薬効分類 | C1−インアクチベーター |
一般名 | 乾燥濃縮人C1−インアクチベーター注射用 |
薬価 | 101325円 |
メーカー | CSLベーリング |
最終更新 | 2024年10月改訂(第2版) 添付文書のPDFはこちら |
〈効能共通〉
本剤を添付の日局注射用水全量で徐々に溶解し、直接静注するか、点滴静注する。直接静注の場合は、緩徐に行う。
〈遺伝性血管性浮腫の急性発作〉
通常、成人には1000〜1500国際単位を投与する。本剤投与後、数時間以内に効果の発現が認められないか、あるいは、不十分な場合には、500〜1000国際単位を追加投与する。また、24時間後でも症状の改善が不十分な場合には、その症状に応じて繰り返し投与する。
〈侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制〉
通常、成人には侵襲を伴う処置前の6時間以内に1000〜1500国際単位を投与する。
1). 遺伝性血管性浮腫の急性発作。
2). 侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):頻脈、血圧上昇、血圧低下、潮紅、じん麻疹、呼吸困難、頭痛、めまい、悪心等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、アナフィラキシーは遺伝性血管性浮腫の発作と同様の症状を示すため、観察を十分に行うこと)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、発熱、発赤等。
2). 投与部位:(頻度不明)注射部位反応。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2. 〈効能共通〉本剤の原材料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV−1抗体及び抗HIV−2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV、HBV、HCV及びHAVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。また、ヒトパルボウイルスB19についてもNATによるスクリーニングを実施し、適合した血漿を用いている。
その後の製造工程である60℃、10時間液状加熱処理及びナノフィルトレーションは、HIV、HBV、HCV等のエンベロープを有するウイルス及びエンベロープを有しないHAV、ヒトパルボウイルスB19をはじめとする各種ウイルス除去・不活化効果が確認されているが、投与に際しては、次の点に十分に注意すること。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること〔9.1.1、9.1.2、9.5妊婦の項参照〕。
8.3. 〈効能共通〉現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.4. 〈効能共通〉肝炎ウイルス感染症等のウイルス感染症の危険性を完全に否定できないので、観察を十分に行い、肝障害があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.5. 〈効能共通〉頻回輸注した場合、患者の血清中にC1−インアクチベーターに対するインヒビター発生を完全に否定できないので、観察を十分に行うこと。
8.6. 〈侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制〉侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制の場合、処置中及び処置後も患者の状態を慎重に観察するとともに、発作に備え適切な対応がとれるよう体制を整えておくこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 溶血性貧血・失血性貧血の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)〔8.2参照〕。
9.1.2. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)〔8.2参照〕。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(生殖発生毒性試験は実施していない、また、本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある))〔8.2参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした臨床試験成績は得られていない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 「ベリナートP静注用500の使用方法」に従い調製を行うこと。
14.1.2. 他剤との混合注射は避けることが望ましい。
14.1.3. 本剤は溶解後ただちに使用すること。
14.1.4. 一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意
溶解時に著しい沈殿の認められるものは投与しないこと。
(取扱い上の注意)
本剤は特定生物由来製品に該当することから本剤を投与又は処方した場合は医薬品名(販売名)、製造番号(ロット番号)、投与又は処方日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し使用日から少なくとも20年間保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
海外において、体外循環下の心臓外科手術の前後でのCapillary Leak Syndrome<承認外用法・用量>(毛細血管漏出症候群<承認外用法・用量>)を予防又は治療するために本剤を投与した場合において、致死的血栓症を発現したとの報告がある(承認外用法・用量)。
(保管上の注意)
凍結を避けて30℃以下で保存。
(注意)
本剤は、貴重なヒト血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理などを実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、ヒト血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。
(献血又は非献血の区別の考え方)
献血又は非献血の区別は製剤の安全性の優劣を示すものではない。この表示区別は、次記の手順に従って決められている。
1). 採血国の政府が「自発的な無償供血」の定義を定めている→その定義が1991年国際赤十字・赤新月社決議と同じ趣旨→当該国の「自発的な無償供血」の定義にそって採血されたことが確認できる:「献血」の表示。
2). 採血国の政府が「自発的な無償供血」の定義を定めていない:「非献血」の表示。
3). 採血国の政府が「自発的な無償供血」の定義を定めている→その定義が1991年国際赤十字・赤新月社決議と趣旨が異なる:「非献血」の表示。
4). 採血国の政府が「自発的な無償供血」の定義を定めている→その定義が1991年国際赤十字・赤新月社決議と同じ趣旨→当該国の「自発的な無償供血」の定義にそって採血されたことが確認できない:「非献血」の表示。
(ベリナートP静注用500の使用方法(薬液用両刃針がCSLベーリングトランスファーセットの場合))
注意:添付の薬液用両刃針の包装に表示されている名称を確認の上、該当する使用方法を参照すること(nextaroトランスファーシステムの場合はベリナートP静注用500の使用方法(薬液用両刃針がnextaroトランスファーシステムの場合)へ)。
1. 薬剤バイアル及び溶解液バイアルを室温に戻す。両バイアルのプラスチックキャップをはずし、ゴム栓をアルコール綿等で消毒する。
2. 溶解器(薬液用両刃針:CSLベーリングトランスファーセット*)のシールを完全にはがして開封する。ブリスター包装から取り出さないこと(添付文書の図1)。
*)シールに記載されている販売名を確認すること。
3. 溶解液バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。溶解器をブリスター包装に入れたままの状態で取り、青色側アダプターの穿刺部を、溶解液バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺しこむ(添付文書の図2)。
4. ブリスター包装の縁をつかみ、ブリスター包装のみを垂直に引き上げ、溶解器から慎重に取り外す。このとき、溶解器を一緒に引き上げないよう注意する(添付文書の図3)。
5. 薬剤バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。溶解器を付けた溶解液バイアルを逆さまにして、バイアル全体をしっかりと握り、溶解器の透明側アダプターの穿刺部を薬剤バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺し込む。このとき溶解液が薬剤バイアル中に移行する(添付文書の図4)。
6. 片手で青色の部分をつかみ、もう片方の手で透明な部分をつかみ、慎重に回して二つに分ける(添付文書の図5)。
7. 透明な部分を付けたまま、薬剤バイアルを泡立てないように緩やかに揺り動かして完全に溶解する(バイアルを振らないこと)(添付文書の図6)。
8. 空の滅菌済注射器に空気を吸い込む。薬剤バイアルが直立した状態で、注射器を溶解器のルアーロックに接続し、薬剤バイアルの中に空気を注入する(添付文書の図7)。
9. 注射器のプランジャーを押したまま、薬剤バイアルごと全体を上下逆さまにして、プランジャーをゆっくりと引っ張りながら、薬液を注射器の中に吸引する(添付文書の図8)。
10. 薬液が注射器の中に移行したら、注射器のプランジャーを下向きにしたままの状態で、溶解器を注射器から取り外す(添付文書の図9)。
(ベリナートP静注用500の使用方法(薬液用両刃針がnextaroトランスファーシステムの場合))
注意:添付の薬液用両刃針の包装に表示されている名称を確認の上、該当する使用方法を参照すること(CSLベーリングトランスファーセットの場合はベリナートP静注用500の使用方法(薬液用両刃針がCSLベーリングトランスファーセットの場合)へ)。
1. 薬剤バイアル及び溶解液バイアルを室温に戻す。両バイアルのプラスチックキャップをはずし、ゴム栓をアルコール綿等で消毒する。
2. トランスファーシステムの包装を開封する。
・ トランスファーシステム(薬液用両刃針:nextaroトランスファーシステム*)のシールを完全にはがして開封する。
ブリスター包装から取り出さないこと。
*)シールに記載されている販売名を確認すること。
3. トランスファーシステムを溶解液バイアルに取り付ける。
・ 溶解液バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。
・ トランスファーシステムをブリスター包装に入れたままの状態で取り、アダプターの穿刺部を、溶解液バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺しこむ。
・ ブリスター包装のみを垂直に引き上げ、トランスファーシステムから慎重に取り外す。
4. トランスファーシステムを薬剤バイアルに取り付ける。
・ 薬剤バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。
・ トランスファーシステムを付けた溶解液バイアルを逆さまにして、バイアル全体をしっかりと握り、トランスファーシステムのアダプターの穿刺部を薬剤バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺し込む。
このとき溶解液が薬剤バイアル中に移行する。
5. 薬剤の溶解を行う。
・ 薬剤バイアルを泡立てないように緩やかに揺り動かして完全に溶解する。
バイアルを激しく振らないこと。
6. トランスファーシステムを外し薬液採取の準備を行う。
・ 片手で薬剤バイアルをつかみ、もう片方の手でトランスファーシステムの青い部分をつかみ、慎重に反時計回りに回して溶解液バイアルとともに取り外す。
薬剤バイアルの上部にシリンジと接続するルアーロックアダプターが確認できる。
7. 薬液を採取する。
・ 空の滅菌済注射器に空気を吸い込む。薬剤バイアルが直立した状態で、注射器をトランスファーシステムのルアーロックアダプターに接続し、薬剤バイアルの中に空気を注入する。
・ 注射器のプランジャーを押したまま、薬剤バイアルごと全体を上下逆さまにして、プランジャーをゆっくりと引っ張りながら、薬液を注射器の中に吸引する。
・ 薬液が注射器の中に移行したら、注射器のプランジャーを下向きにしたままの状態で、トランスファーシステムを注射器から取り外す。
薬効分類 | C1−インアクチベーター |
一般名 | 乾燥濃縮人C1−インアクチベーター注射用 |
薬価 | 101325円 |
メーカー | CSLベーリング |
最終更新 | 2024年10月改訂(第2版) 添付文書のPDFはこちら |
〈効能共通〉
本剤を添付の日局注射用水全量で徐々に溶解し、直接静注するか、点滴静注する。直接静注の場合は、緩徐に行う。
〈遺伝性血管性浮腫の急性発作〉
通常、成人には1000〜1500国際単位を投与する。本剤投与後、数時間以内に効果の発現が認められないか、あるいは、不十分な場合には、500〜1000国際単位を追加投与する。また、24時間後でも症状の改善が不十分な場合には、その症状に応じて繰り返し投与する。
〈侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制〉
通常、成人には侵襲を伴う処置前の6時間以内に1000〜1500国際単位を投与する。
1). 遺伝性血管性浮腫の急性発作。
2). 侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):頻脈、血圧上昇、血圧低下、潮紅、じん麻疹、呼吸困難、頭痛、めまい、悪心等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、アナフィラキシーは遺伝性血管性浮腫の発作と同様の症状を示すため、観察を十分に行うこと)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、発熱、発赤等。
2). 投与部位:(頻度不明)注射部位反応。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2. 〈効能共通〉本剤の原材料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV−1抗体及び抗HIV−2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV、HBV、HCV及びHAVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。また、ヒトパルボウイルスB19についてもNATによるスクリーニングを実施し、適合した血漿を用いている。
その後の製造工程である60℃、10時間液状加熱処理及びナノフィルトレーションは、HIV、HBV、HCV等のエンベロープを有するウイルス及びエンベロープを有しないHAV、ヒトパルボウイルスB19をはじめとする各種ウイルス除去・不活化効果が確認されているが、投与に際しては、次の点に十分に注意すること。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること〔9.1.1、9.1.2、9.5妊婦の項参照〕。
8.3. 〈効能共通〉現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.4. 〈効能共通〉肝炎ウイルス感染症等のウイルス感染症の危険性を完全に否定できないので、観察を十分に行い、肝障害があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.5. 〈効能共通〉頻回輸注した場合、患者の血清中にC1−インアクチベーターに対するインヒビター発生を完全に否定できないので、観察を十分に行うこと。
8.6. 〈侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制〉侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制の場合、処置中及び処置後も患者の状態を慎重に観察するとともに、発作に備え適切な対応がとれるよう体制を整えておくこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 溶血性貧血・失血性貧血の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)〔8.2参照〕。
9.1.2. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者:ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)〔8.2参照〕。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(生殖発生毒性試験は実施していない、また、本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある))〔8.2参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした臨床試験成績は得られていない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 「ベリナートP静注用500の使用方法」に従い調製を行うこと。
14.1.2. 他剤との混合注射は避けることが望ましい。
14.1.3. 本剤は溶解後ただちに使用すること。
14.1.4. 一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意
溶解時に著しい沈殿の認められるものは投与しないこと。
(取扱い上の注意)
本剤は特定生物由来製品に該当することから本剤を投与又は処方した場合は医薬品名(販売名)、製造番号(ロット番号)、投与又は処方日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し使用日から少なくとも20年間保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
海外において、体外循環下の心臓外科手術の前後でのCapillary Leak Syndrome<承認外用法・用量>(毛細血管漏出症候群<承認外用法・用量>)を予防又は治療するために本剤を投与した場合において、致死的血栓症を発現したとの報告がある(承認外用法・用量)。
(保管上の注意)
凍結を避けて30℃以下で保存。
(注意)
本剤は、貴重なヒト血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理などを実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、ヒト血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。
(献血又は非献血の区別の考え方)
献血又は非献血の区別は製剤の安全性の優劣を示すものではない。この表示区別は、次記の手順に従って決められている。
1). 採血国の政府が「自発的な無償供血」の定義を定めている→その定義が1991年国際赤十字・赤新月社決議と同じ趣旨→当該国の「自発的な無償供血」の定義にそって採血されたことが確認できる:「献血」の表示。
2). 採血国の政府が「自発的な無償供血」の定義を定めていない:「非献血」の表示。
3). 採血国の政府が「自発的な無償供血」の定義を定めている→その定義が1991年国際赤十字・赤新月社決議と趣旨が異なる:「非献血」の表示。
4). 採血国の政府が「自発的な無償供血」の定義を定めている→その定義が1991年国際赤十字・赤新月社決議と同じ趣旨→当該国の「自発的な無償供血」の定義にそって採血されたことが確認できない:「非献血」の表示。
(ベリナートP静注用500の使用方法(薬液用両刃針がCSLベーリングトランスファーセットの場合))
注意:添付の薬液用両刃針の包装に表示されている名称を確認の上、該当する使用方法を参照すること(nextaroトランスファーシステムの場合はベリナートP静注用500の使用方法(薬液用両刃針がnextaroトランスファーシステムの場合)へ)。
1. 薬剤バイアル及び溶解液バイアルを室温に戻す。両バイアルのプラスチックキャップをはずし、ゴム栓をアルコール綿等で消毒する。
2. 溶解器(薬液用両刃針:CSLベーリングトランスファーセット*)のシールを完全にはがして開封する。ブリスター包装から取り出さないこと(添付文書の図1)。
*)シールに記載されている販売名を確認すること。
3. 溶解液バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。溶解器をブリスター包装に入れたままの状態で取り、青色側アダプターの穿刺部を、溶解液バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺しこむ(添付文書の図2)。
4. ブリスター包装の縁をつかみ、ブリスター包装のみを垂直に引き上げ、溶解器から慎重に取り外す。このとき、溶解器を一緒に引き上げないよう注意する(添付文書の図3)。
5. 薬剤バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。溶解器を付けた溶解液バイアルを逆さまにして、バイアル全体をしっかりと握り、溶解器の透明側アダプターの穿刺部を薬剤バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺し込む。このとき溶解液が薬剤バイアル中に移行する(添付文書の図4)。
6. 片手で青色の部分をつかみ、もう片方の手で透明な部分をつかみ、慎重に回して二つに分ける(添付文書の図5)。
7. 透明な部分を付けたまま、薬剤バイアルを泡立てないように緩やかに揺り動かして完全に溶解する(バイアルを振らないこと)(添付文書の図6)。
8. 空の滅菌済注射器に空気を吸い込む。薬剤バイアルが直立した状態で、注射器を溶解器のルアーロックに接続し、薬剤バイアルの中に空気を注入する(添付文書の図7)。
9. 注射器のプランジャーを押したまま、薬剤バイアルごと全体を上下逆さまにして、プランジャーをゆっくりと引っ張りながら、薬液を注射器の中に吸引する(添付文書の図8)。
10. 薬液が注射器の中に移行したら、注射器のプランジャーを下向きにしたままの状態で、溶解器を注射器から取り外す(添付文書の図9)。
(ベリナートP静注用500の使用方法(薬液用両刃針がnextaroトランスファーシステムの場合))
注意:添付の薬液用両刃針の包装に表示されている名称を確認の上、該当する使用方法を参照すること(CSLベーリングトランスファーセットの場合はベリナートP静注用500の使用方法(薬液用両刃針がCSLベーリングトランスファーセットの場合)へ)。
1. 薬剤バイアル及び溶解液バイアルを室温に戻す。両バイアルのプラスチックキャップをはずし、ゴム栓をアルコール綿等で消毒する。
2. トランスファーシステムの包装を開封する。
・ トランスファーシステム(薬液用両刃針:nextaroトランスファーシステム*)のシールを完全にはがして開封する。
ブリスター包装から取り出さないこと。
*)シールに記載されている販売名を確認すること。
3. トランスファーシステムを溶解液バイアルに取り付ける。
・ 溶解液バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。
・ トランスファーシステムをブリスター包装に入れたままの状態で取り、アダプターの穿刺部を、溶解液バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺しこむ。
・ ブリスター包装のみを垂直に引き上げ、トランスファーシステムから慎重に取り外す。
4. トランスファーシステムを薬剤バイアルに取り付ける。
・ 薬剤バイアルを水平の台に置き、しっかりと握る。
・ トランスファーシステムを付けた溶解液バイアルを逆さまにして、バイアル全体をしっかりと握り、トランスファーシステムのアダプターの穿刺部を薬剤バイアルのゴム栓にまっすぐ下向きに刺し込む。
このとき溶解液が薬剤バイアル中に移行する。
5. 薬剤の溶解を行う。
・ 薬剤バイアルを泡立てないように緩やかに揺り動かして完全に溶解する。
バイアルを激しく振らないこと。
6. トランスファーシステムを外し薬液採取の準備を行う。
・ 片手で薬剤バイアルをつかみ、もう片方の手でトランスファーシステムの青い部分をつかみ、慎重に反時計回りに回して溶解液バイアルとともに取り外す。
薬剤バイアルの上部にシリンジと接続するルアーロックアダプターが確認できる。
7. 薬液を採取する。
・ 空の滅菌済注射器に空気を吸い込む。薬剤バイアルが直立した状態で、注射器をトランスファーシステムのルアーロックアダプターに接続し、薬剤バイアルの中に空気を注入する。
・ 注射器のプランジャーを押したまま、薬剤バイアルごと全体を上下逆さまにして、プランジャーをゆっくりと引っ張りながら、薬液を注射器の中に吸引する。
・ 薬液が注射器の中に移行したら、注射器のプランジャーを下向きにしたままの状態で、トランスファーシステムを注射器から取り外す。
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