薬剤情報
後発品
薬効分類マクロライド系抗生物質
一般名アジスロマイシン水和物錠
薬価69.1
メーカー長生堂製薬
最終更新2020年05月改訂(第8版)

用法・用量

1.深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎:アジスロマイシンとして、500mg(力価)を1日1回、3日間合計1.5g(力価)を経口投与する。

2.尿道炎、子宮頚管炎:アジスロマイシンとして、1000mg(力価)を1回経口投与する。

3.骨盤内炎症性疾患:アジスロマイシン注射剤による治療を行った後、アジスロマイシンとして250mg(力価)を1日1回経口投与する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認する。

2.本剤で治療を開始し、4日目以降においても臨床症状が不変もしくは臨床症状が悪化の場合には、医師の判断で適切な他の薬剤に変更する。但し、尿道炎、子宮頚管炎の場合にはアジスロマイシン投与開始後2〜4週間は経過を観察し、効果を判定し、細菌学的検査結果又は臨床症状から効果が認められない場合には医師の判断で適切な他の薬剤に変更する。

3.外国の臨床における体内動態試験の成績から、本剤500mg(力価)を1日1回3日間経口投与することにより、感受性菌に対して有効な組織内濃度が約7日間持続することが予測されているので、注射剤による治療が適応されない感染症の治療に必要な投与期間は3日間とする。但し、尿道炎、子宮頚管炎の場合は本剤1000mg(力価)を1回経口投与することにより、アジスロマイシン感性のトラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に対して有効な組織内濃度が約10日間持続することが予測されているので、治療に必要な投与回数は1回とする。

4.肺炎については、症状に応じてアジスロマイシン注射剤から治療を開始する必要性を判断する。なお、肺炎については、アジスロマイシン注射剤による治療を行った肺炎に対して、本剤に切り替える場合は、症状に応じて投与期間を変更することができる。

5.アジスロマイシン注射剤から本剤へ切り替え、総投与期間が10日を超える場合は、経過観察を十分に行う。

1).肺炎:アジスロマイシン注射剤からアジスロマイシン錠剤へ切り替えた臨床試験は、医師が経口投与可能と判断した時点で、注射剤からアジスロマイシン錠剤に切り替えアジスロマイシン注射剤の投与期間は2〜5日間、総投与期間は合計7〜10日間で実施され、総投与期間として10日間を超える投与経験は少ないため、アジスロマイシン注射剤から本剤へ切り替え、総投与期間が10日を超える場合は、経過観察を十分に行う。

2).骨盤内炎症性疾患:アジスロマイシン注射剤からアジスロマイシン錠剤へ切り替えた臨床試験は、医師が経口投与可能と判断した時点で、アジスロマイシン注射剤からアジスロマイシン錠剤に切り替え、アジスロマイシン注射剤の投与期間は1〜2日間、総投与期間は合計7日間で実施され、総投与期間として7日間を超える投与経験はないため、アジスロマイシン注射剤から本剤へ切り替え、総投与期間が10日を超える場合は、経過観察を十分に行う。

6.レジオネラ・ニューモフィラに対して、アジスロマイシン注射剤による治療を実施せずに本剤のみで治療した場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験が少ない)。

7.骨盤内炎症性疾患に対して、アジスロマイシン注射剤による治療を実施せずに本剤のみで治療した場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験はない)。

効能・効果

深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、尿道炎、子宮頚管炎、骨盤内炎症性疾患、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎。

効能・効果(補足)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

1.淋菌を適応菌種とするのは、骨盤内炎症性疾患の適応症に限る。

2.咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、副鼻腔炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与する。

適応菌種

アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ・カタラーリス(ブランハメラ・カタラーリス)、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、クラミジア属、マイコプラズマ属。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

2).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う(これらの副作用は本剤の投与中又は投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意する)。

3).薬剤性過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)。

4).肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全:肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

5).急性腎障害:急性腎障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

6).偽膜性大腸炎、出血性大腸炎:偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎が現れることがあるので、腹痛、頻回の下痢、血便等が現れた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。

7).間質性肺炎、好酸球性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

8).QT延長、心室性頻脈(Torsades de Pointesを含む):QT延長、心室性頻脈(Torsades de Pointesを含む)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う(なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意する)。

9).白血球減少、顆粒球減少、血小板減少:白血球減少、顆粒球減少、血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

10).横紋筋融解症:横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意する。

その他の副作用

2.その他の副作用:次のような症状が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。

1).皮膚:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎増悪、光線過敏性反応、紅斑、皮膚水疱、皮膚剥離、多形紅斑、寝汗、多汗症、皮膚乾燥、皮膚変色、脱毛[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。

2).血液:(頻度不明)好酸球数増加、白血球数減少、血小板数増加、好塩基球数増加、顆粒球数減少、プロトロンビン時間延長、血小板数減少、貧血、リンパ球数減少、ヘモグロビン減少、白血球数増加。

3).血管障害:(頻度不明)血栓性静脈炎、潮紅。

4).循環器:(頻度不明)血圧低下、動悸、血圧上昇。

5).肝臓:(頻度不明)ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、Al−P増加、γ−GTP増加、LDH増加、肝機能検査異常、血中ビリルビン増加。

6).腎臓:(頻度不明)BUN増加、尿中蛋白陽性、クレアチニン増加、腎臓痛、排尿困難、尿潜血陽性、頻尿。

7).消化器:(頻度不明)下痢、腹痛、悪心、嘔吐、腹部不快感、腹部膨満、便秘、口内炎、消化不良、食欲不振、鼓腸放屁、口唇の荒れ、黒毛舌、舌炎、舌苔、腹鳴、舌変色、口のしびれ感・舌のしびれ感、おくび、胃炎、口内乾燥、唾液増加、膵炎、アフタ性口内炎、口腔内不快感、消化管障害、口唇炎。

8).精神・神経系:(頻度不明)頭痛、眩暈、灼熱感、傾眠、味覚異常、感覚鈍麻、不眠症、失神、痙攣、振戦、激越、嗅覚異常、無嗅覚、神経過敏、不安、錯感覚、攻撃性。

9).感染症:(頻度不明)カンジダ症、胃腸炎、真菌感染、咽頭炎、皮膚感染、肺炎、β溶血性レンサ球菌感染、膣炎。

10).眼:(頻度不明)結膜炎、眼瞼浮腫、霧視、ぶどう膜炎、眼痛、視力障害。

11).筋骨格系:(頻度不明)筋肉痛、関節痛、頚部痛、背部痛、四肢痛、関節腫脹。

12).呼吸器:(頻度不明)咳嗽、呼吸困難、嗄声、鼻出血、アレルギー性鼻炎、くしゃみ、ラ音、気管障害、低音性連続性ラ音、鼻部障害、鼻閉、鼻漏、羊鳴性気管支音、痰貯留。

13).耳:(頻度不明)耳痛、難聴、耳鳴、聴力低下、耳障害。

14).生殖器:(頻度不明)卵巣嚢腫、精巣痛、不正子宮出血。

15).代謝:(頻度不明)血中カリウム減少、血中カリウム増加、脱水、血中重炭酸塩減少、低カリウム血症。

16).注入部位:(頻度不明)疼痛、血管外漏出、紅斑。

17).その他:(頻度不明)発熱、口渇、気分不良、倦怠感、浮遊感、胸痛、無力症、浮腫、低体温、不整脈、咽喉頭異物感、局所腫脹、粘膜異常感覚、疼痛、疲労。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

慎重投与

1.他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.高度肝機能障害のある患者[肝機能を悪化させる恐れがあるので、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与する]。

3.心疾患のある患者[QT延長、心室性頻脈(Torsades de Pointesを含む)をおこすことがある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.アナフィラキシー・ショックが現れる恐れがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行う。

2.ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)が現れることがあるので注意する(また、本剤は組織内半減期が長いことから、前記副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意する)。

3.本剤の使用にあたっては、事前に患者に対して、次の点を指導する:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状[発疹に加え粘膜(口唇、眼、外陰部)の糜爛あるいは水ぶくれ等の症状]が現れた場合は服用を中止し、直ちに医師に連絡する(服用終了後も前記症状が現れることがあるので症状が現れた場合は直ちに医師に連絡する)。

4.意識障害等が現れることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明する。

5.本剤は組織内半減期が長いことから、投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので、観察を十分に行うなど注意する。

相互作用

1.併用注意:

1).制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)[本剤の最高血中濃度低下の報告がある(機序不明)]。

2).ワルファリン[国際標準化プロトロンビン比上昇の報告がある(マクロライド系薬剤はワルファリンの肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、ワルファリンの作用が増強することがあるが、本剤での機序の詳細は明らかではない)]。

3).シクロスポリン[シクロスポリンの最高血中濃度の上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある(マクロライド系薬剤はシクロスポリンの主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、シクロスポリンの血中濃度が上昇することがあるが、本剤での機序の詳細は明らかではない)]。

4).ネルフィナビルメシル酸塩[本剤の1200mg投与で、本剤の濃度・時間曲線下面積<AUC>及び平均最高血中濃度の上昇の報告がある(機序不明)]。

5).ジゴキシン[本剤との併用により、ジゴキシン中毒の発現リスク上昇の報告がある(P−糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、ジゴキシンの血中濃度が上昇することを示唆した報告があるが、本剤での機序の詳細は明らかではない)]。

6).ベネトクラクス[ベネトクラクスの効果が減弱する恐れがあるので、併用を避けることが望ましい(機序は不明であるが、ベネトクラクスの血中濃度が低下する可能性がある)]。

2.他のマクロライド系薬剤において、次記薬剤による相互作用が報告されている。なお、本剤のチトクロームP450による代謝は確認されていない。

1).テオフィリン、ミダゾラム、トリアゾラム、カルバマゼピン、フェニトイン[これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強される恐れがある(他のマクロライド系薬剤において、相互作用が報告されている)]。

2).エルゴタミン含有製剤[四肢の虚血をおこすことがある(他のマクロライド系薬剤において、相互作用が報告されている)]。

3.他の抗菌剤との相互作用:本剤と他の抗菌剤との相互作用に関しては、これまでの国内又は外国における臨床試験成績から、マクロライド系、ペニシリン系、キノロン系、テトラサイクリン系、セフェム系及びカルバペネム系抗菌剤との間で相互作用によると考えられる有害事象の報告はない。しかしながら、本剤の組織内濃度持続時間は長いため、投与終了後も他の抗菌剤との間に相加作用又は相乗作用の可能性は否定できないので、本剤投与後に切り替える場合には観察を十分に行うなど注意する。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

アジスロマイシン水和物製剤の臨床試験成績から、高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では、生理機能が低下しており、血中・組織内濃度が高くなることがあるので、患者の一般状態に注意して投与する。なお、高度肝機能障害を有する高齢者の場合は、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与し、投与後に異常が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行う(なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行う)。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦:妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。

2.授乳婦:ヒト母乳中に移行することが報告されているので、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させる。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

1.低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

2.他社製剤の承認時において、小児で白血球数減少が認められたのは442例中33例で、このうち9例において好中球数が1000/mm3以下に減少し、白血球数減少が認められた症例の多くは、投与開始7日後あるいは8日後の検査日において回復がみられたので、顆粒球数減少(好中球数減少)もあわせて十分観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、必要があれば、他の抗菌薬に切り替えた上、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行う。

3.他社製剤の承認時の小児における下痢の発現頻度は、2歳未満(124例中8例)では2歳以上(602例中6例)と比べて高いので注意し、これらの症状が認められた場合には症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行う。

4.他社製剤による市販後の自発報告において、小児における興奮の報告が成人に比べて多い傾向が認められているので注意する。

過量投与

1.症状:本剤の過量投与により聴力障害をおこす可能性がある、処置:異常が認められた場合には投与を中止し、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行う(なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行う)。

2.症状:外国臨床試験で総投与量が1.5gを超えた症例において、消化器症状増加が認められている、処置:これらの症状が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行う(なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行う)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他の注意

1.ラットの受胎能及び一般生殖能試験(雄2カ月以上、雌2週間以上投与)で、20mg/kg投与の雄雌に受胎率低下が認められた。

2.動物(ラット、イヌ)に20〜100mg/kgを1〜6カ月間反復投与した場合に様々な組織(眼球網膜、肝臓、肺臓、胆嚢、腎臓、脾臓、脈絡叢、末梢神経等)にリン脂質空胞形成がみられたが、投薬中止後消失することが確認されている。なお、リン脂質空胞はアジスロマイシン−リン脂質複合体を形成することによる組織像と解釈され、その毒性学的意義は低い。

3.本剤との因果関係は不明だが、心悸亢進、間質性腎炎、肝壊死、運動亢進が現れたとの報告がある。

アジスロマイシン錠250mg「JG」
アジスロマイシン錠250mg「JG」

アジスロマイシン錠250mg「JG」

マクロライド系抗生物質
2020年05月改訂(第8版)
薬剤情報
後発品
薬効分類マクロライド系抗生物質
一般名アジスロマイシン水和物錠
薬価69.1
メーカー長生堂製薬
最終更新2020年05月改訂(第8版)

用法・用量

1.深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎:アジスロマイシンとして、500mg(力価)を1日1回、3日間合計1.5g(力価)を経口投与する。

2.尿道炎、子宮頚管炎:アジスロマイシンとして、1000mg(力価)を1回経口投与する。

3.骨盤内炎症性疾患:アジスロマイシン注射剤による治療を行った後、アジスロマイシンとして250mg(力価)を1日1回経口投与する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認する。

2.本剤で治療を開始し、4日目以降においても臨床症状が不変もしくは臨床症状が悪化の場合には、医師の判断で適切な他の薬剤に変更する。但し、尿道炎、子宮頚管炎の場合にはアジスロマイシン投与開始後2〜4週間は経過を観察し、効果を判定し、細菌学的検査結果又は臨床症状から効果が認められない場合には医師の判断で適切な他の薬剤に変更する。

3.外国の臨床における体内動態試験の成績から、本剤500mg(力価)を1日1回3日間経口投与することにより、感受性菌に対して有効な組織内濃度が約7日間持続することが予測されているので、注射剤による治療が適応されない感染症の治療に必要な投与期間は3日間とする。但し、尿道炎、子宮頚管炎の場合は本剤1000mg(力価)を1回経口投与することにより、アジスロマイシン感性のトラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に対して有効な組織内濃度が約10日間持続することが予測されているので、治療に必要な投与回数は1回とする。

4.肺炎については、症状に応じてアジスロマイシン注射剤から治療を開始する必要性を判断する。なお、肺炎については、アジスロマイシン注射剤による治療を行った肺炎に対して、本剤に切り替える場合は、症状に応じて投与期間を変更することができる。

5.アジスロマイシン注射剤から本剤へ切り替え、総投与期間が10日を超える場合は、経過観察を十分に行う。

1).肺炎:アジスロマイシン注射剤からアジスロマイシン錠剤へ切り替えた臨床試験は、医師が経口投与可能と判断した時点で、注射剤からアジスロマイシン錠剤に切り替えアジスロマイシン注射剤の投与期間は2〜5日間、総投与期間は合計7〜10日間で実施され、総投与期間として10日間を超える投与経験は少ないため、アジスロマイシン注射剤から本剤へ切り替え、総投与期間が10日を超える場合は、経過観察を十分に行う。

2).骨盤内炎症性疾患:アジスロマイシン注射剤からアジスロマイシン錠剤へ切り替えた臨床試験は、医師が経口投与可能と判断した時点で、アジスロマイシン注射剤からアジスロマイシン錠剤に切り替え、アジスロマイシン注射剤の投与期間は1〜2日間、総投与期間は合計7日間で実施され、総投与期間として7日間を超える投与経験はないため、アジスロマイシン注射剤から本剤へ切り替え、総投与期間が10日を超える場合は、経過観察を十分に行う。

6.レジオネラ・ニューモフィラに対して、アジスロマイシン注射剤による治療を実施せずに本剤のみで治療した場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験が少ない)。

7.骨盤内炎症性疾患に対して、アジスロマイシン注射剤による治療を実施せずに本剤のみで治療した場合の有効性及び安全性は確立していない(投与経験はない)。

効能・効果

深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、尿道炎、子宮頚管炎、骨盤内炎症性疾患、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎。

効能・効果(補足)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

1.淋菌を適応菌種とするのは、骨盤内炎症性疾患の適応症に限る。

2.咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、副鼻腔炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与する。

適応菌種

アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ・カタラーリス(ブランハメラ・カタラーリス)、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、クラミジア属、マイコプラズマ属。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

2).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う(これらの副作用は本剤の投与中又は投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意する)。

3).薬剤性過敏症症候群:初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV−6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)。

4).肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全:肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

5).急性腎障害:急性腎障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

6).偽膜性大腸炎、出血性大腸炎:偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎が現れることがあるので、腹痛、頻回の下痢、血便等が現れた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。

7).間質性肺炎、好酸球性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

8).QT延長、心室性頻脈(Torsades de Pointesを含む):QT延長、心室性頻脈(Torsades de Pointesを含む)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う(なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意する)。

9).白血球減少、顆粒球減少、血小板減少:白血球減少、顆粒球減少、血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

10).横紋筋融解症:横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意する。

その他の副作用

2.その他の副作用:次のような症状が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。

1).皮膚:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎増悪、光線過敏性反応、紅斑、皮膚水疱、皮膚剥離、多形紅斑、寝汗、多汗症、皮膚乾燥、皮膚変色、脱毛[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。

2).血液:(頻度不明)好酸球数増加、白血球数減少、血小板数増加、好塩基球数増加、顆粒球数減少、プロトロンビン時間延長、血小板数減少、貧血、リンパ球数減少、ヘモグロビン減少、白血球数増加。

3).血管障害:(頻度不明)血栓性静脈炎、潮紅。

4).循環器:(頻度不明)血圧低下、動悸、血圧上昇。

5).肝臓:(頻度不明)ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、Al−P増加、γ−GTP増加、LDH増加、肝機能検査異常、血中ビリルビン増加。

6).腎臓:(頻度不明)BUN増加、尿中蛋白陽性、クレアチニン増加、腎臓痛、排尿困難、尿潜血陽性、頻尿。

7).消化器:(頻度不明)下痢、腹痛、悪心、嘔吐、腹部不快感、腹部膨満、便秘、口内炎、消化不良、食欲不振、鼓腸放屁、口唇の荒れ、黒毛舌、舌炎、舌苔、腹鳴、舌変色、口のしびれ感・舌のしびれ感、おくび、胃炎、口内乾燥、唾液増加、膵炎、アフタ性口内炎、口腔内不快感、消化管障害、口唇炎。

8).精神・神経系:(頻度不明)頭痛、眩暈、灼熱感、傾眠、味覚異常、感覚鈍麻、不眠症、失神、痙攣、振戦、激越、嗅覚異常、無嗅覚、神経過敏、不安、錯感覚、攻撃性。

9).感染症:(頻度不明)カンジダ症、胃腸炎、真菌感染、咽頭炎、皮膚感染、肺炎、β溶血性レンサ球菌感染、膣炎。

10).眼:(頻度不明)結膜炎、眼瞼浮腫、霧視、ぶどう膜炎、眼痛、視力障害。

11).筋骨格系:(頻度不明)筋肉痛、関節痛、頚部痛、背部痛、四肢痛、関節腫脹。

12).呼吸器:(頻度不明)咳嗽、呼吸困難、嗄声、鼻出血、アレルギー性鼻炎、くしゃみ、ラ音、気管障害、低音性連続性ラ音、鼻部障害、鼻閉、鼻漏、羊鳴性気管支音、痰貯留。

13).耳:(頻度不明)耳痛、難聴、耳鳴、聴力低下、耳障害。

14).生殖器:(頻度不明)卵巣嚢腫、精巣痛、不正子宮出血。

15).代謝:(頻度不明)血中カリウム減少、血中カリウム増加、脱水、血中重炭酸塩減少、低カリウム血症。

16).注入部位:(頻度不明)疼痛、血管外漏出、紅斑。

17).その他:(頻度不明)発熱、口渇、気分不良、倦怠感、浮遊感、胸痛、無力症、浮腫、低体温、不整脈、咽喉頭異物感、局所腫脹、粘膜異常感覚、疼痛、疲労。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

慎重投与

1.他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.高度肝機能障害のある患者[肝機能を悪化させる恐れがあるので、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与する]。

3.心疾患のある患者[QT延長、心室性頻脈(Torsades de Pointesを含む)をおこすことがある]。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.アナフィラキシー・ショックが現れる恐れがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行う。

2.ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)が現れることがあるので注意する(また、本剤は組織内半減期が長いことから、前記副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意する)。

3.本剤の使用にあたっては、事前に患者に対して、次の点を指導する:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状[発疹に加え粘膜(口唇、眼、外陰部)の糜爛あるいは水ぶくれ等の症状]が現れた場合は服用を中止し、直ちに医師に連絡する(服用終了後も前記症状が現れることがあるので症状が現れた場合は直ちに医師に連絡する)。

4.意識障害等が現れることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明する。

5.本剤は組織内半減期が長いことから、投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので、観察を十分に行うなど注意する。

相互作用

1.併用注意:

1).制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)[本剤の最高血中濃度低下の報告がある(機序不明)]。

2).ワルファリン[国際標準化プロトロンビン比上昇の報告がある(マクロライド系薬剤はワルファリンの肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、ワルファリンの作用が増強することがあるが、本剤での機序の詳細は明らかではない)]。

3).シクロスポリン[シクロスポリンの最高血中濃度の上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある(マクロライド系薬剤はシクロスポリンの主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、シクロスポリンの血中濃度が上昇することがあるが、本剤での機序の詳細は明らかではない)]。

4).ネルフィナビルメシル酸塩[本剤の1200mg投与で、本剤の濃度・時間曲線下面積<AUC>及び平均最高血中濃度の上昇の報告がある(機序不明)]。

5).ジゴキシン[本剤との併用により、ジゴキシン中毒の発現リスク上昇の報告がある(P−糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、ジゴキシンの血中濃度が上昇することを示唆した報告があるが、本剤での機序の詳細は明らかではない)]。

6).ベネトクラクス[ベネトクラクスの効果が減弱する恐れがあるので、併用を避けることが望ましい(機序は不明であるが、ベネトクラクスの血中濃度が低下する可能性がある)]。

2.他のマクロライド系薬剤において、次記薬剤による相互作用が報告されている。なお、本剤のチトクロームP450による代謝は確認されていない。

1).テオフィリン、ミダゾラム、トリアゾラム、カルバマゼピン、フェニトイン[これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強される恐れがある(他のマクロライド系薬剤において、相互作用が報告されている)]。

2).エルゴタミン含有製剤[四肢の虚血をおこすことがある(他のマクロライド系薬剤において、相互作用が報告されている)]。

3.他の抗菌剤との相互作用:本剤と他の抗菌剤との相互作用に関しては、これまでの国内又は外国における臨床試験成績から、マクロライド系、ペニシリン系、キノロン系、テトラサイクリン系、セフェム系及びカルバペネム系抗菌剤との間で相互作用によると考えられる有害事象の報告はない。しかしながら、本剤の組織内濃度持続時間は長いため、投与終了後も他の抗菌剤との間に相加作用又は相乗作用の可能性は否定できないので、本剤投与後に切り替える場合には観察を十分に行うなど注意する。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

アジスロマイシン水和物製剤の臨床試験成績から、高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では、生理機能が低下しており、血中・組織内濃度が高くなることがあるので、患者の一般状態に注意して投与する。なお、高度肝機能障害を有する高齢者の場合は、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与し、投与後に異常が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行う(なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行う)。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦:妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。

2.授乳婦:ヒト母乳中に移行することが報告されているので、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させる。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

1.低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

2.他社製剤の承認時において、小児で白血球数減少が認められたのは442例中33例で、このうち9例において好中球数が1000/mm3以下に減少し、白血球数減少が認められた症例の多くは、投与開始7日後あるいは8日後の検査日において回復がみられたので、顆粒球数減少(好中球数減少)もあわせて十分観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、必要があれば、他の抗菌薬に切り替えた上、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行う。

3.他社製剤の承認時の小児における下痢の発現頻度は、2歳未満(124例中8例)では2歳以上(602例中6例)と比べて高いので注意し、これらの症状が認められた場合には症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行う。

4.他社製剤による市販後の自発報告において、小児における興奮の報告が成人に比べて多い傾向が認められているので注意する。

過量投与

1.症状:本剤の過量投与により聴力障害をおこす可能性がある、処置:異常が認められた場合には投与を中止し、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行う(なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行う)。

2.症状:外国臨床試験で総投与量が1.5gを超えた症例において、消化器症状増加が認められている、処置:これらの症状が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行う(なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行う)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他の注意

1.ラットの受胎能及び一般生殖能試験(雄2カ月以上、雌2週間以上投与)で、20mg/kg投与の雄雌に受胎率低下が認められた。

2.動物(ラット、イヌ)に20〜100mg/kgを1〜6カ月間反復投与した場合に様々な組織(眼球網膜、肝臓、肺臓、胆嚢、腎臓、脾臓、脈絡叢、末梢神経等)にリン脂質空胞形成がみられたが、投薬中止後消失することが確認されている。なお、リン脂質空胞はアジスロマイシン−リン脂質複合体を形成することによる組織像と解釈され、その毒性学的意義は低い。

3.本剤との因果関係は不明だが、心悸亢進、間質性腎炎、肝壊死、運動亢進が現れたとの報告がある。

薬剤情報

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