薬剤情報
後発品
薬効分類抗サイトメガロウイルス薬
一般名レテルモビル注射液
薬価18228
メーカーMSD
最終更新
2024年05月改訂(第4版)
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用法・用量

通常、成人にはレテルモビルとして480mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。シクロスポリンと併用投与する場合にはレテルモビルとして240mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉錠剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができる。

ただし、臨床試験において注射剤の長期投与の経験はなく、注射剤の添加剤ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは腎機能障害のある患者で蓄積し、腎機能の悪化等を引き起こす恐れがあることから、注射剤の投与は最小限の期間とし、経口投与可能な患者には、経口投与を選択すること〔9.2.1参照〕。

7.2. 〈効能共通〉サイトメガロウイルス血症又はサイトメガロウイルス感染症が確認された場合には、本剤の投与を中止し、サイトメガロウイルスに対する治療等、適切な対応を行うこと〔17.1.1−17.1.4参照〕。

7.3. 〈同種造血幹細胞移植〉同種造血幹細胞移植の移植当日から移植後28日目までを目安として投与を開始すること(投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後200日目までを目安とすること)〔17.1.1、17.1.2参照〕。

7.4. 〈臓器移植〉移植後早期より投与を開始し、投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後200日目までを目安とすること(ただし、レテルモビルは主に肝を介して消失するため、移植後に肝機能が安定しない場合、血漿中濃度が上昇するおそれがあることから、投与可否を慎重に判断すること)〔9.3.1、16.6.2、17.1.3、17.1.4参照〕。

効能・効果

次記におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制:1)同種造血幹細胞移植、2)臓器移植。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

〈臓器移植〉腎移植以外の臓器移植患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 血液及びリンパ系障害:(1%以上5%未満)白血球減少症、(1%未満)好中球減少症。

2). 胃腸障害:(1%以上5%未満)悪心、下痢、嘔吐。

3). 免疫系障害:(1%未満)過敏症。

4). 臨床検査:(1%未満)白血球数減少。

警告

〈同種造血幹細胞移植〉同種造血幹細胞移植患者の感染管理に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに投与すること。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 次の薬剤を投与中の患者:ピモジド投与中、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中、ジヒドロエルゴタミン投与中、メチルエルゴメトリン投与中、エルゴメトリン投与中〔10.1参照〕。

重要な基本的注意

長期間に亘り点滴静注製剤を継続して使用する場合には、添加剤ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの蓄積により腎機能障害の悪化等を引き起こすおそれがあるため、定期的に腎機能検査を実施する等観察を十分に行うこと〔15.2.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(腎機能障害患者)

9.2.1. 中等度腎機能障害又は重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス<50mL/min)のある患者:定期的に腎機能検査を実施する等観察を十分に行うこと(添加剤ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの蓄積により腎機能障害の悪化等を引き起こすおそれがある)〔15.2.2参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重度<Child−Pugh分類C>の肝機能障害のある患者:レテルモビルの血漿中濃度が上昇するおそれがある〔7.4、16.6.2参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤が胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。

相互作用

レテルモビルは有機アニオン輸送ポリペプチド1B1/3(OATP1B1/3)、P−糖蛋白(P−gp)及びUDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1/3(UGT1A1/3)の基質である。レテルモビルはCYP3Aの時間依存的な阻害作用、並びに乳癌耐性蛋白(BCRP)及びOATP1B1/3の阻害作用を有する。また、レテルモビルはCYP2C9及びCYP2C19の誘導作用を有する可能性がある〔16.7.1参照〕。

10.1. 併用禁忌:

1). ピモジド<オーラップ>〔2.2参照〕[併用により、ピモジドの血漿中濃度が上昇しQT延長及び心室性不整脈を引き起こすおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。

2). エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン<パルタンM>、エルゴメトリン〔2.2参照〕[併用により、これら麦角アルカロイドの血漿中濃度が上昇し麦角中毒を引き起こすおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。

10.2. 併用注意:

1). CYP3Aの基質(フェンタニル、キニジン、ミダゾラム等)〔16.7.2参照〕[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。

2). ボリコナゾール〔16.7.2参照〕[併用により、ボリコナゾールの血漿中濃度が低下し、併用時は、ボリコナゾールの治療効果を減弱させるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察することが推奨される(レテルモビルの併用により、CYP2C9及びCYP2C19が誘導されると考えられる)]。

3). CYP2C9又はCYP2C19の基質:

@. CYP2C9の基質又はCYP2C19の基質(フェニトイン、ワルファリン等)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。

A. CYP2C9又はCYP2C19の基質(フェニトイン)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、フェニトインとの併用時は、頻繁に血中フェニトイン濃度をモニタリングすること(レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。

B. CYP2C9又はCYP2C19の基質(ワルファリン)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、ワルファリンとの併用時は、頻繁にINRをモニタリングすること(レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。

4). リファンピシン〔16.7.2参照〕[併用により、レテルモビルの血漿中濃度が低下する(リファンピシンの併用により、P−gp及びUGT1A1/3が誘導されると考えられる)。また、リファンピシンとの併用終了翌日に単独投与したレテルモビルの血漿中濃度がさらに低下するので、リファンピシンとの併用終了後レテルモビルの有効性が減弱する可能性がある(リファンピシンの併用により、P−gp及びUGT1A1/3が誘導されると考えられる)]。

5). アトルバスタチン〔16.7.2参照〕[併用により、アトルバスタチンの血漿中濃度が上昇するので、併用時は、アトルバスタチンの副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害される)]。

6). シンバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される)]。

7). ロスバスタチン、フルバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される)]。

8). プラバスタチン、ピタバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、OATP1B1/3が阻害されると予測される)]。

9). シクロスポリン〔16.7.2参照〕[併用により、レテルモビル及びシクロスポリンの血中濃度が上昇するので、レテルモビルとの併用時及び中止時には、頻繁にシクロスポリンの血中濃度をモニタリングし、シクロスポリンの用量を調節すること(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害され、シクロスポリンの併用により、OATP1B1/3が阻害される)]。

10). タクロリムス、シロリムス〔16.7.2参照〕[併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するので、レテルモビルとの併用時及び中止時には、頻繁に併用薬剤の血中濃度をモニタリングし、これらの薬剤の用量を調節すること(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害される)]。

11). エベロリムス〔16.7.3参照〕[併用により、エベロリムスの血中濃度が上昇するおそれがあるので、レテルモビルとの併用時及び中止時には、頻繁にエベロリムスの血中濃度をモニタリングし、エベロリムスの用量を調節すること(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤投与の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中に本剤を投与するか、本剤投与中の患者が妊娠した場合は、本剤投与による催奇形性等が生じる可能性があることについて、患者に十分説明すること)。

妊娠ラット及びウサギの器官形成期に投与したとき、同種造血幹細胞移植患者の臨床曝露量(480mg静脈内投与)のそれぞれ11倍及び1.7倍の母動物毒性を示す用量で骨格奇形、胎仔体重減少等が認められた。妊娠ラットに着床から分娩後まで投与した試験では、臨床曝露量の2.2倍まで胚・胎仔毒性は認められなかった〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット)で乳汁移行が認められている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 希釈前に、変色や不溶性異物がないか、各バイアルを確認すること(本剤は無色澄明の溶液であり、また、製品由来の少量の半透明又は白色の微粒子を含むことがある)。バイアル内の溶液に変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められた場合は使用しないこと。バイアルを振盪しないこと。

14.1.2. 480mgの場合は2バイアルから24mLを、240mgの場合は1バイアルから12mLを採取し、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液250mLの点滴バッグに添加し、振盪せず静かに混和すること。本剤のバイアルは1回使い切りであり、残液は使用しないこと。

14.1.3. 混和後、本剤の希釈液は無色〜黄色澄明の溶液となる。投与前の希釈液に変色や不溶性異物がないか目視により確認すること(変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められる場合には、希釈液を廃棄すること)。

14.1.4. 希釈液は、室温保存(2〜30℃)では24時間以内に、冷蔵保存(2〜8℃)した場合は48時間以内に使用すること(なお、これらの時間には点滴終了までの時間が含まれる)。

14.2. 配合変化

本剤は他剤と配合したとき、濁りや不溶性異物が生じることがあるので、配合適性についてはデータが限られているが、次の薬剤は配合禁忌であり、同一の輸液ラインを通して同時に注入しないこと(主な配合禁忌薬剤:アミオダロン塩酸塩、アムホテリシンBリポソーム、アズトレオナム、セフェピム塩酸塩、シプロフロキサシン、シクロスポリン、ジルチアゼム塩酸塩、フィルグラスチム<遺伝子組換え>、ゲンタマイシン硫酸塩、レボフロキサシン、リネゾリド、ミダゾラム、オンダンセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩)。

14.3. 薬剤投与時の注意

14.3.1. 必ず0.2μmインラインフィルター(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン又は正荷電ナイロン製)を使用して投与すること。

14.3.2. 本剤はポリウレタンを含有する輸液チューブで投与しないこと。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

15.2.1. 動物試験(ラット)において、同種造血幹細胞移植患者の臨床曝露量(480mg静脈内投与)の3倍以上の曝露量で精巣毒性(精細管変性、精子数低値、精子運動性低下、異常精子発現率増加、受胎能への影響等)が認められた。ラット精巣毒性に対する無毒性量での曝露量は、臨床曝露量と同程度であった。雄マウス及びサルでは、動物における最高用量(臨床曝露量のそれぞれ3.5倍及び2.1倍)まで精巣への影響は認められなかった。第3相試験ではレテルモビルに関連した精巣毒性を示唆する所見は認められなかった。

15.2.2. 添加剤であるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンをラット及びイヌへ静脈内投与すると50mg/kgを超える用量で腎臓空胞化及び膀胱空胞化等の生理学的な適応性変化を引き起こすことが報告されている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

プレバイミス点滴静注240mg
後発品はありません
プレバイミス点滴静注240mg
プレバイミス点滴静注240mg

プレバイミス点滴静注240mg

抗サイトメガロウイルス薬
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一般名レテルモビル注射液
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用法・用量

通常、成人にはレテルモビルとして480mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。シクロスポリンと併用投与する場合にはレテルモビルとして240mgを1日1回、約60分かけて点滴静注する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉錠剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができる。

ただし、臨床試験において注射剤の長期投与の経験はなく、注射剤の添加剤ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは腎機能障害のある患者で蓄積し、腎機能の悪化等を引き起こす恐れがあることから、注射剤の投与は最小限の期間とし、経口投与可能な患者には、経口投与を選択すること〔9.2.1参照〕。

7.2. 〈効能共通〉サイトメガロウイルス血症又はサイトメガロウイルス感染症が確認された場合には、本剤の投与を中止し、サイトメガロウイルスに対する治療等、適切な対応を行うこと〔17.1.1−17.1.4参照〕。

7.3. 〈同種造血幹細胞移植〉同種造血幹細胞移植の移植当日から移植後28日目までを目安として投与を開始すること(投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後200日目までを目安とすること)〔17.1.1、17.1.2参照〕。

7.4. 〈臓器移植〉移植後早期より投与を開始し、投与期間は、患者のサイトメガロウイルス感染症の発症リスクを考慮しながら、移植後200日目までを目安とすること(ただし、レテルモビルは主に肝を介して消失するため、移植後に肝機能が安定しない場合、血漿中濃度が上昇するおそれがあることから、投与可否を慎重に判断すること)〔9.3.1、16.6.2、17.1.3、17.1.4参照〕。

効能・効果

次記におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制:1)同種造血幹細胞移植、2)臓器移植。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

〈臓器移植〉腎移植以外の臓器移植患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 血液及びリンパ系障害:(1%以上5%未満)白血球減少症、(1%未満)好中球減少症。

2). 胃腸障害:(1%以上5%未満)悪心、下痢、嘔吐。

3). 免疫系障害:(1%未満)過敏症。

4). 臨床検査:(1%未満)白血球数減少。

警告

〈同種造血幹細胞移植〉同種造血幹細胞移植患者の感染管理に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに投与すること。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 次の薬剤を投与中の患者:ピモジド投与中、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中、ジヒドロエルゴタミン投与中、メチルエルゴメトリン投与中、エルゴメトリン投与中〔10.1参照〕。

重要な基本的注意

長期間に亘り点滴静注製剤を継続して使用する場合には、添加剤ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの蓄積により腎機能障害の悪化等を引き起こすおそれがあるため、定期的に腎機能検査を実施する等観察を十分に行うこと〔15.2.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(腎機能障害患者)

9.2.1. 中等度腎機能障害又は重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス<50mL/min)のある患者:定期的に腎機能検査を実施する等観察を十分に行うこと(添加剤ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの蓄積により腎機能障害の悪化等を引き起こすおそれがある)〔15.2.2参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重度<Child−Pugh分類C>の肝機能障害のある患者:レテルモビルの血漿中濃度が上昇するおそれがある〔7.4、16.6.2参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤が胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。

相互作用

レテルモビルは有機アニオン輸送ポリペプチド1B1/3(OATP1B1/3)、P−糖蛋白(P−gp)及びUDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1/3(UGT1A1/3)の基質である。レテルモビルはCYP3Aの時間依存的な阻害作用、並びに乳癌耐性蛋白(BCRP)及びOATP1B1/3の阻害作用を有する。また、レテルモビルはCYP2C9及びCYP2C19の誘導作用を有する可能性がある〔16.7.1参照〕。

10.1. 併用禁忌:

1). ピモジド<オーラップ>〔2.2参照〕[併用により、ピモジドの血漿中濃度が上昇しQT延長及び心室性不整脈を引き起こすおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。

2). エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン<パルタンM>、エルゴメトリン〔2.2参照〕[併用により、これら麦角アルカロイドの血漿中濃度が上昇し麦角中毒を引き起こすおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。

10.2. 併用注意:

1). CYP3Aの基質(フェンタニル、キニジン、ミダゾラム等)〔16.7.2参照〕[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。

2). ボリコナゾール〔16.7.2参照〕[併用により、ボリコナゾールの血漿中濃度が低下し、併用時は、ボリコナゾールの治療効果を減弱させるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察することが推奨される(レテルモビルの併用により、CYP2C9及びCYP2C19が誘導されると考えられる)]。

3). CYP2C9又はCYP2C19の基質:

@. CYP2C9の基質又はCYP2C19の基質(フェニトイン、ワルファリン等)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがある(レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。

A. CYP2C9又はCYP2C19の基質(フェニトイン)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、フェニトインとの併用時は、頻繁に血中フェニトイン濃度をモニタリングすること(レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。

B. CYP2C9又はCYP2C19の基質(ワルファリン)[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、ワルファリンとの併用時は、頻繁にINRをモニタリングすること(レテルモビルの併用により、CYP2C9又はCYP2C19が誘導されると予測される)]。

4). リファンピシン〔16.7.2参照〕[併用により、レテルモビルの血漿中濃度が低下する(リファンピシンの併用により、P−gp及びUGT1A1/3が誘導されると考えられる)。また、リファンピシンとの併用終了翌日に単独投与したレテルモビルの血漿中濃度がさらに低下するので、リファンピシンとの併用終了後レテルモビルの有効性が減弱する可能性がある(リファンピシンの併用により、P−gp及びUGT1A1/3が誘導されると考えられる)]。

5). アトルバスタチン〔16.7.2参照〕[併用により、アトルバスタチンの血漿中濃度が上昇するので、併用時は、アトルバスタチンの副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害される)]。

6). シンバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、CYP3A、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される)]。

7). ロスバスタチン、フルバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、OATP1B1/3及び腸管のBCRPが阻害されると予測される)]。

8). プラバスタチン、ピタバスタチン[併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、併用時は、これらの薬剤の副作用(ミオパチー等)に注意して患者の状態を十分に観察すること(レテルモビルの併用により、OATP1B1/3が阻害されると予測される)]。

9). シクロスポリン〔16.7.2参照〕[併用により、レテルモビル及びシクロスポリンの血中濃度が上昇するので、レテルモビルとの併用時及び中止時には、頻繁にシクロスポリンの血中濃度をモニタリングし、シクロスポリンの用量を調節すること(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害され、シクロスポリンの併用により、OATP1B1/3が阻害される)]。

10). タクロリムス、シロリムス〔16.7.2参照〕[併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇するので、レテルモビルとの併用時及び中止時には、頻繁に併用薬剤の血中濃度をモニタリングし、これらの薬剤の用量を調節すること(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害される)]。

11). エベロリムス〔16.7.3参照〕[併用により、エベロリムスの血中濃度が上昇するおそれがあるので、レテルモビルとの併用時及び中止時には、頻繁にエベロリムスの血中濃度をモニタリングし、エベロリムスの用量を調節すること(レテルモビルの併用により、CYP3Aが阻害されると予測される)]。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤投与の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中に本剤を投与するか、本剤投与中の患者が妊娠した場合は、本剤投与による催奇形性等が生じる可能性があることについて、患者に十分説明すること)。

妊娠ラット及びウサギの器官形成期に投与したとき、同種造血幹細胞移植患者の臨床曝露量(480mg静脈内投与)のそれぞれ11倍及び1.7倍の母動物毒性を示す用量で骨格奇形、胎仔体重減少等が認められた。妊娠ラットに着床から分娩後まで投与した試験では、臨床曝露量の2.2倍まで胚・胎仔毒性は認められなかった〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット)で乳汁移行が認められている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 希釈前に、変色や不溶性異物がないか、各バイアルを確認すること(本剤は無色澄明の溶液であり、また、製品由来の少量の半透明又は白色の微粒子を含むことがある)。バイアル内の溶液に変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められた場合は使用しないこと。バイアルを振盪しないこと。

14.1.2. 480mgの場合は2バイアルから24mLを、240mgの場合は1バイアルから12mLを採取し、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液250mLの点滴バッグに添加し、振盪せず静かに混和すること。本剤のバイアルは1回使い切りであり、残液は使用しないこと。

14.1.3. 混和後、本剤の希釈液は無色〜黄色澄明の溶液となる。投与前の希釈液に変色や不溶性異物がないか目視により確認すること(変色や濁り、又は異物(少量の半透明又は白色の微粒子以外)が認められる場合には、希釈液を廃棄すること)。

14.1.4. 希釈液は、室温保存(2〜30℃)では24時間以内に、冷蔵保存(2〜8℃)した場合は48時間以内に使用すること(なお、これらの時間には点滴終了までの時間が含まれる)。

14.2. 配合変化

本剤は他剤と配合したとき、濁りや不溶性異物が生じることがあるので、配合適性についてはデータが限られているが、次の薬剤は配合禁忌であり、同一の輸液ラインを通して同時に注入しないこと(主な配合禁忌薬剤:アミオダロン塩酸塩、アムホテリシンBリポソーム、アズトレオナム、セフェピム塩酸塩、シプロフロキサシン、シクロスポリン、ジルチアゼム塩酸塩、フィルグラスチム<遺伝子組換え>、ゲンタマイシン硫酸塩、レボフロキサシン、リネゾリド、ミダゾラム、オンダンセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩)。

14.3. 薬剤投与時の注意

14.3.1. 必ず0.2μmインラインフィルター(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン又は正荷電ナイロン製)を使用して投与すること。

14.3.2. 本剤はポリウレタンを含有する輸液チューブで投与しないこと。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

15.2.1. 動物試験(ラット)において、同種造血幹細胞移植患者の臨床曝露量(480mg静脈内投与)の3倍以上の曝露量で精巣毒性(精細管変性、精子数低値、精子運動性低下、異常精子発現率増加、受胎能への影響等)が認められた。ラット精巣毒性に対する無毒性量での曝露量は、臨床曝露量と同程度であった。雄マウス及びサルでは、動物における最高用量(臨床曝露量のそれぞれ3.5倍及び2.1倍)まで精巣への影響は認められなかった。第3相試験ではレテルモビルに関連した精巣毒性を示唆する所見は認められなかった。

15.2.2. 添加剤であるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンをラット及びイヌへ静脈内投与すると50mg/kgを超える用量で腎臓空胞化及び膀胱空胞化等の生理学的な適応性変化を引き起こすことが報告されている。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

後発品はありません
薬剤情報

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