薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | プログルメタシンマレイン酸塩錠 |
薬価 | 8円 |
メーカー | 大鵬薬品 |
最終更新 | 2024年10月改訂(第2版) |
プログルメタシンマレイン酸塩として、通常、成人1回90mgを1日3回食直後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
次記疾患の消炎、鎮痛:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 消化管穿孔(頻度不明)、消化管出血(0.1%未満)、消化管潰瘍(0.1%未満)、腸管狭窄・腸管閉塞(頻度不明)、潰瘍性大腸炎(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.2. ショック(頻度不明)。
11.1.3. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(発疹、浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
11.1.4. 喘息発作(頻度不明)。
11.1.5. 急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎(いずれも頻度不明)。
11.1.6. 血小板減少(0.1%未満)、出血傾向(頻度不明)、白血球減少(0.1%未満)、溶血性貧血(0.1%未満)、再生不良性貧血(頻度不明)、骨髄抑制(頻度不明)〔9.1.3、9.1.4参照〕。
11.1.7. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)。
11.1.8. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.9. 痙攣、昏睡、錯乱(いずれも頻度不明)。
11.1.10. 性器出血(頻度不明)〔9.1.4参照〕。
11.1.11. うっ血性心不全、肺水腫(いずれも頻度不明)。
11.1.12. 血管浮腫(頻度不明)。
11.1.13. 角膜混濁、網膜障害(いずれも頻度不明):関節リウマチ患者等に長期連用して、角膜混濁及び網膜障害があらわれたとの報告があるので、前駆症状(霧視等の視覚異常)があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.14. 心筋梗塞、脳血管障害(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1〜5%未満)胃痛、悪心・嘔吐、消化不良、食欲不振、下痢、腹痛、口内炎、(0.1%未満)便秘、口渇、腹部膨満感、舌炎、口角炎。
2). 血液:(0.1%未満)貧血、白血球減少、好酸球増多。
3). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹・発赤、そう痒感、(0.1%未満)蕁麻疹。
4). 感覚器:(0.1%未満)味覚障害、眼充血、霧視、羞明、視力障害、耳鳴、(頻度不明)複視、口中苦味。
5). 腎臓:(0.1%未満)蛋白尿、BUN上昇、クレアチニン上昇、血尿、尿量減少。
6). 肝臓:(0.1〜5%未満)肝機能異常(AST上昇・ALT上昇等)、(0.1%未満)Al−P上昇。
7). 精神神経系:(0.1%未満)めまい、頭痛、眠気、しびれ、ふるえ。
8). 循環器:(0.1%未満)動悸、血圧上昇、胸部圧迫感、胸内苦悶感。
9). その他:(0.1〜5%未満)浮腫、(0.1%未満)全身倦怠感、脱力感、発熱、ほてり、頻尿、尿糖、関節痛。
発現頻度は使用成績調査を含む。
2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍が悪化するおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常が悪化するおそれがある]。
2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.4. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.5. 重篤な心機能不全のある患者〔9.1.5参照〕。
2.6. 重篤な高血圧症の患者〔9.1.6参照〕。
2.7. 重篤な膵炎の患者〔9.1.7参照〕。
2.8. 本剤の成分又はインドメタシン、サリチル酸系化合物(アスピリン等)に過敏症の既往歴のある患者。
2.9. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある]〔9.1.8参照〕。
2.10. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.11. トリアムテレン投与中の患者〔10.1参照〕。
8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 本剤の活性代謝物のインドメタシンで過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が報告されているので、特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患を合併している患者においては投与後の患者の状態に十分注意すること〔9.8高齢者の項参照〕。
8.3. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し、本剤を用いる場合には次の事項を考慮すること。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し、本剤を長期投与する場合には定期的に尿検査、血液検査、肝機能検査及び眼科的検査等を行うこと〔11.1.13参照〕。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し、本剤を用いる場合には薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.4. 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍が再発するおそれがある〔2.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)。
9.1.3. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常が悪化又は再発するおそれがある〔11.1.6参照〕。
9.1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある〔11.1.6、11.1.10参照〕。
9.1.5. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能異常が悪化するおそれがある〔2.5参照〕。
9.1.6. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>の患者:プロスタグランジン合成阻害作用により水、ナトリウムの貯留が起こるため、血圧が上昇するおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.7. 膵炎<重篤な膵炎を除く>の患者:本剤の活性代謝物のインドメタシンで急性膵炎が報告されており、症状が悪化するおそれがある〔2.7参照〕。
9.1.8. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>の患者:喘息発作を誘発するおそれがある〔2.9参照〕。
9.1.9. てんかん、パーキンソン症候群等の中枢神経系疾患、潰瘍性大腸炎又はクローン病の患者:本剤の活性代謝物のインドメタシンで、これらの疾患の悪化が報告されており、これらの疾患が悪化するおそれがある。
9.1.10. SLE(全身性エリテマトーデス)の患者:非ステロイド性消炎鎮痛剤(フェニルブタゾン)でSLEを悪化させたとの報告があり、また、本剤の活性代謝物のインドメタシンをSLE患者に投与したところ、急性腎障害を起こしたとの報告がある。
9.1.11. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎機能障害が悪化するおそれがある)〔2.4参照〕。
9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:腎機能障害が悪化又は再発するおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(肝機能障害が悪化するおそれがある)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害が悪化又は再発するおそれがある。
本剤の活性代謝物のインドメタシンと次の医薬品との併用による相互作用が報告されている。
10.1. 併用禁忌:
トリアムテレン<トリテレン等>〔2.11参照〕[相互に副作用が増強され急性腎障害を起こすことがある(トリアムテレンによる腎血流量の低下に基づく腎機能障害のために代償的に腎でのプロスタグランジン合成が亢進されるが、インドメタシンによりそのプロスタグランジン合成が阻害されるためと考えられている)]。
10.2. 併用注意:
1). プロベネシド[インドメタシンの血中濃度が上昇し作用が増強されることがある(腎尿細管での両薬の排泄部位での競合、インドメタシンの胆汁排泄減少により、インドメタシンの排泄が抑制され、インドメタシンの血中濃度が上昇するためと考えられている)]。
2). アスピリン[消化器系の副作用の発現率が上昇し、また、インドメタシンの作用が減弱されることがある(機序不明)]。
3). 抗凝血剤及び抗血小板薬:
@. 抗凝血剤(ワルファリン)[これらの医薬品の作用を増強し出血の危険性が増大することがあるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと(インドメタシンのプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制され、また、インドメタシンが血漿蛋白結合部位でワルファリンを遊離させ、その抗凝血作用を増強させると考えられている)]。
A. 抗凝血剤及び抗血小板薬(クロピドグレル等)[これらの医薬品の作用を増強し出血の危険性が増大することがあるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと(インドメタシンのプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制される)]。
4). メトトレキサート[メトトレキサートの血中濃度が上昇しその副作用を増強するので、メトトレキサートの量を調節すること(インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が減少し、メトトレキサートの尿細管分泌を抑制するためと考えられている)]。
5). リチウム[血中リチウム濃度が上昇しリチウム中毒を呈したとの報告がある(インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が減少し、リチウムの腎排泄が減少するためと考えられている)]。
6). ジゴキシン[血中ジゴキシン濃度が上昇し作用が増強されることが報告されているので、血中ジゴキシン濃度に注意すること(インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、ジゴキシンの腎排泄が減少するためと考えられている)]。
7). シクロスポリン[シクロスポリンによる腎毒性が増強されることがあるので、腎機能に注意すること(インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少するためと考えられている)]。
8). β−遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロール等)、ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、イミダプリル塩酸塩、テモカプリル塩酸塩等)、A−2受容体拮抗剤(カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、ロサルタンカリウム等)[これらの医薬品の降圧作用を減弱させることがある(インドメタシンが血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、血圧を上昇させることがある)]。
9). ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、イミダプリル塩酸塩、テモカプリル塩酸塩等)、A−2受容体拮抗剤(カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、ロサルタンカリウム等)[腎機能悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある(機序不明)]。
10). ループ利尿剤(フロセミド等)、チアジド系及びその類似降圧利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)[これらの医薬品の利尿降圧作用が減弱されることがある(インドメタシンがプロスタグランジン合成を阻害して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられている)]。
11). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等)、エプレレノン[これらの医薬品の降圧作用の減弱、腎機能障害患者で重度の高カリウム血症が発現するおそれがある(インドメタシンの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によると考えられている)]。
高齢者:少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)〔8.2参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中の投与に関し、次のような報告がある〔2.10参照〕。
・ 本剤の活性代謝物のインドメタシンで、妊娠後期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)、胎児の動脈管収縮、動脈管開存症、胎児腎不全、胎児腸穿孔、羊水過少症が起きたとの報告がある。また、妊娠後期に投与したところ早期出産した新生児に壊死性腸炎の発生率が高いとの報告、及び消化管穿孔、頭蓋内出血が起きたとの報告がある。
・ 本剤の活性代謝物のインドメタシンにおいて、動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている。
・ 妊娠末期のラットに投与した実験で、胎仔動脈管収縮が報告されている。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が、また、本剤の活性代謝物のインドメタシンでヒト母乳中への移行が報告されている)。
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 小児には他剤が無効又は使用できない関節リウマチの場合にのみ本剤の投与を考慮するとともに、投与する場合には必要最小限の使用にとどめるなど、慎重に投与すること。小児において本剤の活性代謝物のインドメタシンの経口投与で大量投与により重篤な副作用(感染症不顕性化、肝炎)が報告されている。
13.1. 症状
本剤では過量投与の報告はないが、本剤の活性代謝物のインドメタシンで、痙攣、錯乱、失見当識等が報告されている。
13.2. 処置
過量投与時、本剤の活性代謝物のインドメタシンは透析では除去されないとの報告がある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与時の注意
胃腸障害の発現を少なくするため、食直後に服用又は食物、ミルク、制酸剤等とともに服用することが望ましい。
14.2. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
動物実験(マウス)で、レンチナンとの併用により、本剤の活性代謝物のインドメタシンで消化管潰瘍・消化管穿孔があらわれたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | プログルメタシンマレイン酸塩錠 |
薬価 | 8円 |
メーカー | 大鵬薬品 |
最終更新 | 2024年10月改訂(第2版) |
プログルメタシンマレイン酸塩として、通常、成人1回90mgを1日3回食直後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
次記疾患の消炎、鎮痛:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 消化管穿孔(頻度不明)、消化管出血(0.1%未満)、消化管潰瘍(0.1%未満)、腸管狭窄・腸管閉塞(頻度不明)、潰瘍性大腸炎(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.2. ショック(頻度不明)。
11.1.3. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(発疹、浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
11.1.4. 喘息発作(頻度不明)。
11.1.5. 急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎(いずれも頻度不明)。
11.1.6. 血小板減少(0.1%未満)、出血傾向(頻度不明)、白血球減少(0.1%未満)、溶血性貧血(0.1%未満)、再生不良性貧血(頻度不明)、骨髄抑制(頻度不明)〔9.1.3、9.1.4参照〕。
11.1.7. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)。
11.1.8. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.9. 痙攣、昏睡、錯乱(いずれも頻度不明)。
11.1.10. 性器出血(頻度不明)〔9.1.4参照〕。
11.1.11. うっ血性心不全、肺水腫(いずれも頻度不明)。
11.1.12. 血管浮腫(頻度不明)。
11.1.13. 角膜混濁、網膜障害(いずれも頻度不明):関節リウマチ患者等に長期連用して、角膜混濁及び網膜障害があらわれたとの報告があるので、前駆症状(霧視等の視覚異常)があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.14. 心筋梗塞、脳血管障害(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1〜5%未満)胃痛、悪心・嘔吐、消化不良、食欲不振、下痢、腹痛、口内炎、(0.1%未満)便秘、口渇、腹部膨満感、舌炎、口角炎。
2). 血液:(0.1%未満)貧血、白血球減少、好酸球増多。
3). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹・発赤、そう痒感、(0.1%未満)蕁麻疹。
4). 感覚器:(0.1%未満)味覚障害、眼充血、霧視、羞明、視力障害、耳鳴、(頻度不明)複視、口中苦味。
5). 腎臓:(0.1%未満)蛋白尿、BUN上昇、クレアチニン上昇、血尿、尿量減少。
6). 肝臓:(0.1〜5%未満)肝機能異常(AST上昇・ALT上昇等)、(0.1%未満)Al−P上昇。
7). 精神神経系:(0.1%未満)めまい、頭痛、眠気、しびれ、ふるえ。
8). 循環器:(0.1%未満)動悸、血圧上昇、胸部圧迫感、胸内苦悶感。
9). その他:(0.1〜5%未満)浮腫、(0.1%未満)全身倦怠感、脱力感、発熱、ほてり、頻尿、尿糖、関節痛。
発現頻度は使用成績調査を含む。
2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍が悪化するおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常が悪化するおそれがある]。
2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.4. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.5. 重篤な心機能不全のある患者〔9.1.5参照〕。
2.6. 重篤な高血圧症の患者〔9.1.6参照〕。
2.7. 重篤な膵炎の患者〔9.1.7参照〕。
2.8. 本剤の成分又はインドメタシン、サリチル酸系化合物(アスピリン等)に過敏症の既往歴のある患者。
2.9. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある]〔9.1.8参照〕。
2.10. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.11. トリアムテレン投与中の患者〔10.1参照〕。
8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 本剤の活性代謝物のインドメタシンで過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が報告されているので、特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患を合併している患者においては投与後の患者の状態に十分注意すること〔9.8高齢者の項参照〕。
8.3. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し、本剤を用いる場合には次の事項を考慮すること。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し、本剤を長期投与する場合には定期的に尿検査、血液検査、肝機能検査及び眼科的検査等を行うこと〔11.1.13参照〕。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し、本剤を用いる場合には薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.4. 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分に注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍が再発するおそれがある〔2.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)。
9.1.3. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常が悪化又は再発するおそれがある〔11.1.6参照〕。
9.1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある〔11.1.6、11.1.10参照〕。
9.1.5. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用により水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能異常が悪化するおそれがある〔2.5参照〕。
9.1.6. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>の患者:プロスタグランジン合成阻害作用により水、ナトリウムの貯留が起こるため、血圧が上昇するおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.7. 膵炎<重篤な膵炎を除く>の患者:本剤の活性代謝物のインドメタシンで急性膵炎が報告されており、症状が悪化するおそれがある〔2.7参照〕。
9.1.8. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>の患者:喘息発作を誘発するおそれがある〔2.9参照〕。
9.1.9. てんかん、パーキンソン症候群等の中枢神経系疾患、潰瘍性大腸炎又はクローン病の患者:本剤の活性代謝物のインドメタシンで、これらの疾患の悪化が報告されており、これらの疾患が悪化するおそれがある。
9.1.10. SLE(全身性エリテマトーデス)の患者:非ステロイド性消炎鎮痛剤(フェニルブタゾン)でSLEを悪化させたとの報告があり、また、本剤の活性代謝物のインドメタシンをSLE患者に投与したところ、急性腎障害を起こしたとの報告がある。
9.1.11. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎機能障害が悪化するおそれがある)〔2.4参照〕。
9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:腎機能障害が悪化又は再発するおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(肝機能障害が悪化するおそれがある)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害が悪化又は再発するおそれがある。
本剤の活性代謝物のインドメタシンと次の医薬品との併用による相互作用が報告されている。
10.1. 併用禁忌:
トリアムテレン<トリテレン等>〔2.11参照〕[相互に副作用が増強され急性腎障害を起こすことがある(トリアムテレンによる腎血流量の低下に基づく腎機能障害のために代償的に腎でのプロスタグランジン合成が亢進されるが、インドメタシンによりそのプロスタグランジン合成が阻害されるためと考えられている)]。
10.2. 併用注意:
1). プロベネシド[インドメタシンの血中濃度が上昇し作用が増強されることがある(腎尿細管での両薬の排泄部位での競合、インドメタシンの胆汁排泄減少により、インドメタシンの排泄が抑制され、インドメタシンの血中濃度が上昇するためと考えられている)]。
2). アスピリン[消化器系の副作用の発現率が上昇し、また、インドメタシンの作用が減弱されることがある(機序不明)]。
3). 抗凝血剤及び抗血小板薬:
@. 抗凝血剤(ワルファリン)[これらの医薬品の作用を増強し出血の危険性が増大することがあるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと(インドメタシンのプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制され、また、インドメタシンが血漿蛋白結合部位でワルファリンを遊離させ、その抗凝血作用を増強させると考えられている)]。
A. 抗凝血剤及び抗血小板薬(クロピドグレル等)[これらの医薬品の作用を増強し出血の危険性が増大することがあるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行うこと(インドメタシンのプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制される)]。
4). メトトレキサート[メトトレキサートの血中濃度が上昇しその副作用を増強するので、メトトレキサートの量を調節すること(インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が減少し、メトトレキサートの尿細管分泌を抑制するためと考えられている)]。
5). リチウム[血中リチウム濃度が上昇しリチウム中毒を呈したとの報告がある(インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が減少し、リチウムの腎排泄が減少するためと考えられている)]。
6). ジゴキシン[血中ジゴキシン濃度が上昇し作用が増強されることが報告されているので、血中ジゴキシン濃度に注意すること(インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、ジゴキシンの腎排泄が減少するためと考えられている)]。
7). シクロスポリン[シクロスポリンによる腎毒性が増強されることがあるので、腎機能に注意すること(インドメタシンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少するためと考えられている)]。
8). β−遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロール等)、ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、イミダプリル塩酸塩、テモカプリル塩酸塩等)、A−2受容体拮抗剤(カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、ロサルタンカリウム等)[これらの医薬品の降圧作用を減弱させることがある(インドメタシンが血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、血圧を上昇させることがある)]。
9). ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、イミダプリル塩酸塩、テモカプリル塩酸塩等)、A−2受容体拮抗剤(カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、ロサルタンカリウム等)[腎機能悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある(機序不明)]。
10). ループ利尿剤(フロセミド等)、チアジド系及びその類似降圧利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)[これらの医薬品の利尿降圧作用が減弱されることがある(インドメタシンがプロスタグランジン合成を阻害して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられている)]。
11). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等)、エプレレノン[これらの医薬品の降圧作用の減弱、腎機能障害患者で重度の高カリウム血症が発現するおそれがある(インドメタシンの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によると考えられている)]。
高齢者:少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)〔8.2参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中の投与に関し、次のような報告がある〔2.10参照〕。
・ 本剤の活性代謝物のインドメタシンで、妊娠後期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)、胎児の動脈管収縮、動脈管開存症、胎児腎不全、胎児腸穿孔、羊水過少症が起きたとの報告がある。また、妊娠後期に投与したところ早期出産した新生児に壊死性腸炎の発生率が高いとの報告、及び消化管穿孔、頭蓋内出血が起きたとの報告がある。
・ 本剤の活性代謝物のインドメタシンにおいて、動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている。
・ 妊娠末期のラットに投与した実験で、胎仔動脈管収縮が報告されている。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が、また、本剤の活性代謝物のインドメタシンでヒト母乳中への移行が報告されている)。
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 小児には他剤が無効又は使用できない関節リウマチの場合にのみ本剤の投与を考慮するとともに、投与する場合には必要最小限の使用にとどめるなど、慎重に投与すること。小児において本剤の活性代謝物のインドメタシンの経口投与で大量投与により重篤な副作用(感染症不顕性化、肝炎)が報告されている。
13.1. 症状
本剤では過量投与の報告はないが、本剤の活性代謝物のインドメタシンで、痙攣、錯乱、失見当識等が報告されている。
13.2. 処置
過量投与時、本剤の活性代謝物のインドメタシンは透析では除去されないとの報告がある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与時の注意
胃腸障害の発現を少なくするため、食直後に服用又は食物、ミルク、制酸剤等とともに服用することが望ましい。
14.2. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
動物実験(マウス)で、レンチナンとの併用により、本剤の活性代謝物のインドメタシンで消化管潰瘍・消化管穿孔があらわれたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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