薬剤情報
後発品
薬効分類緑内障治療薬 > 炭酸脱水酵素阻害薬 呼吸促進薬 > 炭酸脱水酵素阻害薬 利尿薬 > 炭酸脱水酵素阻害薬 スルホンアミド系抗てんかん薬
一般名アセタゾラミドナトリウム注射用
薬価479
メーカー三和化学研究所
最終更新2024年01月改訂(第2版)

用法・用量

〈緑内障〉

アセタゾラミドとして、通常成人1日250mg〜1gを分割して静脈内又は筋肉内注射する。

〈てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)〉

アセタゾラミドとして、通常成人1日250〜750mgを分割して静脈内又は筋肉内注射する。

〈肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善〉

アセタゾラミドとして、通常成人1日1回250〜500mgを静脈内又は筋肉内注射する。

〈メニエル病及びメニエル症候群〉

アセタゾラミドとして、通常成人1日1回250〜750mgを静脈内又は筋肉内注射する。

なお、いずれの場合も、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、メニエル病及びメニエル症候群。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 代謝性アシドーシス、電解質異常(いずれも頻度不明):代謝性アシドーシス、低カリウム血症、低ナトリウム血症等の電解質異常があらわれることがある〔2.5、8.1、9.1.3、9.1.4、9.8高齢者の項参照〕。

11.1.2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.3. 急性呼吸窮迫症候群、肺水腫(いずれも頻度不明):急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.4. 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明):再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)の重篤な血液障害、また、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少、血小板減少性紫斑病等があらわれることがある〔8.2参照〕。

11.1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明):発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.6. 急性腎障害、腎結石・尿路結石(いずれも頻度不明):血尿、結晶尿、乏尿等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.7. 精神錯乱、痙攣(いずれも頻度不明):精神錯乱、痙攣等の中枢神経症状があらわれることがある。

11.1.8. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 代謝異常:(頻度不明)高尿酸血症、血糖値上昇、血糖値低下。

2). 皮膚:(頻度不明)光線過敏症。

3). 過敏症:(頻度不明)発熱、発疹。

4). 消化器:(頻度不明)食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、味覚異常。

5). 精神神経系:(頻度不明)知覚異常(しびれ等)、麻痺、めまい、頭痛、興奮、いらいら感、うつ状態、傾眠、見当識障害、振戦。

6). 感覚器:(頻度不明)一過性近視、聴覚障害。

7). 腎・尿路系:(頻度不明)多尿、尿糖。

8). その他:(頻度不明)倦怠感、潮紅。

禁忌

2.1. 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 無尿の患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある]。

2.3. 急性腎不全の患者〔9.2.1参照〕。

2.4. 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.5. 高クロール血症性アシドーシス、体液中のナトリウム減少・体液中のカリウム減少が明らかな患者、副腎機能不全・アジソン病の患者[電解質異常が増悪されるおそれがある]〔11.1.1参照〕。

2.6. 慢性閉塞隅角緑内障の患者には長期投与しないこと[緑内障の悪化が不顕性化されるおそれがある]。

重要な基本的注意

8.1. 連用する場合、電解質異常があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと〔11.1.1参照〕。

8.2. 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症の重篤な血液障害、また、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少、血小板減少性紫斑病等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと〔11.1.4参照〕。

8.3. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

8.4. 夜間の休息が必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 重篤な冠動脈硬化症又は重篤な脳動脈硬化症の患者:急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

9.1.2. 糖尿病又は耐糖能異常のある患者:血糖値異常変動が報告されている。

9.1.3. レスピレータ等を必要とする重篤な高炭酸ガス血症の患者:アシドーシスを進行させることがある〔11.1.1参照〕。

9.1.4. 減塩療法時の患者:低ナトリウム血症を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 急性腎不全の患者:投与しないこと(本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある)〔2.3参照〕。

9.2.2. 重篤な腎障害のある患者:本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度肝機能障害のある患者:投与しないこと(血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある)〔2.4参照〕。

9.3.2. 肝疾患・肝機能障害のある患者:血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 降圧剤[降圧剤の作用を増強するおそれがある(機序は不明である)]。

2). ジギタリス製剤(ジゴキシン)[ジギタリスの心臓への作用を増強するおそれがあるので、血中カリウム値をモニターし、カリウム補給を考慮すること(本剤による血清カリウムの低下により、ジギタリスの作用が増強すると考えられる)]。

3). カルバマゼピン[カルバマゼピンの中毒症状が発現することがあるので、カルバマゼピンの中毒症状の発現に注意し、カルバマゼピンの血清中濃度を測定して、カルバマゼピンの減量を考慮すること(機序は不明であるが、併用によりカルバマゼピンの血清中濃度が上昇するとの報告がある)]。

4). 糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH[過剰のカリウム放出を起こすおそれがある(両剤ともにカリウム排泄を促進するので、カリウム排泄が増大すると考えられる)]。

5). 塩化アンモニウム[本剤の効果が阻害される(機序は不明である)]。

6). 大量のビタミンC投与[腎結石・尿路結石が起こりやすい(大量のビタミンC服用後は、その代謝物である蓚酸の尿中排泄が増加し、カルシウム析出を助長して腎・尿路結石が発生しやすくなると考えられる)]。

7). フェノバルビタール(フェニトイン等)[クル病、骨軟化症があらわれたとの報告があるので、このような症状があらわれた場合には減量あるいは投与を中止すること(本剤による代謝性アシドーシスのため、カルシウムやリン酸塩の排泄が促進され、抗てんかん剤による骨代謝障害が増悪すると考えられる)]。

8). 大量のアスピリン投与[本剤の副作用が増強されるとの報告があるので、異常が認められた場合には減量あるいは投与を中止すること(血漿蛋白における競合結合や腎排泄の競合により、本剤の排泄遅延が起こることが考えられる)]。

9). ビグアナイド系薬剤(メトホルミン塩酸塩等)[ビグアナイド系薬剤による乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるので、脱水症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと(体液量が減少し脱水状態になるおそれがある)]。

10). SGLT2阻害剤[利尿作用が増強されるおそれがあるので、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を確認し、脱水症状の発現に注意し、必要に応じ本剤の用量を調整するなど注意すること(利尿作用が増強されるおそれがある)]。

高齢者

高齢者:次の点に注意し、低用量から投与を開始するとともに、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること〔11.1.1参照〕。

・ 高齢者:急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

・ 高齢者:腎機能低下した高齢者において、代謝性アシドーシスにより、低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれることがある。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊娠初期又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。

妊娠マウスの器官形成期に皮下投与した実験で、死亡胎仔増加及び骨形成不全等が認められている。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行が報告されている)。

小児等

9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.7.2. 長期投与した場合、成長遅延が報告されている(慢性的な代謝性アシドーシスによると考えられている)。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、電解質異常(特に低カリウム血症)、アシドーシス及び中枢神経系障害を起こす可能性がある。

13.2. 処置

過量投与時、本剤の特異的解毒薬は不明である。本剤は腎排泄性でありかつ血液透析により除去されることより、特に腎障害者において過量投与により状態が悪化した場合は血液透析の適応も考慮すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

本剤は注射用水、生理食塩液、又は5%ブドウ糖液で完全に溶解してから使用する。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 経口投与が困難な場合や緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ行うこと。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には速やかに経口投与に切り替えること。

14.2.2. 投与経路は静脈内注射を原則とし、他剤<注射用水・生理食塩液又は5%ブドウ糖液を除く>との混注は避けること。

14.2.3. 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。また、筋肉内注射により、注射部位に疼痛があらわれることがある。

・ 筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。なお、特に筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わないこと。また、小児等には特に注意すること。

・ 筋肉内投与時神経走行部位を避けるよう注意すること。

・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

14.2.4. 静脈内注射により、血管痛があらわれることがあるので、注射はできるだけゆっくり行うこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 適応外であるが脳梗塞・モヤモヤ病等の患者に脳循環予備能の検査目的で本剤を静脈内投与した際に、脳梗塞症状増悪あるいは脳梗塞症状再発等、急性心不全が認められたとの報告がある。

15.1.2. 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6−3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ダイアモックス注射用500mg
後発品はありません
ダイアモックス注射用500mg
ダイアモックス注射用500mg

ダイアモックス注射用500mg

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2024年01月改訂(第2版)
薬剤情報
後発品
薬効分類緑内障治療薬 > 炭酸脱水酵素阻害薬 呼吸促進薬 > 炭酸脱水酵素阻害薬 利尿薬 > 炭酸脱水酵素阻害薬 スルホンアミド系抗てんかん薬
一般名アセタゾラミドナトリウム注射用
薬価479
メーカー三和化学研究所
最終更新2024年01月改訂(第2版)

用法・用量

〈緑内障〉

アセタゾラミドとして、通常成人1日250mg〜1gを分割して静脈内又は筋肉内注射する。

〈てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)〉

アセタゾラミドとして、通常成人1日250〜750mgを分割して静脈内又は筋肉内注射する。

〈肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善〉

アセタゾラミドとして、通常成人1日1回250〜500mgを静脈内又は筋肉内注射する。

〈メニエル病及びメニエル症候群〉

アセタゾラミドとして、通常成人1日1回250〜750mgを静脈内又は筋肉内注射する。

なお、いずれの場合も、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、メニエル病及びメニエル症候群。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 代謝性アシドーシス、電解質異常(いずれも頻度不明):代謝性アシドーシス、低カリウム血症、低ナトリウム血症等の電解質異常があらわれることがある〔2.5、8.1、9.1.3、9.1.4、9.8高齢者の項参照〕。

11.1.2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.3. 急性呼吸窮迫症候群、肺水腫(いずれも頻度不明):急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.4. 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明):再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)の重篤な血液障害、また、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少、血小板減少性紫斑病等があらわれることがある〔8.2参照〕。

11.1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明):発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.6. 急性腎障害、腎結石・尿路結石(いずれも頻度不明):血尿、結晶尿、乏尿等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.7. 精神錯乱、痙攣(いずれも頻度不明):精神錯乱、痙攣等の中枢神経症状があらわれることがある。

11.1.8. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 代謝異常:(頻度不明)高尿酸血症、血糖値上昇、血糖値低下。

2). 皮膚:(頻度不明)光線過敏症。

3). 過敏症:(頻度不明)発熱、発疹。

4). 消化器:(頻度不明)食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、味覚異常。

5). 精神神経系:(頻度不明)知覚異常(しびれ等)、麻痺、めまい、頭痛、興奮、いらいら感、うつ状態、傾眠、見当識障害、振戦。

6). 感覚器:(頻度不明)一過性近視、聴覚障害。

7). 腎・尿路系:(頻度不明)多尿、尿糖。

8). その他:(頻度不明)倦怠感、潮紅。

禁忌

2.1. 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 無尿の患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある]。

2.3. 急性腎不全の患者〔9.2.1参照〕。

2.4. 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.5. 高クロール血症性アシドーシス、体液中のナトリウム減少・体液中のカリウム減少が明らかな患者、副腎機能不全・アジソン病の患者[電解質異常が増悪されるおそれがある]〔11.1.1参照〕。

2.6. 慢性閉塞隅角緑内障の患者には長期投与しないこと[緑内障の悪化が不顕性化されるおそれがある]。

重要な基本的注意

8.1. 連用する場合、電解質異常があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと〔11.1.1参照〕。

8.2. 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症の重篤な血液障害、また、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少、血小板減少性紫斑病等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと〔11.1.4参照〕。

8.3. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

8.4. 夜間の休息が必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 重篤な冠動脈硬化症又は重篤な脳動脈硬化症の患者:急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

9.1.2. 糖尿病又は耐糖能異常のある患者:血糖値異常変動が報告されている。

9.1.3. レスピレータ等を必要とする重篤な高炭酸ガス血症の患者:アシドーシスを進行させることがある〔11.1.1参照〕。

9.1.4. 減塩療法時の患者:低ナトリウム血症を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 急性腎不全の患者:投与しないこと(本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある)〔2.3参照〕。

9.2.2. 重篤な腎障害のある患者:本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度肝機能障害のある患者:投与しないこと(血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある)〔2.4参照〕。

9.3.2. 肝疾患・肝機能障害のある患者:血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 降圧剤[降圧剤の作用を増強するおそれがある(機序は不明である)]。

2). ジギタリス製剤(ジゴキシン)[ジギタリスの心臓への作用を増強するおそれがあるので、血中カリウム値をモニターし、カリウム補給を考慮すること(本剤による血清カリウムの低下により、ジギタリスの作用が増強すると考えられる)]。

3). カルバマゼピン[カルバマゼピンの中毒症状が発現することがあるので、カルバマゼピンの中毒症状の発現に注意し、カルバマゼピンの血清中濃度を測定して、カルバマゼピンの減量を考慮すること(機序は不明であるが、併用によりカルバマゼピンの血清中濃度が上昇するとの報告がある)]。

4). 糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH[過剰のカリウム放出を起こすおそれがある(両剤ともにカリウム排泄を促進するので、カリウム排泄が増大すると考えられる)]。

5). 塩化アンモニウム[本剤の効果が阻害される(機序は不明である)]。

6). 大量のビタミンC投与[腎結石・尿路結石が起こりやすい(大量のビタミンC服用後は、その代謝物である蓚酸の尿中排泄が増加し、カルシウム析出を助長して腎・尿路結石が発生しやすくなると考えられる)]。

7). フェノバルビタール(フェニトイン等)[クル病、骨軟化症があらわれたとの報告があるので、このような症状があらわれた場合には減量あるいは投与を中止すること(本剤による代謝性アシドーシスのため、カルシウムやリン酸塩の排泄が促進され、抗てんかん剤による骨代謝障害が増悪すると考えられる)]。

8). 大量のアスピリン投与[本剤の副作用が増強されるとの報告があるので、異常が認められた場合には減量あるいは投与を中止すること(血漿蛋白における競合結合や腎排泄の競合により、本剤の排泄遅延が起こることが考えられる)]。

9). ビグアナイド系薬剤(メトホルミン塩酸塩等)[ビグアナイド系薬剤による乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるので、脱水症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと(体液量が減少し脱水状態になるおそれがある)]。

10). SGLT2阻害剤[利尿作用が増強されるおそれがあるので、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を確認し、脱水症状の発現に注意し、必要に応じ本剤の用量を調整するなど注意すること(利尿作用が増強されるおそれがある)]。

高齢者

高齢者:次の点に注意し、低用量から投与を開始するとともに、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること〔11.1.1参照〕。

・ 高齢者:急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

・ 高齢者:腎機能低下した高齢者において、代謝性アシドーシスにより、低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれることがある。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊娠初期又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。

妊娠マウスの器官形成期に皮下投与した実験で、死亡胎仔増加及び骨形成不全等が認められている。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行が報告されている)。

小児等

9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.7.2. 長期投与した場合、成長遅延が報告されている(慢性的な代謝性アシドーシスによると考えられている)。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、電解質異常(特に低カリウム血症)、アシドーシス及び中枢神経系障害を起こす可能性がある。

13.2. 処置

過量投与時、本剤の特異的解毒薬は不明である。本剤は腎排泄性でありかつ血液透析により除去されることより、特に腎障害者において過量投与により状態が悪化した場合は血液透析の適応も考慮すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

本剤は注射用水、生理食塩液、又は5%ブドウ糖液で完全に溶解してから使用する。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 経口投与が困難な場合や緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ行うこと。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には速やかに経口投与に切り替えること。

14.2.2. 投与経路は静脈内注射を原則とし、他剤<注射用水・生理食塩液又は5%ブドウ糖液を除く>との混注は避けること。

14.2.3. 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。また、筋肉内注射により、注射部位に疼痛があらわれることがある。

・ 筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。なお、特に筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わないこと。また、小児等には特に注意すること。

・ 筋肉内投与時神経走行部位を避けるよう注意すること。

・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。

14.2.4. 静脈内注射により、血管痛があらわれることがあるので、注射はできるだけゆっくり行うこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 適応外であるが脳梗塞・モヤモヤ病等の患者に脳循環予備能の検査目的で本剤を静脈内投与した際に、脳梗塞症状増悪あるいは脳梗塞症状再発等、急性心不全が認められたとの報告がある。

15.1.2. 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6−3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

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