| 薬効分類 | 免疫調節薬 |
| 一般名 | エトラシモドL−アルギニン錠 |
| 薬価 | 4774.1円 |
| メーカー | ファイザー |
| 最終更新 | 2025年06月改訂(第1版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、成人にはエトラシモドとして2mgを1日1回経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 感染症のリスクが増大するおそれがあるため、本剤と免疫抑制剤<感染症のリスクが増大>(タクロリムス、アザチオプリン等)、生物学的製剤<感染症のリスクが増大>、ヤヌスキナーゼ阻害薬等との併用を避けること(本剤とこれらの薬剤を併用した臨床試験は実施していない)〔2.2、8.3、9.1.2、10.2、11.1.2参照〕。
7.2. 本剤の投与開始後12週時点で治療反応が得られない場合は、他の治療への切り替えを考慮すること。
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
過去の治療において、他の薬物療法(5−アミノサリチル酸製剤、ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤、ヤヌスキナーゼ阻害薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.4参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 黄斑浮腫(0.1%):異常が認められた場合には眼科学的検査を実施し、黄斑浮腫が確認された場合には、本剤の投与を中止すること〔1.3、8.5、9.1.3参照〕。
11.1.2. 感染症(0.9%):重篤な感染症があらわれた場合には、休薬し、適切な処置を行うこと〔2.2、7.1、8.3、9.1.2、10.2参照〕。
11.1.3. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):本剤の投与中及び投与中止後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害、視覚障害等のPMLが疑われる症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.4. リンパ球減少:リンパ球数減少(5.8%、28.0%)*及びリンパ球減少症(7.8%、10.8%)*があらわれることがある〔8.3参照〕。
*)発現頻度は次の順に記載した。
・ 本剤2mgを投与された日本人を含む1037例(6試験、最長投与期間163.0週、投与期間の中央値49.57週)。
・ 本剤2mgを投与された日本人93例(4試験、最長投与期間203.0週、投与期間の中央値78.14週)。
11.1.5. 肝機能障害(0.7%):悪心、嘔吐、腹痛、疲労、食欲不振、黄疸、暗色尿等の肝機能障害が疑われる症状があらわれた場合には、肝機能検査を実施し、肝機能障害が確認された場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと〔8.4、9.3肝機能障害患者の項、16.6.2参照〕。
11.1.6. 徐脈性不整脈(徐脈:1.5%、房室ブロック:0.6%):本剤投与後に徐脈性不整脈に関連する徴候又は症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと〔1.2、2.3、2.4、8.1、9.1.1、10.2参照〕。
11.1.7. 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明):頭痛、意識障害、痙攣、視力障害等の症状があらわれた場合は、MRI等による画像診断を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(0.3%未満)尿路感染。
2). 血液及びリンパ系障害:(0.3%未満)好中球減少症。
3). 代謝及び栄養障害:(0.3〜1%)高コレステロール血症、(0.3%未満)高カリウム血症、食欲減退。
4). 神経系障害:(1%以上)浮動性めまい、頭痛、(0.3〜1%)傾眠、(0.3%未満)頭部不快感、片頭痛。
5). 眼障害:(0.3%未満)視力障害。
6). 耳及び迷路障害:(0.3%未満)耳鳴。
7). 血管障害:(0.3%未満)高血圧。
8). 胃腸障害:(0.3〜1%)悪心、潰瘍性大腸炎、腹部膨満、嘔吐、(0.3%未満)口内炎。
9). 皮膚及び皮下組織障害:(0.3%未満)寝汗。
10). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(0.3%未満)発熱、疲労、非心臓性胸痛、無力症。
11). 臨床検査:(1%以上)γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加、(0.3〜1%)ALT増加、肝酵素上昇、AST増加、(0.3%未満)血中アルカリホスファターゼ増加、体重減少。
国内第2相試験、海外第2相試験、国際共同第3相試験、国内第3相試験及び海外第3相試験の結果(673例)から算出した。
1.1. 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される患者のみに使用すること。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること。
1.2. 本剤の投与により一過性心拍数減少及び一過性房室伝導遅延がみられ、特に本剤の投与初期に生じる可能性が高いことから、循環器を専門とする医師と連携するなど、適切な処置が行える管理下で本剤の投与を開始すること〔2.3、2.4、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照〕。
1.3. 黄斑浮腫等の眼疾患があらわれることがあるので、十分に対応できる眼科医と連携がとれる場合にのみ使用すること〔8.5、9.1.3、11.1.1参照〕。
1.4. 本剤の治療を行う前に、既存治療薬の使用を十分勘案すること〔5.効能又は効果に関連する注意の項参照〕。
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な感染症のある患者〔7.1、8.3、9.1.2、10.2、11.1.2参照〕。
2.3. 本剤投与開始前6ヵ月以内に心筋梗塞、6ヵ月以内に不安定狭心症、6ヵ月以内に脳卒中、6ヵ月以内に一過性脳虚血発作、6ヵ月以内に入院を要する非代償性心不全、6ヵ月以内にNYHA分類3度の心不全又は6ヵ月以内にNYHA分類4度の心不全を発症した患者〔1.2、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照〕。
2.4. モビッツ2型第2度房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>又は第3度房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>、洞不全症候群<ペースメーカー使用を除く>、洞房ブロック<ペースメーカー使用を除く>の既往又は罹患のある患者〔1.2、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照〕。
2.5. 生ワクチンを接種しないこと〔10.1参照〕。
2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
8.1. 一過性心拍数減少、一過性房室伝導遅延があらわれることがあるため、本剤投与開始前に、心電図検査を行い、心伝導系に異常がないか確認すること。患者又はその家族等に対し、本剤投与後に失神、浮動性めまい、息切れなどの症状がみられた場合には主治医に連絡するよう指導すること。特に本剤の投与初期(休薬後の投与再開時を含む)は、心拍数低下、房室伝導遅延が生じる可能性が高いため、十分注意すること〔1.2、2.3、2.4、9.1.1、10.2、11.1.6参照〕。
8.2. 浮動性めまいが報告されているため、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.3. 感染症のリスクが増大するおそれがあるため、次の点に注意すること〔2.2、7.1、9.1.2、10.2、11.1.2−11.1.4参照〕。
・ 本剤投与開始前に、リンパ球数を含めた全血球数の検査値を確認し、本剤投与中も定期的に検査を実施すること。リンパ球数が200/mm3未満となった場合には休薬して、患者の状態を慎重に観察し、感染症の徴候に注意すること(投与再開は、リンパ球数500/mm3超を目安とし、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断すること)。
・ 本剤の末梢血リンパ球数減少などの薬力学的な作用は、最終投与から約2週間持続する可能性があるため、投与終了後においても感染症に対する注意を継続すること。
8.4. 肝機能障害があらわれることがあるため、本剤投与開始前に、過去6ヵ月以内の肝機能検査値(ALT、AST、ビリルビン等)を確認し、以降も定期的に肝機能検査を実施すること〔9.3肝機能障害患者の項、11.1.5、16.6.2参照〕。
8.5. 黄斑浮腫があらわれることがあるため、本剤投与中は定期的に眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること。本剤投与中に視覚変化が認められた場合にも、眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること〔1.3、9.1.3、11.1.1参照〕。
8.6. スフィンゴシン1−リン酸(S1P)受容体調節薬を投与した患者において、皮膚悪性腫瘍を含む悪性腫瘍が報告されていることから、悪性腫瘍の発現には注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 徐脈性不整脈のリスクが高い及び房室伝導遅延のリスクが高い患者:次のような患者に本剤を投与する前に、循環器を専門とする医師へ相談し、本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること[1)顕著なQT延長のある患者(男性<QTcF≧450msec>、女性<QTcF≧470msec>)、2)1a群抗不整脈薬による治療を要する不整脈又は3群抗不整脈薬による治療を要する不整脈のある患者、3)不安定な虚血性心疾患<6ヵ月以内に心筋梗塞・不安定狭心症発症を除く>、心不全<6ヵ月以内に入院要す非代償性HF・NYHA3〜4度HF発症除く>、心停止の既往歴、脳血管疾患<6ヵ月以内に脳卒中・一過性脳虚血発作発症を除く>、又はコントロールされていない高血圧のある患者、4)安静時心拍数が50bpm未満の患者、5)症候性徐脈、再発性心原性失神、又は未治療の重度睡眠時無呼吸の既往歴のある患者、6)モビッツ1型第2度房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>の既往歴のある患者]:本剤投与開始前に脈拍、血圧及び心電図を測定し、初回投与後4時間は継続して脈拍及び血圧を測定し、初回投与から4時間後に心電図を測定すること(脈拍、血圧又は心電図に異常が認められた場合は、回復するまでさらに継続して脈拍、血圧及び心電図を測定し、処置が必要な場合は、一晩測定を続け、本剤の2回目の投与時にも、初回投与時と同様に脈拍、血圧及び心電図を測定すること、なお、本剤を休薬し、投与再開する場合も、脈拍、血圧及び心電図の測定を行うこと、また、本剤投与中は、患者の状態に応じて、脈拍、血圧及び心電図の測定を検討すること)〔1.2、2.3、2.4、8.1、10.2、11.1.6参照〕(HF:心不全)。
9.1.2. 感染症<重篤な感染症を除く>のある患者〔2.2、7.1、8.3、10.2、11.1.2参照〕。
9.1.3. 糖尿病、ぶどう膜炎、網膜疾患のある患者又はこれらの既往歴のある患者:黄斑浮腫が発現するリスクが増大するため、本剤投与開始前及び投与中は定期的に、眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること(定期的な眼科学的検査の間隔と内容は患者の状態に応じて眼科医と連携して決定すること)〔1.3、8.5、11.1.1参照〕。
9.1.4. 重度の呼吸器疾患を有する患者:重度呼吸器疾患を有する患者には本剤を慎重に投与すること(症状が悪化するおそれがある)〔15.1参照〕。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(血中濃度が上昇するおそれがあり、また、肝機能障害がさらに悪化するおそれがある)〔8.4、11.1.5、16.6.2参照〕。
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤の投与を開始する前に、本剤が胎児に重篤な悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明すること(妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること)。また、本剤投与中に妊娠が確認された場合には直ちに投与を中止すること〔9.5妊婦の項参照〕。
エトラシモドは主にCYP2C8、CYP2C9及びCYP3Aによって代謝される〔16.4、16.7.1−16.7.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)〔2.5参照〕[生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので、生ワクチンを接種する必要がある場合、本剤投与開始4週間以上前に接種すること、また、本剤の投与中及び投与終了後最低2週間は接種を避けること(本剤は免疫系に抑制的に作用するため、生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある)]。
10.2. 併用注意:
1). CYP2C8、CYP2C9又はCYP3Aを阻害する薬剤:
@. CYP2C8を阻害する薬剤、CYP2C9を阻害する薬剤又はCYP3Aを阻害する薬剤(フルコナゾール等)〔16.7.1参照〕[単剤又は複数の薬剤の組み合わせによりCYP2C8、CYP2C9又はCYP3Aのうち少なくとも2種類を阻害する薬剤を本剤と併用すると、本剤の曝露量が増加する可能性があるので、このような薬剤は併用しないことが望ましい(本剤の代謝が阻害され、曝露量が増加する可能性がある)]。
A. CYP2C8を阻害する薬剤、CYP2C9を阻害する薬剤又はCYP3Aを阻害する薬剤(フルコナゾール等)〔16.7.1参照〕[CYP2C9のPoor metabolizer(PM)である患者又は疑いのある患者は、CYP2C8又はCYP3Aのうち少なくとも1種類を阻害する薬剤を本剤と併用すると、本剤の曝露量が増加する可能性があるので、このような薬剤は併用しないことが望ましい(本剤の代謝が阻害され、曝露量が増加する可能性がある)]。
2). CYP2C8を誘導する薬剤、CYP2C9を誘導する薬剤又はCYP3Aを誘導する薬剤(リファンピシン等)〔16.7.4参照〕[単剤又は複数の薬剤の組み合わせによりCYP2C8、CYP2C9又はCYP3Aのうち少なくとも2種類を中程度以上に誘導する薬剤を本剤と併用すると、本剤の曝露量が減少し有効性が減弱する可能性があるので、このような薬剤は併用しないことが望ましい(本剤の代謝が促進され、曝露量が減少する可能性がある)]。
3). β遮断薬(アテノロール、プロプラノロール等)〔1.2、2.3、2.4、8.1、9.1.1、11.1.6参照〕[本剤の投与開始時に一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延があらわれる可能性があるので、これらの薬剤と併用する際には注意すること(心拍数減少に付加的に作用する可能性がある)]。
4). 心拍数を低下させる可能性のある薬剤、カルシウムチャネル拮抗薬等(ベラパミル、ジルチアゼム等)〔1.2、2.3、2.4、8.1、9.1.1、11.1.6参照〕[本剤の投与開始時に一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延があらわれる可能性があるので、これらの薬剤と併用しないことが望ましい(心拍数減少に付加的に作用する可能性がある)]。
5). QT延長を起こすことが知られている薬剤、クラス1a抗不整脈剤(キニジン、プロカインアミド等)、クラス3抗不整脈剤(アミオダロン、ソタロール等)〔1.2、2.3、2.4、8.1、9.1.1、11.1.6参照〕[本剤の投与開始時に一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延があらわれる可能性があり、また、それによりQT延長及びTorsade de pointesを生じる可能性があるので、これらの薬剤と併用しないことが望ましい(心拍数減少に付加的に作用する可能性がある)]。
6). 抗腫瘍薬、免疫調節剤、免疫抑制剤等(ミトキサントロン等)〔2.2、7.1、8.3、9.1.2、11.1.2参照〕[これらの薬剤と併用する場合、及び本剤投与中止後数週間以内にこれらの薬剤を投与する場合は注意すること(免疫系へ付加的な影響を及ぼす可能性がある)]。
7). 不活化ワクチン[本剤の投与中及び投与中止2週間後までは不活化ワクチンの接種の効果が減弱する可能性がある(免疫系に抑制的な作用を及ぼす可能性がある)]。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと(動物実験において、胚死亡率増加・胎仔死亡率増加(ラット及びウサギ)及び催奇形性(ラット及びウサギ)が認められており、ラットでは、外表奇形、内臓奇形及び内臓変異が、ウサギでは、内臓奇形、骨格奇形及び骨格変異がみられている。これらの変化は、臨床用量(2mg)投与時のヒト曝露量の約5倍以上の曝露量で認められている)〔2.6、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)において乳汁中に移行する可能性が示唆されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤を過量投与した場合は、徐脈の徴候及び症状の観察を行い、入院下での経過観察も考慮すること(経過観察中は、心拍数、血圧及び心電図を定期的に測定すること、なお、本剤に特異的な解毒薬はない)。過量投与した場合、本剤による心拍数減少に対しては、アトロピン硫酸塩水和物の静注投与により回復する可能性がある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
本剤投与により努力性肺活量低下や1秒努力呼気量低下があらわれることがある〔9.1.4参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 2年間のマウスがん原性試験において、血管腫及び血管肉腫の発現率増加が認められた。これらの変化に関する無影響量は2mg/kg/日であり、そのときの曝露量は臨床用量(2mg)投与時のヒト曝露量の約19倍である。
15.2.2. イヌを用いた反復投与毒性試験において、評価を行った最低用量である1mg/kg/日から心臓左心室動脈壁肥大や心臓左心室動脈壁過形成が認められた。
(保管上の注意)
室温保存。
(保険給付上の注意)
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年8月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
| 薬効分類 | 免疫調節薬 |
| 一般名 | エトラシモドL−アルギニン錠 |
| 薬価 | 4774.1円 |
| メーカー | ファイザー |
| 最終更新 | 2025年06月改訂(第1版) 添付文書のPDFはこちら |
通常、成人にはエトラシモドとして2mgを1日1回経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 感染症のリスクが増大するおそれがあるため、本剤と免疫抑制剤<感染症のリスクが増大>(タクロリムス、アザチオプリン等)、生物学的製剤<感染症のリスクが増大>、ヤヌスキナーゼ阻害薬等との併用を避けること(本剤とこれらの薬剤を併用した臨床試験は実施していない)〔2.2、8.3、9.1.2、10.2、11.1.2参照〕。
7.2. 本剤の投与開始後12週時点で治療反応が得られない場合は、他の治療への切り替えを考慮すること。
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
過去の治療において、他の薬物療法(5−アミノサリチル酸製剤、ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤、ヤヌスキナーゼ阻害薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.4参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 黄斑浮腫(0.1%):異常が認められた場合には眼科学的検査を実施し、黄斑浮腫が確認された場合には、本剤の投与を中止すること〔1.3、8.5、9.1.3参照〕。
11.1.2. 感染症(0.9%):重篤な感染症があらわれた場合には、休薬し、適切な処置を行うこと〔2.2、7.1、8.3、9.1.2、10.2参照〕。
11.1.3. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):本剤の投与中及び投与中止後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害、視覚障害等のPMLが疑われる症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.4. リンパ球減少:リンパ球数減少(5.8%、28.0%)*及びリンパ球減少症(7.8%、10.8%)*があらわれることがある〔8.3参照〕。
*)発現頻度は次の順に記載した。
・ 本剤2mgを投与された日本人を含む1037例(6試験、最長投与期間163.0週、投与期間の中央値49.57週)。
・ 本剤2mgを投与された日本人93例(4試験、最長投与期間203.0週、投与期間の中央値78.14週)。
11.1.5. 肝機能障害(0.7%):悪心、嘔吐、腹痛、疲労、食欲不振、黄疸、暗色尿等の肝機能障害が疑われる症状があらわれた場合には、肝機能検査を実施し、肝機能障害が確認された場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと〔8.4、9.3肝機能障害患者の項、16.6.2参照〕。
11.1.6. 徐脈性不整脈(徐脈:1.5%、房室ブロック:0.6%):本剤投与後に徐脈性不整脈に関連する徴候又は症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと〔1.2、2.3、2.4、8.1、9.1.1、10.2参照〕。
11.1.7. 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明):頭痛、意識障害、痙攣、視力障害等の症状があらわれた場合は、MRI等による画像診断を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(0.3%未満)尿路感染。
2). 血液及びリンパ系障害:(0.3%未満)好中球減少症。
3). 代謝及び栄養障害:(0.3〜1%)高コレステロール血症、(0.3%未満)高カリウム血症、食欲減退。
4). 神経系障害:(1%以上)浮動性めまい、頭痛、(0.3〜1%)傾眠、(0.3%未満)頭部不快感、片頭痛。
5). 眼障害:(0.3%未満)視力障害。
6). 耳及び迷路障害:(0.3%未満)耳鳴。
7). 血管障害:(0.3%未満)高血圧。
8). 胃腸障害:(0.3〜1%)悪心、潰瘍性大腸炎、腹部膨満、嘔吐、(0.3%未満)口内炎。
9). 皮膚及び皮下組織障害:(0.3%未満)寝汗。
10). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(0.3%未満)発熱、疲労、非心臓性胸痛、無力症。
11). 臨床検査:(1%以上)γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加、(0.3〜1%)ALT増加、肝酵素上昇、AST増加、(0.3%未満)血中アルカリホスファターゼ増加、体重減少。
国内第2相試験、海外第2相試験、国際共同第3相試験、国内第3相試験及び海外第3相試験の結果(673例)から算出した。
1.1. 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される患者のみに使用すること。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること。
1.2. 本剤の投与により一過性心拍数減少及び一過性房室伝導遅延がみられ、特に本剤の投与初期に生じる可能性が高いことから、循環器を専門とする医師と連携するなど、適切な処置が行える管理下で本剤の投与を開始すること〔2.3、2.4、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照〕。
1.3. 黄斑浮腫等の眼疾患があらわれることがあるので、十分に対応できる眼科医と連携がとれる場合にのみ使用すること〔8.5、9.1.3、11.1.1参照〕。
1.4. 本剤の治療を行う前に、既存治療薬の使用を十分勘案すること〔5.効能又は効果に関連する注意の項参照〕。
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な感染症のある患者〔7.1、8.3、9.1.2、10.2、11.1.2参照〕。
2.3. 本剤投与開始前6ヵ月以内に心筋梗塞、6ヵ月以内に不安定狭心症、6ヵ月以内に脳卒中、6ヵ月以内に一過性脳虚血発作、6ヵ月以内に入院を要する非代償性心不全、6ヵ月以内にNYHA分類3度の心不全又は6ヵ月以内にNYHA分類4度の心不全を発症した患者〔1.2、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照〕。
2.4. モビッツ2型第2度房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>又は第3度房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>、洞不全症候群<ペースメーカー使用を除く>、洞房ブロック<ペースメーカー使用を除く>の既往又は罹患のある患者〔1.2、8.1、9.1.1、10.2、11.1.6参照〕。
2.5. 生ワクチンを接種しないこと〔10.1参照〕。
2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
8.1. 一過性心拍数減少、一過性房室伝導遅延があらわれることがあるため、本剤投与開始前に、心電図検査を行い、心伝導系に異常がないか確認すること。患者又はその家族等に対し、本剤投与後に失神、浮動性めまい、息切れなどの症状がみられた場合には主治医に連絡するよう指導すること。特に本剤の投与初期(休薬後の投与再開時を含む)は、心拍数低下、房室伝導遅延が生じる可能性が高いため、十分注意すること〔1.2、2.3、2.4、9.1.1、10.2、11.1.6参照〕。
8.2. 浮動性めまいが報告されているため、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.3. 感染症のリスクが増大するおそれがあるため、次の点に注意すること〔2.2、7.1、9.1.2、10.2、11.1.2−11.1.4参照〕。
・ 本剤投与開始前に、リンパ球数を含めた全血球数の検査値を確認し、本剤投与中も定期的に検査を実施すること。リンパ球数が200/mm3未満となった場合には休薬して、患者の状態を慎重に観察し、感染症の徴候に注意すること(投与再開は、リンパ球数500/mm3超を目安とし、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断すること)。
・ 本剤の末梢血リンパ球数減少などの薬力学的な作用は、最終投与から約2週間持続する可能性があるため、投与終了後においても感染症に対する注意を継続すること。
8.4. 肝機能障害があらわれることがあるため、本剤投与開始前に、過去6ヵ月以内の肝機能検査値(ALT、AST、ビリルビン等)を確認し、以降も定期的に肝機能検査を実施すること〔9.3肝機能障害患者の項、11.1.5、16.6.2参照〕。
8.5. 黄斑浮腫があらわれることがあるため、本剤投与中は定期的に眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること。本剤投与中に視覚変化が認められた場合にも、眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること〔1.3、9.1.3、11.1.1参照〕。
8.6. スフィンゴシン1−リン酸(S1P)受容体調節薬を投与した患者において、皮膚悪性腫瘍を含む悪性腫瘍が報告されていることから、悪性腫瘍の発現には注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 徐脈性不整脈のリスクが高い及び房室伝導遅延のリスクが高い患者:次のような患者に本剤を投与する前に、循環器を専門とする医師へ相談し、本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること[1)顕著なQT延長のある患者(男性<QTcF≧450msec>、女性<QTcF≧470msec>)、2)1a群抗不整脈薬による治療を要する不整脈又は3群抗不整脈薬による治療を要する不整脈のある患者、3)不安定な虚血性心疾患<6ヵ月以内に心筋梗塞・不安定狭心症発症を除く>、心不全<6ヵ月以内に入院要す非代償性HF・NYHA3〜4度HF発症除く>、心停止の既往歴、脳血管疾患<6ヵ月以内に脳卒中・一過性脳虚血発作発症を除く>、又はコントロールされていない高血圧のある患者、4)安静時心拍数が50bpm未満の患者、5)症候性徐脈、再発性心原性失神、又は未治療の重度睡眠時無呼吸の既往歴のある患者、6)モビッツ1型第2度房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>の既往歴のある患者]:本剤投与開始前に脈拍、血圧及び心電図を測定し、初回投与後4時間は継続して脈拍及び血圧を測定し、初回投与から4時間後に心電図を測定すること(脈拍、血圧又は心電図に異常が認められた場合は、回復するまでさらに継続して脈拍、血圧及び心電図を測定し、処置が必要な場合は、一晩測定を続け、本剤の2回目の投与時にも、初回投与時と同様に脈拍、血圧及び心電図を測定すること、なお、本剤を休薬し、投与再開する場合も、脈拍、血圧及び心電図の測定を行うこと、また、本剤投与中は、患者の状態に応じて、脈拍、血圧及び心電図の測定を検討すること)〔1.2、2.3、2.4、8.1、10.2、11.1.6参照〕(HF:心不全)。
9.1.2. 感染症<重篤な感染症を除く>のある患者〔2.2、7.1、8.3、10.2、11.1.2参照〕。
9.1.3. 糖尿病、ぶどう膜炎、網膜疾患のある患者又はこれらの既往歴のある患者:黄斑浮腫が発現するリスクが増大するため、本剤投与開始前及び投与中は定期的に、眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること(定期的な眼科学的検査の間隔と内容は患者の状態に応じて眼科医と連携して決定すること)〔1.3、8.5、11.1.1参照〕。
9.1.4. 重度の呼吸器疾患を有する患者:重度呼吸器疾患を有する患者には本剤を慎重に投与すること(症状が悪化するおそれがある)〔15.1参照〕。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(血中濃度が上昇するおそれがあり、また、肝機能障害がさらに悪化するおそれがある)〔8.4、11.1.5、16.6.2参照〕。
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤の投与を開始する前に、本剤が胎児に重篤な悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明すること(妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること)。また、本剤投与中に妊娠が確認された場合には直ちに投与を中止すること〔9.5妊婦の項参照〕。
エトラシモドは主にCYP2C8、CYP2C9及びCYP3Aによって代謝される〔16.4、16.7.1−16.7.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)〔2.5参照〕[生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので、生ワクチンを接種する必要がある場合、本剤投与開始4週間以上前に接種すること、また、本剤の投与中及び投与終了後最低2週間は接種を避けること(本剤は免疫系に抑制的に作用するため、生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある)]。
10.2. 併用注意:
1). CYP2C8、CYP2C9又はCYP3Aを阻害する薬剤:
@. CYP2C8を阻害する薬剤、CYP2C9を阻害する薬剤又はCYP3Aを阻害する薬剤(フルコナゾール等)〔16.7.1参照〕[単剤又は複数の薬剤の組み合わせによりCYP2C8、CYP2C9又はCYP3Aのうち少なくとも2種類を阻害する薬剤を本剤と併用すると、本剤の曝露量が増加する可能性があるので、このような薬剤は併用しないことが望ましい(本剤の代謝が阻害され、曝露量が増加する可能性がある)]。
A. CYP2C8を阻害する薬剤、CYP2C9を阻害する薬剤又はCYP3Aを阻害する薬剤(フルコナゾール等)〔16.7.1参照〕[CYP2C9のPoor metabolizer(PM)である患者又は疑いのある患者は、CYP2C8又はCYP3Aのうち少なくとも1種類を阻害する薬剤を本剤と併用すると、本剤の曝露量が増加する可能性があるので、このような薬剤は併用しないことが望ましい(本剤の代謝が阻害され、曝露量が増加する可能性がある)]。
2). CYP2C8を誘導する薬剤、CYP2C9を誘導する薬剤又はCYP3Aを誘導する薬剤(リファンピシン等)〔16.7.4参照〕[単剤又は複数の薬剤の組み合わせによりCYP2C8、CYP2C9又はCYP3Aのうち少なくとも2種類を中程度以上に誘導する薬剤を本剤と併用すると、本剤の曝露量が減少し有効性が減弱する可能性があるので、このような薬剤は併用しないことが望ましい(本剤の代謝が促進され、曝露量が減少する可能性がある)]。
3). β遮断薬(アテノロール、プロプラノロール等)〔1.2、2.3、2.4、8.1、9.1.1、11.1.6参照〕[本剤の投与開始時に一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延があらわれる可能性があるので、これらの薬剤と併用する際には注意すること(心拍数減少に付加的に作用する可能性がある)]。
4). 心拍数を低下させる可能性のある薬剤、カルシウムチャネル拮抗薬等(ベラパミル、ジルチアゼム等)〔1.2、2.3、2.4、8.1、9.1.1、11.1.6参照〕[本剤の投与開始時に一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延があらわれる可能性があるので、これらの薬剤と併用しないことが望ましい(心拍数減少に付加的に作用する可能性がある)]。
5). QT延長を起こすことが知られている薬剤、クラス1a抗不整脈剤(キニジン、プロカインアミド等)、クラス3抗不整脈剤(アミオダロン、ソタロール等)〔1.2、2.3、2.4、8.1、9.1.1、11.1.6参照〕[本剤の投与開始時に一過性の心拍数減少及び房室伝導遅延があらわれる可能性があり、また、それによりQT延長及びTorsade de pointesを生じる可能性があるので、これらの薬剤と併用しないことが望ましい(心拍数減少に付加的に作用する可能性がある)]。
6). 抗腫瘍薬、免疫調節剤、免疫抑制剤等(ミトキサントロン等)〔2.2、7.1、8.3、9.1.2、11.1.2参照〕[これらの薬剤と併用する場合、及び本剤投与中止後数週間以内にこれらの薬剤を投与する場合は注意すること(免疫系へ付加的な影響を及ぼす可能性がある)]。
7). 不活化ワクチン[本剤の投与中及び投与中止2週間後までは不活化ワクチンの接種の効果が減弱する可能性がある(免疫系に抑制的な作用を及ぼす可能性がある)]。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと(動物実験において、胚死亡率増加・胎仔死亡率増加(ラット及びウサギ)及び催奇形性(ラット及びウサギ)が認められており、ラットでは、外表奇形、内臓奇形及び内臓変異が、ウサギでは、内臓奇形、骨格奇形及び骨格変異がみられている。これらの変化は、臨床用量(2mg)投与時のヒト曝露量の約5倍以上の曝露量で認められている)〔2.6、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)において乳汁中に移行する可能性が示唆されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤を過量投与した場合は、徐脈の徴候及び症状の観察を行い、入院下での経過観察も考慮すること(経過観察中は、心拍数、血圧及び心電図を定期的に測定すること、なお、本剤に特異的な解毒薬はない)。過量投与した場合、本剤による心拍数減少に対しては、アトロピン硫酸塩水和物の静注投与により回復する可能性がある。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
本剤投与により努力性肺活量低下や1秒努力呼気量低下があらわれることがある〔9.1.4参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 2年間のマウスがん原性試験において、血管腫及び血管肉腫の発現率増加が認められた。これらの変化に関する無影響量は2mg/kg/日であり、そのときの曝露量は臨床用量(2mg)投与時のヒト曝露量の約19倍である。
15.2.2. イヌを用いた反復投与毒性試験において、評価を行った最低用量である1mg/kg/日から心臓左心室動脈壁肥大や心臓左心室動脈壁過形成が認められた。
(保管上の注意)
室温保存。
(保険給付上の注意)
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年8月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
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