薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | インドメタシン坐剤 |
薬価 | 19.7円 |
メーカー | 帝國製薬 |
最終更新 | 2022年08月改訂(第1版) |
インドメタシンとして、通常成人1回25mg〜50mgを1日1〜2回直腸内に投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
低体温によるショックを起こすことがあるので、高齢者に投与する場合には、少量から投与を開始する。
(用法及び用量に関連する注意)
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
1). 次記の疾患の消炎、鎮痛:関節リウマチ、変形性関節症。
2). 手術後の炎症及び腫脹の緩解。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):冷汗、顔面蒼白、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがある。
11.1.2. 消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍、腸管狭窄・腸管閉塞、潰瘍性大腸炎(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 再生不良性貧血、溶血性貧血、骨髄抑制、無顆粒球症(いずれも頻度不明)〔8.6参照〕。
11.1.4. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)。
11.1.5. 喘息発作(アスピリン喘息)(頻度不明):喘息発作等の急性呼吸障害があらわれることがある〔2.10参照〕。
11.1.6. 急性腎障害、間質性腎炎、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等があらわれることがある。
11.1.7. 痙攣(頻度不明)、昏睡(0.01%)、錯乱(0.01%)。
11.1.8. 性器出血(頻度不明)。
11.1.9. うっ血性心不全、肺水腫(いずれも頻度不明)。
11.1.10. 血管浮腫(頻度不明)。
11.1.11. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.7参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1〜5%未満)腹痛、食欲不振、消化不良、悪心・嘔吐、下痢・軟便、便秘、直腸粘膜刺激症状、(0.1%未満)直腸炎、腹部膨満感、口渇、口内炎、胃炎、(頻度不明)限局性回腸炎、膵炎。
2). 血液:(0.1〜5%未満)貧血、(0.1%未満)紫斑病、(頻度不明)顆粒球減少、血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)。
3). 皮膚:(頻度不明)脱毛、結節性紅斑。
4). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒、(0.1%未満)蕁麻疹、(頻度不明)脈管炎。
5). 感覚器:(0.1%未満)結膜炎、耳鳴、(頻度不明)*角膜混濁、*網膜障害[*:関節リウマチ患者等に長期連用して、前駆症状(霧視等の視覚異常)があらわれた場合には直ちに投与を中止すること]、眼窩及びその周囲の疼痛、難聴。
6). 肝臓:(頻度不明)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇等)。
7). 精神神経系:(0.1〜5%未満)頭痛、眠気、めまい、(0.1%未満)抑うつ、不眠、知覚異常、脱力感、離人症、ふらつき感、(頻度不明)疲労、神経過敏、不安、振戦、失神、末梢神経炎[症状が激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止すること]。
8). 循環器:(0.1%未満)動悸、血圧上昇。
9). その他:(0.1〜5%未満)浮腫、不快、発汗亢進、(0.1%未満)ほてり、鼻出血、(頻度不明)頻尿、尿糖、高血糖、胸痛。
2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化器への直接刺激作用及びプロスタグランジン合成阻害作用により、胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍が悪化するおそれがある]。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常が悪化するおそれがある]。
2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.4. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.5. 重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能不全が悪化するおそれがある]。
2.6. 重篤な高血圧症の患者〔9.1.6参照〕。
2.7. 重篤な膵炎の患者〔9.1.7参照〕。
2.8. 本剤の成分又はサリチル酸系化合物(アスピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.9. 直腸炎、直腸出血又は痔疾のある患者[直腸炎、直腸出血が悪化するおそれがある。また、痔疾のある患者で肛門出血(直腸出血)があらわれたとの報告がある]。
2.10. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発することがある]〔11.1.5参照〕。
2.11. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.12. トリアムテレン投与中の患者〔10.1参照〕。
8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
8.3. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)
本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等):長期投与する場合には、定期的に尿検査、血液検査及び眼科的検査等を行うこと。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等):薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.4. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、急性炎症、疼痛、発熱の程度を考慮し、投与すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行うこと。
8.5. 眠気、めまい、ふらつき感等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。
8.6. 再生不良性貧血、溶血性貧血、骨髄抑制、無顆粒球症があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.3参照〕。
8.7. 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.11参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化器への直接刺激作用及びプロスタグランジン合成阻害作用により、胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍が再発するおそれがある。
9.1.2. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)。
9.1.3. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常が悪化又は再発するおそれがある。
9.1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.5. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能異常が悪化するおそれがある。
9.1.6. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>の患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、血圧が上昇するおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.7. 膵炎<重篤な膵炎を除く>の患者:当該症状が悪化するおそれがある〔2.7参照〕。
9.1.8. てんかん、パーキンソン症候群等の中枢神経系疾患のある患者:これらの症状が悪化するおそれがある。
9.1.9. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:重症喘息発作を誘発することがある。
9.1.10. SLE(全身性エリテマトーデス)の患者:副作用があらわれやすい。
9.1.11. 潰瘍性大腸炎の患者:当該症状が悪化するおそれがある。
9.1.12. クローン病の患者:当該症状が悪化するおそれがある。
9.1.13. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎障害が悪化又は再発するおそれがある)〔2.4参照〕。
9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎障害が悪化又は再発するおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(肝障害が悪化するおそれがある)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害が悪化又は再発するおそれがある。
10.1. 併用禁忌:
トリアムテレン<トリテレン>〔2.12参照〕[相互に副作用が増強され急性腎障害を起こすことがある(トリアムテレンによる腎血流量の低下に基づく腎障害のために代償的に腎でのプロスタグランジン合成が亢進されるが、本剤によりそのプロスタグランジン合成が阻害されるためと考えられている)]。
10.2. 併用注意:
1). プロベネシド[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強されることがある(腎尿細管での両薬の排泄部位での競合、本剤の胆汁排泄減少により、本剤の排泄が抑制され血中濃度が上昇するためと考えられている)]。
2). アスピリン[消化器系の副作用の発現率が上昇し、また、本剤の作用が減弱されることがある(機序不明)]。
3). 抗凝血剤及び抗血小板薬:
@. 抗凝血剤(ワルファリン)[これらの医薬品の作用を増強し出血の危険性が増大することがあるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと(本剤のプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制され、また、本剤が血漿蛋白結合部位でワルファリンを遊離させ、その抗凝血作用を増強させると考えられている)]。
A. 抗凝血剤及び抗血小板薬(クロピドグレル等)[これらの医薬品の作用を増強し出血の危険性が増大することがあるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと(本剤のプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制される)]。
4). メトトレキサート[メトトレキサートの血中濃度が上昇しその副作用を増強することがあるので、血中濃度をモニターし、メトトレキサートの量を調節すること(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、メトトレキサートの尿細管分泌を抑制するためと考えられている)]。
5). リチウム[血中リチウム濃度が上昇しリチウム中毒を呈したとの報告がある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、リチウムの腎排泄が減少するためと考えられている)]。
6). β−遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、メトプロロール酒石酸塩等)、ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、デラプリル塩酸塩、イミダプリル塩酸塩等)、A−2受容体拮抗剤(ロサルタンカリウム、カンデサルタン シレキセチル、バルサルタン等)[これらの医薬品の降圧作用を減弱させることがある(本剤が、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、血圧を上昇させることがある)]。
7). ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、デラプリル塩酸塩、イミダプリル塩酸塩等)、A−2受容体拮抗剤(ロサルタンカリウム、カンデサルタン シレキセチル、バルサルタン等)[腎機能悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が低下するためと考えられている)]。
8). ループ利尿剤(フロセミド等)、チアジド系及びその類似降圧利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)[これらの医薬品の利尿降圧作用を減弱させることがある(本剤がプロスタグランジン合成を阻害して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられている)]。
9). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等)、エプレレノン[これらの医薬品の降圧作用の減弱、腎機能障害患者で重度の高カリウム血症が発現するおそれがある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によると考えられている)]。
10). ジゴキシン[血中ジゴキシン濃度が上昇し作用が増強されることが報告されているので血中ジゴキシン濃度に注意すること(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、ジゴキシンの腎排泄が減少するためと考えられている)]。
11). シクロスポリン[シクロスポリンによる腎毒性が増強されることがあるので、腎機能に注意すること(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少するためと考えられている)]。
高齢者:少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中の投与に関し、次のような報告がある〔2.11参照〕。
・ 妊娠末期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)、胎児の動脈管収縮、動脈管開存症、胎児腎不全、胎児腸穿孔、羊水過少症が起きたとの報告がある。また、妊娠末期に投与したところ早期出産した新生児に壊死性腸炎の発生率が高いとの報告、及び消化管穿孔、頭蓋内出血が起きたとの報告がある。
・ マウス胎仔の器官形成期にインドメタシン10mg/kgを単回経口投与、又は7.5mg/kg/日を9日間連続経口投与した催奇形性試験において、外形異常及び骨格異常が認められている。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(母乳中へ移行することが報告されている)。
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 他剤が無効又は使用できない関節リウマチの場合にのみ本剤の投与を考慮するとともに、投与する場合には必要最小限の使用にとどめるなど、慎重に投与すること。小児において経口投与時の大量投与により重篤な副作用(感染症不顕性化、肝炎)が報告されている。
過量投与時、本剤は透析では除去されないとの報告がある。
(取扱い上の注意)
熱により坐剤が融けて変形することがあるため、冷所で保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
動物実験(マウス)でレンチナンとの併用により、消化管潰瘍、消化管穿孔があらわれたとの報告がある。
(保管上の注意)
冷所保存。
薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | インドメタシン坐剤 |
薬価 | 19.7円 |
メーカー | 帝國製薬 |
最終更新 | 2022年08月改訂(第1版) |
インドメタシンとして、通常成人1回25mg〜50mgを1日1〜2回直腸内に投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
低体温によるショックを起こすことがあるので、高齢者に投与する場合には、少量から投与を開始する。
(用法及び用量に関連する注意)
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
1). 次記の疾患の消炎、鎮痛:関節リウマチ、変形性関節症。
2). 手術後の炎症及び腫脹の緩解。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):冷汗、顔面蒼白、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがある。
11.1.2. 消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍、腸管狭窄・腸管閉塞、潰瘍性大腸炎(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 再生不良性貧血、溶血性貧血、骨髄抑制、無顆粒球症(いずれも頻度不明)〔8.6参照〕。
11.1.4. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)。
11.1.5. 喘息発作(アスピリン喘息)(頻度不明):喘息発作等の急性呼吸障害があらわれることがある〔2.10参照〕。
11.1.6. 急性腎障害、間質性腎炎、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等があらわれることがある。
11.1.7. 痙攣(頻度不明)、昏睡(0.01%)、錯乱(0.01%)。
11.1.8. 性器出血(頻度不明)。
11.1.9. うっ血性心不全、肺水腫(いずれも頻度不明)。
11.1.10. 血管浮腫(頻度不明)。
11.1.11. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.7参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1〜5%未満)腹痛、食欲不振、消化不良、悪心・嘔吐、下痢・軟便、便秘、直腸粘膜刺激症状、(0.1%未満)直腸炎、腹部膨満感、口渇、口内炎、胃炎、(頻度不明)限局性回腸炎、膵炎。
2). 血液:(0.1〜5%未満)貧血、(0.1%未満)紫斑病、(頻度不明)顆粒球減少、血小板減少、血小板機能低下(出血時間延長)。
3). 皮膚:(頻度不明)脱毛、結節性紅斑。
4). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒、(0.1%未満)蕁麻疹、(頻度不明)脈管炎。
5). 感覚器:(0.1%未満)結膜炎、耳鳴、(頻度不明)*角膜混濁、*網膜障害[*:関節リウマチ患者等に長期連用して、前駆症状(霧視等の視覚異常)があらわれた場合には直ちに投与を中止すること]、眼窩及びその周囲の疼痛、難聴。
6). 肝臓:(頻度不明)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇等)。
7). 精神神経系:(0.1〜5%未満)頭痛、眠気、めまい、(0.1%未満)抑うつ、不眠、知覚異常、脱力感、離人症、ふらつき感、(頻度不明)疲労、神経過敏、不安、振戦、失神、末梢神経炎[症状が激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止すること]。
8). 循環器:(0.1%未満)動悸、血圧上昇。
9). その他:(0.1〜5%未満)浮腫、不快、発汗亢進、(0.1%未満)ほてり、鼻出血、(頻度不明)頻尿、尿糖、高血糖、胸痛。
2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化器への直接刺激作用及びプロスタグランジン合成阻害作用により、胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍が悪化するおそれがある]。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常が悪化するおそれがある]。
2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.4. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.5. 重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能不全が悪化するおそれがある]。
2.6. 重篤な高血圧症の患者〔9.1.6参照〕。
2.7. 重篤な膵炎の患者〔9.1.7参照〕。
2.8. 本剤の成分又はサリチル酸系化合物(アスピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.9. 直腸炎、直腸出血又は痔疾のある患者[直腸炎、直腸出血が悪化するおそれがある。また、痔疾のある患者で肛門出血(直腸出血)があらわれたとの報告がある]。
2.10. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発することがある]〔11.1.5参照〕。
2.11. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.12. トリアムテレン投与中の患者〔10.1参照〕。
8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
8.3. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)
本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等):長期投与する場合には、定期的に尿検査、血液検査及び眼科的検査等を行うこと。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等):薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.4. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、急性炎症、疼痛、発熱の程度を考慮し、投与すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行うこと。
8.5. 眠気、めまい、ふらつき感等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。
8.6. 再生不良性貧血、溶血性貧血、骨髄抑制、無顆粒球症があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.3参照〕。
8.7. 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.11参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化器への直接刺激作用及びプロスタグランジン合成阻害作用により、胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍が再発するおそれがある。
9.1.2. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)。
9.1.3. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常が悪化又は再発するおそれがある。
9.1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.5. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能異常が悪化するおそれがある。
9.1.6. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>の患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、血圧が上昇するおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.7. 膵炎<重篤な膵炎を除く>の患者:当該症状が悪化するおそれがある〔2.7参照〕。
9.1.8. てんかん、パーキンソン症候群等の中枢神経系疾患のある患者:これらの症状が悪化するおそれがある。
9.1.9. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:重症喘息発作を誘発することがある。
9.1.10. SLE(全身性エリテマトーデス)の患者:副作用があらわれやすい。
9.1.11. 潰瘍性大腸炎の患者:当該症状が悪化するおそれがある。
9.1.12. クローン病の患者:当該症状が悪化するおそれがある。
9.1.13. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎障害が悪化又は再発するおそれがある)〔2.4参照〕。
9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎障害が悪化又は再発するおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(肝障害が悪化するおそれがある)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害が悪化又は再発するおそれがある。
10.1. 併用禁忌:
トリアムテレン<トリテレン>〔2.12参照〕[相互に副作用が増強され急性腎障害を起こすことがある(トリアムテレンによる腎血流量の低下に基づく腎障害のために代償的に腎でのプロスタグランジン合成が亢進されるが、本剤によりそのプロスタグランジン合成が阻害されるためと考えられている)]。
10.2. 併用注意:
1). プロベネシド[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強されることがある(腎尿細管での両薬の排泄部位での競合、本剤の胆汁排泄減少により、本剤の排泄が抑制され血中濃度が上昇するためと考えられている)]。
2). アスピリン[消化器系の副作用の発現率が上昇し、また、本剤の作用が減弱されることがある(機序不明)]。
3). 抗凝血剤及び抗血小板薬:
@. 抗凝血剤(ワルファリン)[これらの医薬品の作用を増強し出血の危険性が増大することがあるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと(本剤のプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制され、また、本剤が血漿蛋白結合部位でワルファリンを遊離させ、その抗凝血作用を増強させると考えられている)]。
A. 抗凝血剤及び抗血小板薬(クロピドグレル等)[これらの医薬品の作用を増強し出血の危険性が増大することがあるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと(本剤のプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制される)]。
4). メトトレキサート[メトトレキサートの血中濃度が上昇しその副作用を増強することがあるので、血中濃度をモニターし、メトトレキサートの量を調節すること(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、メトトレキサートの尿細管分泌を抑制するためと考えられている)]。
5). リチウム[血中リチウム濃度が上昇しリチウム中毒を呈したとの報告がある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、リチウムの腎排泄が減少するためと考えられている)]。
6). β−遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、メトプロロール酒石酸塩等)、ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、デラプリル塩酸塩、イミダプリル塩酸塩等)、A−2受容体拮抗剤(ロサルタンカリウム、カンデサルタン シレキセチル、バルサルタン等)[これらの医薬品の降圧作用を減弱させることがある(本剤が、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、血圧を上昇させることがある)]。
7). ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、デラプリル塩酸塩、イミダプリル塩酸塩等)、A−2受容体拮抗剤(ロサルタンカリウム、カンデサルタン シレキセチル、バルサルタン等)[腎機能悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が低下するためと考えられている)]。
8). ループ利尿剤(フロセミド等)、チアジド系及びその類似降圧利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)[これらの医薬品の利尿降圧作用を減弱させることがある(本剤がプロスタグランジン合成を阻害して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられている)]。
9). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等)、エプレレノン[これらの医薬品の降圧作用の減弱、腎機能障害患者で重度の高カリウム血症が発現するおそれがある(本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によると考えられている)]。
10). ジゴキシン[血中ジゴキシン濃度が上昇し作用が増強されることが報告されているので血中ジゴキシン濃度に注意すること(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、ジゴキシンの腎排泄が減少するためと考えられている)]。
11). シクロスポリン[シクロスポリンによる腎毒性が増強されることがあるので、腎機能に注意すること(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少するためと考えられている)]。
高齢者:少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中の投与に関し、次のような報告がある〔2.11参照〕。
・ 妊娠末期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)、胎児の動脈管収縮、動脈管開存症、胎児腎不全、胎児腸穿孔、羊水過少症が起きたとの報告がある。また、妊娠末期に投与したところ早期出産した新生児に壊死性腸炎の発生率が高いとの報告、及び消化管穿孔、頭蓋内出血が起きたとの報告がある。
・ マウス胎仔の器官形成期にインドメタシン10mg/kgを単回経口投与、又は7.5mg/kg/日を9日間連続経口投与した催奇形性試験において、外形異常及び骨格異常が認められている。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(母乳中へ移行することが報告されている)。
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 他剤が無効又は使用できない関節リウマチの場合にのみ本剤の投与を考慮するとともに、投与する場合には必要最小限の使用にとどめるなど、慎重に投与すること。小児において経口投与時の大量投与により重篤な副作用(感染症不顕性化、肝炎)が報告されている。
過量投与時、本剤は透析では除去されないとの報告がある。
(取扱い上の注意)
熱により坐剤が融けて変形することがあるため、冷所で保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
動物実験(マウス)でレンチナンとの併用により、消化管潰瘍、消化管穿孔があらわれたとの報告がある。
(保管上の注意)
冷所保存。
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