薬剤情報
後発品
薬効分類ニューキノロン系 (フルオロキノロン系) 抗菌薬
一般名モキシフロキサシン塩酸塩錠
薬価243.4
メーカーバイエル薬品
最終更新2022年11月改訂(第1版)

用法・用量

通常、成人にはモキシフロキサシンとして、1回400mgを1日1回経口投与する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

7.2. 〈効能共通〉体重が40kg未満の患者では、低用量(200mg)を用いるなど慎重に投与すること〔9.8.2参照〕。

7.3. 〈表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染〉本剤の投与期間は、原則として7日間以内とすること。

7.4. 〈肺炎、副鼻腔炎〉本剤の投与期間は、原則として10日間以内とすること。

効能・効果

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、副鼻腔炎。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染〉一次選択薬としての使用は避けること。

5.2. 〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

適応菌種

モキシフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリス(ブランハメラ・カタラーリス)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、アクネ菌、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(血管浮腫等)(頻度不明):意識消失、咽頭浮腫、顔面浮腫、呼吸困難、じん麻疹等があらわれた場合には投与を中止すること。ショックがあらわれた場合には直ちにアドレナリン等の投与により血圧の維持を図り、必要に応じて気道の確保、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。

11.1.2. 心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)、QT延長(0.1%未満):不整脈の兆候がみられた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。女性及び高齢者ではQT間隔延長しやすい〔2.3、2.4、8.2、9.1.2、9.8.2参照〕。

11.1.3. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.4. アキレス腱炎、腱断裂(いずれも頻度不明)等の腱障害:腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、外国において、投与終了数ヵ月後にこれらの症状を発現した症例も報告されている)〔9.8.1参照〕。

11.1.5. 痙攣(頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.6. 錯乱、幻覚(いずれも0.1%未満)等の精神症状。

11.1.7. 失神、意識消失(いずれも頻度不明):失神、意識消失、意識レベル低下等があらわれることがある〔8.3参照〕。

11.1.8. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.9. 劇症肝炎(頻度不明)、肝炎(主に胆汁うっ滞性)(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(0.1%未満):劇症肝炎、肝炎(主に胆汁うっ滞性肝炎)、著しいAST上昇、著しいALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.1.10. 低血糖(頻度不明):重篤な低血糖があらわれることがある(高齢者、糖尿病患者であらわれやすい)〔9.8.2参照〕。

11.1.11. 重症筋無力症悪化(頻度不明)〔9.1.3参照〕。

11.1.12. 横紋筋融解症(頻度不明):観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

11.1.13. 大動脈瘤、大動脈解離(いずれも頻度不明)〔8.4、9.1.4参照〕。

11.1.14. 間質性肺炎(頻度不明)。

11.1.15. 急性腎障害(頻度不明)。

11.1.16. 過敏性血管炎(頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1〜1%未満)発疹、じん麻疹、(0.1%未満)アレルギー反応。

2). 精神神経系:(1〜10%未満)頭痛、浮動性めまい、(0.1〜1%未満)錯感覚、睡眠障害、振戦、傾眠、不安、(0.1%未満)感覚鈍麻、異常な夢、協調運動障害、会話障害、健忘、情動不安定、うつ病、離人症、精神運動亢進、(頻度不明)多発ニューロパシー、注意力障害、精神病性反応、知覚過敏。

3). 循環器:(0.1〜1%未満)動悸、頻脈、高血圧、血管拡張、(0.1%未満)低血圧、(頻度不明)不整脈、心室性頻脈性不整脈、*心停止[*:基礎疾患として重度不整脈を有する患者]。

4). 消化器:(1〜10%未満)悪心、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良、口渇、(0.1〜1%未満)食欲不振、便秘、鼓腸、口内炎、(0.1%未満)胃腸炎、嚥下障害。

5). 肝臓:(1〜10%未満)ALT上昇、AST上昇、(0.1〜1%未満)ビリルビン上昇、γ−GTP上昇、(頻度不明)Al−P上昇。

6). 腎臓:(0.1%未満)腎機能障害、(頻度不明)脱水。

7). 血液:(0.1〜1%未満)貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増加、INR増加、(0.1%未満)APTT延長、血小板増加、INR減少、(頻度不明)好中球減少。

8). 感覚器:(0.1〜1%未満)回転性めまい、味覚障害、視覚障害、(0.1%未満)嗅覚障害、耳鳴、聴覚障害、(頻度不明)一時的視力喪失。

9). その他:(1〜10%未満)カンジダ症、(0.1〜1%未満)発汗、そう痒、無力症、疼痛、アミラーゼ上昇、関節痛、筋痛、呼吸困難、高血糖、(0.1%未満)高尿酸血症、末梢性浮腫、筋痙攣、高脂血症、関節炎、(頻度不明)筋力低下、歩行障害。

禁忌

2.1. 本剤の成分又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重度肝障害のある患者〔9.3.1、16.6.2参照〕。

2.3. QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)〔8.2、9.1.2、11.1.2参照〕。

2.4. 低カリウム血症のある患者〔9.1.2、11.1.2参照〕。

2.5. クラス1A抗不整脈薬投与中(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、シベンゾリン、ピルメノール)又はクラス3抗不整脈薬投与中(アミオダロン、ソタロール等)の患者〔10.1参照〕。

2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

2.7. 小児等〔9.7小児等の項参照〕。

重要な基本的注意

8.1. ショック、アナフィラキシーがあらわれるおそれがあるので、事前にアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと〔11.1.1参照〕。

8.2. 本剤投与によりQT延長がみられていることから、心血管系障害を有する患者に対しては、本剤の投与を開始する前に心血管系の状態に注意をはらうこと〔2.3、9.1.2、11.1.2参照〕。

8.3. 失神、意識消失、めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。投与にあたっては、これらの副作用が発現する場合があることを患者等に十分に説明すること〔11.1.7参照〕。

8.4. 大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔9.1.4、11.1.13参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を起こすことがある〔11.1.5参照〕。

9.1.2. 重度徐脈等の不整脈、急性心筋虚血等の不整脈を起こしやすい患者:心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある〔2.3、2.4、8.2、11.1.2参照〕。

9.1.3. 重症筋無力症の患者:症状を悪化させることがある〔11.1.11参照〕。

9.1.4. 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくは大動脈瘤のリスク因子を有する又は大動脈解離のリスク因子を有する患者(マルファン症候群等):必要に応じて画像検査の実施を考慮すること(海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある)〔8.4、11.1.13参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重度肝障害のある患者:投与しないこと(臨床試験では除外されている)〔2.2、16.6.2参照〕。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

クラス1A抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド<アミサリン>、ジソピラミド<リスモダン>、シベンゾリン<シベノール>、ピルメノール<ピメノール>)、クラス3抗不整脈薬(アミオダロン<アンカロン>、ソタロール<ソタコール>等)〔2.5参照〕[本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがあり、心室性頻拍<Torsades de pointesを含む>、QT延長を起こすことがある(これらの抗不整脈薬は単独投与でもQT延長作用がみられている)]。

10.2. 併用注意:

1). チアジド系利尿剤、ループ系利尿剤、糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH、グリチルリチン製剤[低カリウム血症のある患者に本剤を投与した場合、心室性頻拍<Torsades de pointesを含む>、QT延長を起こすことがある(これらの薬剤が有するカリウム排泄作用により、低カリウム血症を発現することがある)]。

2). エリスロマイシン、抗精神病薬、三環系抗うつ薬[本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがある(これらの薬剤ではQT間隔を延長するとの報告がある)]。

3). アルミニウム含有の制酸剤<服用>又はマグネシウム含有の制酸剤<服用>等、鉄剤<服用>[本剤の吸収が低下し効果が減弱されるおそれがあるので、本剤服用後2時間以上あけるなど注意すること(多価の金属イオン含有製剤を併用した場合、難溶性のキレートを形成し、本剤の消化管からの吸収を減少させ、血中濃度を低下させるためと考えられている)]。

4). ワルファリン[ワルファリンの作用を増強しプロトロンビン時間の延長があらわれることがあるので、本剤を併用する場合は、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等を測定するなど、観察を十分に行うこと(ワルファリンの肝代謝を抑制、又はタンパク結合部位での置換により遊離ワルファリンが増加する等と考えられている)]。

5). フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソプロフェン等)[本剤を併用した場合、痙攣を起こすおそれがある(中枢神経系におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている)]。

6). 副腎皮質ホルモン剤<経口剤・注射剤>(プレドニゾロン<経口剤・注射剤>、ヒドロコルチゾン<経口剤・注射剤>等)[腱障害のリスクが増大するとの報告があるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(機序不明)]。

高齢者

9.8.1. 高齢者:腱障害があらわれやすいとの報告がある〔11.1.4参照〕。

9.8.2. 高齢者:患者の一般状態に注意して慎重に投与すること(本剤の臨床試験成績では、高齢者において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い)。特に、体重が40kg未満の高齢者では血中・組織内濃度が高くなるおそれがあり、副作用が発現しやすい〔7.2、11.1.2、11.1.10参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(サル、経口)で流産が報告されている)〔2.6参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット、経口)で乳汁中へ移行することが報告されている)。

小児等

投与しないこと(動物実験(幼若イヌ、幼若ラット)で関節部軟骨障害が認められており、また、小児等を対象とした臨床試験は実施していない)〔2.7参照〕。

過量投与

13.1. 症状

誤飲等による過量投与によってQT延長を起こすことがある。

13.2. 処置

過量投与時、心電図検査を行うことが望ましい(透析による除去率は低い)〔16.6.1参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

15.2.1. 動物実験(イヌ、ラット)で高用量・長期投与により甲状腺機能亢進が認められている。

15.2.2. 動物実験(イヌ)で高用量投与により眼毒性(水晶体の被膜下皮質空胞化、網膜萎縮等)が認められている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

アベロックス錠400mg
後発品はありません
アベロックス錠400mg
アベロックス錠400mg

アベロックス錠400mg

ニューキノロン系 (フルオロキノロン系) 抗菌薬
2022年11月改訂(第1版)
薬剤情報
後発品
薬効分類ニューキノロン系 (フルオロキノロン系) 抗菌薬
一般名モキシフロキサシン塩酸塩錠
薬価243.4
メーカーバイエル薬品
最終更新2022年11月改訂(第1版)

用法・用量

通常、成人にはモキシフロキサシンとして、1回400mgを1日1回経口投与する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

7.2. 〈効能共通〉体重が40kg未満の患者では、低用量(200mg)を用いるなど慎重に投与すること〔9.8.2参照〕。

7.3. 〈表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染〉本剤の投与期間は、原則として7日間以内とすること。

7.4. 〈肺炎、副鼻腔炎〉本剤の投与期間は、原則として10日間以内とすること。

効能・効果

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、副鼻腔炎。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染〉一次選択薬としての使用は避けること。

5.2. 〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

適応菌種

モキシフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリス(ブランハメラ・カタラーリス)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、アクネ菌、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(血管浮腫等)(頻度不明):意識消失、咽頭浮腫、顔面浮腫、呼吸困難、じん麻疹等があらわれた場合には投与を中止すること。ショックがあらわれた場合には直ちにアドレナリン等の投与により血圧の維持を図り、必要に応じて気道の確保、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。

11.1.2. 心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)、QT延長(0.1%未満):不整脈の兆候がみられた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。女性及び高齢者ではQT間隔延長しやすい〔2.3、2.4、8.2、9.1.2、9.8.2参照〕。

11.1.3. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.4. アキレス腱炎、腱断裂(いずれも頻度不明)等の腱障害:腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、外国において、投与終了数ヵ月後にこれらの症状を発現した症例も報告されている)〔9.8.1参照〕。

11.1.5. 痙攣(頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.6. 錯乱、幻覚(いずれも0.1%未満)等の精神症状。

11.1.7. 失神、意識消失(いずれも頻度不明):失神、意識消失、意識レベル低下等があらわれることがある〔8.3参照〕。

11.1.8. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.9. 劇症肝炎(頻度不明)、肝炎(主に胆汁うっ滞性)(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(0.1%未満):劇症肝炎、肝炎(主に胆汁うっ滞性肝炎)、著しいAST上昇、著しいALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.1.10. 低血糖(頻度不明):重篤な低血糖があらわれることがある(高齢者、糖尿病患者であらわれやすい)〔9.8.2参照〕。

11.1.11. 重症筋無力症悪化(頻度不明)〔9.1.3参照〕。

11.1.12. 横紋筋融解症(頻度不明):観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

11.1.13. 大動脈瘤、大動脈解離(いずれも頻度不明)〔8.4、9.1.4参照〕。

11.1.14. 間質性肺炎(頻度不明)。

11.1.15. 急性腎障害(頻度不明)。

11.1.16. 過敏性血管炎(頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1〜1%未満)発疹、じん麻疹、(0.1%未満)アレルギー反応。

2). 精神神経系:(1〜10%未満)頭痛、浮動性めまい、(0.1〜1%未満)錯感覚、睡眠障害、振戦、傾眠、不安、(0.1%未満)感覚鈍麻、異常な夢、協調運動障害、会話障害、健忘、情動不安定、うつ病、離人症、精神運動亢進、(頻度不明)多発ニューロパシー、注意力障害、精神病性反応、知覚過敏。

3). 循環器:(0.1〜1%未満)動悸、頻脈、高血圧、血管拡張、(0.1%未満)低血圧、(頻度不明)不整脈、心室性頻脈性不整脈、*心停止[*:基礎疾患として重度不整脈を有する患者]。

4). 消化器:(1〜10%未満)悪心、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良、口渇、(0.1〜1%未満)食欲不振、便秘、鼓腸、口内炎、(0.1%未満)胃腸炎、嚥下障害。

5). 肝臓:(1〜10%未満)ALT上昇、AST上昇、(0.1〜1%未満)ビリルビン上昇、γ−GTP上昇、(頻度不明)Al−P上昇。

6). 腎臓:(0.1%未満)腎機能障害、(頻度不明)脱水。

7). 血液:(0.1〜1%未満)貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増加、INR増加、(0.1%未満)APTT延長、血小板増加、INR減少、(頻度不明)好中球減少。

8). 感覚器:(0.1〜1%未満)回転性めまい、味覚障害、視覚障害、(0.1%未満)嗅覚障害、耳鳴、聴覚障害、(頻度不明)一時的視力喪失。

9). その他:(1〜10%未満)カンジダ症、(0.1〜1%未満)発汗、そう痒、無力症、疼痛、アミラーゼ上昇、関節痛、筋痛、呼吸困難、高血糖、(0.1%未満)高尿酸血症、末梢性浮腫、筋痙攣、高脂血症、関節炎、(頻度不明)筋力低下、歩行障害。

禁忌

2.1. 本剤の成分又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重度肝障害のある患者〔9.3.1、16.6.2参照〕。

2.3. QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)〔8.2、9.1.2、11.1.2参照〕。

2.4. 低カリウム血症のある患者〔9.1.2、11.1.2参照〕。

2.5. クラス1A抗不整脈薬投与中(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、シベンゾリン、ピルメノール)又はクラス3抗不整脈薬投与中(アミオダロン、ソタロール等)の患者〔10.1参照〕。

2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

2.7. 小児等〔9.7小児等の項参照〕。

重要な基本的注意

8.1. ショック、アナフィラキシーがあらわれるおそれがあるので、事前にアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと〔11.1.1参照〕。

8.2. 本剤投与によりQT延長がみられていることから、心血管系障害を有する患者に対しては、本剤の投与を開始する前に心血管系の状態に注意をはらうこと〔2.3、9.1.2、11.1.2参照〕。

8.3. 失神、意識消失、めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。投与にあたっては、これらの副作用が発現する場合があることを患者等に十分に説明すること〔11.1.7参照〕。

8.4. 大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔9.1.4、11.1.13参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を起こすことがある〔11.1.5参照〕。

9.1.2. 重度徐脈等の不整脈、急性心筋虚血等の不整脈を起こしやすい患者:心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある〔2.3、2.4、8.2、11.1.2参照〕。

9.1.3. 重症筋無力症の患者:症状を悪化させることがある〔11.1.11参照〕。

9.1.4. 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくは大動脈瘤のリスク因子を有する又は大動脈解離のリスク因子を有する患者(マルファン症候群等):必要に応じて画像検査の実施を考慮すること(海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある)〔8.4、11.1.13参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重度肝障害のある患者:投与しないこと(臨床試験では除外されている)〔2.2、16.6.2参照〕。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

クラス1A抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド<アミサリン>、ジソピラミド<リスモダン>、シベンゾリン<シベノール>、ピルメノール<ピメノール>)、クラス3抗不整脈薬(アミオダロン<アンカロン>、ソタロール<ソタコール>等)〔2.5参照〕[本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがあり、心室性頻拍<Torsades de pointesを含む>、QT延長を起こすことがある(これらの抗不整脈薬は単独投与でもQT延長作用がみられている)]。

10.2. 併用注意:

1). チアジド系利尿剤、ループ系利尿剤、糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH、グリチルリチン製剤[低カリウム血症のある患者に本剤を投与した場合、心室性頻拍<Torsades de pointesを含む>、QT延長を起こすことがある(これらの薬剤が有するカリウム排泄作用により、低カリウム血症を発現することがある)]。

2). エリスロマイシン、抗精神病薬、三環系抗うつ薬[本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがある(これらの薬剤ではQT間隔を延長するとの報告がある)]。

3). アルミニウム含有の制酸剤<服用>又はマグネシウム含有の制酸剤<服用>等、鉄剤<服用>[本剤の吸収が低下し効果が減弱されるおそれがあるので、本剤服用後2時間以上あけるなど注意すること(多価の金属イオン含有製剤を併用した場合、難溶性のキレートを形成し、本剤の消化管からの吸収を減少させ、血中濃度を低下させるためと考えられている)]。

4). ワルファリン[ワルファリンの作用を増強しプロトロンビン時間の延長があらわれることがあるので、本剤を併用する場合は、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等を測定するなど、観察を十分に行うこと(ワルファリンの肝代謝を抑制、又はタンパク結合部位での置換により遊離ワルファリンが増加する等と考えられている)]。

5). フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ロキソプロフェン等)[本剤を併用した場合、痙攣を起こすおそれがある(中枢神経系におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている)]。

6). 副腎皮質ホルモン剤<経口剤・注射剤>(プレドニゾロン<経口剤・注射剤>、ヒドロコルチゾン<経口剤・注射剤>等)[腱障害のリスクが増大するとの報告があるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(機序不明)]。

高齢者

9.8.1. 高齢者:腱障害があらわれやすいとの報告がある〔11.1.4参照〕。

9.8.2. 高齢者:患者の一般状態に注意して慎重に投与すること(本剤の臨床試験成績では、高齢者において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い)。特に、体重が40kg未満の高齢者では血中・組織内濃度が高くなるおそれがあり、副作用が発現しやすい〔7.2、11.1.2、11.1.10参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(サル、経口)で流産が報告されている)〔2.6参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット、経口)で乳汁中へ移行することが報告されている)。

小児等

投与しないこと(動物実験(幼若イヌ、幼若ラット)で関節部軟骨障害が認められており、また、小児等を対象とした臨床試験は実施していない)〔2.7参照〕。

過量投与

13.1. 症状

誤飲等による過量投与によってQT延長を起こすことがある。

13.2. 処置

過量投与時、心電図検査を行うことが望ましい(透析による除去率は低い)〔16.6.1参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

15.2.1. 動物実験(イヌ、ラット)で高用量・長期投与により甲状腺機能亢進が認められている。

15.2.2. 動物実験(イヌ)で高用量投与により眼毒性(水晶体の被膜下皮質空胞化、網膜萎縮等)が認められている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

後発品はありません
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