薬効分類 | 抗悪性腫瘍薬 > 抗CD38モノクローナル抗体 |
一般名 | イサツキシマブ (遺伝子組換え) 注射液 |
薬価 | 60364円 |
メーカー | サノフィ |
最終更新 | 2025年02月改訂(第4版) 添付文書のPDFはこちら |
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、次のA法又はB法の投与間隔で点滴静注する。デキサメタゾンのみとの併用投与又は単独投与の場合(再発又は難治性の場合に限る)、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回20mg/kgを、次のA法の投与間隔で点滴静注する。
A法:1週間間隔、2週間間隔の順で投与する。
B法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤の投与間隔、投与間隔の変更時期、本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等の投与に際しては、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること〔17.1.1−17.1.3、17.1.5参照〕。
7.2. 本剤投与によるInfusion reactionを軽減させるために、本剤投与開始15〜60分前に、本剤と併用するデキサメタゾン(本剤単独投与の場合はデキサメタゾン以外の副腎皮質ホルモン剤)、抗ヒスタミン剤、H2受容体拮抗剤及び解熱鎮痛剤を投与すること〔11.1.1参照〕。
7.3. 本剤の必要量を10mg/kg投与時は250mL、20mg/kg投与時は二つの250mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液を用いて輸液バッグに希釈後、次の投与速度に従って点滴静注する。Infusion reactionが認められなかった場合には、患者の状態を観察しながら、投与速度を次のように段階的に上げることができる。ただし、投与速度は200mL/時を超えないこと〔14.1.3参照〕。
[本剤の投与速度]
1). 初回投与(初回投与:静脈内投与60分後までにInfusion reactionが認められなかった場合、以降は30分ごとに25mL/時ずつ、最大150mL/時まで投与速度を上げることができる):希釈液量250mL・250mL×2:
@. 投与開始0〜60分の投与速度:25mL/時。
A. 投与開始60〜90分の投与速度:50mL/時。
B. 投与開始90〜120分の投与速度:75mL/時。
C. 投与開始120〜150分の投与速度:100mL/時。
D. 投与開始150〜180分の投与速度:125mL/時。
E. 投与開始180分以降の投与速度:150mL/時。
2). 2回目投与(2回目投与:静脈内投与30分後までにGrade2のInfusion reactionが認められなかった場合、100mL/時に投与速度を上げ、さらに30分後には200mL/時に投与速度を上げることができる):
@. 希釈液量250mL:
a. 投与開始0〜30分の投与速度:50mL/時。
b. 投与開始30〜60分の投与速度:100mL/時。
c. 投与開始60〜120分の投与速度:200mL/時。
A. 希釈液量250mL×2:
a. 投与開始0〜30分の投与速度:50mL/時。
b. 投与開始30〜60分の投与速度:100mL/時。
c. 投与開始60分以降の投与速度:200mL/時。
3). 3回目投与以降:
@. 希釈液量250mL:投与開始0〜90分の投与速度:200mL/時。
A. 希釈液量250mL×2:投与開始0〜150分の投与速度:200mL/時。
7.4. Infusion reactionが発現した場合、次のように、本剤の休薬、中止、投与速度の変更等、適切な処置を行うこと〔11.1.1参照〕。
・ Grade2のInfusion reaction:Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、投与開始速度の半分の投与速度(初回投与では12.5mL/時、2回目投与では25mL/時、3回目投与以降は100mL/時)で患者の状態を観察しながら、投与を再開することができる(投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合には、次に従って投与速度を上げることができる)[本剤の投与再開時の投与速度:1)初回投与:投与再開0〜30分の投与速度12.5mL/時、投与再開30〜60分の投与速度25mL/時、投与再開60分以降の投与速度50〜150mL/時(初回投与:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、25mL/時に投与速度を上げ、以降は30分ごとに25mL/時ずつ、最大150mL/時まで投与速度を上げることができる)、2)2回目投与:投与再開0〜30分の投与速度25mL/時、投与再開30〜60分の投与速度50mL/時、投与再開60分以降の投与速度100〜200mL/時(2回目投与:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、50mL/時に投与速度を上げ、以降は30分ごとに50mL/時ずつ、最大200mL/時まで投与速度を上げることができる)、3)3回目投与以降:投与再開0〜30分の投与速度100mL/時、投与再開30〜60分の投与速度150mL/時、投与再開60分以降の投与速度200mL/時(3回目投与以降:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、150mL/時に投与速度を上げ、さらに30分後には200mL/時に投与速度を上げることができる)]。
・ Grade3以上のInfusion reaction:本剤の投与を中止し、本剤を再投与しないこと。
7.5. Grade3の好中球減少又はGrade4の好中球減少が発現した場合、好中球数が1000/mm3以上に回復するまで休薬すること〔11.1.2参照〕。
GradeはNCI−CTCAE v4.03に準じる。
多発性骨髄腫。
(効能又は効果に関連する注意)
臨床試験に組み入れられた患者の状態等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。また、再発又は難治性の多発性骨髄腫の場合、デキサメタゾンとの併用による投与及び本剤単独投与については、他の治療の実施についても慎重に検討すること〔17.1.1−17.1.5参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. Infusion reaction:アナフィラキシー、呼吸困難、咳嗽、悪寒、気管支痙攣、鼻閉、高血圧、嘔吐、悪心等のInfusion reaction(35.4%)があらわれることがあり、多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められているので、異常が認められた場合は、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔7.2、7.4参照〕。
11.1.2. 骨髄抑制:好中球減少症(21.3%)、血小板減少症(8.0%)、発熱性好中球減少症(2.9%)、貧血(3.0%)、リンパ球減少症(0.4%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔7.5、8.1参照〕。
11.1.3. 感染症(35.4%):肺炎(12.4%)、敗血症(1.4%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神障害:(10%以上)不眠症。
2). 神経系障害:(10%以上)末梢性感覚ニューロパチー。
3). 血管障害:(10%未満5%以上)高血圧。
4). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(10%未満5%以上)呼吸困難、(5%未満)咳嗽。
5). 胃腸障害:(10%以上)下痢、便秘、(10%未満5%以上)悪心、(5%未満)嘔吐。
6). 筋骨格系および結合組織障害:(5%未満)背部痛。
7). 一般・全身障害および投与部位の状態:(10%以上)疲労、(10%未満5%以上)末梢性浮腫、無力症。
8). 眼障害:(10%以上)白内障。
9). 感染症および寄生虫症:(10%未満5%以上)気管支炎、上気道感染、(5%未満)COVID−19感染。
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.2参照〕。
8.2. 本剤は、赤血球上に発現しているCD38と結合し、間接クームス試験の結果が偽陽性となる可能性があるため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査を実施し、輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接クームス試験への干渉について関係者に周知すること(なお、間接クームス試験干渉は本剤最終投与から約6ヵ月持続する可能性がある)〔12.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られており、また、CD38遺伝子欠損マウスで免疫系に対する影響及び骨に対する影響が報告されており、本剤の妊娠中の曝露により胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
12.1. 本剤は赤血球上のCD38と結合し、抗体スクリーニングや交差試験等の適合性試験に干渉する。本剤による間接クームス試験への干渉を回避するためにジチオスレイトール(DTT)処理(本剤と赤血球上のCD38との結合を阻害する)を考慮すること。なお、Kell血液型抗原はDTT処理で変性するので、不規則抗体スクリーニングにおいてKell血液型抗原に対する抗体の評価が不能となることに注意すること〔8.2参照〕。
12.2. 本剤はIgGκ型モノクローナル抗体であり、血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び血清免疫固定法の結果に干渉する可能性があり、IgGκ型多発性骨髄腫細胞を有する患者における完全奏効(CR)の評価及びCRからの再発の評価に影響を及ぼす可能性があるため注意すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤は無菌的に希釈調製を行うこと。
14.1.2. 調製前にバイアル内を目視検査し、溶液(通常は無色〜微黄色)に変色あるいは異物が認められた場合は使用しないこと。
14.1.3. 250mLの日局生理食塩液又は5%ブドウ糖液の点滴バッグから本剤の必要量(mL)と同量を抜き取り、本剤を加えて総量250mLの希釈液(20mg/kg投与時は総量250mLの希釈液を二つ)を調製する〔7.3参照〕。
14.1.4. 点滴バッグはポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)製、DEHP[di−(2−ethylhexyl)phthalate]を含むポリ塩化ビニル製あるいはエチレン−酢酸ビニル製を使用すること[DEHP:フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)]。
14.1.5. 点滴バッグを反転させて希釈液を穏やかに混和する(振盪しないこと)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 本剤の希釈液を投与する際は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン又はナイロン製のインラインフィルター(孔径:0.2又は0.22μm)を用いて投与すること。また、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル(DEHPの有無は問わない)又はポリエチレン製の投与セットを用いること。
14.2.2. 本剤の希釈液は、ただちに使用しない場合は2〜8℃で保管し、48時間以内に使用すること(その後、室温では8時間以内(本剤の点滴時間を含む)に使用すること)。
14.2.3. 他の薬剤<日局生理食塩液又は5%ブドウ糖液を除く>と同じ静注ラインにて同時注入は行わないこと。
14.2.4. 本剤の未使用残液は適切に廃棄すること。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 未治療の多発性骨髄腫患者を対象とした国際共同第3相試験(EFC12522試験、国際共同試験パート及び中国拡大コホート)において、25/275例(9.1%)に抗イサツキシマブ抗体が認められ、15/275例(5.5%)に抗イサツキシマブ中和抗体が認められた。抗イサツキシマブ抗体及び中和抗体陽性例では陰性例と比較して本剤の血漿中濃度低下する傾向が認められた。
15.1.2. 臨床試験において、皮膚有棘細胞癌、乳房血管肉腫、骨髄異形成症候群等の二次性悪性腫瘍が発現したとの報告がある。
(保管上の注意)
2〜8℃で保存。
薬効分類 | 抗悪性腫瘍薬 > 抗CD38モノクローナル抗体 |
一般名 | イサツキシマブ (遺伝子組換え) 注射液 |
薬価 | 60364円 |
メーカー | サノフィ |
最終更新 | 2025年02月改訂(第4版) 添付文書のPDFはこちら |
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、次のA法又はB法の投与間隔で点滴静注する。デキサメタゾンのみとの併用投与又は単独投与の場合(再発又は難治性の場合に限る)、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回20mg/kgを、次のA法の投与間隔で点滴静注する。
A法:1週間間隔、2週間間隔の順で投与する。
B法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤の投与間隔、投与間隔の変更時期、本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等の投与に際しては、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること〔17.1.1−17.1.3、17.1.5参照〕。
7.2. 本剤投与によるInfusion reactionを軽減させるために、本剤投与開始15〜60分前に、本剤と併用するデキサメタゾン(本剤単独投与の場合はデキサメタゾン以外の副腎皮質ホルモン剤)、抗ヒスタミン剤、H2受容体拮抗剤及び解熱鎮痛剤を投与すること〔11.1.1参照〕。
7.3. 本剤の必要量を10mg/kg投与時は250mL、20mg/kg投与時は二つの250mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液を用いて輸液バッグに希釈後、次の投与速度に従って点滴静注する。Infusion reactionが認められなかった場合には、患者の状態を観察しながら、投与速度を次のように段階的に上げることができる。ただし、投与速度は200mL/時を超えないこと〔14.1.3参照〕。
[本剤の投与速度]
1). 初回投与(初回投与:静脈内投与60分後までにInfusion reactionが認められなかった場合、以降は30分ごとに25mL/時ずつ、最大150mL/時まで投与速度を上げることができる):希釈液量250mL・250mL×2:
@. 投与開始0〜60分の投与速度:25mL/時。
A. 投与開始60〜90分の投与速度:50mL/時。
B. 投与開始90〜120分の投与速度:75mL/時。
C. 投与開始120〜150分の投与速度:100mL/時。
D. 投与開始150〜180分の投与速度:125mL/時。
E. 投与開始180分以降の投与速度:150mL/時。
2). 2回目投与(2回目投与:静脈内投与30分後までにGrade2のInfusion reactionが認められなかった場合、100mL/時に投与速度を上げ、さらに30分後には200mL/時に投与速度を上げることができる):
@. 希釈液量250mL:
a. 投与開始0〜30分の投与速度:50mL/時。
b. 投与開始30〜60分の投与速度:100mL/時。
c. 投与開始60〜120分の投与速度:200mL/時。
A. 希釈液量250mL×2:
a. 投与開始0〜30分の投与速度:50mL/時。
b. 投与開始30〜60分の投与速度:100mL/時。
c. 投与開始60分以降の投与速度:200mL/時。
3). 3回目投与以降:
@. 希釈液量250mL:投与開始0〜90分の投与速度:200mL/時。
A. 希釈液量250mL×2:投与開始0〜150分の投与速度:200mL/時。
7.4. Infusion reactionが発現した場合、次のように、本剤の休薬、中止、投与速度の変更等、適切な処置を行うこと〔11.1.1参照〕。
・ Grade2のInfusion reaction:Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後、投与開始速度の半分の投与速度(初回投与では12.5mL/時、2回目投与では25mL/時、3回目投与以降は100mL/時)で患者の状態を観察しながら、投与を再開することができる(投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合には、次に従って投与速度を上げることができる)[本剤の投与再開時の投与速度:1)初回投与:投与再開0〜30分の投与速度12.5mL/時、投与再開30〜60分の投与速度25mL/時、投与再開60分以降の投与速度50〜150mL/時(初回投与:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、25mL/時に投与速度を上げ、以降は30分ごとに25mL/時ずつ、最大150mL/時まで投与速度を上げることができる)、2)2回目投与:投与再開0〜30分の投与速度25mL/時、投与再開30〜60分の投与速度50mL/時、投与再開60分以降の投与速度100〜200mL/時(2回目投与:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、50mL/時に投与速度を上げ、以降は30分ごとに50mL/時ずつ、最大200mL/時まで投与速度を上げることができる)、3)3回目投与以降:投与再開0〜30分の投与速度100mL/時、投与再開30〜60分の投与速度150mL/時、投与再開60分以降の投与速度200mL/時(3回目投与以降:投与再開30分後までにInfusion reactionの再発が認められなかった場合、150mL/時に投与速度を上げ、さらに30分後には200mL/時に投与速度を上げることができる)]。
・ Grade3以上のInfusion reaction:本剤の投与を中止し、本剤を再投与しないこと。
7.5. Grade3の好中球減少又はGrade4の好中球減少が発現した場合、好中球数が1000/mm3以上に回復するまで休薬すること〔11.1.2参照〕。
GradeはNCI−CTCAE v4.03に準じる。
多発性骨髄腫。
(効能又は効果に関連する注意)
臨床試験に組み入れられた患者の状態等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。また、再発又は難治性の多発性骨髄腫の場合、デキサメタゾンとの併用による投与及び本剤単独投与については、他の治療の実施についても慎重に検討すること〔17.1.1−17.1.5参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. Infusion reaction:アナフィラキシー、呼吸困難、咳嗽、悪寒、気管支痙攣、鼻閉、高血圧、嘔吐、悪心等のInfusion reaction(35.4%)があらわれることがあり、多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められているので、異常が認められた場合は、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔7.2、7.4参照〕。
11.1.2. 骨髄抑制:好中球減少症(21.3%)、血小板減少症(8.0%)、発熱性好中球減少症(2.9%)、貧血(3.0%)、リンパ球減少症(0.4%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔7.5、8.1参照〕。
11.1.3. 感染症(35.4%):肺炎(12.4%)、敗血症(1.4%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神障害:(10%以上)不眠症。
2). 神経系障害:(10%以上)末梢性感覚ニューロパチー。
3). 血管障害:(10%未満5%以上)高血圧。
4). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(10%未満5%以上)呼吸困難、(5%未満)咳嗽。
5). 胃腸障害:(10%以上)下痢、便秘、(10%未満5%以上)悪心、(5%未満)嘔吐。
6). 筋骨格系および結合組織障害:(5%未満)背部痛。
7). 一般・全身障害および投与部位の状態:(10%以上)疲労、(10%未満5%以上)末梢性浮腫、無力症。
8). 眼障害:(10%以上)白内障。
9). 感染症および寄生虫症:(10%未満5%以上)気管支炎、上気道感染、(5%未満)COVID−19感染。
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.2参照〕。
8.2. 本剤は、赤血球上に発現しているCD38と結合し、間接クームス試験の結果が偽陽性となる可能性があるため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査を実施し、輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接クームス試験への干渉について関係者に周知すること(なお、間接クームス試験干渉は本剤最終投与から約6ヵ月持続する可能性がある)〔12.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られており、また、CD38遺伝子欠損マウスで免疫系に対する影響及び骨に対する影響が報告されており、本剤の妊娠中の曝露により胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
12.1. 本剤は赤血球上のCD38と結合し、抗体スクリーニングや交差試験等の適合性試験に干渉する。本剤による間接クームス試験への干渉を回避するためにジチオスレイトール(DTT)処理(本剤と赤血球上のCD38との結合を阻害する)を考慮すること。なお、Kell血液型抗原はDTT処理で変性するので、不規則抗体スクリーニングにおいてKell血液型抗原に対する抗体の評価が不能となることに注意すること〔8.2参照〕。
12.2. 本剤はIgGκ型モノクローナル抗体であり、血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び血清免疫固定法の結果に干渉する可能性があり、IgGκ型多発性骨髄腫細胞を有する患者における完全奏効(CR)の評価及びCRからの再発の評価に影響を及ぼす可能性があるため注意すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤は無菌的に希釈調製を行うこと。
14.1.2. 調製前にバイアル内を目視検査し、溶液(通常は無色〜微黄色)に変色あるいは異物が認められた場合は使用しないこと。
14.1.3. 250mLの日局生理食塩液又は5%ブドウ糖液の点滴バッグから本剤の必要量(mL)と同量を抜き取り、本剤を加えて総量250mLの希釈液(20mg/kg投与時は総量250mLの希釈液を二つ)を調製する〔7.3参照〕。
14.1.4. 点滴バッグはポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)製、DEHP[di−(2−ethylhexyl)phthalate]を含むポリ塩化ビニル製あるいはエチレン−酢酸ビニル製を使用すること[DEHP:フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)]。
14.1.5. 点滴バッグを反転させて希釈液を穏やかに混和する(振盪しないこと)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 本剤の希釈液を投与する際は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン又はナイロン製のインラインフィルター(孔径:0.2又は0.22μm)を用いて投与すること。また、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル(DEHPの有無は問わない)又はポリエチレン製の投与セットを用いること。
14.2.2. 本剤の希釈液は、ただちに使用しない場合は2〜8℃で保管し、48時間以内に使用すること(その後、室温では8時間以内(本剤の点滴時間を含む)に使用すること)。
14.2.3. 他の薬剤<日局生理食塩液又は5%ブドウ糖液を除く>と同じ静注ラインにて同時注入は行わないこと。
14.2.4. 本剤の未使用残液は適切に廃棄すること。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 未治療の多発性骨髄腫患者を対象とした国際共同第3相試験(EFC12522試験、国際共同試験パート及び中国拡大コホート)において、25/275例(9.1%)に抗イサツキシマブ抗体が認められ、15/275例(5.5%)に抗イサツキシマブ中和抗体が認められた。抗イサツキシマブ抗体及び中和抗体陽性例では陰性例と比較して本剤の血漿中濃度低下する傾向が認められた。
15.1.2. 臨床試験において、皮膚有棘細胞癌、乳房血管肉腫、骨髄異形成症候群等の二次性悪性腫瘍が発現したとの報告がある。
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