薬剤情報
後発品
薬効分類ベンゾジアゼピン系睡眠・抗不安・抗痙攣薬
一般名ジアゼパム10mg注射液
薬価83
メーカー日医工岐阜工場
最終更新2023年02月改訂(第17版)

用法・用量

本剤は、疾患の種類、症状の程度、年齢及び体重等を考慮して用いる。初回ジアゼパムとして10mgを筋肉内又は静脈内にできるだけ緩徐に注射する。以後、必要に応じて3〜4時間ごとに注射する。なお、静脈内に注射する場合には、なるべく太い静脈を選んで、できるだけ緩徐に(2分間以上をかけて)注射する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には、筋肉内注射しない。

2.痙攣の抑制のために本剤を投与する時、特に追加投与を繰り返す際には、呼吸器系抑制・循環器系抑制に注意する。

3.有機リン中毒、カーバメート中毒患者に本剤を投与する際は、特に次記事項に注意する。

1).有機リン中毒、カーバメート中毒における痙攣に対して投与する場合は、必ず呼吸状態の把握及び気道確保を行う。

2).有機リン中毒、カーバメート中毒患者に本剤を投与する際は、本剤は直接的な解毒作用を有さないため、アトロピン及びプラリドキシムを投与した上で本剤を投与する。

効能・効果

1.神経症における不安・神経症における緊張・神経症における抑うつ。

2.次記疾患及び状態における不安・興奮・抑うつの軽減:麻酔前、麻酔導入時、麻酔中、術後、アルコール依存症の禁断<離脱>症状、分娩時。

3.次記状態における痙攣の抑制:てんかん様重積状態、有機リン中毒、カーバメート中毒。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与する。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、譫妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状が現れることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行う。

2).舌根沈下による上気道閉塞が、また、慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

3).刺激興奮、錯乱等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

4).循環性ショックが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用(頻度不明)

1).精神神経系:眠気、ふらつき、眩暈、頭痛、言語障害、振戦、複視、霧視、眼振、失神、失禁、歩行失調、多幸症。

2).肝臓:黄疸[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。

3).血液:顆粒球減少、白血球減少[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。

4).循環器:血圧低下、頻脈、徐脈。

5).消化器:悪心、嘔吐、便秘、口渇、食欲不振。

6).過敏症:発疹[このような場合には投与を中止する]。

7).その他:倦怠感、脱力感、浮腫。

禁忌

1.急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。

2.重症筋無力症のある患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化する恐れがある]。

3.ショック、昏睡、バイタルサインの悪い急性アルコール中毒の患者[ときに頻脈、徐脈、血圧低下、循環性ショックが現れることがある]。

4.リトナビル投与中(HIVプロテアーゼ阻害剤)、ニルマトレルビル・リトナビル投与中の患者。

慎重投与

1.心障害、肝障害、腎障害のある患者[心障害では症状が悪化、肝障害・腎障害では排泄が遅延する恐れがある]。

2.脳器質的障害のある患者[作用が強く現れる]。

3.乳児、幼児[作用が強く現れる]。

4.高齢者。

5.衰弱患者[作用が強く現れる]。

6.高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者[静脈内注射時、無呼吸、心停止が起こりやすい]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意する。

2.連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避ける(本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討する)。

相互作用

1.併用禁忌:リトナビル<ノービア>、ニルマトレルビル・リトナビル<パキロビッド>[過度の鎮静や呼吸抑制等が起こる可能性がある(チトクロームP450に対する競合的阻害により、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測されている)]。

2.併用注意:

1).中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)、モノアミン酸化酵素阻害剤、オピオイド鎮痛剤、アルコール(飲酒)[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている)]。

2).シメチジン、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール:

(1).シメチジン、オメプラゾール[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(本剤のクリアランスがシメチジン、オメプラゾールとの併用により減少することが報告されている;本剤の代謝、排泄を遷延させる恐れがある)]。

(2).エソメプラゾール、ランソプラゾール[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(本剤の代謝、排泄を遷延させる恐れがある)]。

3).シプロフロキサシン、フルボキサミンマレイン酸塩[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(本剤のクリアランスが減少することが報告されている)]。

4).強いCYP3Aを阻害する薬剤(コビシスタットを含有する製剤、ボリコナゾール等)[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある(これら薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるため)]。

5).CYP3A4で代謝される薬剤(アゼルニジピン、ホスアンプレナビル等)[本剤又はこれらの薬剤の作用が増強される恐れがある(本剤とこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる)]。

6).エトラビリン[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある(エトラビリンのCYP2C9、CYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。

7).マプロチリン塩酸塩:

(1).マプロチリン塩酸塩[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている)]。

(2).マプロチリン塩酸塩[併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こる可能性がある(本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止により現れることが考えられている)]。

8).ミルタザピン[鎮静作用が増強される恐れがあり、また、ミルタザピンとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある(相加的な鎮静作用を示すことが考えられる)]。

9).バルプロ酸ナトリウム[本剤の作用が増強することがある(本剤の非結合型の血中濃度を上昇させる)]。

10).ダントロレンナトリウム水和物、ボツリヌス毒素製剤[筋弛緩作用が増強する可能性がある(相互に筋弛緩作用を増強することが考えられている)]。

11).リファンピシン[本剤の血中濃度が低下し作用が減弱する恐れがある(リファンピシンのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある)]。

12).アパルタミド[本剤の血中濃度が低下し作用が減弱する恐れがある(アパルタミドのCYP2C19誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある)]。

13).シナカルセト、エボカルセト[これら薬剤の血中濃度に影響を与える恐れがある(血漿蛋白結合率が高いことによる)]。

14).無水カフェイン[本剤の血中濃度が減少することがある(不明)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

高齢者へ投与する場合には、少量から投与を開始するなど慎重に投与する[運動失調等の副作用が発現しやすい]。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦<3カ月以内>又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中に本剤の投与を受けた患者の中に奇形児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある]。

2.妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある(ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸増強を起こすことが報告されている)。また、分娩時に静脈内注射した例にSleeping babyが報告されている]。

3.分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状が現れることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。

4.授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせる[ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸増強する可能性がある]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意する[外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある(本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している)]。

過量投与

本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読む。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.投与経路:

1).経口投与が困難な場合や、緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用する。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与に切り替える。

2).投与経路は静脈内注射を原則とする。

2.投与方法:

1).筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意する。

(1).筋肉内注射は、やむを得ない場合にのみ、必要最小限に行う。なお、特に筋肉内注射時同一部位への反復注射は行わない。

(2).筋肉内注射時神経走行部位を避けるよう注意する。

(3).注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射する。

2).急速に静脈内に注射した場合、あるいは細い静脈内に注射した場合には、血栓性静脈炎を起こす恐れがある。

3).動脈内に注射した場合には、末梢壊死を起こす恐れがあるので、動脈内には絶対に注射しない。

3.投与部位:静脈内注射時に血管痛が、また、筋肉内注射時に注射部痛、硬結がみられることがある。

4.配合変化:他の注射液と混合又は希釈して使用しない。

5.アンプルカット時:アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してから、ヤスリを用いないで、アンプル頭部のマークの反対方向に折る。

安定性試験結果の概要:長期保存試験(3年)の結果、ジアゼパム注射液10mg「NIG」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニルを投与された(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、鎮静・抗痙攣作用が遅延する恐れがある。

ジアゼパム注射液10mg「NIG」
ジアゼパム注射液10mg「NIG」

ジアゼパム注射液10mg「NIG」

ベンゾジアゼピン系睡眠・抗不安・抗痙攣薬
2023年02月改訂(第17版)
薬剤情報
後発品
薬効分類ベンゾジアゼピン系睡眠・抗不安・抗痙攣薬
一般名ジアゼパム10mg注射液
薬価83
メーカー日医工岐阜工場
最終更新2023年02月改訂(第17版)

用法・用量

本剤は、疾患の種類、症状の程度、年齢及び体重等を考慮して用いる。初回ジアゼパムとして10mgを筋肉内又は静脈内にできるだけ緩徐に注射する。以後、必要に応じて3〜4時間ごとに注射する。なお、静脈内に注射する場合には、なるべく太い静脈を選んで、できるだけ緩徐に(2分間以上をかけて)注射する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には、筋肉内注射しない。

2.痙攣の抑制のために本剤を投与する時、特に追加投与を繰り返す際には、呼吸器系抑制・循環器系抑制に注意する。

3.有機リン中毒、カーバメート中毒患者に本剤を投与する際は、特に次記事項に注意する。

1).有機リン中毒、カーバメート中毒における痙攣に対して投与する場合は、必ず呼吸状態の把握及び気道確保を行う。

2).有機リン中毒、カーバメート中毒患者に本剤を投与する際は、本剤は直接的な解毒作用を有さないため、アトロピン及びプラリドキシムを投与した上で本剤を投与する。

効能・効果

1.神経症における不安・神経症における緊張・神経症における抑うつ。

2.次記疾患及び状態における不安・興奮・抑うつの軽減:麻酔前、麻酔導入時、麻酔中、術後、アルコール依存症の禁断<離脱>症状、分娩時。

3.次記状態における痙攣の抑制:てんかん様重積状態、有機リン中毒、カーバメート中毒。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与する。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、譫妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状が現れることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行う。

2).舌根沈下による上気道閉塞が、また、慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

3).刺激興奮、錯乱等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

4).循環性ショックが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用(頻度不明)

1).精神神経系:眠気、ふらつき、眩暈、頭痛、言語障害、振戦、複視、霧視、眼振、失神、失禁、歩行失調、多幸症。

2).肝臓:黄疸[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。

3).血液:顆粒球減少、白血球減少[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。

4).循環器:血圧低下、頻脈、徐脈。

5).消化器:悪心、嘔吐、便秘、口渇、食欲不振。

6).過敏症:発疹[このような場合には投与を中止する]。

7).その他:倦怠感、脱力感、浮腫。

禁忌

1.急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。

2.重症筋無力症のある患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化する恐れがある]。

3.ショック、昏睡、バイタルサインの悪い急性アルコール中毒の患者[ときに頻脈、徐脈、血圧低下、循環性ショックが現れることがある]。

4.リトナビル投与中(HIVプロテアーゼ阻害剤)、ニルマトレルビル・リトナビル投与中の患者。

慎重投与

1.心障害、肝障害、腎障害のある患者[心障害では症状が悪化、肝障害・腎障害では排泄が遅延する恐れがある]。

2.脳器質的障害のある患者[作用が強く現れる]。

3.乳児、幼児[作用が強く現れる]。

4.高齢者。

5.衰弱患者[作用が強く現れる]。

6.高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者[静脈内注射時、無呼吸、心停止が起こりやすい]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意する。

2.連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避ける(本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討する)。

相互作用

1.併用禁忌:リトナビル<ノービア>、ニルマトレルビル・リトナビル<パキロビッド>[過度の鎮静や呼吸抑制等が起こる可能性がある(チトクロームP450に対する競合的阻害により、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測されている)]。

2.併用注意:

1).中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)、モノアミン酸化酵素阻害剤、オピオイド鎮痛剤、アルコール(飲酒)[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている)]。

2).シメチジン、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール:

(1).シメチジン、オメプラゾール[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(本剤のクリアランスがシメチジン、オメプラゾールとの併用により減少することが報告されている;本剤の代謝、排泄を遷延させる恐れがある)]。

(2).エソメプラゾール、ランソプラゾール[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(本剤の代謝、排泄を遷延させる恐れがある)]。

3).シプロフロキサシン、フルボキサミンマレイン酸塩[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(本剤のクリアランスが減少することが報告されている)]。

4).強いCYP3Aを阻害する薬剤(コビシスタットを含有する製剤、ボリコナゾール等)[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある(これら薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるため)]。

5).CYP3A4で代謝される薬剤(アゼルニジピン、ホスアンプレナビル等)[本剤又はこれらの薬剤の作用が増強される恐れがある(本剤とこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる)]。

6).エトラビリン[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある(エトラビリンのCYP2C9、CYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。

7).マプロチリン塩酸塩:

(1).マプロチリン塩酸塩[眠気・注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等が増強することがある(相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている)]。

(2).マプロチリン塩酸塩[併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こる可能性がある(本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止により現れることが考えられている)]。

8).ミルタザピン[鎮静作用が増強される恐れがあり、また、ミルタザピンとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある(相加的な鎮静作用を示すことが考えられる)]。

9).バルプロ酸ナトリウム[本剤の作用が増強することがある(本剤の非結合型の血中濃度を上昇させる)]。

10).ダントロレンナトリウム水和物、ボツリヌス毒素製剤[筋弛緩作用が増強する可能性がある(相互に筋弛緩作用を増強することが考えられている)]。

11).リファンピシン[本剤の血中濃度が低下し作用が減弱する恐れがある(リファンピシンのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある)]。

12).アパルタミド[本剤の血中濃度が低下し作用が減弱する恐れがある(アパルタミドのCYP2C19誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある)]。

13).シナカルセト、エボカルセト[これら薬剤の血中濃度に影響を与える恐れがある(血漿蛋白結合率が高いことによる)]。

14).無水カフェイン[本剤の血中濃度が減少することがある(不明)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

高齢者へ投与する場合には、少量から投与を開始するなど慎重に投与する[運動失調等の副作用が発現しやすい]。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦<3カ月以内>又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中に本剤の投与を受けた患者の中に奇形児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある]。

2.妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある(ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸増強を起こすことが報告されている)。また、分娩時に静脈内注射した例にSleeping babyが報告されている]。

3.分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状が現れることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。

4.授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせる[ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸増強する可能性がある]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意する[外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある(本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している)]。

過量投与

本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読む。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.投与経路:

1).経口投与が困難な場合や、緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用する。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与に切り替える。

2).投与経路は静脈内注射を原則とする。

2.投与方法:

1).筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意する。

(1).筋肉内注射は、やむを得ない場合にのみ、必要最小限に行う。なお、特に筋肉内注射時同一部位への反復注射は行わない。

(2).筋肉内注射時神経走行部位を避けるよう注意する。

(3).注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射する。

2).急速に静脈内に注射した場合、あるいは細い静脈内に注射した場合には、血栓性静脈炎を起こす恐れがある。

3).動脈内に注射した場合には、末梢壊死を起こす恐れがあるので、動脈内には絶対に注射しない。

3.投与部位:静脈内注射時に血管痛が、また、筋肉内注射時に注射部痛、硬結がみられることがある。

4.配合変化:他の注射液と混合又は希釈して使用しない。

5.アンプルカット時:アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してから、ヤスリを用いないで、アンプル頭部のマークの反対方向に折る。

安定性試験結果の概要:長期保存試験(3年)の結果、ジアゼパム注射液10mg「NIG」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニルを投与された(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、鎮静・抗痙攣作用が遅延する恐れがある。

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