薬剤情報
後発品
薬効分類抗不整脈薬 > Naチャネル抑制薬 糖尿病性神経障害治療薬
一般名メキシレチン塩酸塩50mgカプセル
薬価5.9
メーカー鶴原製薬
最終更新2019年10月改訂(第11版)

用法・用量

1.頻脈性不整脈(心室性):メキシレチン塩酸塩として、1日300mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は450mgまで増量し、1日3回に分割し食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

2.糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善:メキシレチン塩酸塩として、1日300mgを1日3回に分割し食後に経口投与する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.頻脈性不整脈<心室性>に投与する場合:1日用量450mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意する。

2.糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善を目的として投与する場合:

1).糖尿病性神経障害で2週間投与しても効果が認められない場合には、投与を中止する。

2).糖尿病性神経障害では1日300mgの用量を超えて投与しない。

効能・効果

1.頻脈性不整脈<心室性>。

2.糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、紅皮症:中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症が現れることがあるので、観察を十分に行い、紅斑、水疱・糜爛、結膜炎、口内炎、発熱等が現れた場合には、中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症の前駆症状である可能性があるため、投与を中止し、適切な処置を行う。

2).過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更にリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う(なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)。また、過敏症症候群に伴い、1型糖尿病を発症しケトアシドーシスに至った例も報告されているので、このような場合には、適切な処置を行う。

3).心室頻拍、房室ブロック:心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、房室ブロックが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行う。

4).腎不全:腎不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

5).幻覚、錯乱:幻覚、錯乱が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

6).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

7).間質性肺炎、好酸球性肺炎:間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

2.重大な副作用(類薬)

心停止、心室細動、失神、洞房ブロック、徐脈:本剤と類似のNaチャネル阻害作用を有する薬剤でこのような症状が現れることがあるので、定期的かつ必要に応じて心電図検査を実施し、異常が観察された場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

3.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。

1).循環器:(頻度不明)動悸、徐脈、起立時眩暈、QRS延長、血圧上昇、浮腫、胸部圧迫感、心房細動、低血圧。

2).消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、食欲不振、胸やけ、胃部不快感・腹部不快感、口渇、便秘、下痢、腹部膨満感、消化不良、腹痛、嚥下障害、口唇炎、舌炎、胃痛、食道炎、食道潰瘍。

3).精神神経系:(頻度不明)振戦、眩暈、しびれ感、眠気、頭痛、不眠、耳鳴、眼振、いらいら感、複視、発汗、意識障害、痙攣、譫妄、構音障害。

4).過敏症:(頻度不明)そう痒感、全身発疹、発熱、蕁麻疹、紅斑、多形紅斑(多形滲出性紅斑)[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。

5).肝臓:(頻度不明)尿ウロビリノゲン上昇。

6).腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇、腎機能障害。

7).血液:(頻度不明)白血球数異常、赤血球減少、血色素量減少、ヘマトクリット減少、血小板数異常、好酸球増多、リンパ球減少、好中球増多、顆粒球減少[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する]。

8).泌尿器:(頻度不明)排尿困難・尿閉、尿失禁。

9).その他:(頻度不明)咽頭違和感、苦味、倦怠感、咳、足のこわばり、血清カリウム上昇、総コレステロール上昇、脱力感、ほてり、味覚異常。

禁忌

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.重篤な刺激伝導障害(ペースメーカー未使用の2〜3度房室ブロック等)のある患者[刺激伝導障害の悪化、心停止を来すことがある]。

原則禁忌

糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善を目的として投与する場合:重篤な心不全を合併している患者[心不全を合併している糖尿病性神経障害患者に対する安全性は確立していない(使用経験がない)ので、重篤な心不全を合併している患者には、自覚症状(自発痛、しびれ感)に対する本剤の有益性が危険性(心不全の悪化、不整脈の誘発等)を上回ると判断される場合にのみ投与する]。

慎重投与

1.基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者[心機能抑制や催不整脈作用が出現することがある]。

2.軽度刺激伝導障害(不完全房室ブロック、脚ブロック等)のある患者[刺激伝導障害を悪化させることがある]。

3.著明な洞性徐脈のある患者[徐脈を悪化させることがある]。

4.重篤な肝障害・重篤な腎障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇することがある]。

5.心不全のある患者[心不全を悪化、不整脈を悪化・誘発させることがあり、また、本剤の血中濃度が上昇することがある]。

6.低血圧の患者[循環状態を悪化させることがある]。

7.パーキンソン症候群の患者[振戦を増強させることがある]。

8.高齢者。

9.血清カリウム低下のある患者[不整脈を誘発させることがある]。

10.他の抗不整脈薬による治療中の患者[有効性、安全性が確立していない]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べ、PQ延長、QRS幅増大、QT延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止する。特に、次の患者又は場合には、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施する。

1).心不全のある患者又は基礎心疾患があり心不全(心筋梗塞があり心不全、弁膜症があり心不全、心筋症があり心不全等)を来す恐れのある患者には、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施する[心室頻拍、心室細動等が発現する恐れが高いので、開始後1〜2週間は入院させる]。

2).高齢者には、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施する[入院させて開始することが望ましい]。

3).他の抗不整脈薬との併用の場合には、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施する[有効性、安全性が確立していない]。

2.紅斑、水疱・糜爛、結膜炎、口内炎、発熱等が現れた場合には中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、紅皮症の前駆症状である可能性があるため、紅斑、水疱・糜爛、結膜炎、口内炎、発熱等が現れた場合には投与を中止し、直ちに皮膚科専門医を受診させる等適切な処置を行う。

3.頭がボーとする、眩暈、しびれ等の精神神経系症状が発現し、増悪する傾向がある場合には、直ちに減量又は投与を中止する。また、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。

4.テルフェナジンとの併用により、他の抗不整脈薬<リン酸ジソピラミド>でQT延長、他の抗不整脈薬<リン酸ジソピラミド>で心室性不整脈を起こしたとの報告がある。

5.本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる場合があるので、恒久的ペースメーカー使用中、あるいは一時的ペーシング中の患者に対しては十分注意して投与する(また、ペースメーカー使用中の患者に投与する場合は適当な間隔でペーシング閾値を測定し、異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止する)。また、本剤は植え込み型除細動器(ICD)の除細動閾値を上昇させる場合があるので、ICD使用中の患者に本剤を追加投与した場合又は本剤の投与量の変更を行った場合には、十分に注意して経過観察を行う。

6.糖尿病性神経障害の患者に投与する場合:

1).糖尿病性神経障害の患者に投与する場合、本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であるので、漫然と投与しない。

2).糖尿病性神経障害の患者に対し1日300mgを超える投与での安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

3).糖尿病性神経障害において、2週間投与しても症状の改善が認められない場合は投与を中止し、血糖コントロールや食事療法等の適切な治療を継続する。

4).糖尿病性神経障害の患者では、下肢の状態を十分に観察する(本剤の投与により疼痛が緩解され、末梢血管障害性の下肢の潰瘍や壊疽の進行を看過する恐れがある)。

相互作用

本剤は、主として薬物代謝酵素CYP1A2及びCYP2D6で代謝される。

併用注意:

1.リドカイン、プロカインアミド、キニジン、アプリンジン、カルシウム拮抗剤、β受容体遮断剤[本剤の作用が増強することがある(両剤の陰性変力作用と変伝導作用が相加的又は相乗的に増強することがある)]。

2.アミオダロン[Torsades de Pointesを発現したとの報告がある(機序不明)]。

3.胃排出能を抑制する薬剤(モルヒネ等)[本剤の吸収が遅延することがある(モルヒネ等により胃の運動が低下し、胃内容排出時間が延長すると、本剤の吸収が遅延することがある)]。

4.肝薬物代謝酵素機能に影響を与える薬剤(特にチトクロームP−450系のCYP1A2及び2D6に影響を与える薬剤)[本剤の血中濃度に影響を与える恐れがある(チトクロームP−450(CYP1A2、2D6)による本剤の代謝が影響を受ける恐れがある)]。

5.シメチジン[本剤の血中濃度が上昇することがある(シメチジンによりチトクロームP−450の薬物代謝が阻害され本剤の血中濃度が上昇することがある)]。

6.リファンピシン、フェニトイン[本剤の血中濃度が低下することがある(本剤の代謝が促進されることがある)]。

7.テオフィリン[テオフィリンの血中濃度が上昇することがある(本剤はテオフィリンに比べ、チトクロームP−450への親和性が強く、テオフィリンの代謝が抑制される)]。

8.尿のpHをアルカリ化させる薬剤(炭酸水素ナトリウム等)[本剤の血中濃度が上昇することがある(アルカリ性尿は、本剤の腎排泄を抑制する)]。

9.尿のpHを酸性化させる薬剤(塩化アンモニウム等)[本剤の血中濃度が低下することがある(酸性尿は、本剤の腎排泄を促進する)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすいので、慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる[母乳中へ移行することが報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

1.症状:過量服用の結果、副作用の項に記載した悪心、眠気、徐脈、低血圧、痙攣、錯乱等の症状の他に、知覚異常及び心停止が現れたとの報告があるので注意する。また、症状に応じて適切な処置を行う。

2.処置方法:

1).一般的な対症療法が望ましいが、過量服用の可能性のある場合は必要に応じて胃洗浄を行う。

2).過量服用による重篤な徐脈、重篤な低血圧の場合、必要に応じてアトロピンを使用する等適切な処置を行う。

3).過量服用による痙攣等が現れた場合には、直ちに投与を中止し、ベンゾジアゼピン系薬剤等の投与、人工呼吸、酸素吸入等必要に応じて適切な処置を行う。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

2.服用時:食道に停留し、崩壊すると食道潰瘍を起こすことがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用等には注意する。

安定性試験:メキシレチン塩酸塩カプセル50mg「ツルハラ」、メキシレチン塩酸塩カプセル100mg「ツルハラ」は最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3年)の結果、性状及び含量等はいずれも規格に適合し、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

その他の注意

本剤とリドカインとの交叉過敏性(交叉アレルギー)についての証明はされていないが、本剤の投与により発現した副作用症状(過敏症状等)が、本剤の投与中止後、リドカイン投与により過敏症状が再発したとの報告がある。

保管上の注意

気密容器・遮光。

メキシレチン塩酸塩カプセル50mg「ツルハラ」
メキシレチン塩酸塩カプセル50mg「ツルハラ」

メキシレチン塩酸塩カプセル50mg「ツルハラ」

抗不整脈薬 > Naチャネル抑制薬 糖尿病性神経障害治療薬
2019年10月改訂(第11版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗不整脈薬 > Naチャネル抑制薬 糖尿病性神経障害治療薬
一般名メキシレチン塩酸塩50mgカプセル
薬価5.9
メーカー鶴原製薬
最終更新2019年10月改訂(第11版)

用法・用量

1.頻脈性不整脈(心室性):メキシレチン塩酸塩として、1日300mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は450mgまで増量し、1日3回に分割し食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

2.糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善:メキシレチン塩酸塩として、1日300mgを1日3回に分割し食後に経口投与する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.頻脈性不整脈<心室性>に投与する場合:1日用量450mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意する。

2.糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善を目的として投与する場合:

1).糖尿病性神経障害で2週間投与しても効果が認められない場合には、投与を中止する。

2).糖尿病性神経障害では1日300mgの用量を超えて投与しない。

効能・効果

1.頻脈性不整脈<心室性>。

2.糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、紅皮症:中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症が現れることがあるので、観察を十分に行い、紅斑、水疱・糜爛、結膜炎、口内炎、発熱等が現れた場合には、中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症の前駆症状である可能性があるため、投与を中止し、適切な処置を行う。

2).過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更にリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う(なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)。また、過敏症症候群に伴い、1型糖尿病を発症しケトアシドーシスに至った例も報告されているので、このような場合には、適切な処置を行う。

3).心室頻拍、房室ブロック:心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、房室ブロックが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行う。

4).腎不全:腎不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

5).幻覚、錯乱:幻覚、錯乱が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

6).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

7).間質性肺炎、好酸球性肺炎:間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

2.重大な副作用(類薬)

心停止、心室細動、失神、洞房ブロック、徐脈:本剤と類似のNaチャネル阻害作用を有する薬剤でこのような症状が現れることがあるので、定期的かつ必要に応じて心電図検査を実施し、異常が観察された場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

3.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。

1).循環器:(頻度不明)動悸、徐脈、起立時眩暈、QRS延長、血圧上昇、浮腫、胸部圧迫感、心房細動、低血圧。

2).消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、食欲不振、胸やけ、胃部不快感・腹部不快感、口渇、便秘、下痢、腹部膨満感、消化不良、腹痛、嚥下障害、口唇炎、舌炎、胃痛、食道炎、食道潰瘍。

3).精神神経系:(頻度不明)振戦、眩暈、しびれ感、眠気、頭痛、不眠、耳鳴、眼振、いらいら感、複視、発汗、意識障害、痙攣、譫妄、構音障害。

4).過敏症:(頻度不明)そう痒感、全身発疹、発熱、蕁麻疹、紅斑、多形紅斑(多形滲出性紅斑)[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。

5).肝臓:(頻度不明)尿ウロビリノゲン上昇。

6).腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇、腎機能障害。

7).血液:(頻度不明)白血球数異常、赤血球減少、血色素量減少、ヘマトクリット減少、血小板数異常、好酸球増多、リンパ球減少、好中球増多、顆粒球減少[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する]。

8).泌尿器:(頻度不明)排尿困難・尿閉、尿失禁。

9).その他:(頻度不明)咽頭違和感、苦味、倦怠感、咳、足のこわばり、血清カリウム上昇、総コレステロール上昇、脱力感、ほてり、味覚異常。

禁忌

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.重篤な刺激伝導障害(ペースメーカー未使用の2〜3度房室ブロック等)のある患者[刺激伝導障害の悪化、心停止を来すことがある]。

原則禁忌

糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善を目的として投与する場合:重篤な心不全を合併している患者[心不全を合併している糖尿病性神経障害患者に対する安全性は確立していない(使用経験がない)ので、重篤な心不全を合併している患者には、自覚症状(自発痛、しびれ感)に対する本剤の有益性が危険性(心不全の悪化、不整脈の誘発等)を上回ると判断される場合にのみ投与する]。

慎重投与

1.基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者[心機能抑制や催不整脈作用が出現することがある]。

2.軽度刺激伝導障害(不完全房室ブロック、脚ブロック等)のある患者[刺激伝導障害を悪化させることがある]。

3.著明な洞性徐脈のある患者[徐脈を悪化させることがある]。

4.重篤な肝障害・重篤な腎障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇することがある]。

5.心不全のある患者[心不全を悪化、不整脈を悪化・誘発させることがあり、また、本剤の血中濃度が上昇することがある]。

6.低血圧の患者[循環状態を悪化させることがある]。

7.パーキンソン症候群の患者[振戦を増強させることがある]。

8.高齢者。

9.血清カリウム低下のある患者[不整脈を誘発させることがある]。

10.他の抗不整脈薬による治療中の患者[有効性、安全性が確立していない]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べ、PQ延長、QRS幅増大、QT延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止する。特に、次の患者又は場合には、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施する。

1).心不全のある患者又は基礎心疾患があり心不全(心筋梗塞があり心不全、弁膜症があり心不全、心筋症があり心不全等)を来す恐れのある患者には、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施する[心室頻拍、心室細動等が発現する恐れが高いので、開始後1〜2週間は入院させる]。

2).高齢者には、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施する[入院させて開始することが望ましい]。

3).他の抗不整脈薬との併用の場合には、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施する[有効性、安全性が確立していない]。

2.紅斑、水疱・糜爛、結膜炎、口内炎、発熱等が現れた場合には中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、紅皮症の前駆症状である可能性があるため、紅斑、水疱・糜爛、結膜炎、口内炎、発熱等が現れた場合には投与を中止し、直ちに皮膚科専門医を受診させる等適切な処置を行う。

3.頭がボーとする、眩暈、しびれ等の精神神経系症状が発現し、増悪する傾向がある場合には、直ちに減量又は投与を中止する。また、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。

4.テルフェナジンとの併用により、他の抗不整脈薬<リン酸ジソピラミド>でQT延長、他の抗不整脈薬<リン酸ジソピラミド>で心室性不整脈を起こしたとの報告がある。

5.本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる場合があるので、恒久的ペースメーカー使用中、あるいは一時的ペーシング中の患者に対しては十分注意して投与する(また、ペースメーカー使用中の患者に投与する場合は適当な間隔でペーシング閾値を測定し、異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止する)。また、本剤は植え込み型除細動器(ICD)の除細動閾値を上昇させる場合があるので、ICD使用中の患者に本剤を追加投与した場合又は本剤の投与量の変更を行った場合には、十分に注意して経過観察を行う。

6.糖尿病性神経障害の患者に投与する場合:

1).糖尿病性神経障害の患者に投与する場合、本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であるので、漫然と投与しない。

2).糖尿病性神経障害の患者に対し1日300mgを超える投与での安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

3).糖尿病性神経障害において、2週間投与しても症状の改善が認められない場合は投与を中止し、血糖コントロールや食事療法等の適切な治療を継続する。

4).糖尿病性神経障害の患者では、下肢の状態を十分に観察する(本剤の投与により疼痛が緩解され、末梢血管障害性の下肢の潰瘍や壊疽の進行を看過する恐れがある)。

相互作用

本剤は、主として薬物代謝酵素CYP1A2及びCYP2D6で代謝される。

併用注意:

1.リドカイン、プロカインアミド、キニジン、アプリンジン、カルシウム拮抗剤、β受容体遮断剤[本剤の作用が増強することがある(両剤の陰性変力作用と変伝導作用が相加的又は相乗的に増強することがある)]。

2.アミオダロン[Torsades de Pointesを発現したとの報告がある(機序不明)]。

3.胃排出能を抑制する薬剤(モルヒネ等)[本剤の吸収が遅延することがある(モルヒネ等により胃の運動が低下し、胃内容排出時間が延長すると、本剤の吸収が遅延することがある)]。

4.肝薬物代謝酵素機能に影響を与える薬剤(特にチトクロームP−450系のCYP1A2及び2D6に影響を与える薬剤)[本剤の血中濃度に影響を与える恐れがある(チトクロームP−450(CYP1A2、2D6)による本剤の代謝が影響を受ける恐れがある)]。

5.シメチジン[本剤の血中濃度が上昇することがある(シメチジンによりチトクロームP−450の薬物代謝が阻害され本剤の血中濃度が上昇することがある)]。

6.リファンピシン、フェニトイン[本剤の血中濃度が低下することがある(本剤の代謝が促進されることがある)]。

7.テオフィリン[テオフィリンの血中濃度が上昇することがある(本剤はテオフィリンに比べ、チトクロームP−450への親和性が強く、テオフィリンの代謝が抑制される)]。

8.尿のpHをアルカリ化させる薬剤(炭酸水素ナトリウム等)[本剤の血中濃度が上昇することがある(アルカリ性尿は、本剤の腎排泄を抑制する)]。

9.尿のpHを酸性化させる薬剤(塩化アンモニウム等)[本剤の血中濃度が低下することがある(酸性尿は、本剤の腎排泄を促進する)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすいので、慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる[母乳中へ移行することが報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

1.症状:過量服用の結果、副作用の項に記載した悪心、眠気、徐脈、低血圧、痙攣、錯乱等の症状の他に、知覚異常及び心停止が現れたとの報告があるので注意する。また、症状に応じて適切な処置を行う。

2.処置方法:

1).一般的な対症療法が望ましいが、過量服用の可能性のある場合は必要に応じて胃洗浄を行う。

2).過量服用による重篤な徐脈、重篤な低血圧の場合、必要に応じてアトロピンを使用する等適切な処置を行う。

3).過量服用による痙攣等が現れた場合には、直ちに投与を中止し、ベンゾジアゼピン系薬剤等の投与、人工呼吸、酸素吸入等必要に応じて適切な処置を行う。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

2.服用時:食道に停留し、崩壊すると食道潰瘍を起こすことがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用等には注意する。

安定性試験:メキシレチン塩酸塩カプセル50mg「ツルハラ」、メキシレチン塩酸塩カプセル100mg「ツルハラ」は最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3年)の結果、性状及び含量等はいずれも規格に適合し、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

その他の注意

本剤とリドカインとの交叉過敏性(交叉アレルギー)についての証明はされていないが、本剤の投与により発現した副作用症状(過敏症状等)が、本剤の投与中止後、リドカイン投与により過敏症状が再発したとの報告がある。

保管上の注意

気密容器・遮光。

薬剤情報

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※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。