薬剤情報
後発品
薬効分類硝子体可視化薬 副腎皮質ホルモン
一般名トリアムシノロンアセトニド注射用
薬価8056
メーカーわかもと製薬
最終更新2020年01月改訂(第10版)

用法・用量

1.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】本剤1バイアルに4mLの生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリアムシノロンアセトニド濃度が10mg/mLになるように用時懸濁し、トリアムシノロンアセトニドとして0.5〜4mgを硝子体内に注入する。なお、懸濁液のトリアムシノロンアセトニド濃度は、術式、患者の状態等に応じて適宜増減できるが、40mg/mLを超えない。

2.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】本剤1バイアルに1mLの生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリアムシノロンアセトニド濃度が40mg/mLになるように用時懸濁し、トリアムシノロンアセトニドとして4mgを硝子体内に投与する。

3.[テノン嚢下投与]本剤1バイアルに1mLの生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリアムシノロンアセトニド濃度が40mg/mLになるように用時懸濁し、トリアムシノロンアセトニドとして20mgをテノン嚢下に投与する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】、[テノン嚢下投与]長期投与時の有効性及び安全性は確立していない(長期投与により、白内障のリスクが高くなる恐れがあることから、継続的な長期投与は避ける)。[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】、[テノン嚢下投与]再投与は、患者の状態をみながら治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、3カ月以上の間隔をあけて行う。糖尿病黄斑浮腫に対する硝子体内投与の場合は、トリアムシノロンアセトニド粒子の消失を細隙灯顕微鏡等で確認した後に再投与する。

2.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】、[テノン嚢下投与]臨床試験においては、両眼治療は行われていない。硝子体内投与での糖尿病黄斑浮腫、テノン嚢下投与で両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与する。なお、硝子体内投与での糖尿病黄斑浮腫、テノン嚢下投与の初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行う。

効能・効果

1.[硝子体内投与]

1).硝子体手術時の硝子体可視化。

2).糖尿病黄斑浮腫。

2.[テノン嚢下投与]次記の疾患に伴う黄斑浮腫の軽減:糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、非感染性ぶどう膜炎。

副作用

1.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】硝子体手術患者を対象とした国内臨床試験において、総症例32例中2例(6.3%)に副作用が認められた。眼圧上昇1例(3.1%)及び術中低血圧1例(3.1%)であった(承認時における集計)。

2.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】糖尿病黄斑浮腫患者を対象とした国内臨床試験において、総症例45例中27例(60.0%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、眼圧上昇9例(20.0%)、白内障8例(17.8%)、飛蚊症5例(11.1%)、視力低下4例(8.9%)、硝子体内薬物拡散4例(8.9%)、血中ブドウ糖増加3例(6.7%)であった(効能追加時における集計)。

3.[テノン嚢下投与]糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、非感染性ぶどう膜炎患者を対象とした国内臨床試験において、総症例122例中42例(34.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は眼圧上昇18例(14.8%)、血中コルチゾール減少9例(7.4%)、白内障7例(5.7%)、結膜充血7例(5.7%)であった(投与経路追加時における集計)。

重大な副作用

1.重大な副作用

1).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】眼障害:白内障(17.8%)、眼圧上昇(20.0%)、眼内炎(頻度不明)、緑内障(頻度不明)が現れ、外科的処置を必要とすることがあるので、観察を十分に行い、症状・異常が現れた場合には、適切な処置を行う。

2).[テノン嚢下投与]眼障害:白内障(5.7%)、眼圧上昇(14.8%)、緑内障(頻度不明)が現れ、外科的処置を必要とすることがあるので、観察を十分に行い、症状・異常が現れた場合には、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用

1).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】

(1).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】眼:(5%未満)眼圧上昇。

(2).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】その他:(5%未満)術中低血圧。

2).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】

(1).眼

①.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】後眼部:(5%以上)硝子体内薬物拡散。

②.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】その他:(5%以上)飛蚊症、視力低下、(5%未満)霧視、眼異物感。

(2).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】代謝異常:(5%以上)血中ブドウ糖増加、(5%未満)糖尿病悪化、尿中ブドウ糖陽性、血中トリグリセリド増加。

(3).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】血液:(5%未満)好塩基球数増加、好酸球数増加、血小板数減少。

(4).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】体液・電解質:(5%未満)血中カリウム増加。

(5).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】その他:(5%未満)血中乳酸脱水素酵素増加。

3).[テノン嚢下投与]:各事象の発現頻度は、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象としたテノン嚢下投与の国内臨床試験を合算した。

(1).眼

①.[テノン嚢下投与]外眼部:(5%以上)結膜充血、(5%未満)結膜浮腫、結膜出血、点状角膜炎、眼脂。

②.[テノン嚢下投与]前眼部:(5%未満)前房内細胞、後発白内障。

③.[テノン嚢下投与]後眼部:(5%未満)網膜出血、硝子体剥離、硝子体浮遊物。

④.[テノン嚢下投与]その他:(5%未満)眼痛、視力低下。

(2).[テノン嚢下投与]精神神経系:(5%未満)体位性眩暈、頭痛。

(3).[テノン嚢下投与]筋・骨格:(5%未満)筋骨格痛。

(4).[テノン嚢下投与]代謝異常:(5%未満)糖尿病、血中ブドウ糖増加、尿中ブドウ糖陽性、血中トリグリセリド増加、尿中蛋白陽性。

(5).[テノン嚢下投与]血液:(5%未満)好中球百分率増加、リンパ球百分率減少、単球百分率増加、白血球数減少、白血球数増加。

(6).[テノン嚢下投与]体液・電解質:(5%未満)高血圧、血圧上昇。

(7).[テノン嚢下投与]肝胆道系:(5%未満)脂肪肝。

(8).[テノン嚢下投与]その他:(5%以上)血中コルチゾール減少、(5%未満)アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中アルカリホスファターゼ増加、血中尿素増加、血中尿素減少、γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加、ロイシンアミノペプチダーゼ上昇。

禁忌

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現する恐れがある]。

3.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】、[テノン嚢下投与]コントロール不良の緑内障の患者[症状が悪化することがある]。

慎重投与

1.緑内障・高眼圧症の患者[本剤により眼圧が上昇することがある]。

2.白内障の患者[白内障が悪化する恐れがある]。

3.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】、[テノン嚢下投与]眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[免疫機能抑制作用により感染症が増悪する恐れがある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.[硝子体内投与]網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体手術あるいは硝子体内注射の手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を使用する。

2.[硝子体内投与]眼内炎等が発現する恐れがあるので、本剤投与後、十分な観察を行う。また、異常が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

3.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】硝子体手術時の硝子体可視化では、硝子体切除後、灌流及び吸引により本剤を除去し、本剤が眼内に残存した場合は、本剤の消失が認められるまで定期的に観察する(硝子体切除後に本剤を眼内に残存させた場合に、無菌性眼内炎を発現した症例が報告されている)。

4.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】眼圧が上昇することがあるので、本剤投与後、眼圧の管理を適切に行う。

5.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】白内障等が発現する恐れがあるので、本剤投与後、十分な観察を行う。また、異常が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

6.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】本剤投与の際には、次記の点に注意しながら行うと共に、投与手技による有害事象として結膜出血、結膜充血及び結膜浮腫等の有害事象が多く報告されているので注意する。

1).糖尿病黄斑浮腫の硝子体内投与に際し、使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行う。

2).糖尿病黄斑浮腫の硝子体内投与は、無菌条件下で行う(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用する)。

3).糖尿病黄斑浮腫の硝子体内投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行う(広域抗菌点眼剤は本剤投与前から投与後3日まで投与する)。

7.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】白内障が発症あるいは白内障悪化することがあり、投与後6カ月以降に発症あるいは悪化した例も報告されている。特に白内障手術の既往のない眼では、本剤投与後、定期的な観察を行う。また、異常が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

8.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】眼圧が上昇することがあるので、本剤投与直後に視神経乳頭又は網膜血流の確認(眼底観察又は間接的な視機能の確認)を行うと共に、翌日以降も眼圧の定期的な管理を適切に行う。

9.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】本剤投与後、霧視、飛蚊症等が現れることがあるため、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意する。また、国内臨床試験では投与後3カ月時点で約半数の患者の眼内に本剤の残存が認められているので、硝子体内投与では、本剤の消失が認められるまで定期的に観察する。

10.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】糖尿病悪化することがあるので、血糖値の測定等の観察を十分に行う。

11.[テノン嚢下投与]網膜疾患に関する専門知識を有し、テノン嚢下注射の手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を使用する。

12.[テノン嚢下投与]本剤投与の際には、次記の点に注意しながら行うと共に、投与手技による有害事象として結膜出血、結膜充血、結膜浮腫、眼痛等の有害事象が多く報告されているので注意する。

1).テノン嚢下投与に際し、使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行う。

2).テノン嚢下投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行うこと(広域抗菌点眼剤は本剤投与前から投与後3日まで投与する)。

3).テノン嚢下投与の際には、薬液の漏れがないかを確認しながら薬液をゆっくりと投与する(投与時に薬液の漏れが認められた場合は、洗浄除去等の対応を行う)。

13.[テノン嚢下投与]白内障が発症あるいは白内障悪化することがあり、投与後6カ月以降に発症あるいは悪化した例も報告されている。特に白内障手術の既往のない眼では、本剤投与後、定期的な観察を行う。また、異常が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

14.[テノン嚢下投与]眼圧が上昇することがあるので、眼圧の定期的な管理を適切に行う。

15.[テノン嚢下投与]糖尿病悪化することがあるので、血糖値の測定等の観察を十分に行う。

相互作用

併用注意:経口糖尿病用剤(アセトヘキサミド等)、インスリン製剤[これらの薬剤(錠剤・注射剤)の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合は患者の状態を十分に観察するなど注意する(本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注意する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(マウス、ラット、サル)で催奇形作用が報告されており、また、新生児に奇形、低出生体重、副腎不全を起こすことがある]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.投与経路:本剤は硝子体内、テノン嚢下にのみ投与する。

2.使用方法

1).本剤は保存剤を含有していないため、用時調製し、調製後は速やかに使用する。

2).1バイアルを複数の患者に使用しない。また、残薬は廃棄する。

3).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】本剤1バイアルに1mL以上(トリアムシノロンアセトニド濃度10mg/mLの場合4mL)の生理食塩液又は眼灌流液を加え10秒間激しく振盪して均一な懸濁液とした後必要量を吸引する。

4).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】注入直前にシリンジを添付文書の図のように10秒間再攪拌して硝子体内に注入する。

5).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】本剤1バイアルに1mLの生理食塩液又は眼灌流液を加え、10秒間激しく振盪して均一な懸濁液とした後、0.1mL以上を吸引する。

6).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】投与直前にシリンジを添付文書の図のように10秒間再攪拌して0.1mLを硝子体内に投与する。

7).[テノン嚢下投与]本剤1バイアルに1mLの生理食塩液又は眼灌流液を加え、10秒間激しく振盪して均一な懸濁液とした後、0.5mL以上を吸引する。

8).[テノン嚢下投与]投与直前にシリンジを添付文書の図のように10秒間再攪拌して0.5mLをテノン嚢下に投与する。

マキュエイド眼注用40mg
マキュエイド眼注用40mg

マキュエイド眼注用40mg

硝子体可視化薬 副腎皮質ホルモン
2020年01月改訂(第10版)
薬剤情報
後発品
薬効分類硝子体可視化薬 副腎皮質ホルモン
一般名トリアムシノロンアセトニド注射用
薬価8056
メーカーわかもと製薬
最終更新2020年01月改訂(第10版)

用法・用量

1.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】本剤1バイアルに4mLの生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリアムシノロンアセトニド濃度が10mg/mLになるように用時懸濁し、トリアムシノロンアセトニドとして0.5〜4mgを硝子体内に注入する。なお、懸濁液のトリアムシノロンアセトニド濃度は、術式、患者の状態等に応じて適宜増減できるが、40mg/mLを超えない。

2.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】本剤1バイアルに1mLの生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリアムシノロンアセトニド濃度が40mg/mLになるように用時懸濁し、トリアムシノロンアセトニドとして4mgを硝子体内に投与する。

3.[テノン嚢下投与]本剤1バイアルに1mLの生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリアムシノロンアセトニド濃度が40mg/mLになるように用時懸濁し、トリアムシノロンアセトニドとして20mgをテノン嚢下に投与する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】、[テノン嚢下投与]長期投与時の有効性及び安全性は確立していない(長期投与により、白内障のリスクが高くなる恐れがあることから、継続的な長期投与は避ける)。[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】、[テノン嚢下投与]再投与は、患者の状態をみながら治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、3カ月以上の間隔をあけて行う。糖尿病黄斑浮腫に対する硝子体内投与の場合は、トリアムシノロンアセトニド粒子の消失を細隙灯顕微鏡等で確認した後に再投与する。

2.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】、[テノン嚢下投与]臨床試験においては、両眼治療は行われていない。硝子体内投与での糖尿病黄斑浮腫、テノン嚢下投与で両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与する。なお、硝子体内投与での糖尿病黄斑浮腫、テノン嚢下投与の初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行う。

効能・効果

1.[硝子体内投与]

1).硝子体手術時の硝子体可視化。

2).糖尿病黄斑浮腫。

2.[テノン嚢下投与]次記の疾患に伴う黄斑浮腫の軽減:糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、非感染性ぶどう膜炎。

副作用

1.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】硝子体手術患者を対象とした国内臨床試験において、総症例32例中2例(6.3%)に副作用が認められた。眼圧上昇1例(3.1%)及び術中低血圧1例(3.1%)であった(承認時における集計)。

2.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】糖尿病黄斑浮腫患者を対象とした国内臨床試験において、総症例45例中27例(60.0%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、眼圧上昇9例(20.0%)、白内障8例(17.8%)、飛蚊症5例(11.1%)、視力低下4例(8.9%)、硝子体内薬物拡散4例(8.9%)、血中ブドウ糖増加3例(6.7%)であった(効能追加時における集計)。

3.[テノン嚢下投与]糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、非感染性ぶどう膜炎患者を対象とした国内臨床試験において、総症例122例中42例(34.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は眼圧上昇18例(14.8%)、血中コルチゾール減少9例(7.4%)、白内障7例(5.7%)、結膜充血7例(5.7%)であった(投与経路追加時における集計)。

重大な副作用

1.重大な副作用

1).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】眼障害:白内障(17.8%)、眼圧上昇(20.0%)、眼内炎(頻度不明)、緑内障(頻度不明)が現れ、外科的処置を必要とすることがあるので、観察を十分に行い、症状・異常が現れた場合には、適切な処置を行う。

2).[テノン嚢下投与]眼障害:白内障(5.7%)、眼圧上昇(14.8%)、緑内障(頻度不明)が現れ、外科的処置を必要とすることがあるので、観察を十分に行い、症状・異常が現れた場合には、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用

1).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】

(1).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】眼:(5%未満)眼圧上昇。

(2).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】その他:(5%未満)術中低血圧。

2).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】

(1).眼

①.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】後眼部:(5%以上)硝子体内薬物拡散。

②.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】その他:(5%以上)飛蚊症、視力低下、(5%未満)霧視、眼異物感。

(2).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】代謝異常:(5%以上)血中ブドウ糖増加、(5%未満)糖尿病悪化、尿中ブドウ糖陽性、血中トリグリセリド増加。

(3).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】血液:(5%未満)好塩基球数増加、好酸球数増加、血小板数減少。

(4).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】体液・電解質:(5%未満)血中カリウム増加。

(5).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】その他:(5%未満)血中乳酸脱水素酵素増加。

3).[テノン嚢下投与]:各事象の発現頻度は、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象としたテノン嚢下投与の国内臨床試験を合算した。

(1).眼

①.[テノン嚢下投与]外眼部:(5%以上)結膜充血、(5%未満)結膜浮腫、結膜出血、点状角膜炎、眼脂。

②.[テノン嚢下投与]前眼部:(5%未満)前房内細胞、後発白内障。

③.[テノン嚢下投与]後眼部:(5%未満)網膜出血、硝子体剥離、硝子体浮遊物。

④.[テノン嚢下投与]その他:(5%未満)眼痛、視力低下。

(2).[テノン嚢下投与]精神神経系:(5%未満)体位性眩暈、頭痛。

(3).[テノン嚢下投与]筋・骨格:(5%未満)筋骨格痛。

(4).[テノン嚢下投与]代謝異常:(5%未満)糖尿病、血中ブドウ糖増加、尿中ブドウ糖陽性、血中トリグリセリド増加、尿中蛋白陽性。

(5).[テノン嚢下投与]血液:(5%未満)好中球百分率増加、リンパ球百分率減少、単球百分率増加、白血球数減少、白血球数増加。

(6).[テノン嚢下投与]体液・電解質:(5%未満)高血圧、血圧上昇。

(7).[テノン嚢下投与]肝胆道系:(5%未満)脂肪肝。

(8).[テノン嚢下投与]その他:(5%以上)血中コルチゾール減少、(5%未満)アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中アルカリホスファターゼ増加、血中尿素増加、血中尿素減少、γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加、ロイシンアミノペプチダーゼ上昇。

禁忌

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現する恐れがある]。

3.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】、[テノン嚢下投与]コントロール不良の緑内障の患者[症状が悪化することがある]。

慎重投与

1.緑内障・高眼圧症の患者[本剤により眼圧が上昇することがある]。

2.白内障の患者[白内障が悪化する恐れがある]。

3.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】、[テノン嚢下投与]眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[免疫機能抑制作用により感染症が増悪する恐れがある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.[硝子体内投与]網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体手術あるいは硝子体内注射の手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を使用する。

2.[硝子体内投与]眼内炎等が発現する恐れがあるので、本剤投与後、十分な観察を行う。また、異常が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

3.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】硝子体手術時の硝子体可視化では、硝子体切除後、灌流及び吸引により本剤を除去し、本剤が眼内に残存した場合は、本剤の消失が認められるまで定期的に観察する(硝子体切除後に本剤を眼内に残存させた場合に、無菌性眼内炎を発現した症例が報告されている)。

4.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】眼圧が上昇することがあるので、本剤投与後、眼圧の管理を適切に行う。

5.[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】白内障等が発現する恐れがあるので、本剤投与後、十分な観察を行う。また、異常が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

6.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】本剤投与の際には、次記の点に注意しながら行うと共に、投与手技による有害事象として結膜出血、結膜充血及び結膜浮腫等の有害事象が多く報告されているので注意する。

1).糖尿病黄斑浮腫の硝子体内投与に際し、使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行う。

2).糖尿病黄斑浮腫の硝子体内投与は、無菌条件下で行う(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用する)。

3).糖尿病黄斑浮腫の硝子体内投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行う(広域抗菌点眼剤は本剤投与前から投与後3日まで投与する)。

7.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】白内障が発症あるいは白内障悪化することがあり、投与後6カ月以降に発症あるいは悪化した例も報告されている。特に白内障手術の既往のない眼では、本剤投与後、定期的な観察を行う。また、異常が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

8.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】眼圧が上昇することがあるので、本剤投与直後に視神経乳頭又は網膜血流の確認(眼底観察又は間接的な視機能の確認)を行うと共に、翌日以降も眼圧の定期的な管理を適切に行う。

9.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】本剤投与後、霧視、飛蚊症等が現れることがあるため、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意する。また、国内臨床試験では投与後3カ月時点で約半数の患者の眼内に本剤の残存が認められているので、硝子体内投与では、本剤の消失が認められるまで定期的に観察する。

10.[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】糖尿病悪化することがあるので、血糖値の測定等の観察を十分に行う。

11.[テノン嚢下投与]網膜疾患に関する専門知識を有し、テノン嚢下注射の手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を使用する。

12.[テノン嚢下投与]本剤投与の際には、次記の点に注意しながら行うと共に、投与手技による有害事象として結膜出血、結膜充血、結膜浮腫、眼痛等の有害事象が多く報告されているので注意する。

1).テノン嚢下投与に際し、使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行う。

2).テノン嚢下投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行うこと(広域抗菌点眼剤は本剤投与前から投与後3日まで投与する)。

3).テノン嚢下投与の際には、薬液の漏れがないかを確認しながら薬液をゆっくりと投与する(投与時に薬液の漏れが認められた場合は、洗浄除去等の対応を行う)。

13.[テノン嚢下投与]白内障が発症あるいは白内障悪化することがあり、投与後6カ月以降に発症あるいは悪化した例も報告されている。特に白内障手術の既往のない眼では、本剤投与後、定期的な観察を行う。また、異常が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導する。

14.[テノン嚢下投与]眼圧が上昇することがあるので、眼圧の定期的な管理を適切に行う。

15.[テノン嚢下投与]糖尿病悪化することがあるので、血糖値の測定等の観察を十分に行う。

相互作用

併用注意:経口糖尿病用剤(アセトヘキサミド等)、インスリン製剤[これらの薬剤(錠剤・注射剤)の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合は患者の状態を十分に観察するなど注意する(本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注意する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(マウス、ラット、サル)で催奇形作用が報告されており、また、新生児に奇形、低出生体重、副腎不全を起こすことがある]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.投与経路:本剤は硝子体内、テノン嚢下にのみ投与する。

2.使用方法

1).本剤は保存剤を含有していないため、用時調製し、調製後は速やかに使用する。

2).1バイアルを複数の患者に使用しない。また、残薬は廃棄する。

3).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】本剤1バイアルに1mL以上(トリアムシノロンアセトニド濃度10mg/mLの場合4mL)の生理食塩液又は眼灌流液を加え10秒間激しく振盪して均一な懸濁液とした後必要量を吸引する。

4).[硝子体内投与]【硝子体手術時の硝子体可視化】注入直前にシリンジを添付文書の図のように10秒間再攪拌して硝子体内に注入する。

5).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】本剤1バイアルに1mLの生理食塩液又は眼灌流液を加え、10秒間激しく振盪して均一な懸濁液とした後、0.1mL以上を吸引する。

6).[硝子体内投与]【糖尿病黄斑浮腫】投与直前にシリンジを添付文書の図のように10秒間再攪拌して0.1mLを硝子体内に投与する。

7).[テノン嚢下投与]本剤1バイアルに1mLの生理食塩液又は眼灌流液を加え、10秒間激しく振盪して均一な懸濁液とした後、0.5mL以上を吸引する。

8).[テノン嚢下投与]投与直前にシリンジを添付文書の図のように10秒間再攪拌して0.5mLをテノン嚢下に投与する。

薬剤情報

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