿蛋白結合部位において競合することで、その抗凝血作用を増強させる)]。
4). 甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン等)[メチルエフェドリン塩酸塩による交感神経刺激作用が増強される(甲状腺ホルモンがメチルエフェドリン塩酸塩の感受性を増大させると考えられている)]。
5). キサンチン系薬剤(テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、カフェイン等)、中枢神経興奮剤(マオウ等)[過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある(中枢神経刺激作用を増強させる)]。
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(妊婦)
9.5.1. 妊婦<12週以内あるいは妊娠後期>又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形性作用が、また、ヒトで、妊娠後期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある)。
9.5.2. 妊娠後期の女性へのアセトアミノフェンの投与により胎児動脈管収縮を起こすことがある。
9.5.3. 妊娠後期のラットにアセトアミノフェンを投与した実験で弱い胎仔動脈管収縮の報告がある。
9.5.4. 分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれるとの報告がある。
9.5.5. 外国において、分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれるとの報告がある。
(授乳婦)
授乳を避けさせること(ジヒドロコデインの類似化合物(コデイン)で、母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある。なお、授乳中でCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。ジフェンヒドラミンは、動物実験(ラット)で乳汁中に移行するとの報告がある)。
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 12歳未満の小児:投与しないこと(呼吸抑制の感受性が高い、海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある)〔2.8参照〕。
9.7.3. 12歳以上の小児:副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること、また、12歳以上の小児には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分行うこと(呼吸抑制の感受性が高い)。
13.1. アセトアミノフェン
13.1.1. 症状
(1). アセトアミノフェンの過量投与により肝臓壊死・腎臓壊死・心筋壊死(初期症状:悪心、嘔吐、発汗、全身倦怠感等)及びメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
(2). 総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤には、アセトアミノフェンを含むものがあり、本剤とこれら配合剤との偶発的な併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがある〔1.2参照〕。
13.1.2. 処置:アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝機能障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること。
13.2. ジヒドロコデインリン酸塩
13.2.1. 症状:ジヒドロコデインの過量投与により、呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
13.2.2. 処置:ジヒドロコデインの過量投与時には次の治療を行うことが望ましい[1)投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う、2)麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する(なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はジヒドロコデインのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する)、3)必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う]。
13.3. ブロモバレリル尿素
13.3.1. 症状:ブロモバレリル尿素の服用量の増加に伴い、麻酔深度が深くなり、覚醒までの時間も長くなる。ブロモバレリル尿素の過量投与時の急性中毒症状としては、中枢神経症状(四肢不全麻痺、深部反射消失、呼吸抑制等)が主なものであり、覚醒後に幻視、全身痙攣発作、神経炎、神経痛等が起こる場合がある。
13.3.2. 処置:ブロモバレリル尿素の過量投与時には通常、次のような処置が行われる[1)未吸収のものを除去;催吐、胃内容物の吸引、胃洗浄、必要に応じ活性炭投与を行う、2)排泄促進;留置カテーテルによる導尿を行い、フロセミド40〜80mgを静注し、利尿反応を見ながら反復投与する、3)呼吸管理;気道の確保、必要に応じ気管内挿管、人工呼吸、酸素吸入を行う、4)対症療法;昇圧剤、強心剤、呼吸興奮剤等の投与(重症の場合は血液透析、血液灌流を行う)]。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常を起こすことがあるので、長期投与を避けること。
15.1.2. 腎盂腫瘍及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5〜27kg、服用期間4〜30年)していた人が多いとの報告がある。
15.1.3. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
15.1.4. 遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩の活性代謝産物であるジヒドロモルヒネの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬剤写真、用法用量、効能効果や後発品の情報が一度に参照でき、関連情報へ簡単にアクセスができます。
一般名、製品名どちらでも検索可能!
※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。