薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | イブプロフェン200mg錠 |
薬価 | 8.9円 |
メーカー | 武田テバファーマ |
最終更新 | 2021年02月改訂(第18版) |
1). 次記疾患並びに症状の消炎・鎮痛(関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑))、手術並びに外傷後の消炎・鎮痛:イブプロフェンとして、通常、成人は1日量600mgを3回に分けて経口投与する。
小児は、5〜7歳1日量200〜300mg、8〜10歳1日量300〜400mg、11〜15歳1日量400〜600mgを3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
2). 次記疾患の解熱・鎮痛(急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)):通常、成人にはイブプロフェンとして、1回量200mgを頓用する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大600mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
(用法及び用量に関連する注意)
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
1). 次記疾患並びに症状の消炎・鎮痛:関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑)。
2). 手術後並びに外傷後の消炎・鎮痛。
3). 次記疾患の解熱・鎮痛:急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)〔2.2、9.1.3参照〕。
11.1.3. 消化性潰瘍、胃腸出血、潰瘍性大腸炎(いずれも頻度不明)〔2.1、9.1.1、9.1.2、10.2参照〕。
11.1.4. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。
11.1.5. 急性腎障害、間質性腎炎、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.4、9.2.1、9.2.2、10.2参照〕。
11.1.6. 無菌性髄膜炎(頻度不明):項部硬直、発熱、頭痛、嘔気・嘔吐あるいは意識混濁等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(特にSLE又はMCTDの患者に発現しやすい)〔9.1.9、9.1.10参照〕。
11.1.7. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎、肝機能障害(黄疸、AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等)があらわれることがある〔2.3、9.3.1、9.3.2参照〕。
11.1.8. 喘息発作(頻度不明):喘鳴、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.8、9.1.7参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)血小板機能低下(出血時間延長)。
2). 消化器:(0.1〜5%未満)胃部不快感、腹痛、食欲不振、消化不良、嘔気・嘔吐、下痢、(0.1%未満)便秘、(頻度不明)口渇、口内炎、腹部膨満感。
3). 肝臓:(0.1〜5%未満)ALT上昇、(0.1%未満)Al−P上昇、(頻度不明)AST上昇、黄疸等。
4). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、蕁麻疹、(0.1%未満)そう痒感、湿疹、(頻度不明)紫斑。
5). 感覚器:(頻度不明)霧視等の視覚異常、難聴、耳鳴、味覚異常。
6). 精神神経系:(0.1〜5%未満)頭痛、眠気、(0.1%未満)めまい、(頻度不明)不眠、抑うつ。
7). 循環器:(頻度不明)動悸、血圧上昇、血圧低下。
8). その他:(0.1〜5%未満)浮腫、(頻度不明)倦怠感、発熱、鼻出血。
2.1. 消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による胃粘膜防御能の低下により、消化性潰瘍を悪化させることがある]〔9.1.1、11.1.3参照〕。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.3、11.1.2参照〕。
2.3. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1、11.1.7参照〕。
2.4. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1、11.1.5参照〕。
2.5. 重篤な心機能不全のある患者[心機能不全を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.5参照〕。
2.6. 重篤な高血圧症のある患者〔9.1.6参照〕。
2.7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.8. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させることがある]〔9.1.7、11.1.8参照〕。
2.9. ジドブジン投与中の患者〔10.1参照〕。
2.10. 妊娠後期の女性〔9.5.1参照〕。
8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を長期投与する場合には定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。
・ 慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.3. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、急性炎症、疼痛、発熱の程度を考慮し投与すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行うこと。
8.4. 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う幼小児及び高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)〔2.1、11.1.3参照〕。
9.1.2. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させることがある〔11.1.3参照〕。
9.1.3. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある〔2.2、11.1.2参照〕。
9.1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.5. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能異常を悪化させるおそれがある〔2.5参照〕。
9.1.6. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を上昇させるおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.7. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:アスピリン喘息でないことを十分に確認すること(気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発させることがある)〔2.8、11.1.8参照〕。
9.1.8. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。
9.1.9. 全身性エリテマトーデス(SLE)の患者:SLE症状(腎障害等)を悪化させるおそれがある〔11.1.6参照〕。
9.1.10. 混合性結合組織病(MCTD)の患者〔11.1.6参照〕。
9.1.11. 潰瘍性大腸炎の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
9.1.12. クローン病の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.4、11.1.5参照〕。
9.2.2. 腎障害<重篤な腎障害を除く>又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量低下している患者:腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがある〔11.1.5参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.3、11.1.7参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝障害を悪化又は再発させるおそれがある〔11.1.7参照〕。
本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。
10.1. 併用禁忌:
ジドブジン<レトロビル>〔2.9参照〕[血友病患者において出血傾向が増強したとの報告がある(機序は不明である)]。
10.2. 併用注意:
1). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること(ワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる)]。
2). アスピリン製剤<抗血小板剤として投与している場合>[アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある(血小板シクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられる)]。
3). 抗凝血剤(ワルファリン等)、抗血小板剤(クロピドグレル等)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミン、パロキセチン等)〔11.1.3参照〕[消化管出血が増強されるおそれがある(相互に作用を増強すると考えられる)]。
4). リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈したとの報告があるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与すること(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
5). チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド)、ループ利尿薬(フロセミド)[これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある(プロスタグランジン合成阻害作用により、水・ナトリウムの体内貯留が生じるためと考えられる)]。
6). ACE阻害剤(エナラプリル等)、β遮断剤(プロプラノロール等)[降圧作用が減弱するおそれがある(プロスタグランジン合成阻害作用により、血管拡張作用及び水・ナトリウムの排泄が抑制されるためと考えられる)]。
7). タクロリムス水和物〔11.1.5参照〕[急性腎障害があらわれたとの報告がある(プロスタグランジン合成阻害作用による腎障害がタクロリムス水和物の腎障害を助長するためと考えられる)]。
8). ニューキノロン系抗菌剤(エノキサシン水和物等)[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で併用により痙攣があらわれたとの報告がある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
9). メトトレキサート[メトトレキサートの作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること(プロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
10). コレスチラミン<経口>[本剤の血中濃度が低下するおそれがある(コレスチラミンは陰イオン交換樹脂であり、消化管内で本剤と結合して本剤の吸収が遅延・抑制されると考えられる)]。
11). スルホニル尿素系血糖降下剤(クロルプロパミド、グリベンクラミド等)[血糖降下作用を増強<低血糖>することがあるので、用量を調節するなど注意すること(これらの薬剤の血漿蛋白結合と競合し、遊離型薬剤が増加するためと考えられる)]。
12). CYP2C9阻害作用を有する薬剤(ボリコナゾール、フルコナゾール)[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害するためと考えられる)]。
高齢者:少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)。
(妊婦)
9.5.1. 妊娠後期の女性:投与しないこと(妊娠後期のラットに投与した実験で、胎仔動脈管収縮が報告されており、また、他の解熱鎮痛消炎剤を妊娠後期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)が起きたとの報告がある)〔2.10参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠後期を除く>又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。マウスの高用量(60mg/kg以上)投与群で着床数抑制及び生仔数抑制が認められている。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することが認められている)。
9.7.1. 低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | イブプロフェン200mg錠 |
薬価 | 8.9円 |
メーカー | 武田テバファーマ |
最終更新 | 2021年02月改訂(第18版) |
1). 次記疾患並びに症状の消炎・鎮痛(関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑))、手術並びに外傷後の消炎・鎮痛:イブプロフェンとして、通常、成人は1日量600mgを3回に分けて経口投与する。
小児は、5〜7歳1日量200〜300mg、8〜10歳1日量300〜400mg、11〜15歳1日量400〜600mgを3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
2). 次記疾患の解熱・鎮痛(急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)):通常、成人にはイブプロフェンとして、1回量200mgを頓用する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大600mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
(用法及び用量に関連する注意)
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
1). 次記疾患並びに症状の消炎・鎮痛:関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑)。
2). 手術後並びに外傷後の消炎・鎮痛。
3). 次記疾患の解熱・鎮痛:急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)〔2.2、9.1.3参照〕。
11.1.3. 消化性潰瘍、胃腸出血、潰瘍性大腸炎(いずれも頻度不明)〔2.1、9.1.1、9.1.2、10.2参照〕。
11.1.4. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。
11.1.5. 急性腎障害、間質性腎炎、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明):乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.4、9.2.1、9.2.2、10.2参照〕。
11.1.6. 無菌性髄膜炎(頻度不明):項部硬直、発熱、頭痛、嘔気・嘔吐あるいは意識混濁等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(特にSLE又はMCTDの患者に発現しやすい)〔9.1.9、9.1.10参照〕。
11.1.7. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎、肝機能障害(黄疸、AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等)があらわれることがある〔2.3、9.3.1、9.3.2参照〕。
11.1.8. 喘息発作(頻度不明):喘鳴、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.8、9.1.7参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)血小板機能低下(出血時間延長)。
2). 消化器:(0.1〜5%未満)胃部不快感、腹痛、食欲不振、消化不良、嘔気・嘔吐、下痢、(0.1%未満)便秘、(頻度不明)口渇、口内炎、腹部膨満感。
3). 肝臓:(0.1〜5%未満)ALT上昇、(0.1%未満)Al−P上昇、(頻度不明)AST上昇、黄疸等。
4). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、蕁麻疹、(0.1%未満)そう痒感、湿疹、(頻度不明)紫斑。
5). 感覚器:(頻度不明)霧視等の視覚異常、難聴、耳鳴、味覚異常。
6). 精神神経系:(0.1〜5%未満)頭痛、眠気、(0.1%未満)めまい、(頻度不明)不眠、抑うつ。
7). 循環器:(頻度不明)動悸、血圧上昇、血圧低下。
8). その他:(0.1〜5%未満)浮腫、(頻度不明)倦怠感、発熱、鼻出血。
2.1. 消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用による胃粘膜防御能の低下により、消化性潰瘍を悪化させることがある]〔9.1.1、11.1.3参照〕。
2.2. 重篤な血液異常のある患者[血液の異常を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.3、11.1.2参照〕。
2.3. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1、11.1.7参照〕。
2.4. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1、11.1.5参照〕。
2.5. 重篤な心機能不全のある患者[心機能不全を更に悪化させるおそれがある]〔9.1.5参照〕。
2.6. 重篤な高血圧症のある患者〔9.1.6参照〕。
2.7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.8. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させることがある]〔9.1.7、11.1.8参照〕。
2.9. ジドブジン投与中の患者〔10.1参照〕。
2.10. 妊娠後期の女性〔9.5.1参照〕。
8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を長期投与する場合には定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。
・ 慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.3. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、急性炎症、疼痛、発熱の程度を考慮し投与すること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行うこと。
8.4. 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う幼小児及び高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)〔2.1、11.1.3参照〕。
9.1.2. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させることがある〔11.1.3参照〕。
9.1.3. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある〔2.2、11.1.2参照〕。
9.1.4. 出血傾向のある患者:血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.5. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能異常を悪化させるおそれがある〔2.5参照〕。
9.1.6. 高血圧症<重篤な高血圧症を除く>のある患者:プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を上昇させるおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.7. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:アスピリン喘息でないことを十分に確認すること(気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発させることがある)〔2.8、11.1.8参照〕。
9.1.8. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。
9.1.9. 全身性エリテマトーデス(SLE)の患者:SLE症状(腎障害等)を悪化させるおそれがある〔11.1.6参照〕。
9.1.10. 混合性結合組織病(MCTD)の患者〔11.1.6参照〕。
9.1.11. 潰瘍性大腸炎の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
9.1.12. クローン病の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.4、11.1.5参照〕。
9.2.2. 腎障害<重篤な腎障害を除く>又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量低下している患者:腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがある〔11.1.5参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害を更に悪化させるおそれがある)〔2.3、11.1.7参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝障害を悪化又は再発させるおそれがある〔11.1.7参照〕。
本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。
10.1. 併用禁忌:
ジドブジン<レトロビル>〔2.9参照〕[血友病患者において出血傾向が増強したとの報告がある(機序は不明である)]。
10.2. 併用注意:
1). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること(ワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる)]。
2). アスピリン製剤<抗血小板剤として投与している場合>[アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある(血小板シクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられる)]。
3). 抗凝血剤(ワルファリン等)、抗血小板剤(クロピドグレル等)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミン、パロキセチン等)〔11.1.3参照〕[消化管出血が増強されるおそれがある(相互に作用を増強すると考えられる)]。
4). リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの血中濃度が上昇しリチウム中毒を呈したとの報告があるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与すること(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
5). チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド)、ループ利尿薬(フロセミド)[これら利尿薬の作用を減弱するとの報告がある(プロスタグランジン合成阻害作用により、水・ナトリウムの体内貯留が生じるためと考えられる)]。
6). ACE阻害剤(エナラプリル等)、β遮断剤(プロプラノロール等)[降圧作用が減弱するおそれがある(プロスタグランジン合成阻害作用により、血管拡張作用及び水・ナトリウムの排泄が抑制されるためと考えられる)]。
7). タクロリムス水和物〔11.1.5参照〕[急性腎障害があらわれたとの報告がある(プロスタグランジン合成阻害作用による腎障害がタクロリムス水和物の腎障害を助長するためと考えられる)]。
8). ニューキノロン系抗菌剤(エノキサシン水和物等)[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で併用により痙攣があらわれたとの報告がある(ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる)]。
9). メトトレキサート[メトトレキサートの作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること(プロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる)]。
10). コレスチラミン<経口>[本剤の血中濃度が低下するおそれがある(コレスチラミンは陰イオン交換樹脂であり、消化管内で本剤と結合して本剤の吸収が遅延・抑制されると考えられる)]。
11). スルホニル尿素系血糖降下剤(クロルプロパミド、グリベンクラミド等)[血糖降下作用を増強<低血糖>することがあるので、用量を調節するなど注意すること(これらの薬剤の血漿蛋白結合と競合し、遊離型薬剤が増加するためと考えられる)]。
12). CYP2C9阻害作用を有する薬剤(ボリコナゾール、フルコナゾール)[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(これらの薬剤は本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害するためと考えられる)]。
高齢者:少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)。
(妊婦)
9.5.1. 妊娠後期の女性:投与しないこと(妊娠後期のラットに投与した実験で、胎仔動脈管収縮が報告されており、また、他の解熱鎮痛消炎剤を妊娠後期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)が起きたとの報告がある)〔2.10参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠後期を除く>又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。マウスの高用量(60mg/kg以上)投与群で着床数抑制及び生仔数抑制が認められている。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することが認められている)。
9.7.1. 低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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