薬効分類 | ペニシリン系抗生物質 |
一般名 | アモキシシリン水和物細粒 |
薬価 | 8.9円 |
メーカー | サンドファーマ |
最終更新 | 2022年11月改訂(第23版) |
1.ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症:
1).成人:アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3〜4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2).小児:アモキシシリン水和物として、通常1日20〜40mg(力価)/kgを3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量として最大90mg(力価)/kgを超えない。
2.胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症:
1).胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症のアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合:通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。但し、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
2).胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症のアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合:通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びラベプラゾールナトリウムとして1回10mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。但し、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる。
2.高度腎障害のある患者には、投与量を減らすか、投与間隔をあけて投与するなど慎重に投与する。
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、糜爛・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(前立腺炎<急性症>、前立腺炎<慢性症>)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与する。
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマ。
[ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]
カプセル、細粒による承認時及び1977年12月までの副作用頻度調査において、19,052例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は997例(発現率5.2%)で、1,245件であった。主な副作用は胃腸障害898件(4.7%)、発疹等の皮膚症状281件(1.5%)、口内炎・舌炎等15件(0.08%)等であった。
[胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]
1.アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合:承認時までに行われた試験では430例中217例(50.5%)に、市販後の使用成績調査では3,491例中318例(9.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。また、外国で行われた試験では548例中179例(32.7%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている(再審査終了時)。
2.アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合:承認時までに国内で行われた試験では508例中205例(40.4%)に、市販後の使用成績調査では3,789例中166例(4.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている(再審査終了時)。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).アレルギー反応に伴う急性冠症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚紅斑・皮膚水疱や粘膜紅斑・粘膜水疱、膿疱、皮膚緊張感・皮膚灼熱感・皮膚疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).顆粒球減少、血小板減少が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5).黄疸又はAST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
6).急性腎障害等の重篤な腎障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
7).偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎が現れることがあるので、腹痛、頻回の下痢が現れた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
8).間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施し、間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
9).項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症:次記のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行う。
(1).過敏症(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1〜5%未満)発疹、(0.1%未満)そう痒、発熱[投与を中止する]。
(2).血液(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1%未満)好酸球増多。
(3).消化器(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1〜5%未満)食欲不振、下痢、悪心・嘔吐、腹痛、消化不良、(頻度不明)黒毛舌。
(4).菌交代症(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1%未満)口内炎、カンジダ症。
(5).ビタミン欠乏症(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(頻度不明)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
(6).その他(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1%未満)頭痛、眩暈、耳鳴、(頻度不明)梅毒患者の場合;ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(発熱、全身倦怠感、頭痛等の発現、病変部悪化)。
2).胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症:次記のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う(発現頻度は、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用除菌治療の承認時までの成績に基づいている)。
(1).過敏症:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1〜5%未満)発疹、(1%未満)そう痒[投与を中止する]。
(2).精神神経系:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1%未満)頭痛、しびれ感、眠気、眩暈、不眠、うつ状態。
(3).消化器:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(5%以上)下痢(14.0%)、軟便(11.8%)、(1〜5%未満)味覚異常、腹部膨満感、腹痛、便秘、(1%未満)悪心、口内炎、口渇、舌炎、胸やけ、胃食道逆流、嘔吐、食欲不振、(ヘリコバクター・ピロリ感染症の場合)(頻度不明)黒毛舌。
(4).血液:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1〜5%未満)好中球減少、好酸球増多、貧血、(1%未満)白血球増多[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(5).肝臓:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、LDH上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇、(1%未満)ビリルビン上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(6).その他:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1〜5%未満)トリグリセリド上昇、尿蛋白陽性、総コレステロール上昇・総コレステロール低下、尿糖陽性、膣モニリア症、(1%未満)尿酸上昇、倦怠感、熱感、浮腫、動悸、血圧上昇。
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.伝染性単核症のある患者[発疹の発現頻度を高める恐れがある]。
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
1.セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
3.高度腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある]。
4.高齢者。
5.経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状が現れることがある]。
(重要な基本的注意)
1.ショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法はないが、事前にショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認する)。
2.本剤を胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる際には、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意事項を必ず確認する。
併用注意:
1.ワルファリンカリウム[ワルファリンカリウムの作用が増強される恐れがある(腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある)]。
2.経口避妊薬[経口避妊薬の効果が減弱する恐れがある(腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる)]。
3.プロベネシド[本剤の血中濃度を増加させる(本剤の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている)]。
(高齢者への投与)
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
2.高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向が現れることがある。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、また、臍帯血、羊水へ移行することが報告されている(なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg/日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性増強とともに胎仔発育抑制増強が認められている)。また、ラットにアモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)、クラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)及びラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態悪化が認められている]。
2.授乳中の婦人に投与する場合には授乳を避けさせることが望ましい[母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
1.ラットにアモキシシリン水和物(2000mg/kg/日)、ランソプラゾール(15mg/kg/日以上)を4週間併用経口投与した試験、及びイヌにアモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、ランソプラゾール(100mg/kg/日)、クラリスロマイシン(25mg/kg/日)を4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
2.ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意:ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質の服用中や投与終了直後では、13C−尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C−尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週間以降の時点で実施することが望ましい。
防湿。
薬効分類 | ペニシリン系抗生物質 |
一般名 | アモキシシリン水和物細粒 |
薬価 | 8.9円 |
メーカー | サンドファーマ |
最終更新 | 2022年11月改訂(第23版) |
1.ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症:
1).成人:アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3〜4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2).小児:アモキシシリン水和物として、通常1日20〜40mg(力価)/kgを3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量として最大90mg(力価)/kgを超えない。
2.胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症:
1).胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症のアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合:通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。但し、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
2).胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症のアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合:通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びラベプラゾールナトリウムとして1回10mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。但し、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる。
2.高度腎障害のある患者には、投与量を減らすか、投与間隔をあけて投与するなど慎重に投与する。
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、糜爛・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(前立腺炎<急性症>、前立腺炎<慢性症>)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与する。
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマ。
[ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]
カプセル、細粒による承認時及び1977年12月までの副作用頻度調査において、19,052例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は997例(発現率5.2%)で、1,245件であった。主な副作用は胃腸障害898件(4.7%)、発疹等の皮膚症状281件(1.5%)、口内炎・舌炎等15件(0.08%)等であった。
[胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]
1.アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合:承認時までに行われた試験では430例中217例(50.5%)に、市販後の使用成績調査では3,491例中318例(9.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。また、外国で行われた試験では548例中179例(32.7%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている(再審査終了時)。
2.アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合:承認時までに国内で行われた試験では508例中205例(40.4%)に、市販後の使用成績調査では3,789例中166例(4.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている(再審査終了時)。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).アレルギー反応に伴う急性冠症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚紅斑・皮膚水疱や粘膜紅斑・粘膜水疱、膿疱、皮膚緊張感・皮膚灼熱感・皮膚疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).顆粒球減少、血小板減少が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5).黄疸又はAST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
6).急性腎障害等の重篤な腎障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
7).偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎が現れることがあるので、腹痛、頻回の下痢が現れた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
8).間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施し、間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
9).項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症:次記のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行う。
(1).過敏症(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1〜5%未満)発疹、(0.1%未満)そう痒、発熱[投与を中止する]。
(2).血液(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1%未満)好酸球増多。
(3).消化器(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1〜5%未満)食欲不振、下痢、悪心・嘔吐、腹痛、消化不良、(頻度不明)黒毛舌。
(4).菌交代症(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1%未満)口内炎、カンジダ症。
(5).ビタミン欠乏症(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(頻度不明)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
(6).その他(ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合):(0.1%未満)頭痛、眩暈、耳鳴、(頻度不明)梅毒患者の場合;ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(発熱、全身倦怠感、頭痛等の発現、病変部悪化)。
2).胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症:次記のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う(発現頻度は、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用除菌治療の承認時までの成績に基づいている)。
(1).過敏症:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1〜5%未満)発疹、(1%未満)そう痒[投与を中止する]。
(2).精神神経系:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1%未満)頭痛、しびれ感、眠気、眩暈、不眠、うつ状態。
(3).消化器:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(5%以上)下痢(14.0%)、軟便(11.8%)、(1〜5%未満)味覚異常、腹部膨満感、腹痛、便秘、(1%未満)悪心、口内炎、口渇、舌炎、胸やけ、胃食道逆流、嘔吐、食欲不振、(ヘリコバクター・ピロリ感染症の場合)(頻度不明)黒毛舌。
(4).血液:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1〜5%未満)好中球減少、好酸球増多、貧血、(1%未満)白血球増多[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(5).肝臓:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、LDH上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇、(1%未満)ビリルビン上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(6).その他:(ヘリコバクター・ピロリ感染症でアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用の場合)(1〜5%未満)トリグリセリド上昇、尿蛋白陽性、総コレステロール上昇・総コレステロール低下、尿糖陽性、膣モニリア症、(1%未満)尿酸上昇、倦怠感、熱感、浮腫、動悸、血圧上昇。
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.伝染性単核症のある患者[発疹の発現頻度を高める恐れがある]。
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
1.セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
3.高度腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある]。
4.高齢者。
5.経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状が現れることがある]。
(重要な基本的注意)
1.ショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法はないが、事前にショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認する)。
2.本剤を胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる際には、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意事項を必ず確認する。
併用注意:
1.ワルファリンカリウム[ワルファリンカリウムの作用が増強される恐れがある(腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある)]。
2.経口避妊薬[経口避妊薬の効果が減弱する恐れがある(腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる)]。
3.プロベネシド[本剤の血中濃度を増加させる(本剤の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている)]。
(高齢者への投与)
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
2.高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向が現れることがある。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、また、臍帯血、羊水へ移行することが報告されている(なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg/日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性増強とともに胎仔発育抑制増強が認められている)。また、ラットにアモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)、クラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)及びラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態悪化が認められている]。
2.授乳中の婦人に投与する場合には授乳を避けさせることが望ましい[母乳中へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
1.ラットにアモキシシリン水和物(2000mg/kg/日)、ランソプラゾール(15mg/kg/日以上)を4週間併用経口投与した試験、及びイヌにアモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、ランソプラゾール(100mg/kg/日)、クラリスロマイシン(25mg/kg/日)を4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
2.ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意:ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質の服用中や投与終了直後では、13C−尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C−尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週間以降の時点で実施することが望ましい。
防湿。
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