薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | ジクロフェナクナトリウム坐剤 |
薬価 | 20.3円 |
メーカー | 鶴原製薬 |
最終更新 | 2016年07月改訂(第13版) |
1.成人:ジクロフェナクナトリウムとして1回25〜50mgを1日1〜2回、直腸内に挿入するが、年齢、症状に応じ低用量投与が望ましい。低体温によるショックを起こすことがあるので、高齢者に投与する場合には少量から投与を開始する。
2.小児:ジクロフェナクナトリウムとして1回の投与に体重1kgあたり0.5〜1.0mgを1日1〜2回、直腸内に挿入する。なお、年齢、症状に応じ低用量投与が望ましい。低体温によるショックを起こすことがあるので、少量から投与を開始する。
年齢別投与量の目安は1回量として次記のとおりである。
1歳以上3歳未満:6.25mg。
3歳以上6歳未満:6.25〜12.5mg。
6歳以上9歳未満:12.5mg。
9歳以上12歳未満:12.5〜25mg。
1.次記疾患並びに症状の鎮痛・消炎:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、後陣痛。
2.手術後の鎮痛・消炎。
3.他の解熱剤では効果が期待できないか、あるいは、他の解熱剤の投与が不可能な場合の急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の緊急解熱。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明):次記のような副作用が現れることがある。このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
1).ショック(胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、四肢冷却、血圧低下、意識障害等)、アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)。
2).出血性ショック又は穿孔を伴う消化管潰瘍。
3).消化管の狭窄・閉塞(消化管潰瘍に伴い、消化管狭窄・消化管閉塞が現れることがある)。
4).再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少。
5).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)。
6).急性腎不全(間質性腎炎、腎乳頭壊死等)(症状・検査所見:乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等)、ネフローゼ症候群。
7).重症喘息発作(アスピリン喘息)。
8).間質性肺炎。
9).うっ血性心不全、心筋梗塞。
10).無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等)[特にSLE又はMCTD等のある患者では注意する]。
11).重篤な肝障害(劇症肝炎、広範な肝壊死等)。
12).急性脳症(特に、かぜ様症状に引き続き、激しい嘔吐、意識障害、痙攣等の異常が認められた場合には、ライ症候群の可能性を考慮する)。
13).横紋筋融解症(急激な腎機能悪化を伴うことがある)(症状:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等)。
14).脳血管障害。
2.その他の副作用(頻度不明)
1).消化器:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、軟便及び直腸粘膜刺激、消化性潰瘍、胃腸出血、便秘、食欲不振、口内炎、胃炎、吐血、下血、胃痛、小腸潰瘍・大腸潰瘍、出血性大腸炎、クローン病悪化又は潰瘍性大腸炎悪化、膵炎、食道障害。
2).血液:貧血、出血傾向、血小板機能低下(出血時間延長)。
3).肝臓:AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)、肝障害、黄疸。
4).皮膚:光線過敏症、紫斑、皮膚そう痒症、多形紅斑。
5).過敏症:発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、喘息発作、アレルギー性紫斑、血管浮腫。
6).精神神経系:眠気、眩暈、頭痛、不眠、神経過敏、しびれ、振戦、錯乱、幻覚、痙攣、抑うつ、不安、記憶障害。
7).感覚器:耳鳴、視覚異常(霧視等)、味覚障害、聴覚障害。
8).循環器:血圧低下、血圧上昇、動悸、頻脈。
9).その他:浮腫、発熱、胸痛、全身倦怠感、発汗、脱毛、血管炎。
幼小児・高齢者又は消耗性疾患の患者は、過度の体温下降・血圧低下によるショック症状が現れやすいので、これらの患者には特に慎重に投与する。
1.消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させる]。
2.重篤な血液異常のある患者[副作用として血液障害が報告されているため血液の異常を悪化させる恐れがある]。
3.重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されているため肝障害を悪化させることがある]。
4.重篤な腎障害のある患者[腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化させることがある]。
5.重篤な高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧を更に上昇させる恐れがある]。
6.重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させる恐れがある]。
7.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.直腸炎、直腸出血又は痔疾のある患者[粘膜刺激作用によりこれらの症状が悪化することがある]。
9.アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発する]。
10.インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の患者。
11.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
12.トリアムテレン投与中の患者。
1.消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがある]。
2.血液異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させる恐れがある]。
3.出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため出血傾向を助長する恐れがある]。
4.肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある]。
5.腎障害又はその既往歴のある患者[腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化又は誘発することがある]。
6.腎血流量低下しやすい患者[心機能障害のある患者、利尿剤投与中や腎機能に著しい影響を与える薬剤投与中の患者、腹水を伴う肝硬変のある患者、大手術後、高齢者等では有効循環血液量が低下傾向にあり、腎血流量が低下しやすいので、腎不全を誘発する恐れがある]。
7.高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧を更に上昇させる恐れがある]。
8.心機能障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させる恐れがある]。
9.SLE(全身性エリテマトーデス)の患者[SLE症状(腎障害等)を悪化させる恐れがある]。
10.過敏症の既往歴のある患者。
11.気管支喘息のある患者[気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では重症喘息発作を誘発する]。
12.潰瘍性大腸炎の患者[症状が悪化したとの報告がある]。
13.クローン病の患者[症状が悪化したとの報告がある]。
14.高齢者及び幼小児[副作用、特に過度の体温下降・血圧低下によるショック症状が現れやすい]。
15.非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与する]。
(重要な基本的注意)
1.ジクロフェナクナトリウム製剤を投与後にライ症候群を発症したとの報告があり、また、同効類薬(サリチル酸系医薬品)とライ症候群との関連性を示す海外の疫学調査報告があるので、本剤を小児のウイルス性疾患の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する[ライ症候群:水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である]。
2.消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意する。
3.患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に留意する。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が現れることがあるので、特に高熱を伴う幼小児及び高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意する。
4.重篤な肝障害が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察する。特に連用する場合は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また、肝障害に先行して、あるいは同時に急激な意識障害が現れることがある。
5.慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮する。
1).慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行い、また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずる。
2).慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮する。
6.急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮する。
1).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、急性炎症、疼痛及び発熱の程度を考慮し、投与する。
2).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避ける。
3).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行う。
7.感染症を不顕性化する恐れがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分行い慎重に投与する。
8.他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
9.高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与する。
10.本剤投与中に眠気、眩暈、霧視を訴える患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意する。
本剤は主に代謝酵素CYP2C9で代謝される。
1.併用禁忌:トリアムテレン<トリテレン>[急性腎不全が現れたとの報告がある(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、トリアムテレンの腎障害を増大すると考えられる)]。
2.併用注意:
1).CYP2C9を阻害する薬剤(ボリコナゾール等)[本剤のCmaxとAUCが増加することがある(これらの薬剤は本剤の代謝酵素であるCYP2C9を阻害する)]。
2).ニューキノロン系抗菌剤(エノキサシン等)[痙攣を起こす恐れがあるので、痙攣が発現した場合には、気道を確保し、ジアゼパムの静注等を行う(ニューキノロン系抗菌剤が脳内の抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体結合を濃度依存的に阻害し、ある種の非ステロイド性抗炎症剤との共存下ではその阻害作用が増強されることが動物で報告されている)]。
3).リチウム、強心配糖体(ジゴキシン等)、メトトレキサート[これらの薬剤の血中濃度を高めその作用を増強することがあるので、必要に応じて、これらの薬剤の用量を調節する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の腎クリアランスが低下するためと考えられる)]。
4).アスピリン:
(1).アスピリン[相互に作用が減弱されることがある(アスピリンは本剤の血漿蛋白結合を減少させ、血漿クリアランスを増加させることにより、その血中濃度を減少させ、逆に、本剤により、アスピリンの尿中排泄量が増加するとの報告がある)]。
(2).アスピリン[消化器系の副作用を増強させる恐れがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる恐れがある)]。
5).非ステロイド性消炎鎮痛剤[相互に胃腸障害等が増強されることがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる恐れがある)]。
6).副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)[相互に副作用<特に胃腸障害等>が増強されることがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる)]。
7).降圧剤:
(1).降圧剤(β−遮断剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤等)[これらの薬剤の降圧作用を減弱することがあるので、用量に注意する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の血圧低下作用を減弱する恐れがある)]。
(2).降圧剤(β−遮断剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤等)[腎機能を悪化させる恐れがある(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる<危険因子>高齢者)]。
8).利尿剤(ヒドロクロロチアジド、フロセミド等)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあるので、血圧、利尿効果を観察し、必要に応じてこれらの薬剤の増量を考慮する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の利尿効果を減弱する恐れがある)]。
9).カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、カンレノ酸)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあり、また、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現する恐れがある(プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害)]。
10).抗アルドステロン剤(エプレレノン)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあり、また、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現する恐れがある(プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害)]。
11).抗凝血剤及び抗血小板薬(ワルファリン、レビパリン、クロピドグレル、エノキサパリン等)[出血の危険性が増大するとの報告があるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行う(本剤の血小板機能阻害作用とこれらの薬剤の作用により、出血の危険性が増大する)]。
12).シクロスポリン:
(1).シクロスポリン[シクロスポリンによる腎障害を増強するとの報告があるので、腎機能を定期的にモニターしながら慎重に投与する(機序は十分解明されていないが、本剤はシクロスポリンによる腎障害に対して保護的な作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、腎障害を増大すると考えられる)]。
(2).シクロスポリン[高カリウム血症が現れる恐れがあるので、血清カリウム値に注意する(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
13).ドロスピレノン・エチニルエストラジオール[高カリウム血症が現れる恐れがあるので、血清カリウム値に注意する(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
14).コレスチラミン<経口>[本剤の血中濃度が低下する恐れがあるので、コレスチラミンによる吸収阻害を避けるため、コレスチラミン投与前4時間若しくは投与後4〜6時間以上、又は可能な限り間隔をあけて慎重に投与する(コレスチラミンは陰イオン交換樹脂であり、消化管内で胆汁酸、陰イオン性物質や酸性物質等と結合してその吸収を遅延・抑制させる)]。
15).選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミン、パロキセチン)[消化管出血が現れることがあるので、注意して投与する(これらの薬剤の投与により血小板凝集が阻害され、併用により出血傾向が増強すると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、副作用が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠中の投与で、胎児に動脈管収縮・動脈管閉鎖、徐脈、羊水過少が起きたとの報告があり、胎児死亡例も報告されている。また、分娩に近い時期での投与で、胎児循環持続症(PFC)、動脈管開存、新生児肺高血圧、乏尿が起きたとの報告があり、新生児死亡例も報告されている]。
2.子宮収縮を抑制することがある。
3.本剤投与中は授乳を避けさせる[母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
1.ウイルス性疾患の小児(水痘の小児、インフルエンザの小児等)の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する。
2.新生児及び乳児は、一般に体温調節機構が不完全なため、本剤の投与により過度の体温下降を起こす可能性があるので、新生児及び乳児には、過度の体温上昇等やむを得ない場合にのみ投与する。
1.徴候・症状:過量投与に関する情報は少なく、典型的な臨床症状は確立していない。
2.処置:非ステロイド性消炎鎮痛剤による過量投与時には、通常次のような処置が行われる;低血圧、腎不全、痙攣、胃腸障害、呼吸抑制等に対しては支持療法及び対症療法を行う。蛋白結合率が高いため、過量投与時、強制利尿、血液透析等は、ジクロフェナクの除去にはそれほど有用ではないと考えられる。
(適用上の注意)
使用時:
1.直腸投与による外用にのみ使用する。
2.本剤はできるだけ排便後に投与する。
1.安定性試験:ジクロフェナクNa坐剤12.5mg「ツルハラ」、及びジクロフェナクNa坐剤25mg「ツルハラ」の最終包装製品を承認の貯蔵方法である冷所で5年間保存した場合、性状、確認試験、溶融試験、定量試験の結果はいずれも規格内であり、5年間安定であることが確認された。
2.坐剤のとり出し方:
1).切れ目を利用してまずコンテナーを添付文書の図1のように切りはなす。
2).添付文書の図2の上部の合せ目を矢印の如くはぎ破り坐剤をとり出す。
3.使用方法:この坐剤は肛門内に挿入するものであり、内服するものではない。
4.本剤は冷所(冷蔵庫など)に保管する。もし、軟化して使用困難な場合には、コンテナーのまま坐剤の先端を下向きに垂直に立て、冷水或は冷蔵庫などで冷やし、硬くしてから用いる。
5.小児の手の届かないところに保存する。
1.インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した患者(主としてインフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した小児)のうち、ジクロフェナクナトリウムを投与された例で予後不良例が多いとする報告がある。
2.インフルエンザ脳炎・脳症例の病理学的検討において脳血管の損傷が認められるとの報告があり、また、ジクロフェナクナトリウムは血管内皮修復に関与するシクロオキシゲナーゼ活性の抑制作用が強いとの報告がある。
3.外国において、肝性ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発する恐れがあるとの報告がある。
4.非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
冷所保存。
薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | ジクロフェナクナトリウム坐剤 |
薬価 | 20.3円 |
メーカー | 鶴原製薬 |
最終更新 | 2016年07月改訂(第13版) |
1.成人:ジクロフェナクナトリウムとして1回25〜50mgを1日1〜2回、直腸内に挿入するが、年齢、症状に応じ低用量投与が望ましい。低体温によるショックを起こすことがあるので、高齢者に投与する場合には少量から投与を開始する。
2.小児:ジクロフェナクナトリウムとして1回の投与に体重1kgあたり0.5〜1.0mgを1日1〜2回、直腸内に挿入する。なお、年齢、症状に応じ低用量投与が望ましい。低体温によるショックを起こすことがあるので、少量から投与を開始する。
年齢別投与量の目安は1回量として次記のとおりである。
1歳以上3歳未満:6.25mg。
3歳以上6歳未満:6.25〜12.5mg。
6歳以上9歳未満:12.5mg。
9歳以上12歳未満:12.5〜25mg。
1.次記疾患並びに症状の鎮痛・消炎:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、後陣痛。
2.手術後の鎮痛・消炎。
3.他の解熱剤では効果が期待できないか、あるいは、他の解熱剤の投与が不可能な場合の急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の緊急解熱。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明):次記のような副作用が現れることがある。このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
1).ショック(胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、四肢冷却、血圧低下、意識障害等)、アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)。
2).出血性ショック又は穿孔を伴う消化管潰瘍。
3).消化管の狭窄・閉塞(消化管潰瘍に伴い、消化管狭窄・消化管閉塞が現れることがある)。
4).再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少。
5).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)。
6).急性腎不全(間質性腎炎、腎乳頭壊死等)(症状・検査所見:乏尿、血尿、尿蛋白、BUN上昇・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等)、ネフローゼ症候群。
7).重症喘息発作(アスピリン喘息)。
8).間質性肺炎。
9).うっ血性心不全、心筋梗塞。
10).無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等)[特にSLE又はMCTD等のある患者では注意する]。
11).重篤な肝障害(劇症肝炎、広範な肝壊死等)。
12).急性脳症(特に、かぜ様症状に引き続き、激しい嘔吐、意識障害、痙攣等の異常が認められた場合には、ライ症候群の可能性を考慮する)。
13).横紋筋融解症(急激な腎機能悪化を伴うことがある)(症状:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等)。
14).脳血管障害。
2.その他の副作用(頻度不明)
1).消化器:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、軟便及び直腸粘膜刺激、消化性潰瘍、胃腸出血、便秘、食欲不振、口内炎、胃炎、吐血、下血、胃痛、小腸潰瘍・大腸潰瘍、出血性大腸炎、クローン病悪化又は潰瘍性大腸炎悪化、膵炎、食道障害。
2).血液:貧血、出血傾向、血小板機能低下(出血時間延長)。
3).肝臓:AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)、肝障害、黄疸。
4).皮膚:光線過敏症、紫斑、皮膚そう痒症、多形紅斑。
5).過敏症:発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、喘息発作、アレルギー性紫斑、血管浮腫。
6).精神神経系:眠気、眩暈、頭痛、不眠、神経過敏、しびれ、振戦、錯乱、幻覚、痙攣、抑うつ、不安、記憶障害。
7).感覚器:耳鳴、視覚異常(霧視等)、味覚障害、聴覚障害。
8).循環器:血圧低下、血圧上昇、動悸、頻脈。
9).その他:浮腫、発熱、胸痛、全身倦怠感、発汗、脱毛、血管炎。
幼小児・高齢者又は消耗性疾患の患者は、過度の体温下降・血圧低下によるショック症状が現れやすいので、これらの患者には特に慎重に投与する。
1.消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させる]。
2.重篤な血液異常のある患者[副作用として血液障害が報告されているため血液の異常を悪化させる恐れがある]。
3.重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されているため肝障害を悪化させることがある]。
4.重篤な腎障害のある患者[腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化させることがある]。
5.重篤な高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧を更に上昇させる恐れがある]。
6.重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させる恐れがある]。
7.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.直腸炎、直腸出血又は痔疾のある患者[粘膜刺激作用によりこれらの症状が悪化することがある]。
9.アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発する]。
10.インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の患者。
11.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
12.トリアムテレン投与中の患者。
1.消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがある]。
2.血液異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させる恐れがある]。
3.出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため出血傾向を助長する恐れがある]。
4.肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある]。
5.腎障害又はその既往歴のある患者[腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化又は誘発することがある]。
6.腎血流量低下しやすい患者[心機能障害のある患者、利尿剤投与中や腎機能に著しい影響を与える薬剤投与中の患者、腹水を伴う肝硬変のある患者、大手術後、高齢者等では有効循環血液量が低下傾向にあり、腎血流量が低下しやすいので、腎不全を誘発する恐れがある]。
7.高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧を更に上昇させる恐れがある]。
8.心機能障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させる恐れがある]。
9.SLE(全身性エリテマトーデス)の患者[SLE症状(腎障害等)を悪化させる恐れがある]。
10.過敏症の既往歴のある患者。
11.気管支喘息のある患者[気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では重症喘息発作を誘発する]。
12.潰瘍性大腸炎の患者[症状が悪化したとの報告がある]。
13.クローン病の患者[症状が悪化したとの報告がある]。
14.高齢者及び幼小児[副作用、特に過度の体温下降・血圧低下によるショック症状が現れやすい]。
15.非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与する]。
(重要な基本的注意)
1.ジクロフェナクナトリウム製剤を投与後にライ症候群を発症したとの報告があり、また、同効類薬(サリチル酸系医薬品)とライ症候群との関連性を示す海外の疫学調査報告があるので、本剤を小児のウイルス性疾患の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する[ライ症候群:水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である]。
2.消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意する。
3.患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に留意する。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等が現れることがあるので、特に高熱を伴う幼小児及び高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意する。
4.重篤な肝障害が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察する。特に連用する場合は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また、肝障害に先行して、あるいは同時に急激な意識障害が現れることがある。
5.慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮する。
1).慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行い、また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずる。
2).慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮する。
6.急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮する。
1).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、急性炎症、疼痛及び発熱の程度を考慮し、投与する。
2).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避ける。
3).急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行う。
7.感染症を不顕性化する恐れがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分行い慎重に投与する。
8.他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
9.高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与する。
10.本剤投与中に眠気、眩暈、霧視を訴える患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意する。
本剤は主に代謝酵素CYP2C9で代謝される。
1.併用禁忌:トリアムテレン<トリテレン>[急性腎不全が現れたとの報告がある(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、トリアムテレンの腎障害を増大すると考えられる)]。
2.併用注意:
1).CYP2C9を阻害する薬剤(ボリコナゾール等)[本剤のCmaxとAUCが増加することがある(これらの薬剤は本剤の代謝酵素であるCYP2C9を阻害する)]。
2).ニューキノロン系抗菌剤(エノキサシン等)[痙攣を起こす恐れがあるので、痙攣が発現した場合には、気道を確保し、ジアゼパムの静注等を行う(ニューキノロン系抗菌剤が脳内の抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体結合を濃度依存的に阻害し、ある種の非ステロイド性抗炎症剤との共存下ではその阻害作用が増強されることが動物で報告されている)]。
3).リチウム、強心配糖体(ジゴキシン等)、メトトレキサート[これらの薬剤の血中濃度を高めその作用を増強することがあるので、必要に応じて、これらの薬剤の用量を調節する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の腎クリアランスが低下するためと考えられる)]。
4).アスピリン:
(1).アスピリン[相互に作用が減弱されることがある(アスピリンは本剤の血漿蛋白結合を減少させ、血漿クリアランスを増加させることにより、その血中濃度を減少させ、逆に、本剤により、アスピリンの尿中排泄量が増加するとの報告がある)]。
(2).アスピリン[消化器系の副作用を増強させる恐れがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる恐れがある)]。
5).非ステロイド性消炎鎮痛剤[相互に胃腸障害等が増強されることがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる恐れがある)]。
6).副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)[相互に副作用<特に胃腸障害等>が増強されることがある(両剤とも消化管の障害作用を持つため、併用した場合その影響が大きくなる)]。
7).降圧剤:
(1).降圧剤(β−遮断剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤等)[これらの薬剤の降圧作用を減弱することがあるので、用量に注意する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の血圧低下作用を減弱する恐れがある)]。
(2).降圧剤(β−遮断剤、ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤等)[腎機能を悪化させる恐れがある(プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる<危険因子>高齢者)]。
8).利尿剤(ヒドロクロロチアジド、フロセミド等)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあるので、血圧、利尿効果を観察し、必要に応じてこれらの薬剤の増量を考慮する(本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、これらの薬剤の利尿効果を減弱する恐れがある)]。
9).カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、カンレノ酸)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあり、また、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現する恐れがある(プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害)]。
10).抗アルドステロン剤(エプレレノン)[これらの薬剤の作用を減弱させることがあり、また、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現する恐れがある(プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害)]。
11).抗凝血剤及び抗血小板薬(ワルファリン、レビパリン、クロピドグレル、エノキサパリン等)[出血の危険性が増大するとの報告があるので、血液凝固能検査等出血管理を十分に行う(本剤の血小板機能阻害作用とこれらの薬剤の作用により、出血の危険性が増大する)]。
12).シクロスポリン:
(1).シクロスポリン[シクロスポリンによる腎障害を増強するとの報告があるので、腎機能を定期的にモニターしながら慎重に投与する(機序は十分解明されていないが、本剤はシクロスポリンによる腎障害に対して保護的な作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、腎障害を増大すると考えられる)]。
(2).シクロスポリン[高カリウム血症が現れる恐れがあるので、血清カリウム値に注意する(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
13).ドロスピレノン・エチニルエストラジオール[高カリウム血症が現れる恐れがあるので、血清カリウム値に注意する(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。
14).コレスチラミン<経口>[本剤の血中濃度が低下する恐れがあるので、コレスチラミンによる吸収阻害を避けるため、コレスチラミン投与前4時間若しくは投与後4〜6時間以上、又は可能な限り間隔をあけて慎重に投与する(コレスチラミンは陰イオン交換樹脂であり、消化管内で胆汁酸、陰イオン性物質や酸性物質等と結合してその吸収を遅延・抑制させる)]。
15).選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミン、パロキセチン)[消化管出血が現れることがあるので、注意して投与する(これらの薬剤の投与により血小板凝集が阻害され、併用により出血傾向が増強すると考えられる)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、副作用が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠中の投与で、胎児に動脈管収縮・動脈管閉鎖、徐脈、羊水過少が起きたとの報告があり、胎児死亡例も報告されている。また、分娩に近い時期での投与で、胎児循環持続症(PFC)、動脈管開存、新生児肺高血圧、乏尿が起きたとの報告があり、新生児死亡例も報告されている]。
2.子宮収縮を抑制することがある。
3.本剤投与中は授乳を避けさせる[母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
1.ウイルス性疾患の小児(水痘の小児、インフルエンザの小児等)の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する。
2.新生児及び乳児は、一般に体温調節機構が不完全なため、本剤の投与により過度の体温下降を起こす可能性があるので、新生児及び乳児には、過度の体温上昇等やむを得ない場合にのみ投与する。
1.徴候・症状:過量投与に関する情報は少なく、典型的な臨床症状は確立していない。
2.処置:非ステロイド性消炎鎮痛剤による過量投与時には、通常次のような処置が行われる;低血圧、腎不全、痙攣、胃腸障害、呼吸抑制等に対しては支持療法及び対症療法を行う。蛋白結合率が高いため、過量投与時、強制利尿、血液透析等は、ジクロフェナクの除去にはそれほど有用ではないと考えられる。
(適用上の注意)
使用時:
1.直腸投与による外用にのみ使用する。
2.本剤はできるだけ排便後に投与する。
1.安定性試験:ジクロフェナクNa坐剤12.5mg「ツルハラ」、及びジクロフェナクNa坐剤25mg「ツルハラ」の最終包装製品を承認の貯蔵方法である冷所で5年間保存した場合、性状、確認試験、溶融試験、定量試験の結果はいずれも規格内であり、5年間安定であることが確認された。
2.坐剤のとり出し方:
1).切れ目を利用してまずコンテナーを添付文書の図1のように切りはなす。
2).添付文書の図2の上部の合せ目を矢印の如くはぎ破り坐剤をとり出す。
3.使用方法:この坐剤は肛門内に挿入するものであり、内服するものではない。
4.本剤は冷所(冷蔵庫など)に保管する。もし、軟化して使用困難な場合には、コンテナーのまま坐剤の先端を下向きに垂直に立て、冷水或は冷蔵庫などで冷やし、硬くしてから用いる。
5.小児の手の届かないところに保存する。
1.インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した患者(主としてインフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した小児)のうち、ジクロフェナクナトリウムを投与された例で予後不良例が多いとする報告がある。
2.インフルエンザ脳炎・脳症例の病理学的検討において脳血管の損傷が認められるとの報告があり、また、ジクロフェナクナトリウムは血管内皮修復に関与するシクロオキシゲナーゼ活性の抑制作用が強いとの報告がある。
3.外国において、肝性ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発する恐れがあるとの報告がある。
4.非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
冷所保存。
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