薬剤情報
後発品
薬効分類片頭痛薬 > セロトニン受容体 (5−HT1B/1D) 作動薬
一般名リザトリプタン安息香酸塩口腔内崩壊錠
薬価149.3
メーカー共和薬品
最終更新2019年06月改訂(第3版)

用法・用量

リザトリプタンとして1回10mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。

なお、効果が不十分な場合には、追加投与することができるが、前回の投与から2時間以上あける。

但し、1日の総投与量を20mg以内とする。

用法・用量(補足)

<用法及び用量に関連する使用上の注意>

1.本剤は片頭痛の頭痛発現時に限り使用し、予防的に投与しない。

2.本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしない(このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認する)。

効能・効果

片頭痛<家族性片麻痺性・孤発性片麻痺性・脳底型・眼筋麻痺性片頭痛を除く>。

効能・効果(補足)

<効能又は効果に関連する使用上の注意>

1.本剤は、国際頭痛学会による片頭痛診断基準により「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と診断が確定された場合にのみ使用する。特に次のような患者は、クモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与する。

1).今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者は、クモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与する。

2).片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛の症状や経過とは異なる頭痛・随伴症状のある者はクモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので投与前に問診、診察、検査を十分に行い頭痛の原因を確認してから投与する。

2.家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しない。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).アナフィラキシーショック、アナフィラキシー:アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがまれに現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

2).不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状:不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状を起こすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

3).頻脈(WPW症候群における):類薬(5−HT1B/1D受容体作動薬)でWPW症候群の典型的症状である重篤な発作性頻脈の報告がある。

4).てんかん様発作:てんかん様発作を起こすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

5).血管浮腫:顔面浮腫、舌浮腫、咽頭浮腫等の浮腫が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

6).中毒性表皮壊死症:中毒性表皮壊死症を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

7).呼吸困難:呼吸困難を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

8).失神:失神を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

9).薬剤の使用過多による頭痛:薬剤の使用過多による頭痛が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用:次のような症状又は異常が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

1).全身症状:(頻度不明)倦怠感、脱力、胸痛、冷感、無力症・疲労。

2).循環器:(頻度不明)動悸、頻脈、高血圧。

3).消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、下痢、口内乾燥、口渇、腹痛、消化不良。

4).筋・骨格系:(頻度不明)硬直、頚部痛、局所性重圧感、局所性絞扼感、筋力低下、顔面痛。

5).精神神経系:(頻度不明)傾眠、眩暈、感覚減退、錯感覚、知覚過敏、頭痛、精神明瞭性減退、不眠症、振戦、運動失調、神経過敏、失見当識、多幸症。

6).呼吸器:(頻度不明)鼻乾燥、咽頭不快感、喘鳴。

7).皮膚:(頻度不明)蕁麻疹、皮膚そう痒症、潮紅、発汗、発疹。

8).肝臓:(頻度不明)肝機能異常(ALT上昇(GPT上昇)、AST上昇(GOT上昇)等)。

9).その他:(頻度不明)CK上昇(CPK上昇)、光視症、頻尿、食欲減退、ほてり、霧視、温感、味覚異常。

禁忌

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状が現れることがある]。

3.脳血管障害や一過性脳虚血発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血発作が現れることがある]。

4.末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる]。

5.コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある]。

6.重度肝機能障害を有する患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重度の肝機能障害患者では血中濃度が上昇する恐れがある]。

7.血液透析中の患者。

8.エルゴタミン投与中、エルゴタミン誘導体含有製剤投与中、あるいは他の5−HT1B/1D受容体作動薬投与中の患者。

9.モノアミン酸化酵素阻害剤<MAO阻害剤>投与中、あるいはモノアミン酸化酵素阻害剤<MAO阻害剤>投与中止2週間以内の患者。

10.プロプラノロール塩酸塩投与中の患者。

慎重投与

1.虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状が現れる恐れがある]。

2.肝機能障害を有する患者[外国において、健康成人と比較して中等度の肝機能障害患者では、本剤のAUCとCmaxが増加する傾向が報告されている]。

3.てんかんを起こしやすい器質的脳疾患あるいは痙攣を起こしやすい器質的脳疾患のある患者[てんかん様発作が発現したとの報告がある]。

4.脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害が現れる恐れがある]。

5.ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW症候群)又は他の心臓副伝導路と関連した不整脈のある患者[類薬(5−HT1B/1D受容体作動薬)でWPW症候群の典型的症状である重篤な発作性頻脈が発現したとの報告がある]。

6.コントロールされている高血圧症患者[一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇がみられたとの報告がある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.本剤は口腔内で崩壊するが、口腔の粘膜から吸収されることはないため、唾液又は水で飲み込む。

2.本剤投与後、一過性胸痛、一過性胸部圧迫感等の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)が現れることがあるので、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行う。

3.心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがあるので、このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行う。

4.片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意する。

5.本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行う。

相互作用

1.併用禁忌:

1).エルゴタミン製剤(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン>)、エルゴタミン誘導体含有製剤(ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩<ジヒデルゴット>、エルゴメトリンマレイン酸塩<エルゴメトリンマレイン酸塩「F」>、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩<メテルギン>)[血圧上昇又は血管攣縮が増強される恐れがあるので、本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与する(5−HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる)]。

2).5−HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタンコハク酸塩<イミグラン>、ゾルミトリプタン<ゾーミッグ>、エレトリプタン臭化水素酸塩<レルパックス>、ナラトリプタン塩酸塩<アマージ>)[血圧上昇又は血管攣縮が増強される恐れがあるので、本剤投与後に他の5−HT1B/1D受容体作動薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しない(併用により相互に作用を増強させる)]。

3).MAO阻害剤[本剤及び活性代謝物の消失半減期<t1/2>が延長し、本剤及び活性代謝物の血中濃度−時間曲線下面積<AUC>が増加するので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しない(A型MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる)]。

4).プロプラノロール塩酸塩<インデラル>[本剤の消失半減期<t1/2>が延長し、本剤の血中濃度−時間曲線下面積<AUC>が増加するので、プロプラノロールを投与中あるいは投与中止から錠剤で24時間、徐放製剤で48時間が経過していない患者には本剤を投与しない(両薬剤の代謝にはA型MAOが関与するため本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性がある)]。

2.併用注意:選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩、パロキセチン塩酸塩水和物等)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(ミルナシプラン塩酸塩)[セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)が現れることがある(セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させるため、5−HT1B/1D受容体作動薬との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

外国での試験では、高齢者と非高齢者との間で、薬物動態、有効性及び副作用発現率に明らかな差は認められていない。しかし、一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注意して投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

2.本剤投与中は授乳を避けさせる[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない。

過量投与

過量投与の主な症状は、傾眠、眩暈、高血圧又は他の血管収縮の徴候を含む心・血管系事象であり、その他に、嘔吐、徐脈、失神、アトロピン反応性3度房室ブロック、失禁が起きる可能性がある。

処置:本剤を過量に投与した場合は、胃洗浄及び活性炭による吸着を行い、12時間以上は症状及び心電図のモニタリングを行う(本剤の血清中濃度に対する血液透析又は腹膜透析の効果は不明である)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:次記の点に注意するよう指導する。

1.ブリスターシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

2.ブリスターシートを乾いた手で剥がして、本剤を取り出し服用する。

3.本剤を舌の上にのせ唾液を浸潤させ飲み込む(本剤は、水なしで服用することができ、また、水で服用することもできる)。

安定性試験:加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他

(参考)

<国際頭痛学会による片頭痛の分類*>

1.1:前兆のない片頭痛

1.2:前兆のある片頭痛

1.2.1:典型的前兆に片頭痛を伴うもの

1.2.2:典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの

1.2.3:典型的前兆のみで頭痛を伴わないもの

1.2.4:家族性片麻痺性片頭痛

1.2.5:孤発性片麻痺性片頭痛

1.2.6:脳底型片頭痛

1.3:小児周期性症候群(片頭痛に移行することが多いもの)

1.3.1:周期性嘔吐症

1.3.2:腹部片頭痛

1.3.3:小児良性発作性眩暈

1.4:網膜片頭痛

1.5:片頭痛の合併症

1.5.1:慢性片頭痛

1.5.2:片頭痛発作重積

1.5.3:遷延性前兆で脳梗塞を伴わないもの

1.5.4:片頭痛性脳梗塞

1.5.5:片頭痛により誘発される痙攣

1.6:片頭痛の疑い

1.6.1:前兆のない片頭痛の疑い

1.6.2:前兆のある片頭痛の疑い

1.6.5:慢性片頭痛の疑い

<国際頭痛学会による片頭痛診断基準*>

<1.1:前兆のない片頭痛>

1.2〜4を満たす頭痛発作が5回以上ある。

2.頭痛の持続時間は4〜72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)。

3.頭痛は次の特徴の少なくとも2項目を満たす。

1).片側性

2).拍動性

3).中等度〜重度の頭痛

4).日常的な動作(歩行や階段昇降などの)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける。

4.頭痛発作中に少なくとも次の1項目を満たす。

1).悪心又は嘔吐(あるいはその両方)

2).光過敏及び音過敏

5.その他の疾患によらない。

<1.2:前兆のある片頭痛>

1.2を満たす頭痛が2回以上ある。

2.片頭痛の前兆がサブフォーム1.2.1〜1.2.6のいずれかの診断基準項目2)及び3)を満たす。

3.その他の疾患によらない。

1.2.1:典型的前兆に片頭痛を伴うもの

1).2)〜4)を満たす頭痛発作が2回以上ある。

2).少なくとも次の1項目を満たす前兆があるが、運動麻痺(脱力)は伴わない。

(1).陽性徴候(例えばきらきらした光・点・線)及び・又は陰性徴候(視覚消失)を含む完全可逆性の視覚症状。

(2).陽性徴候(チクチク感)及び・又は陰性徴候(感覚鈍麻)を含む完全可逆性の感覚症状。

(3).完全可逆性の失語性言語障害。

3).少なくとも次の2項目を満たす。

(1).同名性の視覚症状又は片側性の感覚症状(あるいはその両方)。

(2).少なくとも1つの前兆は5分以上かけて徐々に進展するか及び・又は異なる複数の前兆が引き続き5分以上かけて進展する。

(3).それぞれの前兆の持続時間は5分以上60分以内。

4).<1.1:前兆のない片頭痛>の診断基準2〜4を満たす頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる。

5).その他の疾患によらない。

1.2.2:典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの

次記を除き1.2.1と同じ。

4).<1.1:前兆のない片頭痛>の2〜4を満たさない頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる。

1.2.3〜1.2.6の診断基準については省略した。

*:国際頭痛分類 第2版(ICHD−2):日本頭痛学会(新国際分類普及委員会)・厚生労働科学研究(慢性頭痛の診療ガイドラインに関する研究班)共訳より抜粋。

リザトリプタンOD錠10mg「アメル」
リザトリプタンOD錠10mg「アメル」

リザトリプタンOD錠10mg「アメル」

片頭痛薬 > セロトニン受容体 (5−HT1B/1D) 作動薬
2019年06月改訂(第3版)
薬剤情報
後発品
薬効分類片頭痛薬 > セロトニン受容体 (5−HT1B/1D) 作動薬
一般名リザトリプタン安息香酸塩口腔内崩壊錠
薬価149.3
メーカー共和薬品
最終更新2019年06月改訂(第3版)

用法・用量

リザトリプタンとして1回10mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。

なお、効果が不十分な場合には、追加投与することができるが、前回の投与から2時間以上あける。

但し、1日の総投与量を20mg以内とする。

用法・用量(補足)

<用法及び用量に関連する使用上の注意>

1.本剤は片頭痛の頭痛発現時に限り使用し、予防的に投与しない。

2.本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしない(このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認する)。

効能・効果

片頭痛<家族性片麻痺性・孤発性片麻痺性・脳底型・眼筋麻痺性片頭痛を除く>。

効能・効果(補足)

<効能又は効果に関連する使用上の注意>

1.本剤は、国際頭痛学会による片頭痛診断基準により「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と診断が確定された場合にのみ使用する。特に次のような患者は、クモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与する。

1).今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者は、クモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与する。

2).片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛の症状や経過とは異なる頭痛・随伴症状のある者はクモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので投与前に問診、診察、検査を十分に行い頭痛の原因を確認してから投与する。

2.家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しない。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).アナフィラキシーショック、アナフィラキシー:アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがまれに現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

2).不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状:不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状を起こすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

3).頻脈(WPW症候群における):類薬(5−HT1B/1D受容体作動薬)でWPW症候群の典型的症状である重篤な発作性頻脈の報告がある。

4).てんかん様発作:てんかん様発作を起こすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

5).血管浮腫:顔面浮腫、舌浮腫、咽頭浮腫等の浮腫が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

6).中毒性表皮壊死症:中毒性表皮壊死症を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

7).呼吸困難:呼吸困難を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

8).失神:失神を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

9).薬剤の使用過多による頭痛:薬剤の使用過多による頭痛が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用:次のような症状又は異常が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

1).全身症状:(頻度不明)倦怠感、脱力、胸痛、冷感、無力症・疲労。

2).循環器:(頻度不明)動悸、頻脈、高血圧。

3).消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、下痢、口内乾燥、口渇、腹痛、消化不良。

4).筋・骨格系:(頻度不明)硬直、頚部痛、局所性重圧感、局所性絞扼感、筋力低下、顔面痛。

5).精神神経系:(頻度不明)傾眠、眩暈、感覚減退、錯感覚、知覚過敏、頭痛、精神明瞭性減退、不眠症、振戦、運動失調、神経過敏、失見当識、多幸症。

6).呼吸器:(頻度不明)鼻乾燥、咽頭不快感、喘鳴。

7).皮膚:(頻度不明)蕁麻疹、皮膚そう痒症、潮紅、発汗、発疹。

8).肝臓:(頻度不明)肝機能異常(ALT上昇(GPT上昇)、AST上昇(GOT上昇)等)。

9).その他:(頻度不明)CK上昇(CPK上昇)、光視症、頻尿、食欲減退、ほてり、霧視、温感、味覚異常。

禁忌

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状が現れることがある]。

3.脳血管障害や一過性脳虚血発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血発作が現れることがある]。

4.末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる]。

5.コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある]。

6.重度肝機能障害を有する患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重度の肝機能障害患者では血中濃度が上昇する恐れがある]。

7.血液透析中の患者。

8.エルゴタミン投与中、エルゴタミン誘導体含有製剤投与中、あるいは他の5−HT1B/1D受容体作動薬投与中の患者。

9.モノアミン酸化酵素阻害剤<MAO阻害剤>投与中、あるいはモノアミン酸化酵素阻害剤<MAO阻害剤>投与中止2週間以内の患者。

10.プロプラノロール塩酸塩投与中の患者。

慎重投与

1.虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状が現れる恐れがある]。

2.肝機能障害を有する患者[外国において、健康成人と比較して中等度の肝機能障害患者では、本剤のAUCとCmaxが増加する傾向が報告されている]。

3.てんかんを起こしやすい器質的脳疾患あるいは痙攣を起こしやすい器質的脳疾患のある患者[てんかん様発作が発現したとの報告がある]。

4.脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害が現れる恐れがある]。

5.ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW症候群)又は他の心臓副伝導路と関連した不整脈のある患者[類薬(5−HT1B/1D受容体作動薬)でWPW症候群の典型的症状である重篤な発作性頻脈が発現したとの報告がある]。

6.コントロールされている高血圧症患者[一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇がみられたとの報告がある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.本剤は口腔内で崩壊するが、口腔の粘膜から吸収されることはないため、唾液又は水で飲み込む。

2.本剤投与後、一過性胸痛、一過性胸部圧迫感等の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)が現れることがあるので、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行う。

3.心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがあるので、このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行う。

4.片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意する。

5.本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行う。

相互作用

1.併用禁忌:

1).エルゴタミン製剤(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン>)、エルゴタミン誘導体含有製剤(ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩<ジヒデルゴット>、エルゴメトリンマレイン酸塩<エルゴメトリンマレイン酸塩「F」>、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩<メテルギン>)[血圧上昇又は血管攣縮が増強される恐れがあるので、本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与する(5−HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる)]。

2).5−HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタンコハク酸塩<イミグラン>、ゾルミトリプタン<ゾーミッグ>、エレトリプタン臭化水素酸塩<レルパックス>、ナラトリプタン塩酸塩<アマージ>)[血圧上昇又は血管攣縮が増強される恐れがあるので、本剤投与後に他の5−HT1B/1D受容体作動薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しない(併用により相互に作用を増強させる)]。

3).MAO阻害剤[本剤及び活性代謝物の消失半減期<t1/2>が延長し、本剤及び活性代謝物の血中濃度−時間曲線下面積<AUC>が増加するので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しない(A型MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる)]。

4).プロプラノロール塩酸塩<インデラル>[本剤の消失半減期<t1/2>が延長し、本剤の血中濃度−時間曲線下面積<AUC>が増加するので、プロプラノロールを投与中あるいは投与中止から錠剤で24時間、徐放製剤で48時間が経過していない患者には本剤を投与しない(両薬剤の代謝にはA型MAOが関与するため本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性がある)]。

2.併用注意:選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミンマレイン酸塩、パロキセチン塩酸塩水和物等)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(ミルナシプラン塩酸塩)[セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)が現れることがある(セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させるため、5−HT1B/1D受容体作動薬との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

外国での試験では、高齢者と非高齢者との間で、薬物動態、有効性及び副作用発現率に明らかな差は認められていない。しかし、一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注意して投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

2.本剤投与中は授乳を避けさせる[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない。

過量投与

過量投与の主な症状は、傾眠、眩暈、高血圧又は他の血管収縮の徴候を含む心・血管系事象であり、その他に、嘔吐、徐脈、失神、アトロピン反応性3度房室ブロック、失禁が起きる可能性がある。

処置:本剤を過量に投与した場合は、胃洗浄及び活性炭による吸着を行い、12時間以上は症状及び心電図のモニタリングを行う(本剤の血清中濃度に対する血液透析又は腹膜透析の効果は不明である)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:次記の点に注意するよう指導する。

1.ブリスターシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

2.ブリスターシートを乾いた手で剥がして、本剤を取り出し服用する。

3.本剤を舌の上にのせ唾液を浸潤させ飲み込む(本剤は、水なしで服用することができ、また、水で服用することもできる)。

安定性試験:加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他

(参考)

<国際頭痛学会による片頭痛の分類*>

1.1:前兆のない片頭痛

1.2:前兆のある片頭痛

1.2.1:典型的前兆に片頭痛を伴うもの

1.2.2:典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの

1.2.3:典型的前兆のみで頭痛を伴わないもの

1.2.4:家族性片麻痺性片頭痛

1.2.5:孤発性片麻痺性片頭痛

1.2.6:脳底型片頭痛

1.3:小児周期性症候群(片頭痛に移行することが多いもの)

1.3.1:周期性嘔吐症

1.3.2:腹部片頭痛

1.3.3:小児良性発作性眩暈

1.4:網膜片頭痛

1.5:片頭痛の合併症

1.5.1:慢性片頭痛

1.5.2:片頭痛発作重積

1.5.3:遷延性前兆で脳梗塞を伴わないもの

1.5.4:片頭痛性脳梗塞

1.5.5:片頭痛により誘発される痙攣

1.6:片頭痛の疑い

1.6.1:前兆のない片頭痛の疑い

1.6.2:前兆のある片頭痛の疑い

1.6.5:慢性片頭痛の疑い

<国際頭痛学会による片頭痛診断基準*>

<1.1:前兆のない片頭痛>

1.2〜4を満たす頭痛発作が5回以上ある。

2.頭痛の持続時間は4〜72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)。

3.頭痛は次の特徴の少なくとも2項目を満たす。

1).片側性

2).拍動性

3).中等度〜重度の頭痛

4).日常的な動作(歩行や階段昇降などの)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける。

4.頭痛発作中に少なくとも次の1項目を満たす。

1).悪心又は嘔吐(あるいはその両方)

2).光過敏及び音過敏

5.その他の疾患によらない。

<1.2:前兆のある片頭痛>

1.2を満たす頭痛が2回以上ある。

2.片頭痛の前兆がサブフォーム1.2.1〜1.2.6のいずれかの診断基準項目2)及び3)を満たす。

3.その他の疾患によらない。

1.2.1:典型的前兆に片頭痛を伴うもの

1).2)〜4)を満たす頭痛発作が2回以上ある。

2).少なくとも次の1項目を満たす前兆があるが、運動麻痺(脱力)は伴わない。

(1).陽性徴候(例えばきらきらした光・点・線)及び・又は陰性徴候(視覚消失)を含む完全可逆性の視覚症状。

(2).陽性徴候(チクチク感)及び・又は陰性徴候(感覚鈍麻)を含む完全可逆性の感覚症状。

(3).完全可逆性の失語性言語障害。

3).少なくとも次の2項目を満たす。

(1).同名性の視覚症状又は片側性の感覚症状(あるいはその両方)。

(2).少なくとも1つの前兆は5分以上かけて徐々に進展するか及び・又は異なる複数の前兆が引き続き5分以上かけて進展する。

(3).それぞれの前兆の持続時間は5分以上60分以内。

4).<1.1:前兆のない片頭痛>の診断基準2〜4を満たす頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる。

5).その他の疾患によらない。

1.2.2:典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの

次記を除き1.2.1と同じ。

4).<1.1:前兆のない片頭痛>の2〜4を満たさない頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる。

1.2.3〜1.2.6の診断基準については省略した。

*:国際頭痛分類 第2版(ICHD−2):日本頭痛学会(新国際分類普及委員会)・厚生労働科学研究(慢性頭痛の診療ガイドラインに関する研究班)共訳より抜粋。

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