抗悪性腫瘍薬 > 代謝拮抗薬
薬効分類 | 抗悪性腫瘍薬 > 代謝拮抗薬 |
一般名 | クロファラビン注射液 |
薬価 | 146926円 |
メーカー | サノフィ |
最終更新 | 2013年06月改訂(第1版) |
クロファラビンとして52mg/㎡(体表面積)を1日1回2時間以上かけて点滴静注する。これを5日間連日投与し、少なくとも9日間休薬する。これを1クールとして繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
1.腎機能障害のある患者では、本剤の血中濃度が上昇することが報告されているため、減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意する。
2.本剤を減量、休薬又は中止する場合には、副作用の症状、重症度等に応じて次の基準を考慮する。
1).好中球数減少:750/mm3以上に回復するまで休薬する;4週以上持続するグレード4の好中球減少症<ANC500/mm3未満>が認められた場合は、次のクールでは用量を25%減らす。
2).グレード3以上の非感染性非血液毒性:グレード1又はベースラインまで回復するまで休薬する;グレード3以上の非感染性非血液毒性<グレード3の一過性肝酵素上昇除く>、グレード3以上の非感染性非血液毒性<制吐剤でコントロールできる嘔気除く>・グレード3以上の非感染性非血液毒性<制吐剤でコントロールできる嘔吐除く>が認められた場合は、投与を中止し、次のクールでは用量を25%減らす。
3).感染症:臨床的にコントロールされるまで休薬する。
注)グレードはNCI−CTCに準じる。
3.本剤と他の抗悪性腫瘍薬との併用に関する有効性及び安全性は確立していない。
4.日本人患者においては2クール以上の投与経験はない。
再発又は難治性の急性リンパ性白血病。
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
1.添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う。
2.臨床試験において組み入れられた患者の年齢以外での本剤の有効性及び安全性は確立していない。
国内における再発又は難治性の急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象とした臨床試験において安全性評価対象症例7例中7例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇各5例(各71.4%)、貧血、悪心、嘔吐、食欲減退各4例(各57.1%)であった。
海外における再発又は難治性の急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象とした臨床試験において安全性評価対象症例132例中126例(95.5%)に副作用が認められた。
主な副作用は、嘔吐80例(60.6%)、悪心68例(51.5%)、発熱性好中球減少症57例(43.2%)、頭痛42例(31.8%)であった(承認時)。
「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、海外臨床試験の結果を示した。
なお、これらの臨床試験以外又は自発報告のみからの報告は頻度不明とした。
1.重大な副作用
1).骨髄抑制:白血球減少(81.7%)、リンパ球減少(84.6%)、血小板減少(81.7%)、貧血(80.0%)、好中球減少(68.7%)等の血液障害、及び発熱性好中球減少症(43.2%)が現れることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
2).感染症:敗血症(3.0%)、肺炎(2.3%)等の感染症(35.6%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).全身性炎症反応症候群、毛細血管漏出症候群:全身性炎症反応症候群(0.8%)、毛細血管漏出症候群(2.3%)が現れる恐れがあり、死亡に至った例が報告されているので、患者の状態を十分に観察し、頻呼吸、頻脈、低血圧、肺水腫など症状がみられた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行う。
4).肝不全、肝機能障害、黄疸、静脈閉塞性肝疾患:肝不全(頻度不明)、AST上昇(GOT上昇)(79.6%)、ALT上昇(GPT上昇)(78.9%)及びビリルビン上昇(50.5%)等を伴う肝機能障害、黄疸(1.5%)、静脈閉塞性肝疾患(0.8%)が現れることがあり、死亡に至った例が報告されているので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
5).腎不全:腎不全(2.3%)等の腎機能障害が現れることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
6).腫瘍崩壊症候群:腫瘍崩壊症候群(4.5%)が現れることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察する。
7).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明)が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
8).心障害:心嚢液貯留(2.3%)、左室機能不全(1.5%)、心不全(0.8%)、QT延長(頻度不明)等の心障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).心臓障害:(1〜5%未満)頻脈。
2).胃腸障害:(5%以上)悪心(51.5%)、嘔吐(60.6%)、下痢(22.7%)、腹痛、(1〜5%未満)肛門周囲痛、口内炎、口腔内出血、胃腸出血、(1%未満)歯肉出血、膵炎、上腹部痛、(頻度不明)口腔内潰瘍形成。
3).一般・全身障害及び投与部位の状態:(5%以上)発熱(28.8%)、粘膜炎症、疲労、悪寒、(1〜5%未満)易刺激性、浮腫、末梢性浮腫、無力症、(1%未満)多臓器不全、疼痛、全身性浮腫、熱感、異常感。
4).代謝及び栄養障害:(5%以上)食欲減退、(1〜5%未満)低ナトリウム血症、低カリウム血症、(1%未満)脱水。
5).筋骨格系及び結合組織障害:(5%以上)四肢痛、(1〜5%未満)骨痛、背部痛、関節痛、筋肉痛、(1%未満)胸壁痛、(頻度不明)頚部痛。
6).神経系障害:(5%以上)頭痛(31.8%)、(1〜5%未満)嗜眠、浮動性眩暈、末梢性ニューロパチー、(1%未満)振戦、(頻度不明)傾眠、錯感覚。
7).精神障害:(5%以上)不安、(1〜5%未満)激越、(1%未満)精神状態変化、(頻度不明)落ち着きのなさ。
8).呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1〜5%未満)呼吸困難、咳嗽、鼻出血、(1%未満)呼吸窮迫、(頻度不明)頻呼吸。
9).皮膚及び皮下組織障害:(5%以上)発疹(22.7%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚そう痒症、(1〜5%未満)紅斑、そう痒性皮疹、脱毛症、皮膚乾燥、多汗症、点状出血、(1%未満)皮膚剥脱、全身性皮疹、全身紅斑、皮膚色素過剰、(頻度不明)斑状丘疹性発疹、紅斑性発疹。
10).血管障害:(5%以上)潮紅、低血圧、(1〜5%未満)血腫。
11).感染症及び寄生虫症:(1〜5%未満)単純ヘルペス、口腔カンジダ症、菌血症、(1%未満)帯状疱疹、(頻度不明)カテーテル関連感染。
12).免疫系障害:(5%以上)過敏症。
13).その他:(1〜5%未満)体重減少、(1%未満)聴力低下、挫傷、血尿、(頻度不明)黄疸眼。
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ投与する。
また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与する。なお、本剤使用にあたっては添付文書を熟読する。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
1.腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇する恐れがある]。
2.肝機能障害のある患者[肝機能障害が悪化する恐れがある]。
3.骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強される恐れがある]。
4.感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪する恐れがある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤の投与により、感染症増悪又は感染症等の重篤な副作用が増悪又は現れることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うとともにカンジダ等の真菌、サイトメガロウイルス等のウイルス、ニューモシスティス等による重症日和見感染に注意する。
2.ALT上昇(GPT上昇)、AST上昇(GOT上昇)、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、肝不全が現れることがあるので、本剤による治療中は、定期的に肝機能検査を実施し、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
3.腎機能障害又は腎不全が現れることがあるので、本剤による治療中は、定期的に腎機能検査を実施し、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
4.低カリウム血症、低ナトリウム血症等の電解質異常の発現が報告されているので、本剤による治療中は、定期的に血清中電解質検査を行う。異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
5.生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮する。
6.成人白血病患者を対象とした国内第1相試験での最大耐用量は30mg/㎡であった。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外には投与しない。また、妊娠する可能性のある婦人には、本剤による治療中は避妊するよう指導する(妊娠中に本剤を使用するか、本剤を使用中の患者が妊娠した場合は、胎児に異常が生じる可能性があることを患者に十分説明する)[動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性及び胚致死作用が認められている]。
2.授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる[クロファラビンがヒトの乳汁中に移行するかどうかは不明である]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
海外の臨床試験において、本剤70mg/㎡/日を5日間投与された2例の小児ALL患者において、グレード4の高ビリルビン血症、グレード2の嘔吐及びグレード3の嘔吐、及びグレード3の斑状丘疹状皮疹が認められた。過量投与が疑われた場合には、減量、休薬又は投与を中止し、必要に応じて適切な処置を行う。
注)グレードはNCI−CTCに準じる。
(適用上の注意)
1.投与経路:本剤は静脈内にのみ投与する。
2.調製時:
1).本剤は希釈して使用する。
2).本剤を滅菌済みシリンジフィルター(孔径0.2μm)で濾過し、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液で希釈して最終的に0.15〜0.4mg/mLの濃度に調製する。
3).希釈後は速やかに使用し、希釈後やむをえず保存する場合は、15〜30℃で保存し、24時間以内に使用する。使用後の残液は適切に廃棄する。
4).本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚、眼、粘膜に薬液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗い流す。
3.投与時:本剤は配合変化試験を実施していないため、他の静注用薬剤<5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液を除く>等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避ける。
1.本剤のがん原性試験は実施していないが、哺乳類細胞(CHO細胞)を用いた染色体異常試験(in vitro)及びラットを用いた小核試験(in vivo)において、染色体異常誘発性を示した。なお、細菌突然変異試験法(エームズ試験)においては、変異原性は示されなかった。
2.本剤の性腺に対する影響については不明であるが、動物実験において精巣毒性が認められているので、性腺に対する影響を考慮する。[マウス、ラット、及びイヌを用いた試験において、雄の生殖器に用量依存性有害作用を及ぼすことが示された。1日用量3mg/kg(9mg/㎡:体表面積に基づく推奨臨床用量の約17%)を腹腔内投与した雄のマウスにおいて、精細管変性・精細管萎縮及び精巣変性・精巣萎縮が報告された。1日用量25mg/kg(150mg/㎡:体表面積に基づく推奨臨床用量の約3倍)をラットに静脈内投与した6カ月間の試験では、残留精子細胞を伴う精上皮両側変性、及び精巣間質細胞萎縮がみられた。イヌに静脈内投与を行った6カ月間の試験では、1日用量0.375mg/kg(7.5mg/㎡:体表面積に基づく推奨臨床用量の約14%)投与群で、精巣上体細胞変性及び精巣内精上皮変性がみられた。1日用量75mg/kg(225mg/㎡:体表面積に基づく推奨臨床用量の約4倍)を投与した雌のマウスで、卵巣萎縮や卵巣変性及び子宮内膜アポトーシスがみられた。雌のマウスに投与したのは、この用量のみであった]。
薬効分類 | 抗悪性腫瘍薬 > 代謝拮抗薬 |
一般名 | クロファラビン注射液 |
薬価 | 146926円 |
メーカー | サノフィ |
最終更新 | 2013年06月改訂(第1版) |
クロファラビンとして52mg/㎡(体表面積)を1日1回2時間以上かけて点滴静注する。これを5日間連日投与し、少なくとも9日間休薬する。これを1クールとして繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
1.腎機能障害のある患者では、本剤の血中濃度が上昇することが報告されているため、減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意する。
2.本剤を減量、休薬又は中止する場合には、副作用の症状、重症度等に応じて次の基準を考慮する。
1).好中球数減少:750/mm3以上に回復するまで休薬する;4週以上持続するグレード4の好中球減少症<ANC500/mm3未満>が認められた場合は、次のクールでは用量を25%減らす。
2).グレード3以上の非感染性非血液毒性:グレード1又はベースラインまで回復するまで休薬する;グレード3以上の非感染性非血液毒性<グレード3の一過性肝酵素上昇除く>、グレード3以上の非感染性非血液毒性<制吐剤でコントロールできる嘔気除く>・グレード3以上の非感染性非血液毒性<制吐剤でコントロールできる嘔吐除く>が認められた場合は、投与を中止し、次のクールでは用量を25%減らす。
3).感染症:臨床的にコントロールされるまで休薬する。
注)グレードはNCI−CTCに準じる。
3.本剤と他の抗悪性腫瘍薬との併用に関する有効性及び安全性は確立していない。
4.日本人患者においては2クール以上の投与経験はない。
再発又は難治性の急性リンパ性白血病。
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
1.添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う。
2.臨床試験において組み入れられた患者の年齢以外での本剤の有効性及び安全性は確立していない。
国内における再発又は難治性の急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象とした臨床試験において安全性評価対象症例7例中7例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇各5例(各71.4%)、貧血、悪心、嘔吐、食欲減退各4例(各57.1%)であった。
海外における再発又は難治性の急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象とした臨床試験において安全性評価対象症例132例中126例(95.5%)に副作用が認められた。
主な副作用は、嘔吐80例(60.6%)、悪心68例(51.5%)、発熱性好中球減少症57例(43.2%)、頭痛42例(31.8%)であった(承認時)。
「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、海外臨床試験の結果を示した。
なお、これらの臨床試験以外又は自発報告のみからの報告は頻度不明とした。
1.重大な副作用
1).骨髄抑制:白血球減少(81.7%)、リンパ球減少(84.6%)、血小板減少(81.7%)、貧血(80.0%)、好中球減少(68.7%)等の血液障害、及び発熱性好中球減少症(43.2%)が現れることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
2).感染症:敗血症(3.0%)、肺炎(2.3%)等の感染症(35.6%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).全身性炎症反応症候群、毛細血管漏出症候群:全身性炎症反応症候群(0.8%)、毛細血管漏出症候群(2.3%)が現れる恐れがあり、死亡に至った例が報告されているので、患者の状態を十分に観察し、頻呼吸、頻脈、低血圧、肺水腫など症状がみられた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行う。
4).肝不全、肝機能障害、黄疸、静脈閉塞性肝疾患:肝不全(頻度不明)、AST上昇(GOT上昇)(79.6%)、ALT上昇(GPT上昇)(78.9%)及びビリルビン上昇(50.5%)等を伴う肝機能障害、黄疸(1.5%)、静脈閉塞性肝疾患(0.8%)が現れることがあり、死亡に至った例が報告されているので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
5).腎不全:腎不全(2.3%)等の腎機能障害が現れることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
6).腫瘍崩壊症候群:腫瘍崩壊症候群(4.5%)が現れることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察する。
7).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明)が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
8).心障害:心嚢液貯留(2.3%)、左室機能不全(1.5%)、心不全(0.8%)、QT延長(頻度不明)等の心障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).心臓障害:(1〜5%未満)頻脈。
2).胃腸障害:(5%以上)悪心(51.5%)、嘔吐(60.6%)、下痢(22.7%)、腹痛、(1〜5%未満)肛門周囲痛、口内炎、口腔内出血、胃腸出血、(1%未満)歯肉出血、膵炎、上腹部痛、(頻度不明)口腔内潰瘍形成。
3).一般・全身障害及び投与部位の状態:(5%以上)発熱(28.8%)、粘膜炎症、疲労、悪寒、(1〜5%未満)易刺激性、浮腫、末梢性浮腫、無力症、(1%未満)多臓器不全、疼痛、全身性浮腫、熱感、異常感。
4).代謝及び栄養障害:(5%以上)食欲減退、(1〜5%未満)低ナトリウム血症、低カリウム血症、(1%未満)脱水。
5).筋骨格系及び結合組織障害:(5%以上)四肢痛、(1〜5%未満)骨痛、背部痛、関節痛、筋肉痛、(1%未満)胸壁痛、(頻度不明)頚部痛。
6).神経系障害:(5%以上)頭痛(31.8%)、(1〜5%未満)嗜眠、浮動性眩暈、末梢性ニューロパチー、(1%未満)振戦、(頻度不明)傾眠、錯感覚。
7).精神障害:(5%以上)不安、(1〜5%未満)激越、(1%未満)精神状態変化、(頻度不明)落ち着きのなさ。
8).呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1〜5%未満)呼吸困難、咳嗽、鼻出血、(1%未満)呼吸窮迫、(頻度不明)頻呼吸。
9).皮膚及び皮下組織障害:(5%以上)発疹(22.7%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚そう痒症、(1〜5%未満)紅斑、そう痒性皮疹、脱毛症、皮膚乾燥、多汗症、点状出血、(1%未満)皮膚剥脱、全身性皮疹、全身紅斑、皮膚色素過剰、(頻度不明)斑状丘疹性発疹、紅斑性発疹。
10).血管障害:(5%以上)潮紅、低血圧、(1〜5%未満)血腫。
11).感染症及び寄生虫症:(1〜5%未満)単純ヘルペス、口腔カンジダ症、菌血症、(1%未満)帯状疱疹、(頻度不明)カテーテル関連感染。
12).免疫系障害:(5%以上)過敏症。
13).その他:(1〜5%未満)体重減少、(1%未満)聴力低下、挫傷、血尿、(頻度不明)黄疸眼。
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ投与する。
また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与する。なお、本剤使用にあたっては添付文書を熟読する。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
1.腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇する恐れがある]。
2.肝機能障害のある患者[肝機能障害が悪化する恐れがある]。
3.骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強される恐れがある]。
4.感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪する恐れがある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤の投与により、感染症増悪又は感染症等の重篤な副作用が増悪又は現れることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うとともにカンジダ等の真菌、サイトメガロウイルス等のウイルス、ニューモシスティス等による重症日和見感染に注意する。
2.ALT上昇(GPT上昇)、AST上昇(GOT上昇)、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、肝不全が現れることがあるので、本剤による治療中は、定期的に肝機能検査を実施し、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
3.腎機能障害又は腎不全が現れることがあるので、本剤による治療中は、定期的に腎機能検査を実施し、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
4.低カリウム血症、低ナトリウム血症等の電解質異常の発現が報告されているので、本剤による治療中は、定期的に血清中電解質検査を行う。異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
5.生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮する。
6.成人白血病患者を対象とした国内第1相試験での最大耐用量は30mg/㎡であった。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外には投与しない。また、妊娠する可能性のある婦人には、本剤による治療中は避妊するよう指導する(妊娠中に本剤を使用するか、本剤を使用中の患者が妊娠した場合は、胎児に異常が生じる可能性があることを患者に十分説明する)[動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性及び胚致死作用が認められている]。
2.授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる[クロファラビンがヒトの乳汁中に移行するかどうかは不明である]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
海外の臨床試験において、本剤70mg/㎡/日を5日間投与された2例の小児ALL患者において、グレード4の高ビリルビン血症、グレード2の嘔吐及びグレード3の嘔吐、及びグレード3の斑状丘疹状皮疹が認められた。過量投与が疑われた場合には、減量、休薬又は投与を中止し、必要に応じて適切な処置を行う。
注)グレードはNCI−CTCに準じる。
(適用上の注意)
1.投与経路:本剤は静脈内にのみ投与する。
2.調製時:
1).本剤は希釈して使用する。
2).本剤を滅菌済みシリンジフィルター(孔径0.2μm)で濾過し、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液で希釈して最終的に0.15〜0.4mg/mLの濃度に調製する。
3).希釈後は速やかに使用し、希釈後やむをえず保存する場合は、15〜30℃で保存し、24時間以内に使用する。使用後の残液は適切に廃棄する。
4).本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚、眼、粘膜に薬液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗い流す。
3.投与時:本剤は配合変化試験を実施していないため、他の静注用薬剤<5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液を除く>等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避ける。
1.本剤のがん原性試験は実施していないが、哺乳類細胞(CHO細胞)を用いた染色体異常試験(in vitro)及びラットを用いた小核試験(in vivo)において、染色体異常誘発性を示した。なお、細菌突然変異試験法(エームズ試験)においては、変異原性は示されなかった。
2.本剤の性腺に対する影響については不明であるが、動物実験において精巣毒性が認められているので、性腺に対する影響を考慮する。[マウス、ラット、及びイヌを用いた試験において、雄の生殖器に用量依存性有害作用を及ぼすことが示された。1日用量3mg/kg(9mg/㎡:体表面積に基づく推奨臨床用量の約17%)を腹腔内投与した雄のマウスにおいて、精細管変性・精細管萎縮及び精巣変性・精巣萎縮が報告された。1日用量25mg/kg(150mg/㎡:体表面積に基づく推奨臨床用量の約3倍)をラットに静脈内投与した6カ月間の試験では、残留精子細胞を伴う精上皮両側変性、及び精巣間質細胞萎縮がみられた。イヌに静脈内投与を行った6カ月間の試験では、1日用量0.375mg/kg(7.5mg/㎡:体表面積に基づく推奨臨床用量の約14%)投与群で、精巣上体細胞変性及び精巣内精上皮変性がみられた。1日用量75mg/kg(225mg/㎡:体表面積に基づく推奨臨床用量の約4倍)を投与した雌のマウスで、卵巣萎縮や卵巣変性及び子宮内膜アポトーシスがみられた。雌のマウスに投与したのは、この用量のみであった]。
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