薬効分類 | 免疫抑制薬 > ヒト型抗ヒトインターロイキン−17A (IL−17A) モノクローナル抗体 |
一般名 | イキセキズマブ (遺伝子組換え) キット (2) |
薬価 | 148952円 |
メーカー | 日本イーライリリー |
最終更新 | 2024年07月改訂(第6版) |
〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉
通常、成人にはイキセキズマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを皮下投与し、2週後から12週後までは1回80mgを2週間隔で皮下投与し、以降は1回80mgを4週間隔で皮下投与する。
なお、12週時点で効果不十分な場合には、1回80mgを2週間隔で皮下投与できる。
〈強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉
通常、成人にはイキセキズマブ(遺伝子組換え)として1回80mgを4週間隔で皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤による治療反応は、通常投与開始から20週以内に得られるため、20週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.2. 〈効能共通〉本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
7.3. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉投与開始から12週以降に2週間隔投与で治療反応が得られた場合は、4週間隔投与への変更を検討すること。なお、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症の場合、4週間隔投与へ変更後に効果不十分となった患者に対する投与間隔短縮の有効性は確立していない。
既存治療で効果不十分な次記疾患:1)尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、2)強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉次のいずれかを満たす患者に投与すること[1)光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者、2)難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する患者]〔1.3参照〕。
5.2. 〈強直性脊椎炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.3参照〕。
5.3. 〈X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的徴候が認められる場合に投与すること〔1.3参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(0.4%):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがある(重篤な感染症が発症した場合には、感染症が消失するまで本剤を投与しないこと)〔1.2、2.1、9.1.1参照〕。
11.1.2. 重篤な過敏症反応(0.1%):アナフィラキシー(血管浮腫、蕁麻疹等)等の重篤な過敏症反応があらわれることがある。
11.1.3. 好中球数減少(0.6%)。
11.1.4. 炎症性腸疾患(0.4%)〔9.1.3参照〕。
11.1.5. 間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎が報告されているので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.2. その他の副作用
1). 感染症:(1〜10%未満)上気道感染(鼻咽頭炎、上気道感染)、白癬感染、(1%未満)口腔カンジダ症、鼻炎、結膜炎、インフルエンザ、食道カンジダ症。
2). 呼吸器:(1%未満)口腔咽頭痛。
3). 消化器:(1%未満)悪心。
4). 皮膚:(1%未満)蕁麻疹。
5). 注射部位:(10%以上)注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位疼痛等)。
1.1. 本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。
本剤は感染症のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること〔2.2、8.1、8.2、8.5、9.1.2、15.1.2参照〕。
1.2. 重篤な感染症
ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること〔2.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること〔5.1−5.3参照〕。
2.1. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔1.2、9.1.1、11.1.1参照〕。
2.2. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔1.1、8.2、9.1.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴を有する患者。
8.1. 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や感染症増悪に注意すること。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること〔1.1、9.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。
なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと〔1.1、2.2、9.1.2参照〕。
8.3. 本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
8.4. 他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.5. 臨床試験において皮膚悪性腫瘍及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、15.1.2参照〕。
8.6. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。
自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、自己投与の適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や、自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。更に、オートインジェクターの安全な廃棄方法に関する指導を行い、使用済みのオートインジェクターを廃棄する容器等を提供すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者:症状を悪化させるおそれがある〔1.2、2.1、8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 結核の既往歴を有する又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある〔8.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること〔1.1、2.2、8.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. 炎症性腸疾患の患者:炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと(症状を悪化させるおそれがある)〔11.1.4参照〕。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(また、本剤はカニクイザルにおいて胎仔への移行が報告されているが、胎仔・出生仔に毒性及び催奇形性は認められなかった)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトの乳汁への移行や授乳された乳児の血液中への移行の有無は不明であるが、カニクイザルでは乳汁への移行が認められた)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与前の注意
投与30分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻しておくことが望ましい。
14.2. 薬剤投与時の注意
投与時は次の点を注意すること。
・ 注射部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。同じ部位の中で繰り返し注射する場合、毎回注射する箇所を変更すること。また、皮膚が敏感な部位、傷・発赤・硬結がある部位、乾癬の部位には注射しないこと。
・ 本剤は1回使用の製剤であり、再利用しないこと。
・ 160mgを投与する場合は80mgオートインジェクターを2本皮下投与すること。
(取扱い上の注意)
20.1. 凍結を避けること。凍結した場合は使用しないこと。
20.2. 光の影響を防ぐために、本剤は外箱に入れた状態で遮光保存すること。
20.3. 激しく振とうしないこと。
20.4. 室温で保存する場合は30℃を超えない場所で保存し、5日以内に使用すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 免疫原性
(1). 乾癬患者を対象とした第3相臨床試験において、80mgを2週間隔で投与した12週までに患者の9.0%(103/1150例)に抗イキセキズマブ抗体が認められ、また、12週までイキセキズマブを投与され、レスポンダー(12週時にsPGAスコアが0又は1の患者)と判断された患者のうち、再割り付け後、12週以降に80mgを4週間隔で投与した患者の17.3%(57/330例)に抗イキセキズマブ抗体が認められた(イキセキズマブを投与された患者の約1%(25/2293例)に中和抗体が確認され、イキセキズマブ血中濃度低下及び効果の減弱との関連が認められた)。
(2). 日本人の乾癬患者を対象とした長期投与試験において、抗イキセキズマブ抗体は12週までには認められず、12週以降に患者の11.0%(10/91例)に認められたが、中和抗体は確認されなかった。
(3). 乾癬患者を対象とした第3相臨床試験において、80mgを2週間隔で投与した52週までに患者の13.9%(84/606例)に抗イキセキズマブ抗体が認められた。イキセキズマブを投与された患者の約1%(6/606例)に中和抗体が確認され、イキセキズマブ血中濃度の低下傾向が認められた。
(4). 強直性脊椎炎患者を対象とした第3相臨床試験において、80mgを4週間隔で投与した16週までに患者の5.2%(10/194例)に抗イキセキズマブ抗体が認められ、1.5%(3/194例)に中和抗体が確認され、イキセキズマブ血中濃度低下傾向が認められた。
(5). X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者を対象とした第3相臨床試験において、80mgを4週間隔で投与した52週までに患者の8.9%(5/56例)に抗イキセキズマブ抗体が認められ、中和抗体は確認されなかったが、母集団薬物動態解析より、抗イキセキズマブ抗体陽性例においてイキセキズマブ血中濃度低下傾向が認められた。
15.1.2. 悪性腫瘍発現頻度
(1). 乾癬患者を対象とした国際共同試験の併合解析の結果(延べ投与例数:4204例、総曝露期間:4729.7人年)、本剤投与群において、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>の発現率は、0.5/100人年(発現割合:0.5%、23/4204例)であった(悪性腫瘍の発現率は、一般の乾癬患者で報告されている発現率(1.14/100人年[95%信頼区間:1.07,1.20])と同程度であった)、非黒色腫皮膚癌の発現率は、0.5/100人年(発現割合:0.5%、23/4204例)であった。
(2). 強直性脊椎炎患者を対象とした国際共同試験の併合解析の結果(延べ投与例数:641例、総曝露期間:749.6人年)、本剤投与群において、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>の発現率は、0.4/100人年(発現割合:0.5%、3/641例)であった。悪性腫瘍の発現率は、一般の脊椎関節炎患者で報告されている発現率(1.05/100人年[95%信頼区間:0.94,1.17])と同程度であった。非黒色腫皮膚癌の発現は認められなかった。
(3). X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者を対象とした国際共同試験の本剤投与群(198例、総曝露期間:143.5人年)において、悪性腫瘍の発現は認められなかった。
〔1.1、8.5参照〕。
15.1.3. 尋常性乾癬、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症において、免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない。
(保管上の注意)
2〜8℃で保存。
薬効分類 | 免疫抑制薬 > ヒト型抗ヒトインターロイキン−17A (IL−17A) モノクローナル抗体 |
一般名 | イキセキズマブ (遺伝子組換え) キット (2) |
薬価 | 148952円 |
メーカー | 日本イーライリリー |
最終更新 | 2024年07月改訂(第6版) |
〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉
通常、成人にはイキセキズマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを皮下投与し、2週後から12週後までは1回80mgを2週間隔で皮下投与し、以降は1回80mgを4週間隔で皮下投与する。
なお、12週時点で効果不十分な場合には、1回80mgを2週間隔で皮下投与できる。
〈強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉
通常、成人にはイキセキズマブ(遺伝子組換え)として1回80mgを4週間隔で皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤による治療反応は、通常投与開始から20週以内に得られるため、20週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.2. 〈効能共通〉本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
7.3. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉投与開始から12週以降に2週間隔投与で治療反応が得られた場合は、4週間隔投与への変更を検討すること。なお、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症の場合、4週間隔投与へ変更後に効果不十分となった患者に対する投与間隔短縮の有効性は確立していない。
既存治療で効果不十分な次記疾患:1)尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、2)強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症〉次のいずれかを満たす患者に投与すること[1)光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者、2)難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する患者]〔1.3参照〕。
5.2. 〈強直性脊椎炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.3参照〕。
5.3. 〈X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的徴候が認められる場合に投与すること〔1.3参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(0.4%):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがある(重篤な感染症が発症した場合には、感染症が消失するまで本剤を投与しないこと)〔1.2、2.1、9.1.1参照〕。
11.1.2. 重篤な過敏症反応(0.1%):アナフィラキシー(血管浮腫、蕁麻疹等)等の重篤な過敏症反応があらわれることがある。
11.1.3. 好中球数減少(0.6%)。
11.1.4. 炎症性腸疾患(0.4%)〔9.1.3参照〕。
11.1.5. 間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎が報告されているので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.2. その他の副作用
1). 感染症:(1〜10%未満)上気道感染(鼻咽頭炎、上気道感染)、白癬感染、(1%未満)口腔カンジダ症、鼻炎、結膜炎、インフルエンザ、食道カンジダ症。
2). 呼吸器:(1%未満)口腔咽頭痛。
3). 消化器:(1%未満)悪心。
4). 皮膚:(1%未満)蕁麻疹。
5). 注射部位:(10%以上)注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位疼痛等)。
1.1. 本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。
本剤は感染症のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること〔2.2、8.1、8.2、8.5、9.1.2、15.1.2参照〕。
1.2. 重篤な感染症
ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること〔2.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること〔5.1−5.3参照〕。
2.1. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔1.2、9.1.1、11.1.1参照〕。
2.2. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔1.1、8.2、9.1.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴を有する患者。
8.1. 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や感染症増悪に注意すること。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること〔1.1、9.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。
なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと〔1.1、2.2、9.1.2参照〕。
8.3. 本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
8.4. 他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.5. 臨床試験において皮膚悪性腫瘍及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、15.1.2参照〕。
8.6. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。
自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、自己投与の適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や、自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。更に、オートインジェクターの安全な廃棄方法に関する指導を行い、使用済みのオートインジェクターを廃棄する容器等を提供すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者:症状を悪化させるおそれがある〔1.2、2.1、8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 結核の既往歴を有する又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある〔8.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること〔1.1、2.2、8.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. 炎症性腸疾患の患者:炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと(症状を悪化させるおそれがある)〔11.1.4参照〕。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(また、本剤はカニクイザルにおいて胎仔への移行が報告されているが、胎仔・出生仔に毒性及び催奇形性は認められなかった)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトの乳汁への移行や授乳された乳児の血液中への移行の有無は不明であるが、カニクイザルでは乳汁への移行が認められた)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与前の注意
投与30分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻しておくことが望ましい。
14.2. 薬剤投与時の注意
投与時は次の点を注意すること。
・ 注射部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。同じ部位の中で繰り返し注射する場合、毎回注射する箇所を変更すること。また、皮膚が敏感な部位、傷・発赤・硬結がある部位、乾癬の部位には注射しないこと。
・ 本剤は1回使用の製剤であり、再利用しないこと。
・ 160mgを投与する場合は80mgオートインジェクターを2本皮下投与すること。
(取扱い上の注意)
20.1. 凍結を避けること。凍結した場合は使用しないこと。
20.2. 光の影響を防ぐために、本剤は外箱に入れた状態で遮光保存すること。
20.3. 激しく振とうしないこと。
20.4. 室温で保存する場合は30℃を超えない場所で保存し、5日以内に使用すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 免疫原性
(1). 乾癬患者を対象とした第3相臨床試験において、80mgを2週間隔で投与した12週までに患者の9.0%(103/1150例)に抗イキセキズマブ抗体が認められ、また、12週までイキセキズマブを投与され、レスポンダー(12週時にsPGAスコアが0又は1の患者)と判断された患者のうち、再割り付け後、12週以降に80mgを4週間隔で投与した患者の17.3%(57/330例)に抗イキセキズマブ抗体が認められた(イキセキズマブを投与された患者の約1%(25/2293例)に中和抗体が確認され、イキセキズマブ血中濃度低下及び効果の減弱との関連が認められた)。
(2). 日本人の乾癬患者を対象とした長期投与試験において、抗イキセキズマブ抗体は12週までには認められず、12週以降に患者の11.0%(10/91例)に認められたが、中和抗体は確認されなかった。
(3). 乾癬患者を対象とした第3相臨床試験において、80mgを2週間隔で投与した52週までに患者の13.9%(84/606例)に抗イキセキズマブ抗体が認められた。イキセキズマブを投与された患者の約1%(6/606例)に中和抗体が確認され、イキセキズマブ血中濃度の低下傾向が認められた。
(4). 強直性脊椎炎患者を対象とした第3相臨床試験において、80mgを4週間隔で投与した16週までに患者の5.2%(10/194例)に抗イキセキズマブ抗体が認められ、1.5%(3/194例)に中和抗体が確認され、イキセキズマブ血中濃度低下傾向が認められた。
(5). X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者を対象とした第3相臨床試験において、80mgを4週間隔で投与した52週までに患者の8.9%(5/56例)に抗イキセキズマブ抗体が認められ、中和抗体は確認されなかったが、母集団薬物動態解析より、抗イキセキズマブ抗体陽性例においてイキセキズマブ血中濃度低下傾向が認められた。
15.1.2. 悪性腫瘍発現頻度
(1). 乾癬患者を対象とした国際共同試験の併合解析の結果(延べ投与例数:4204例、総曝露期間:4729.7人年)、本剤投与群において、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>の発現率は、0.5/100人年(発現割合:0.5%、23/4204例)であった(悪性腫瘍の発現率は、一般の乾癬患者で報告されている発現率(1.14/100人年[95%信頼区間:1.07,1.20])と同程度であった)、非黒色腫皮膚癌の発現率は、0.5/100人年(発現割合:0.5%、23/4204例)であった。
(2). 強直性脊椎炎患者を対象とした国際共同試験の併合解析の結果(延べ投与例数:641例、総曝露期間:749.6人年)、本剤投与群において、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>の発現率は、0.4/100人年(発現割合:0.5%、3/641例)であった。悪性腫瘍の発現率は、一般の脊椎関節炎患者で報告されている発現率(1.05/100人年[95%信頼区間:0.94,1.17])と同程度であった。非黒色腫皮膚癌の発現は認められなかった。
(3). X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者を対象とした国際共同試験の本剤投与群(198例、総曝露期間:143.5人年)において、悪性腫瘍の発現は認められなかった。
〔1.1、8.5参照〕。
15.1.3. 尋常性乾癬、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症において、免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない。
(保管上の注意)
2〜8℃で保存。
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