子宮頸癌ワクチン
薬効分類 | 子宮頸癌ワクチン |
一般名 | 組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン (酵母由来) |
薬価 | 0円 |
メーカー | MSD |
最終更新 | 2023年03月改訂(第1版) |
9歳以上の女性に、1回0.5mLを合計3回、筋肉内に注射する。通常、2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後に同様の用法で接種する。
9歳以上15歳未満の女性は、初回接種から6〜12ヵ月の間隔を置いた合計2回の接種とすることができる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 接種間隔
7.1.1. 9歳以上の女性に合計3回の接種をする場合、1年以内に3回の接種を終了することが望ましい(本剤の2回目及び3回目の接種が初回の2ヵ月後及び6ヵ月後にできない場合、2回目接種は初回から少なくとも1ヵ月以上、3回目接種は2回目から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施する)。
7.1.2. 9歳以上15歳未満の女性に合計2回の接種をする場合、13ヵ月後までに接種することが望ましい(なお、本剤の2回目の接種を初回接種から6ヵ月以上間隔を置いて実施できない場合、2回目の接種は初回接種から少なくとも5ヵ月以上間隔を置いて実施すること)。
9歳以上15歳未満の女性への2回目の接種が初回接種から5ヵ月後未満であった場合、3回目の接種を実施すること(この場合、3回目の接種は2回目の接種から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施すること)。
7.2. 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる〔14.1.1参照〕。
ヒトパピローマウイルス6型、ヒトパピローマウイルス11型、ヒトパピローマウイルス16型、ヒトパピローマウイルス18型、ヒトパピローマウイルス31型、ヒトパピローマウイルス33型、ヒトパピローマウイルス45型、ヒトパピローマウイルス52型及びヒトパピローマウイルス58型の感染に起因する次の疾患の予防:子宮頸癌<扁平上皮癌>及び子宮頸癌<腺癌>及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍1(CIN1)、子宮頸部上皮内腫瘍2(CIN2)及び子宮頸部上皮内腫瘍3(CIN3)並びに子宮頸部上皮内腺癌(AIS))、外陰上皮内腫瘍1(VIN1)、外陰上皮内腫瘍2(VIN2)及び外陰上皮内腫瘍3(VIN3)並びに腟上皮内腫瘍1(VaIN1)、腟上皮内腫瘍2(VaIN2)及び腟上皮内腫瘍3(VaIN3)、尖圭コンジローマ。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. HPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型以外のHPV感染に起因する子宮頸癌又はその前駆病変等の予防効果は確認されていない。
5.2. 接種時に感染が成立しているHPVの排除及び既に生じているHPV関連の病変の進行予防効果は期待できない。
5.3. 本剤の接種は定期的な子宮頸癌検診の代わりとなるものではない。本剤接種に加え、子宮頸癌検診の受診やHPVへの曝露、性感染症に対し注意することが重要である。
5.4. 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副反応
11.1.1. 過敏症反応(アナフィラキシー(頻度不明*)、気管支痙攣(頻度不明*)、蕁麻疹(頻度不明*)等)。
11.1.2. ギラン・バレー症候群(頻度不明*):四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射減弱ないし腱反射消失等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.3. 血小板減少性紫斑病(頻度不明*):紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の異常が認められた場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
11.1.4. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明*):接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、痙攣、運動障害、意識障害等があらわれることがあるので、本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
*本剤又はガーダシルの自発報告で認められた副反応。
11.2. その他の副反応
1). 感染症及び寄生虫症:(0.5〜1%未満)上咽頭炎、インフルエンザ、(頻度不明*)蜂巣炎。
2). 血液及びリンパ系障害:(頻度不明*)リンパ節症。
3). 神経系障害:(10%以上)頭痛、(1〜10%未満)浮動性めまい、(頻度不明*)感覚鈍麻、失神(強直間代運動を伴うことがある)。
4). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1〜10%未満)口腔咽頭痛。
5). 胃腸障害:(1〜10%未満)悪心、下痢、(0.5〜1%未満)嘔吐、上腹部痛、腹痛。
6). 筋骨格系及び結合組織障害:(0.5〜1%未満)筋肉痛、関節痛、(頻度不明*)四肢痛。
7). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%以上)注射部位疼痛(89.8%)、注射部位腫脹(39.4%)、注射部位紅斑(33.7%)、(1〜10%未満)注射部位そう痒感、発熱、疲労、注射部位内出血、注射部位腫瘤、(0.5〜1%未満)注射部位出血、注射部位血腫、注射部位熱感、倦怠感、注射部位硬結、注射部位反応、注射部位知覚低下、無力症、(頻度不明*)悪寒、注射部位知覚消失。
*本剤又はガーダシルの自発報告で認められた副反応。
発現頻度は臨床試験(001試験、008試験及び066試験)に基づき算出した。
(接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者))
2.1. 明らかな発熱を呈している者。
2.2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
2.3. 本剤の成分に対して過敏症を呈したことがあることが明らかな者。
2.4. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
8.1. 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3. 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保つよう指導すること。また、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合は、速やかに医師へ連絡するよう指導すること。
8.4. ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
8.5. 発生機序は不明であるが、ワクチン接種後に、注射部位に限局しない激しい疼痛(激しい筋肉痛、激しい関節痛、激しい皮膚の痛み等)、しびれ、脱力等があらわれ、長期間症状が持続する例が報告されているため、異常が認められた場合には、神経学的・免疫学的な鑑別診断を含めた適切な診療が可能な医療機関を受診させるなどの対応を行うこと。
8.6. 本剤と他のHPVワクチンの互換性に関する安全性、免疫原性、有効性のデータはない。
(特定の背景を有する者に関する注意)
(接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者))
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判定を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応及び有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1. 血小板減少症や凝固障害を有する者:本剤接種後に出血があらわれるおそれがある。
9.1.2. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者〔9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
9.1.3. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
9.1.4. 過去に痙攣の既往のある者。
9.1.5. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者:免疫抑制療法、遺伝的欠損、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染あるいは他の要因のいずれかによる免疫応答障害を有する被接種者は、能動免疫の抗体産生反応が低下することがある。また、HIV感染患者に対する本剤の安全性、免疫原性及び有効性は十分に評価されていない〔10.2参照〕。
9.1.6. 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者。
9.1.7. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
(腎機能障害を有する者)
腎機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.2参照〕。
(肝機能障害を有する者)
肝機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.2参照〕。
10.2. 併用注意:
免疫抑制剤(コルチコステロイド、代謝拮抗剤、アルキル化剤、細胞毒性剤)〔9.1.5参照〕[抗体産生反応が低下する可能性がある(本剤は、被接種者に抗原を接種し、抗体を産生させることを目的としているが、免疫抑制剤等により、免疫機能が低下することから、これらの薬剤との併用では、十分な免疫応答が得られないおそれがある)]。
45歳を超える成人を対象とした臨床試験は実施していない。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること〔9.1.7参照〕。
(授乳婦)
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤及び本剤に対する抗体がヒト乳汁中へ移行するかは不明である)。
9歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤接種時の注意
14.1.1. 接種時
(1). 誤って凍結させたものは品質が変化しているおそれがあるので、使用してはならない。
(2). 冷蔵庫から取り出して室温に戻し、使用前には十分に振り混ぜ均等にし、できるだけ速やかに使用すること。
(3). 使用前には異常な混濁、着色、異物の混入その他の異常がないかを確認し、異常を認めたものは使用しないこと。
(4). 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと〔7.2参照〕。
(5). 注射針は被接種者毎に取り換えること。
(6). 注射針の先端が血管内に刺入していないことを確認すること。
(7). 「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ使用方法」に従い接種準備を行うこと。
14.1.2. 接種部位
(1). 本剤は筋肉内注射のみに使用し、皮下注射又は静脈内注射はしないこと。
(2). 接種部位は、通常、上腕の三角筋部とし、当該部位への接種が困難な場合は、大腿前外側部への接種を考慮すること。臀部には接種しないこと。
(3). 接種部位はアルコールで消毒し、同一部位に反復して接種することは避けること。
(4). 筋肉内注射に当たっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。
・ 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
・ 神経走行部位を避けること。
・ 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
(保管上の注意)
2〜8℃、凍結を避けること。
(保険給付上の注意)
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
(シルガード9水性懸濁筋注シリンジ使用方法)
本剤は筋注用である。
1). 冷蔵庫から取り出し、室温に戻してから速やかに使用する。
・ 誤って凍結させたものは品質が変化しているおそれがあるので使用しない。
・ ワクチン名、製造番号、最終有効年月日を確認する。
・ 最終有効年月日が過ぎたものは使用しない。
2). 予防接種(筋注用)の注射針を用意する。
・ 注射針は添付されていない。
・ シルガード9の接種は、23〜25Gの注射針が推奨される。これより細い針は懸濁液が通らない可能性があるため勧められない。
・ 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定する。
3). 包装箱からシリンジを取り出し、プランジャー(押子、内筒)が緩んでいないか確認する。
・ プランジャーとガスケットの接合は、ねじ込み式のため、取り扱い時に接続が緩むおそれがある。
・ 緩んでいる場合には、キャップを押さえ、プランジャーを時計回りに回転させてガスケットにねじ込み、しっかり固定する。
・ 緩んでいる場合でも、しっかり固定することにより安全に使用できる。
4). 異常がないかを確認してから、振り混ぜて均一にする。
・ 異常な混濁、着色、異物の混入などが認められた場合は使用しない。
5). シリンジのキャップを外し、用意した注射針を時計回りにねじ込み、しっかり固定する。
・ シリンジ本体を持って、先端部にあるキャップを時計と反対回りにねじって外す(その際、シリンジ先端に触れない)。
・ 次に、ルアーロックアダプターをしっかり保持したまま、注射針を時計回りに回転させてねじ込み、しっかり固定する。
*ルアーロックアダプターを保持せず注射針を回転させた場合、ルアーロックアダプターが注射針と共に回転し、しっかり固定できないおそれがある。
*注射針の取り付けが強すぎたり、弱すぎると、針基が割れたり、シリンジ先端と針基に隙間が生じて液漏れを引き起こすおそれがある。
6). 注射針キャップを外し、全量を筋肉内注射する。
・ シリンジ内の気泡を除去する場合には、注射液を減じないように注意する。
・ 皮膚面に垂直に針を刺し、上腕の三角筋部に筋肉内注射する。当該部位への接種が困難な場合は、大腿前外側部への接種を考慮する。
・ 三角筋又は外側広筋に針が十分達するように刺入する。
・ 静脈内又は皮下には接種しない。
*:接種部位としては、前後の腋窩ひだの上縁を結ぶ線(上腕と体幹が分かれる高さ)と肩峰中央からの垂線の交点も推奨されている。
7). 使い終わったら、医療廃棄物として適切に廃棄する(シリンジ及び注射針は、医療廃棄物扱いである)。
薬効分類 | 子宮頸癌ワクチン |
一般名 | 組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン (酵母由来) |
薬価 | 0円 |
メーカー | MSD |
最終更新 | 2023年03月改訂(第1版) |
9歳以上の女性に、1回0.5mLを合計3回、筋肉内に注射する。通常、2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後に同様の用法で接種する。
9歳以上15歳未満の女性は、初回接種から6〜12ヵ月の間隔を置いた合計2回の接種とすることができる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 接種間隔
7.1.1. 9歳以上の女性に合計3回の接種をする場合、1年以内に3回の接種を終了することが望ましい(本剤の2回目及び3回目の接種が初回の2ヵ月後及び6ヵ月後にできない場合、2回目接種は初回から少なくとも1ヵ月以上、3回目接種は2回目から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施する)。
7.1.2. 9歳以上15歳未満の女性に合計2回の接種をする場合、13ヵ月後までに接種することが望ましい(なお、本剤の2回目の接種を初回接種から6ヵ月以上間隔を置いて実施できない場合、2回目の接種は初回接種から少なくとも5ヵ月以上間隔を置いて実施すること)。
9歳以上15歳未満の女性への2回目の接種が初回接種から5ヵ月後未満であった場合、3回目の接種を実施すること(この場合、3回目の接種は2回目の接種から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施すること)。
7.2. 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる〔14.1.1参照〕。
ヒトパピローマウイルス6型、ヒトパピローマウイルス11型、ヒトパピローマウイルス16型、ヒトパピローマウイルス18型、ヒトパピローマウイルス31型、ヒトパピローマウイルス33型、ヒトパピローマウイルス45型、ヒトパピローマウイルス52型及びヒトパピローマウイルス58型の感染に起因する次の疾患の予防:子宮頸癌<扁平上皮癌>及び子宮頸癌<腺癌>及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍1(CIN1)、子宮頸部上皮内腫瘍2(CIN2)及び子宮頸部上皮内腫瘍3(CIN3)並びに子宮頸部上皮内腺癌(AIS))、外陰上皮内腫瘍1(VIN1)、外陰上皮内腫瘍2(VIN2)及び外陰上皮内腫瘍3(VIN3)並びに腟上皮内腫瘍1(VaIN1)、腟上皮内腫瘍2(VaIN2)及び腟上皮内腫瘍3(VaIN3)、尖圭コンジローマ。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. HPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型以外のHPV感染に起因する子宮頸癌又はその前駆病変等の予防効果は確認されていない。
5.2. 接種時に感染が成立しているHPVの排除及び既に生じているHPV関連の病変の進行予防効果は期待できない。
5.3. 本剤の接種は定期的な子宮頸癌検診の代わりとなるものではない。本剤接種に加え、子宮頸癌検診の受診やHPVへの曝露、性感染症に対し注意することが重要である。
5.4. 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副反応
11.1.1. 過敏症反応(アナフィラキシー(頻度不明*)、気管支痙攣(頻度不明*)、蕁麻疹(頻度不明*)等)。
11.1.2. ギラン・バレー症候群(頻度不明*):四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射減弱ないし腱反射消失等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.3. 血小板減少性紫斑病(頻度不明*):紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の異常が認められた場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
11.1.4. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明*):接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、痙攣、運動障害、意識障害等があらわれることがあるので、本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
*本剤又はガーダシルの自発報告で認められた副反応。
11.2. その他の副反応
1). 感染症及び寄生虫症:(0.5〜1%未満)上咽頭炎、インフルエンザ、(頻度不明*)蜂巣炎。
2). 血液及びリンパ系障害:(頻度不明*)リンパ節症。
3). 神経系障害:(10%以上)頭痛、(1〜10%未満)浮動性めまい、(頻度不明*)感覚鈍麻、失神(強直間代運動を伴うことがある)。
4). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1〜10%未満)口腔咽頭痛。
5). 胃腸障害:(1〜10%未満)悪心、下痢、(0.5〜1%未満)嘔吐、上腹部痛、腹痛。
6). 筋骨格系及び結合組織障害:(0.5〜1%未満)筋肉痛、関節痛、(頻度不明*)四肢痛。
7). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%以上)注射部位疼痛(89.8%)、注射部位腫脹(39.4%)、注射部位紅斑(33.7%)、(1〜10%未満)注射部位そう痒感、発熱、疲労、注射部位内出血、注射部位腫瘤、(0.5〜1%未満)注射部位出血、注射部位血腫、注射部位熱感、倦怠感、注射部位硬結、注射部位反応、注射部位知覚低下、無力症、(頻度不明*)悪寒、注射部位知覚消失。
*本剤又はガーダシルの自発報告で認められた副反応。
発現頻度は臨床試験(001試験、008試験及び066試験)に基づき算出した。
(接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者))
2.1. 明らかな発熱を呈している者。
2.2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
2.3. 本剤の成分に対して過敏症を呈したことがあることが明らかな者。
2.4. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
8.1. 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3. 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保つよう指導すること。また、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合は、速やかに医師へ連絡するよう指導すること。
8.4. ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
8.5. 発生機序は不明であるが、ワクチン接種後に、注射部位に限局しない激しい疼痛(激しい筋肉痛、激しい関節痛、激しい皮膚の痛み等)、しびれ、脱力等があらわれ、長期間症状が持続する例が報告されているため、異常が認められた場合には、神経学的・免疫学的な鑑別診断を含めた適切な診療が可能な医療機関を受診させるなどの対応を行うこと。
8.6. 本剤と他のHPVワクチンの互換性に関する安全性、免疫原性、有効性のデータはない。
(特定の背景を有する者に関する注意)
(接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者))
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判定を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応及び有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1. 血小板減少症や凝固障害を有する者:本剤接種後に出血があらわれるおそれがある。
9.1.2. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者〔9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
9.1.3. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
9.1.4. 過去に痙攣の既往のある者。
9.1.5. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者:免疫抑制療法、遺伝的欠損、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染あるいは他の要因のいずれかによる免疫応答障害を有する被接種者は、能動免疫の抗体産生反応が低下することがある。また、HIV感染患者に対する本剤の安全性、免疫原性及び有効性は十分に評価されていない〔10.2参照〕。
9.1.6. 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者。
9.1.7. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
(腎機能障害を有する者)
腎機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.2参照〕。
(肝機能障害を有する者)
肝機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.2参照〕。
10.2. 併用注意:
免疫抑制剤(コルチコステロイド、代謝拮抗剤、アルキル化剤、細胞毒性剤)〔9.1.5参照〕[抗体産生反応が低下する可能性がある(本剤は、被接種者に抗原を接種し、抗体を産生させることを目的としているが、免疫抑制剤等により、免疫機能が低下することから、これらの薬剤との併用では、十分な免疫応答が得られないおそれがある)]。
45歳を超える成人を対象とした臨床試験は実施していない。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること〔9.1.7参照〕。
(授乳婦)
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤及び本剤に対する抗体がヒト乳汁中へ移行するかは不明である)。
9歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤接種時の注意
14.1.1. 接種時
(1). 誤って凍結させたものは品質が変化しているおそれがあるので、使用してはならない。
(2). 冷蔵庫から取り出して室温に戻し、使用前には十分に振り混ぜ均等にし、できるだけ速やかに使用すること。
(3). 使用前には異常な混濁、着色、異物の混入その他の異常がないかを確認し、異常を認めたものは使用しないこと。
(4). 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと〔7.2参照〕。
(5). 注射針は被接種者毎に取り換えること。
(6). 注射針の先端が血管内に刺入していないことを確認すること。
(7). 「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ使用方法」に従い接種準備を行うこと。
14.1.2. 接種部位
(1). 本剤は筋肉内注射のみに使用し、皮下注射又は静脈内注射はしないこと。
(2). 接種部位は、通常、上腕の三角筋部とし、当該部位への接種が困難な場合は、大腿前外側部への接種を考慮すること。臀部には接種しないこと。
(3). 接種部位はアルコールで消毒し、同一部位に反復して接種することは避けること。
(4). 筋肉内注射に当たっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。
・ 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
・ 神経走行部位を避けること。
・ 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
(保管上の注意)
2〜8℃、凍結を避けること。
(保険給付上の注意)
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
(シルガード9水性懸濁筋注シリンジ使用方法)
本剤は筋注用である。
1). 冷蔵庫から取り出し、室温に戻してから速やかに使用する。
・ 誤って凍結させたものは品質が変化しているおそれがあるので使用しない。
・ ワクチン名、製造番号、最終有効年月日を確認する。
・ 最終有効年月日が過ぎたものは使用しない。
2). 予防接種(筋注用)の注射針を用意する。
・ 注射針は添付されていない。
・ シルガード9の接種は、23〜25Gの注射針が推奨される。これより細い針は懸濁液が通らない可能性があるため勧められない。
・ 針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定する。
3). 包装箱からシリンジを取り出し、プランジャー(押子、内筒)が緩んでいないか確認する。
・ プランジャーとガスケットの接合は、ねじ込み式のため、取り扱い時に接続が緩むおそれがある。
・ 緩んでいる場合には、キャップを押さえ、プランジャーを時計回りに回転させてガスケットにねじ込み、しっかり固定する。
・ 緩んでいる場合でも、しっかり固定することにより安全に使用できる。
4). 異常がないかを確認してから、振り混ぜて均一にする。
・ 異常な混濁、着色、異物の混入などが認められた場合は使用しない。
5). シリンジのキャップを外し、用意した注射針を時計回りにねじ込み、しっかり固定する。
・ シリンジ本体を持って、先端部にあるキャップを時計と反対回りにねじって外す(その際、シリンジ先端に触れない)。
・ 次に、ルアーロックアダプターをしっかり保持したまま、注射針を時計回りに回転させてねじ込み、しっかり固定する。
*ルアーロックアダプターを保持せず注射針を回転させた場合、ルアーロックアダプターが注射針と共に回転し、しっかり固定できないおそれがある。
*注射針の取り付けが強すぎたり、弱すぎると、針基が割れたり、シリンジ先端と針基に隙間が生じて液漏れを引き起こすおそれがある。
6). 注射針キャップを外し、全量を筋肉内注射する。
・ シリンジ内の気泡を除去する場合には、注射液を減じないように注意する。
・ 皮膚面に垂直に針を刺し、上腕の三角筋部に筋肉内注射する。当該部位への接種が困難な場合は、大腿前外側部への接種を考慮する。
・ 三角筋又は外側広筋に針が十分達するように刺入する。
・ 静脈内又は皮下には接種しない。
*:接種部位としては、前後の腋窩ひだの上縁を結ぶ線(上腕と体幹が分かれる高さ)と肩峰中央からの垂線の交点も推奨されている。
7). 使い終わったら、医療廃棄物として適切に廃棄する(シリンジ及び注射針は、医療廃棄物扱いである)。
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