| 薬効分類 | 抗悪性腫瘍薬 > 抗ヒトEGFR/抗ヒトMET完全ヒト型二重特異性モノクローナル抗体 |
| 一般名 | アミバンタマブ (遺伝子組換え) 注射液 |
| 薬価 | 160014円 |
| メーカー | ヤンセンファーマ |
| 最終更新 | 2025年05月改訂(第3版) 添付文書のPDFはこちら |
EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にはA法、EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く)陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にはA法又はB法を使用する。
A法:カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムとの併用において、3週間を1サイクルとし、通常、成人にはアミバンタマブ(遺伝子組換え)として次の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
1). 体重80kg未満:
@. 1サイクル目:1日目350mg、2日目1050mg、8日目、15日目1400mg。
A. 2サイクル目:1日目1400mg。
B. 3サイクル目以降:1日目1750mg。
2). 体重80kg以上:
@. 1サイクル目:1日目350mg、2日目1400mg、8日目、15日目1750mg。
A. 2サイクル目:1日目1750mg。
B. 3サイクル目以降:1日目2100mg。
B法:ラゼルチニブメシル酸塩との併用において、4週間を1サイクルとし、通常、成人にはアミバンタマブ(遺伝子組換え)として以下の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
1). 体重80kg未満:
@. 1サイクル目:1日目350mg、2日目700mg、8日目、15日目、22日目1050mg。
A. 2サイクル目以降:1日目、15日目1050mg。
2). 体重80kg以上:
@. 1サイクル目:1日目350mg、2日目1050mg、8日目、15日目、22日目1400mg。
A. 2サイクル目以降:1日目、15日目1400mg。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与によるinfusion reactionを軽減させるため、本剤投与前に、1サイクル目の第1日目及び第2日目は、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与し、必要に応じてH2受容体拮抗剤や制吐剤を投与し、投与前に、1サイクル目の第8日目以降は、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与し、必要に応じて副腎皮質ホルモン剤、H2受容体拮抗剤や制吐剤を投与すること〔11.1.1参照〕。
7.2. 調製後の希釈液を次の速度で投与すること。
[本剤の投与量及び投与速度(カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムとの併用の場合)]
1). 体重80kg未満:
@. 1サイクル目:
a. 1日目:投与量350mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
b. 2日目:投与量1050mg/250mL、投与速度(投与開始時)33mL/時、投与速度(投与開始2時間後)50mL/時。
c. 8日目:投与量1400mg/250mL、投与速度65mL/時。
d. 15日目:投与量1400mg/250mL、投与速度85mL/時。
A. 2サイクル目:1日目:投与量1400mg/250mL、投与速度125mL/時。
B. 3サイクル目以降:1日目:投与量1750mg/250mL、投与速度125mL/時。
2). 体重80kg以上:
@. 1サイクル目:
a. 1日目:投与量350mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
b. 2日目:投与量1400mg/250mL、投与速度(投与開始時)25mL/時、投与速度(投与開始2時間後)50mL/時。
c. 8日目:投与量1750mg/250mL、投与速度65mL/時。
d. 15日目:投与量1750mg/250mL、投与速度85mL/時。
A. 2サイクル目:1日目:投与量1750mg/250mL、投与速度125mL/時。
B. 3サイクル目以降:1日目:投与量2100mg/250mL、投与速度125mL/時。
Infusion reactionが認められない場合は、投与開始2時間後に投与速度を上げることができる。
[本剤の投与量及び投与速度(ラゼルチニブとの併用の場合)]
1). 体重80kg未満:
@. 1サイクル目:
a. 1日目:投与量350mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
b. 2日目:投与量700mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
c. 8日目:投与量1050mg/250mL、投与速度85mL/時。
d. 15日目、22日目:投与量1050mg/250mL、投与速度125mL/時。
A. 2サイクル目以降:1日目、15日目:投与量1050mg/250mL、投与速度125mL/時。
2). 体重80kg以上:
@. 1サイクル目:
a. 1日目:投与量350mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
b. 2日目:投与量1050mg/250mL、投与速度(投与開始時)35mL/時、投与速度(投与開始2時間後)50mL/時。
c. 8日目:投与量1400mg/250mL、投与速度65mL/時。
d. 15日目:投与量1400mg/250mL、投与速度85mL/時。
e. 22日目:投与量1400mg/250mL、投与速度125mL/時。
A. 2サイクル目以降:1日目、15日目:投与量1400mg/250mL、投与速度125mL/時。
Infusion reactionが認められない場合は、投与開始2時間後に投与速度を上げることができる。
7.3. ラゼルチニブとの併用投与による静脈血栓塞栓症の発症を抑制するため、当該併用投与開始後4ヵ月間は、アピキサバン1回2.5mgを1日2回経口投与すること〔1.4、8.3、9.1.2、11.1.4参照〕。
7.4. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次を参考に本剤を減量、中断、休薬又は中止すること。
[副作用発現時に本剤を減量する場合の投与量]
1). 副作用発現時の投与量1050mg:1段階減量700mg、2段階減量350mg、3段階減量は中止。
2). 副作用発現時の投与量1400mg:1段階減量1050mg、2段階減量700mg、3段階減量は中止。
3). 副作用発現時の投与量1750mg:1段階減量1400mg、2段階減量1050mg、3段階減量は中止。
4). 副作用発現時の投与量2100mg:1段階減量1750mg、2段階減量1400mg、3段階減量は中止。
[副作用発現時の本剤の処置]
1). Infusion reaction:
@. Grade1のInfusion reaction及びGrade2のInfusion reaction:a.投与を中断する、b.症状が回復した場合、発現時の50%の投与速度で再開する、c.再開後の30分間にinfusion reactionの症状が認められない場合、中断時の投与速度まで上げることができる(その後の2時間にinfusion reactionの症状が認められない場合、同日に予定されていた最高速度まで上げることができる)。d.Grade2のinfusion reactionによる投与中断・再開後にGrade2のinfusion reactionが再発した場合、同日における投与は中止を検討する。
A. Grade3のInfusion reaction:a.同日における投与を中止する、b.次回以降の投与可否は患者の状態に応じて判断し、投与速度はGrade2の場合を参考に患者の状態に応じて判断する、c.Grade3のinfusion reactionが再発した場合、投与を中止する。
B. Grade4のInfusion reaction:投与を中止する。
2). 間質性肺疾患:
@. 間質性肺疾患疑い:休薬する。
A. 間質性肺疾患確定:投与を中止する。
3). 静脈血栓塞栓症(ラゼルチニブとの併用時):
@. 静脈血栓塞栓症(ラゼルチニブとの併用時):臨床的に不安定な事象が発現した場合(例:呼吸不全、心機能障害)、発現した事象が臨床的に安定するまで休薬する。
A. 静脈血栓塞栓症(ラゼルチニブとの併用時):抗凝固剤による治療中に静脈血栓塞栓症再発した場合、投与を中止する。
4). 皮膚障害又は爪障害:
@. Grade1の皮膚障害又はGrade1の爪障害:2週間後に改善が認められない場合、減量を検討する。
A. Grade2の皮膚障害又はGrade2の爪障害:a.ラゼルチニブとの併用時は、減量を検討する、Grade2の皮膚障害又はGrade2の爪障害:b.2週間後に改善が認められない場合、減量を検討する。
B. Grade3の皮膚障害又はGrade3の爪障害:a.Grade2以下に回復するまで休薬し、減量して投与を再開する、Grade3の皮膚障害又はGrade3の爪障害:b.ラゼルチニブとの併用時は休薬し、週1回の観察を行う(2週間以内にGrade2以下に回復した場合は減量を検討した上で投与を再開し、2週間以内にGrade2以下に回復しない場合は投与を中止する)。
C. Grade4の皮膚障害又はGrade4の爪障害、重度水疱性皮膚障害又は重度剥脱性皮膚障害:投与を中止する。
5). その他の副作用:
@. Grade2の副作用:a.休薬を検討する(1週間より後に改善した場合、減量して投与を再開することを検討する)、Grade2の副作用:b.ラゼルチニブとの併用時は、休薬又は減量を検討する(28日以内に改善した場合は同じ用量又は減量して投与を再開することを検討し、28日より後に改善した場合は減量して投与を再開することを検討する)。
A. Grade3の副作用:a.Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する、b.1週間以内に回復した場合、同じ用量で投与を再開する、c.1週間より後に回復した場合、減量して投与を再開する、d.4週間以内に回復しない場合、投与の中止を検討する。
B. Grade4の副作用:原則として投与を中止する。
GradeはNCI−CTCAE v5.0に準じる。
7.5. EGFR−TKI治療歴のないエクソン20挿入変異を除くEGFR変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対するA法の有効性及び安全性は確立していない(EGFR−TKI:EGFRチロシンキナーゼ阻害剤)。
7.6. 本剤、ラゼルチニブ、カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムの併用投与は行わないこと。
1). EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌。
2). EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌〉*十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。
5.2. 〈EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌〉臨床試験に組み入れられた患者の遺伝子変異の種類等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。
5.3. 〈EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌〉本剤の術前・術後補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.4. 〈EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉*十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く)が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。
5.5. 〈EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療後に増悪した患者に対してカルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムと併用する場合は、臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.3参照〕。
5.6. 〈EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉本剤の術前・術後補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
*)承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review−services/drug−reviews/review−information/cd/0001.html。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. Infusion reaction(57.4%):悪寒、悪心、呼吸困難、潮紅、胸部不快感、嘔吐等のinfusion reactionがあらわれることがある(多くの場合は、初回投与時に認められたが、2回目以降の投与時にも認められている)〔7.1参照〕。
11.1.2. 間質性肺疾患:肺臓炎(1.6%)、間質性肺疾患(0.9%)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと〔1.2、8.1、9.1.1参照〕。
11.1.3. 重度の皮膚障害:発疹(15.8%*)、ざ瘡様皮膚炎(6.6%*)等の重度皮膚障害があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.4. 静脈血栓塞栓症
1). 〈化学療法と併用投与〉静脈血栓塞栓症:肺塞栓症(4.6%※)、深部静脈血栓症(4.0%※)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある〔1.4、7.3、8.3、9.1.2参照〕。
2). 〈ラゼルチニブと併用投与〉静脈血栓塞栓症:肺塞栓症(7.8%※※)、深部静脈血栓症(5.5%※※)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある〔1.4、7.3、8.3、9.1.2参照〕。
11.1.5. 動脈血栓塞栓症:本剤とラゼルチニブとの併用において、心筋梗塞(0.5%※※)等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある。
*)NCI−CTCAEのGrade3以上の副作用頻度。
※)本剤を化学療法と併用投与した臨床試験(NSC3001試験、NSC3002試験)における発現頻度。
※※)本剤をラゼルチニブと併用投与した臨床試験(NSC3003試験)における発現頻度。
11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(10%以上)爪囲炎(56.0%)、(10%未満1%以上)結膜炎。
2). 血液及びリンパ系障害:(10%以上)血小板減少症、(10%未満1%以上)好中球減少症、白血球減少症。
3). 代謝及び栄養障害:(10%以上)低アルブミン血症(33.2%)、食欲減退、(10%未満1%以上)低カルシウム血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症。
4). 神経系障害:(10%未満1%以上)浮動性めまい。
5). 眼障害:(10%未満1%以上)ドライアイ、眼瞼炎、角膜炎、霧視、結膜充血、眼そう痒症、睫毛成長、(1%未満)眼充血、視力障害、上強膜炎、非感染性結膜炎、視力低下、(頻度不明)眼障害、ぶどう膜炎、角膜刺激。
6). 心臓障害:(1%未満)洞性頻脈、動悸、頻脈。
7). 胃腸障害:(10%以上)口内炎(36.5%)、下痢、便秘、悪心、(10%未満1%以上)嘔吐、腹痛、痔核。
8). 皮膚及び皮下組織障害:(10%以上)発疹(66.8%)、ざ瘡様皮膚炎(29.2%)、皮膚乾燥、皮膚そう痒症、(10%未満1%以上)爪毒性、湿疹、(1%未満)乾皮症、皮膚剥脱。
9). 筋骨格系及び結合組織障害:(10%未満1%以上)筋肉痛。
10). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%以上)末梢性浮腫(25.6%)、無力症、疲労、(10%未満1%以上)全身性浮腫、末梢腫脹、発熱。
11). 臨床検査:(10%以上)ALT増加(23.6%)、AST増加、(10%未満1%以上)血中ALP増加。
1.1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行い、異常が認められた場合は本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、特に治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと〔8.1、9.1.1、11.1.2参照〕。
1.3. 本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴の有無を確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること〔9.1.1参照〕。
1.4. ラゼルチニブとの併用投与により、深部静脈血栓症及び肺塞栓症を含む静脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、静脈血栓塞栓症の既往歴の有無等を確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること(また、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し、下肢疼痛・下肢浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛等の静脈血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること)〔7.3、8.3、9.1.2、11.1.4参照〕。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行い、必要に応じて、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A−aDO2)、肺拡散能力(DLCO)等の検査を行うこと。また、患者に対して、間質性肺疾患の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること〔1.2、9.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. 重度の皮膚障害があらわれることがあるので、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること〔11.1.3参照〕。
8.3. ラゼルチニブとの併用により静脈血栓塞栓症の発現頻度が増加する傾向が認められているので、初期症状(下肢疼痛・下肢浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛等)の確認及び定期的な凝固能検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、患者に対して、静脈血栓塞栓症の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること〔1.4、7.3、9.1.2、11.1.4参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者:間質性肺疾患が悪化又は再発するおそれがある〔1.2、1.3、8.1、11.1.2参照〕。
9.1.2. 静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者:静脈血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある〔1.4、7.3、8.3、11.1.4参照〕。
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
ラゼルチニブとの併用投与については、投与の可否を慎重に判断すること(本剤とラゼルチニブを併用した臨床試験において、65歳未満の患者と比較して65歳以上の患者で死亡に至った有害事象、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象の発現割合が高い傾向が認められている)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、類薬のEGFR又はMET阻害剤を投与した動物試験では、胚発生障害・胎仔発生障害、胚致死及び流産の発現率の上昇が認められた)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤が無色〜微黄色であることを確認する(変色又は微粒子が認められた場合は使用しないこと)。
14.1.2. 輸液バッグは、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリオレフィン混合物製を用いること。
14.1.3. 希釈液には250mLの5%ブドウ糖注射液又は0.9%生理食塩液を用いる(輸液バッグに加える本剤と同量の希釈液(本剤1バイアルにつき7mL)を抜き取り廃棄する)。
14.1.4. 各バイアルから本剤7mLを抜き取り、輸液バッグに混和する。
14.1.5. 添加後は穏やかに混和し、振盪しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 輸液ポンプ及び投与セットを用いて、点滴静注により調製後の本剤を投与する。また、投与セットは、滅菌されたパイロジェンフリー(エンドトキシンフリー)の低蛋白結合性のポリエーテルスルホン製、ナイロン製又はポリスルホン製のインラインフィルター(孔径0.2μm又は0.22μm)を備える、投与セットは、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン又はポリエチレン製を用いること。
14.2.2. 投与前に投与セットを希釈液(5%ブドウ糖溶液又は0.9%生理食塩液)で満たすこと。
14.2.3. 投与前に調製後の本剤を目視検査する(変色又は微粒子が認められた場合は使用しないこと)。
14.2.4. 調製後の本剤は、室内光下にて室温のもと、溶液の調製開始後10時間以内に投与を完了すること。
14.2.5. 他の薬剤<5%ブドウ糖溶液又は0.9%生理食塩液を除く>と同じ静注ラインを用いた同時投与は行わないこと。
14.2.6. 本剤のバイアルは1回使い切りである。未使用残液については適切に廃棄すること。
(取扱い上の注意)
20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
20.2. 凍結させないこと。
15.1. 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。
(保管上の注意)
2〜8℃保存。
| 薬効分類 | 抗悪性腫瘍薬 > 抗ヒトEGFR/抗ヒトMET完全ヒト型二重特異性モノクローナル抗体 |
| 一般名 | アミバンタマブ (遺伝子組換え) 注射液 |
| 薬価 | 160014円 |
| メーカー | ヤンセンファーマ |
| 最終更新 | 2025年05月改訂(第3版) 添付文書のPDFはこちら |
EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にはA法、EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く)陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にはA法又はB法を使用する。
A法:カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムとの併用において、3週間を1サイクルとし、通常、成人にはアミバンタマブ(遺伝子組換え)として次の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
1). 体重80kg未満:
@. 1サイクル目:1日目350mg、2日目1050mg、8日目、15日目1400mg。
A. 2サイクル目:1日目1400mg。
B. 3サイクル目以降:1日目1750mg。
2). 体重80kg以上:
@. 1サイクル目:1日目350mg、2日目1400mg、8日目、15日目1750mg。
A. 2サイクル目:1日目1750mg。
B. 3サイクル目以降:1日目2100mg。
B法:ラゼルチニブメシル酸塩との併用において、4週間を1サイクルとし、通常、成人にはアミバンタマブ(遺伝子組換え)として以下の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
1). 体重80kg未満:
@. 1サイクル目:1日目350mg、2日目700mg、8日目、15日目、22日目1050mg。
A. 2サイクル目以降:1日目、15日目1050mg。
2). 体重80kg以上:
@. 1サイクル目:1日目350mg、2日目1050mg、8日目、15日目、22日目1400mg。
A. 2サイクル目以降:1日目、15日目1400mg。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与によるinfusion reactionを軽減させるため、本剤投与前に、1サイクル目の第1日目及び第2日目は、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与し、必要に応じてH2受容体拮抗剤や制吐剤を投与し、投与前に、1サイクル目の第8日目以降は、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与し、必要に応じて副腎皮質ホルモン剤、H2受容体拮抗剤や制吐剤を投与すること〔11.1.1参照〕。
7.2. 調製後の希釈液を次の速度で投与すること。
[本剤の投与量及び投与速度(カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムとの併用の場合)]
1). 体重80kg未満:
@. 1サイクル目:
a. 1日目:投与量350mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
b. 2日目:投与量1050mg/250mL、投与速度(投与開始時)33mL/時、投与速度(投与開始2時間後)50mL/時。
c. 8日目:投与量1400mg/250mL、投与速度65mL/時。
d. 15日目:投与量1400mg/250mL、投与速度85mL/時。
A. 2サイクル目:1日目:投与量1400mg/250mL、投与速度125mL/時。
B. 3サイクル目以降:1日目:投与量1750mg/250mL、投与速度125mL/時。
2). 体重80kg以上:
@. 1サイクル目:
a. 1日目:投与量350mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
b. 2日目:投与量1400mg/250mL、投与速度(投与開始時)25mL/時、投与速度(投与開始2時間後)50mL/時。
c. 8日目:投与量1750mg/250mL、投与速度65mL/時。
d. 15日目:投与量1750mg/250mL、投与速度85mL/時。
A. 2サイクル目:1日目:投与量1750mg/250mL、投与速度125mL/時。
B. 3サイクル目以降:1日目:投与量2100mg/250mL、投与速度125mL/時。
Infusion reactionが認められない場合は、投与開始2時間後に投与速度を上げることができる。
[本剤の投与量及び投与速度(ラゼルチニブとの併用の場合)]
1). 体重80kg未満:
@. 1サイクル目:
a. 1日目:投与量350mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
b. 2日目:投与量700mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
c. 8日目:投与量1050mg/250mL、投与速度85mL/時。
d. 15日目、22日目:投与量1050mg/250mL、投与速度125mL/時。
A. 2サイクル目以降:1日目、15日目:投与量1050mg/250mL、投与速度125mL/時。
2). 体重80kg以上:
@. 1サイクル目:
a. 1日目:投与量350mg/250mL、投与速度(投与開始時)50mL/時、投与速度(投与開始2時間後)75mL/時。
b. 2日目:投与量1050mg/250mL、投与速度(投与開始時)35mL/時、投与速度(投与開始2時間後)50mL/時。
c. 8日目:投与量1400mg/250mL、投与速度65mL/時。
d. 15日目:投与量1400mg/250mL、投与速度85mL/時。
e. 22日目:投与量1400mg/250mL、投与速度125mL/時。
A. 2サイクル目以降:1日目、15日目:投与量1400mg/250mL、投与速度125mL/時。
Infusion reactionが認められない場合は、投与開始2時間後に投与速度を上げることができる。
7.3. ラゼルチニブとの併用投与による静脈血栓塞栓症の発症を抑制するため、当該併用投与開始後4ヵ月間は、アピキサバン1回2.5mgを1日2回経口投与すること〔1.4、8.3、9.1.2、11.1.4参照〕。
7.4. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次を参考に本剤を減量、中断、休薬又は中止すること。
[副作用発現時に本剤を減量する場合の投与量]
1). 副作用発現時の投与量1050mg:1段階減量700mg、2段階減量350mg、3段階減量は中止。
2). 副作用発現時の投与量1400mg:1段階減量1050mg、2段階減量700mg、3段階減量は中止。
3). 副作用発現時の投与量1750mg:1段階減量1400mg、2段階減量1050mg、3段階減量は中止。
4). 副作用発現時の投与量2100mg:1段階減量1750mg、2段階減量1400mg、3段階減量は中止。
[副作用発現時の本剤の処置]
1). Infusion reaction:
@. Grade1のInfusion reaction及びGrade2のInfusion reaction:a.投与を中断する、b.症状が回復した場合、発現時の50%の投与速度で再開する、c.再開後の30分間にinfusion reactionの症状が認められない場合、中断時の投与速度まで上げることができる(その後の2時間にinfusion reactionの症状が認められない場合、同日に予定されていた最高速度まで上げることができる)。d.Grade2のinfusion reactionによる投与中断・再開後にGrade2のinfusion reactionが再発した場合、同日における投与は中止を検討する。
A. Grade3のInfusion reaction:a.同日における投与を中止する、b.次回以降の投与可否は患者の状態に応じて判断し、投与速度はGrade2の場合を参考に患者の状態に応じて判断する、c.Grade3のinfusion reactionが再発した場合、投与を中止する。
B. Grade4のInfusion reaction:投与を中止する。
2). 間質性肺疾患:
@. 間質性肺疾患疑い:休薬する。
A. 間質性肺疾患確定:投与を中止する。
3). 静脈血栓塞栓症(ラゼルチニブとの併用時):
@. 静脈血栓塞栓症(ラゼルチニブとの併用時):臨床的に不安定な事象が発現した場合(例:呼吸不全、心機能障害)、発現した事象が臨床的に安定するまで休薬する。
A. 静脈血栓塞栓症(ラゼルチニブとの併用時):抗凝固剤による治療中に静脈血栓塞栓症再発した場合、投与を中止する。
4). 皮膚障害又は爪障害:
@. Grade1の皮膚障害又はGrade1の爪障害:2週間後に改善が認められない場合、減量を検討する。
A. Grade2の皮膚障害又はGrade2の爪障害:a.ラゼルチニブとの併用時は、減量を検討する、Grade2の皮膚障害又はGrade2の爪障害:b.2週間後に改善が認められない場合、減量を検討する。
B. Grade3の皮膚障害又はGrade3の爪障害:a.Grade2以下に回復するまで休薬し、減量して投与を再開する、Grade3の皮膚障害又はGrade3の爪障害:b.ラゼルチニブとの併用時は休薬し、週1回の観察を行う(2週間以内にGrade2以下に回復した場合は減量を検討した上で投与を再開し、2週間以内にGrade2以下に回復しない場合は投与を中止する)。
C. Grade4の皮膚障害又はGrade4の爪障害、重度水疱性皮膚障害又は重度剥脱性皮膚障害:投与を中止する。
5). その他の副作用:
@. Grade2の副作用:a.休薬を検討する(1週間より後に改善した場合、減量して投与を再開することを検討する)、Grade2の副作用:b.ラゼルチニブとの併用時は、休薬又は減量を検討する(28日以内に改善した場合は同じ用量又は減量して投与を再開することを検討し、28日より後に改善した場合は減量して投与を再開することを検討する)。
A. Grade3の副作用:a.Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する、b.1週間以内に回復した場合、同じ用量で投与を再開する、c.1週間より後に回復した場合、減量して投与を再開する、d.4週間以内に回復しない場合、投与の中止を検討する。
B. Grade4の副作用:原則として投与を中止する。
GradeはNCI−CTCAE v5.0に準じる。
7.5. EGFR−TKI治療歴のないエクソン20挿入変異を除くEGFR変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対するA法の有効性及び安全性は確立していない(EGFR−TKI:EGFRチロシンキナーゼ阻害剤)。
7.6. 本剤、ラゼルチニブ、カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムの併用投与は行わないこと。
1). EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌。
2). EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌〉*十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。
5.2. 〈EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌〉臨床試験に組み入れられた患者の遺伝子変異の種類等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。
5.3. 〈EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌〉本剤の術前・術後補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.4. 〈EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉*十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く)が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。
5.5. 〈EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療後に増悪した患者に対してカルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムと併用する場合は、臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.3参照〕。
5.6. 〈EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉本剤の術前・術後補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
*)承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review−services/drug−reviews/review−information/cd/0001.html。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. Infusion reaction(57.4%):悪寒、悪心、呼吸困難、潮紅、胸部不快感、嘔吐等のinfusion reactionがあらわれることがある(多くの場合は、初回投与時に認められたが、2回目以降の投与時にも認められている)〔7.1参照〕。
11.1.2. 間質性肺疾患:肺臓炎(1.6%)、間質性肺疾患(0.9%)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと〔1.2、8.1、9.1.1参照〕。
11.1.3. 重度の皮膚障害:発疹(15.8%*)、ざ瘡様皮膚炎(6.6%*)等の重度皮膚障害があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.4. 静脈血栓塞栓症
1). 〈化学療法と併用投与〉静脈血栓塞栓症:肺塞栓症(4.6%※)、深部静脈血栓症(4.0%※)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある〔1.4、7.3、8.3、9.1.2参照〕。
2). 〈ラゼルチニブと併用投与〉静脈血栓塞栓症:肺塞栓症(7.8%※※)、深部静脈血栓症(5.5%※※)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある〔1.4、7.3、8.3、9.1.2参照〕。
11.1.5. 動脈血栓塞栓症:本剤とラゼルチニブとの併用において、心筋梗塞(0.5%※※)等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある。
*)NCI−CTCAEのGrade3以上の副作用頻度。
※)本剤を化学療法と併用投与した臨床試験(NSC3001試験、NSC3002試験)における発現頻度。
※※)本剤をラゼルチニブと併用投与した臨床試験(NSC3003試験)における発現頻度。
11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(10%以上)爪囲炎(56.0%)、(10%未満1%以上)結膜炎。
2). 血液及びリンパ系障害:(10%以上)血小板減少症、(10%未満1%以上)好中球減少症、白血球減少症。
3). 代謝及び栄養障害:(10%以上)低アルブミン血症(33.2%)、食欲減退、(10%未満1%以上)低カルシウム血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症。
4). 神経系障害:(10%未満1%以上)浮動性めまい。
5). 眼障害:(10%未満1%以上)ドライアイ、眼瞼炎、角膜炎、霧視、結膜充血、眼そう痒症、睫毛成長、(1%未満)眼充血、視力障害、上強膜炎、非感染性結膜炎、視力低下、(頻度不明)眼障害、ぶどう膜炎、角膜刺激。
6). 心臓障害:(1%未満)洞性頻脈、動悸、頻脈。
7). 胃腸障害:(10%以上)口内炎(36.5%)、下痢、便秘、悪心、(10%未満1%以上)嘔吐、腹痛、痔核。
8). 皮膚及び皮下組織障害:(10%以上)発疹(66.8%)、ざ瘡様皮膚炎(29.2%)、皮膚乾燥、皮膚そう痒症、(10%未満1%以上)爪毒性、湿疹、(1%未満)乾皮症、皮膚剥脱。
9). 筋骨格系及び結合組織障害:(10%未満1%以上)筋肉痛。
10). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%以上)末梢性浮腫(25.6%)、無力症、疲労、(10%未満1%以上)全身性浮腫、末梢腫脹、発熱。
11). 臨床検査:(10%以上)ALT増加(23.6%)、AST増加、(10%未満1%以上)血中ALP増加。
1.1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行い、異常が認められた場合は本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、特に治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと〔8.1、9.1.1、11.1.2参照〕。
1.3. 本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴の有無を確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること〔9.1.1参照〕。
1.4. ラゼルチニブとの併用投与により、深部静脈血栓症及び肺塞栓症を含む静脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、静脈血栓塞栓症の既往歴の有無等を確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること(また、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し、下肢疼痛・下肢浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛等の静脈血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること)〔7.3、8.3、9.1.2、11.1.4参照〕。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行い、必要に応じて、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A−aDO2)、肺拡散能力(DLCO)等の検査を行うこと。また、患者に対して、間質性肺疾患の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること〔1.2、9.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. 重度の皮膚障害があらわれることがあるので、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること〔11.1.3参照〕。
8.3. ラゼルチニブとの併用により静脈血栓塞栓症の発現頻度が増加する傾向が認められているので、初期症状(下肢疼痛・下肢浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛等)の確認及び定期的な凝固能検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、患者に対して、静脈血栓塞栓症の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること〔1.4、7.3、9.1.2、11.1.4参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者:間質性肺疾患が悪化又は再発するおそれがある〔1.2、1.3、8.1、11.1.2参照〕。
9.1.2. 静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者:静脈血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある〔1.4、7.3、8.3、11.1.4参照〕。
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
ラゼルチニブとの併用投与については、投与の可否を慎重に判断すること(本剤とラゼルチニブを併用した臨床試験において、65歳未満の患者と比較して65歳以上の患者で死亡に至った有害事象、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象の発現割合が高い傾向が認められている)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、類薬のEGFR又はMET阻害剤を投与した動物試験では、胚発生障害・胎仔発生障害、胚致死及び流産の発現率の上昇が認められた)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤が無色〜微黄色であることを確認する(変色又は微粒子が認められた場合は使用しないこと)。
14.1.2. 輸液バッグは、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリオレフィン混合物製を用いること。
14.1.3. 希釈液には250mLの5%ブドウ糖注射液又は0.9%生理食塩液を用いる(輸液バッグに加える本剤と同量の希釈液(本剤1バイアルにつき7mL)を抜き取り廃棄する)。
14.1.4. 各バイアルから本剤7mLを抜き取り、輸液バッグに混和する。
14.1.5. 添加後は穏やかに混和し、振盪しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 輸液ポンプ及び投与セットを用いて、点滴静注により調製後の本剤を投与する。また、投与セットは、滅菌されたパイロジェンフリー(エンドトキシンフリー)の低蛋白結合性のポリエーテルスルホン製、ナイロン製又はポリスルホン製のインラインフィルター(孔径0.2μm又は0.22μm)を備える、投与セットは、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン又はポリエチレン製を用いること。
14.2.2. 投与前に投与セットを希釈液(5%ブドウ糖溶液又は0.9%生理食塩液)で満たすこと。
14.2.3. 投与前に調製後の本剤を目視検査する(変色又は微粒子が認められた場合は使用しないこと)。
14.2.4. 調製後の本剤は、室内光下にて室温のもと、溶液の調製開始後10時間以内に投与を完了すること。
14.2.5. 他の薬剤<5%ブドウ糖溶液又は0.9%生理食塩液を除く>と同じ静注ラインを用いた同時投与は行わないこと。
14.2.6. 本剤のバイアルは1回使い切りである。未使用残液については適切に廃棄すること。
(取扱い上の注意)
20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
20.2. 凍結させないこと。
15.1. 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。
(保管上の注意)
2〜8℃保存。
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